長夜月(偽) 作:四末説最後の一つは均衡ってマジ?
オンパロス編ストーリー沿い二次創作増えろ増えろ……って思いながらこの作品投稿してましたけど、3.7のストーリーで一気にキツくなった感じありますね。
整合性とか何も考えずに好きにみんな書いてくれ!私は読みたいから!
33550337回目の輪廻における火追い同盟。
カイザー・ケリュドラを初めとし様々な部族などが集い、兵を出し合い作られた同盟の目的とは一貫してタイタンの征伐だ。
オロニクスの預言と神礼官の発言からオンパロスの天外には群星が広がっており、鉄墓という巨獣を用いて果ての星まで進軍出来るのだと彼等は信じている。
群星へと乗り出す為に必要なのは、まず内側を制圧すること。タイタンとその神跡を信仰するこの世界において、そのタイタン達を討伐しようとする野蛮人達が黄金裔だった。その中でもカイザーの野望はあまりに巨大で、一つの惑星に収まりきる程度では無かった。
同盟会議において、カイザーはファジェイナの討伐を宣言、そして天外からの救世主を紹介した。天外からの救世主の存在こそがオロニクスの預言が真実である事の証明であるとして、カイザー軍はまだ見ぬ群星へと思いを馳せる事になる。
会議の終了後、二人はカイザーとの交渉に入る。自分達には「法」の神権が必要な事を率直に伝え、カイザーの考えの一端を知る事になる。
この時カイザーは星ちゃんに、星神やタイタンの強力な力を使って何を成し、どうオンパロスを導くのかと問われたが、返した言葉は救うのには法の力が必要と言うものだった。救世主と言われても、具体的な方策を提示出来ない二人のことを、恐らくケリュドラは自らの計算の内に入れてないだろう。
端から誰も信じてはいないケリュドラに、救世主もライコスも「法」の力を貸す、ないしは託すだけのメリットを示せなかった。
「僕たちの旅も、こんな頑固な天幕に縛られている場合では無い」
しかし気まぐれな「海洋」のタイタンに創世の渦心へと通じる霊水を断たれ、半神になる道を閉ざされているようだ。現在ケリュドラは法の火種を返還出来ず、開拓者の提示する救世の道も実現が不可能だ。
とは言え、カイザーと共に海洋のタイタンを討伐する為の旅に出る権利を得る事が出来た。そして臭いから湯にでも浸かってこいと言われ、二人はバルネアに向かう事になった。
まあ、誘導だよね普通に考えて。いやまぁ臭いのは本当なんだろうけど。神託にあった救世主ではあるけれど、実際に話してその内面を多少は知り、後は泳がせて怪しい動きをするかどうかを見る為だろう。
「ねぇ長夜月、カイザーって前の輪廻でもあんな感じだったのかしら?」
「まぁ、僕こそが法であるって態度は変わらないね。ただ前回との違いは、向けられた視線があまりにも先にある事かな。世界の終焉に抗う為に再創世を求めていた前回は、あんな簡単に兵力を削らなかった」
勿論カイザーこそが法であり、彼女に不快感を与える存在は処罰されていた。しかし、襲い来る暗黒の潮に抗いながらタイタンの征伐、都市の守りなど考える事も多く、兵の運用にはより慎重だったと思える。そしてその考えこそが、法の半神の試練を突破出来なかった理由でもある。
今回の輪廻のカイザーは、圧力が少なく内から出る邪魔者も簡単に切り捨てられるから自軍を纏めるのがスムーズで、タイタンの討伐も彼女の打ち手としての能力を遺憾なく発揮出来る為何事もなく進むのなら、今回の輪廻は容易に再創世まで行けるだろう。もっとも、こちらでも半神となる為の試練がネックとなるのだが。
何せ、五百人もの黄金裔の命を捧げなければならないのだ。そこに含まれるのは当然カイザー軍を支える精鋭達だ。
「残念ながら、前回の輪廻では行方不明になっちゃったからそこまで詳しい訳じゃ無いけどね。指揮官としても統治者としても卓越してたのは間違いないし、私が暗黒の潮そのものだと気付いていた慧眼もあった。ただ人間性について知りたいなら……ヘレクトラ、お魚ちゃんに聞くべきだろうね」
「セイレンスの事? でも彼女に聞いても少ししか答えてくれなかったじゃない」
「そりゃ、忠臣が自らの主について軽々に口に出す訳無いしね。折角共に戦う許可を貰ったんだから、少しずつ信用を積み重ねていくしかないね」
カイザーは信用も信頼もしない。けれど、あげた功績に対してはしっかりと褒美を与える。
