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最初にアイツと接触したとき、俺ははっきり言ってこのステーションから廃棄すべきだと考えていた。
理由は単純に、お嬢様へ尋常ではない気配を向けていたからだ。
敵意ではないだろう。だが、人に害をなす行動だった
あれは悪でも、善でもない。
純粋そのものだ。生まれたての子供の意識を、戦闘用のロボットに入れたような
そして、″存在″を否定している。
共に消える誰かを、探している
だから手を伸ばしたのだろう、コンタクトを取ったお嬢様に。
なんとかして、お嬢様を説得し……アイツをここから追い出さないと。
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俺の意思はともかくとして、アイツは名前を付けられた。
アイマ。
お嬢様が寝起きに思い付いた名前らしい。
アイツの部屋でそれを伝えたが、そうかと一言呟いて心底どうでもよさそうだった
やはり、アイツは危険だ
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あろうことに、アイマはミスヘルタから武器を与えられた
パンクロード星にあった意思を弾丸とする装置、それに天才手ずから改造を加えた奇物。そんなものを持たせたらどうなるのか不安だったが、アイマとそれは何の反応も示さなかった
安心というか、拍子抜けというか
やはり、俺にコイツは分からない。
とりあえず、枕元にはお嬢様が育てた花を置いておいた。
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アイマが存在の消失を起こしかけていたらしい。
らしいというのは、先んじてミスヘルタが対応していたからだ
ステーション内のあらゆる資材を利用して薬剤を作り、大脳皮質を再現しているエネルギー部位に投与……と言っていたが、とにかくアイマは存在を継続した。
あの花を掴んでいなければ消えていたと聞いた。
もしかしたら──俺は彼を誤解していたのかもしれん、と考えた。
そういう感性があるのならば
それは死人とはきっと違うはずだ。
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彼が目覚めて四日目。
ステーション内の職員が隔離区画に興味を示していることを察知したミスヘルタが珍しく怒っていた。
理由は不明だ、天才の考えることを凡人が考えても仕方ない。
嗅ぎまわっていた職員は減給された。
同情する。
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アイマに歩行訓練を実施した。
最初は肩を掴むのもどこかすり抜けていくように脱力していたが、強引に持ち上げると痛いくらいに俺の腕を握りしめてきた
まるで、存在を望むように
それから2システム時間ほどでほぼ自立的に歩行を行えるようになった。
子供が自分で歩けるようになるのはなぜだろう。
親が歩く姿を見ているからだろうか?
或いは、人はみな知らずとも歩き出すのだろうか。
あの天才ならば、知ってるのかもしれない。
お嬢様はミスヘルタからの外出許可が出たのを嬉しそうにしていたが、彼はまだ知らなければならないことを知らない。
話はそれからだ。
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あいつは本当に何も知らなかった。
だから俺とお嬢様で世界と星神について教えることにした。
特に興味を示していたのは、IXとヌースだ
IXから来たと言うのだから、それに興味を示すのは理解できる。
だが、アイマは知恵にもそれを見出した。
その理由が、どこかわかるような気がした
彼は探している、自分が存在する――――『理由、そして答え』を。
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お嬢様の休日は珍しく、その日は引きこもっていたり新しい星を探したりと決まっている。
だが、今日は普段とは違ってアイマのことを連れまわすらしい
俺も併せて休日を取らされていたから、仕方なく同行した
アイマはあらゆる物事に目線を向け、そして興味をなくした
これでは、本当に
底知れない恐怖を感じた。
だが、彼らは休まない人なのか?と問いかけられた時、コイツはやはり無垢なんだなと少し安心した。
お嬢様に言い訳を伝えてみたが、アイマはその答えが不服そうだった。
答えそのものよりも。
自己嫌悪に近い何かを、感じているのだろう。
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二日連続の休みは珍しい。
普段はお嬢様を守るのが俺の責務だが、今日は特にやることがない。
食堂からの帰り道、アイマを見かけた
フラフラとまるで頭をかき混ぜられたようなアイツを見て、なんだか人間らしさを見た。
みてくれは人間だったのを、忘れていた。
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労働力としての人員は足りているわけで、防衛力としてもアイマに参加してもらうことにした。
幸い、アイマは訓練自体は卒なくこなした。
疲れ知らず……とはまさにこのことだろう
疲れるという機能をなくした、と一瞬思ったが──やめておこう、あいつをそういう風に扱うのは
奇物から出てきたビームはターゲット用の備品を粉微塵……というより風化させた
つい、人には撃つなと言ってしまったが
コイツは「人に撃つものじゃないだろう」と呆れたような顔で返答してきた。
明日にはもっと厳しい訓練を仕入れてやろう。
あの仏頂面を歪ませてやろう。
写真にして、お嬢様と笑ってやる。
一緒に行った食堂ではニンジンを食べようとしなかったので無理やり食べさせた。
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お嬢様に伝えた。
アイマが、もういなくなったことを