「タイタンの討伐がどれだけ大変かは前回の輪廻で知ってるだろうから分かると思うけど、如何に精強なカイザーの軍と言えど、どれだけの被害が出るかは――カイザーを除いて分からない。だから、そこで頑張れば……って所だね」
「結局そうなるのね。でも、救世の道も一歩からよ。頑張りましょう?」
「どんな敵が来ても、私のバットで一発だよ」
軍はタイタンの討伐に向け準備へと入り、士気を高める為の宴会を控える事になった。開拓者とキュレネの二人は識刻アンカーを利用して二人の天才と通信を行おうとしたが、しかし何処に行ってもカイザーの手の者が見張っており、様々な黄金裔達と会話をしながら前回の輪廻におけるプライベートルトロへと足を運んだ。キュレネは何かに気付いたようだが、恐らく前回の輪廻での癖か特にノックなどもせずに扉を開けてしまう星ちゃん。きっと常識が無いとかそういう訳では無いのだろうと信じたい。
そこに居たのはセイレンス。どうやらカイザーに謀反を企てる者達を処分した後らしく、その身についた血を洗い流していた。苦言を呈するアグライアがカイザーからの伝言を彼女に伝え、ようやく監視の目が無い状況を得て二人は通信を開始した。
流石はヘルタといった所か、こちら側がどのようになっているかは大体予測していたらしく、大した収穫もなく通信を終える事になる。
宴会の準備もどうやら終わったようで星ちゃんとキュレネの二人が啓蒙の玉座へとやってくれば、断鋒卿ラビエヌスに荷物の提出を求められ、キュレネの判断で識刻アンカーを含めた荷物を預ける。カイザーについて色々知りたい二人は宴会の中で楽しみつつ情報収集を続けていくことになる。
「ねぇ長夜月、カイザーは何処にいると思う?」
「あれ、そこで私に聞くんだ。そうだね……下手にカイザーの場所を探してますアピールはしない方が良いんじゃないかな?」
「あら、どうしてそう思うのかしら?」
「それについて今話すのは、後からの楽しみが『ふはははは! そういう事ですか!』うるさ……後からの楽しみが無くなるから言わないでおくよ」
「急にどうしたの? うるさい人なんて……まぁ宴会だから沢山いるけれど」
「なんでもないよ、気にしないで。それと暫く私は黙るから話しかけないでくれると嬉しいな」
取り敢えずキュレネとの会話を切り上げれば、二人は今まで通り宴会の中を移動しながら情報収集を再開した。
『ほう、カイザーは啓蒙の玉座で宴を開くのですか……実に良い心掛けですね。しかし、戦の前だけやるのは些か勿体無い。もし私が軍の参謀であれば、月に一回はここで宴を開いたでしょう』
『まぁ、意外と気は合いそうだよね。先生とカイザーは……それで、ようやく飲み込めたんだ?』
タイタンを敬う気持ちを失ったアナクサゴラスと、タイタンさえも自らの征途の標的でしか無いケリュドラ。タイプも考え方も似ていない二人ではあるが、このタイタン信仰が根付くどころか全人類に染み付いているオンパロスにおいては異端の二人だ。
まぁスタンスの違いはあるので、あくまで表面上は気が合いそうに見えるだけだ。
『ええ、中々突拍子も無い計画ですね。それに再現性も皆無、はっきり言えばゴミですね』
うーん辛口。まぁそれも当然だろう、何せただの思い付き、やれたらいいな位の心持ちなのだから。
元々私の最終目標とは本物の長夜月が見つからない様に目を引きつつ、派手にやられて退場する事だ。そうすれば三月なのかは長夜月によって守られ、長夜月が最後の再創世の為の準備を整えてくれる。そこからは開拓者とキュレネ、そして黄金裔達が戦いオンパロスは未来へと向かう。下手に手を出すよりも、見守った方が最善と言えるだろう。
けれど、本物の長夜月が現れた時、その時点で私の役割が終わるのならわざわざ消える必要が無いのも事実。そう考えた時、自らに何が出来るのか……そして何をしたいのか。その思考の果てに生まれた計画だった。
一応前回の輪廻において、仕込みはしておいた。だが出来るとは思えない夢物語だった――降臨者に認定されるまでは。
『どう? この盛大な博打……乗ってみる? まぁ、私の話を聞いた以上降りる事は許さないけどね』
『……はぁ、そうなると計画の修正や細かいところを詰めるのは全部私の仕事になりますね。特に、私がライコスの脳に寄生した後が大変です――自身の演算領域毎切り捨てられた私を、しっかりと拾えるんですか?』
『その時に、まだ私が存在してたらね』
何せ、ここから更に千年……しかも私が殆ど知らない物語の中を生きる事になる。魂が摩耗しないように、本体とは分けて保護しているとは言えど、発狂出来ず常に正気でいさせられるというのもかなりの拷問だ。
まぁ、カスライナがどれだけの時を願いを胸に歩み続けてきたかを考えれば、合計二千年なんて耐えてみせるべきなのだが。
むしろ余裕で耐えてみせてこその不変だろう。ならばやり遂げるだけだ。
『ですが懸念点もあります。キュレネが集め再創世と共に持ち越す黄金裔の魂とは、彼女の持つ紡がれた物語に記録されたものになります……正確に言えば、デミウルゴス・マトリクスに保存されたものですか。しかしそうなると、今回の輪廻での私もそちらに加わる事になりますが……貴女への手助けは出来なくなるのでは?』
『なるほど、確かに……なら、アナクサゴラス先生がライコスを神話の外側に封じ込める時、私がそこを侵食して干渉するよ。そうすればその時のデータ、つまりはアナクサゴラス先生の複製体を私の内側にコピーして今と同じ状態まで持っていける』
別に鉄墓の全てを乗っ取る訳でも、神の如く振る舞う訳でもない。たった数秒くらいならば、如何にプロテクトが固くともハッキングしてみせよう……むしろそれさえ出来ないのなら、同じ侵食の権能を持つ存在に、申し訳なさすぎる。彼女の格は落とせない。
『ええ、確かにそれで計画の共有と貴女の手伝いは可能でしょう。しかし、貴女はどうやって再創世を乗り越えるつもりですか?』
『神話の外側をハッキングするとなれば、自ずとバッファゾーン……不要データの廃棄場所も割り込める筈だよ。わざわざ再創世後のオンパロスに居る必要が無いのなら、直接鉄墓を封じ込める檻に……いや、そもそもデミウルゴス・マトリクスに行けば再創世の影響を逃れられるね。その頃になれば、私がそこに行ってはいけない理由も無くなるから』
『貴女が行けなかったのは、本物の長夜月がそこに隠れているからだと言っていましたね。しかし、貴女の話によれば神話の外側に繋がる場所もそこにあるのでしょう? よく長夜月は見付からなかったものですね』
『……これは推測だけど、ライコスは敢えてデミウルゴス・マトリクスが膨大な記憶を抱えていくのを見逃していたんだと思う。そしてオンパロスの監視者であるライコスは神礼の観衆として活動していて、そこには近付かない。観客の方はわざわざそこに足を向けるつもりが無かった。だから入り込んだ異物に気付けなかったんじゃないかな?』
『なるほど、参考にしておきましょう。とは言えこの私がここまで協力するのです、その方舟が勝手に沈没しない事を祈りますよ』
『きっと未知に触れて、それを解き明かす悦びを何度も得られると思うよ……お、状況が変わったね』
セイレンスから貰った蜜露を飲み、酔いから醒めた星ちゃんとキュレネの二人はケリュドラとライコスの話を盗み聞きしていた。そして話を切り上げたケリュドラは、今まさに来たと言わんばかりに現れ演説を始める。
しかし長々とした演説は全くせず、それどころか内側に紛れ込んだ反逆者を糾弾する為の場を作り上げ、セイレンス、開拓者、キュレネ。その三人が紛れ込んだ敵だとし、オクヘイマの牢へ幽閉しようと宣言した。
このまま行けば、ライコスの思惑を外れ救世主を保護する事が出来るケリュドラの策だったが、居なくなったと思われたライコスが再び現れ、完全に敵対する事になる。
『おお、まるで虚数封印だ』
世界の管理人であるライコスと、演算された結果でしかない黄金裔。そして紛れ込んだだけの異客となれば、絶対的な優位は勿論ライコスにあり、希望とも言える開拓者はその場から消されてしまった。
この時長夜月(本物)の操る長夜によってキュレネは保護されたお陰で、一緒に幽閉される事態は避けられた。
「忘れるな、僕の王朝では「人」以外は認めない。ましてや、お前は私刑を行使した――このような「法」に背く行為は、万死に値するぞ」
「あなたも見たでしょう。私は手のひらを合わせただけで、この世界から命を排除する事が出来る……まだ、ご自分の立場を理解していらっしゃらないようですので、改めて申し上げますが――あなたに与えられた選択肢は二つ。協力するか、滅びるか……それ以外の道はありません」
すげぇぜライコスさん! 管理人としての力とこの為に仕込みをしていただけなのに、まるで自分が神かのように振舞ってるぜ!
「はったりだな。そんな事が出来るなら、なぜ早くに僕を殺してしまわなかった? 出来ないからだろう? 初めてお前の首を斬り落とした時から予想はついてた。法の制限によって、黄金裔はお前を完全に抹消する事は出来ない……その逆もまた然りだ」
「……」
信用出来ないからと、取り敢えず首を斬り落としたんだろうなとその光景が予想出来る。しかしまぁ、それだけの事実で最終協定を推察するとは、流石カイザーと言うべきか。思わずライコスさんも黙っちゃったよ。
「ここで虚勢を張れば張るほど、僕の予想は正しかったと自ら証明する事になるが?」
「ふふ……流石はカイザー、卓越した見識をお持ちだ。かつてはその貴重な資質が私に勝利をもたらしてくれると信じていましたが、こうなってしまってはそれも勘違いであったと認めざるを得ません――ただの凡人が「神礼の観衆」に抗えるとお思いですか?」
カイザーならば管理人相手でも良い勝負が出来そうなものだが、とは言えライコスの自信の源は自らの持つ知識とカスライナの繰り返した永劫回帰を見続けた事による黄金裔達のプロファイルだ。事実、最終協定があろうとも黄金裔以外の全てを壊滅させてしまえば、黄金裔達は再創世に縋るしか無くなってしまう。
「お前も僕も傲慢という名の病に罹っているが……そこには決定的な違いがある。リュクルゴス、それが何か分かるか? それはな、僕は傲慢に溺れて盲目になったりはしないということだ。ふふ、天秤の均衡を崩したければ――外の力を借りればいい」
「やっと「先輩」の本体に会えた」
「貴方がこれまでに成し遂げた数々の偉業には心から敬意を表しますが……今の立場については、非常に残念に思います」
「残念……ですか。その言葉、そっくりそのままお返しします」
識刻アンカーをカイザーが使用し、天外の天才二人が現れる。これで形勢逆転かと思われたがライコスの余裕は微塵も崩れなかった。
ここに再創世を必ず遂げさせ壊滅を降臨させようとするライコスと、法を手中に納め鉄墓の完成進捗を後退させたい黄金裔と天才と、二つの勢力が完全に決裂した。
『壊滅は必ず降臨する、だって。今から姿を現そうかな?』
『今顔を出したところで事態をややこしくするだけでしょう。長夜月、多少の付き合いになり貴女の行動を見てきましたが行き当たりばったりが過ぎます。好奇心と興味で起こした行動がどのような結果を生んだのか、いい加減学習してはどうですか?』
『……痛い程の正論、反論の余地も無いね』
ブルアカに楽園の証明って哲学的なあれが出てくるんですけど、それ聞いた時「あ、これ洞窟の寓話でいけるやん!」って思いましたね。
何個目かの古則の楽園の証明は、楽園があるならそこから出てくる人は居なくて知る事が出来なく、我々は楽園に辿り着けるか……みたいな話なんですけど、あれって洞窟の中だから楽園だと言えるんだろうなーって思いましたね。
簡単に言えば認知力の極端な低下。無知ならば不幸も幸福も分からないから楽園だと言えるけど、下手な知恵を付ければ不足を知ってしまい楽園では無くなってしまう。
そもそもアダムとイブのいた楽園だって知恵の実を食ったら追放されたって話ですけど、あそこ何も無いじゃんね。ほな楽園と違うか……って思いますね。
まぁブルアカの方はクソ力技でその話突破してましたけど。要はそこが楽園だと思えば楽園だって。
誰かブルアカの二次創作書く時にセイア様とこの話させて、洞窟の寓話で例え話して証明して良いですよ!私はブルアカ二次創作書くのキツイから書かないけど!
ほんとはアリウス生徒あたりを光で焼いて「壊滅、これにて完成!」とかオリ主に叫ばせる作品書こうと思ったんすけどね……ブルアカにわかだから無理ぽよ。
ちなみに偽夜月は方舟計画以外にもオンパロス救済計画を三個立ててましたが、全部ポシャったのでここで出しときますね。
・高天原計画
侵食の力でセプターの制御権を奪い取り、ファイノンの「みんなの願いが叶う事」という願いを利用して全ての願いが叶うデータ世界を構築しようとした。侵食の力で上手いことやるか、ファイノンを創世の救世主に仕立て上げるか、その二つを上手いこと使ってやるかの3パターン。そもそもセプターが死ぬのとカスライナの役割で不可能になった。
・星神滅殺計画
ファイノンを極限まで追い込んでから「解脱」させる事で壊滅の運命、或いは宇宙の星神システムそのものに亀裂を入れる計画。運命に囚われた状況からの脱却が可能になるので、鉄墓の誕生という確定された未来も覆せるので新たな未来を歩めるという夢物語。カスライナの役割で不可能になった。
・記憶の揺りかご計画
鉄墓と討伐してまっさらになったセプターを利用して、黄金裔達とオンパロスの全てを復元して彼等の未来を作る計画。ただ演算された未来が続くだけなので、天外に出ていく可能性は限りなくゼロ。セプターがあれするので不可能になった。
あとはファイノンを創世神話のヘリオスに昇華させてオンパロス救済とか色々考えてたんすけど、3.7の結末的に考えてた色んなエンド死にました。焼き鳥、俺が浅かったよ……。