長夜月(偽)   作:四末説最後の一つは均衡ってマジ?

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感想・誤字報告いつも助かります。

3.6のストーリーを見終わった段階ならここで爆死して終わる予定でした。


私の終わり

 本物の長夜月の助けを得た開拓者は、光歴4931年にオンパロスへと戻ってきた。そこは実際のオンパロスでは無く、キュレネが黄金裔達の物語を語る為に作り上げた「歳月」の迷宮だった。

 

 救世主が居なくなり、ライコスが宣言通り火種を継承させる為にオクヘイマへと圧をかけ、多くの人々が犠牲になっていく中戦った彼等の記憶。

 

 「金織」のアグライアが、浪漫の半神となって市民の盾となり散っていった。

 

 「暗澹たる手」のキャストリスが、死の半神となってステュクスの流れの滞りを解消した。

 

 「天罰の矛」メデイモスが、かつてのゴーナウスと同じ様に裂魂の儀を執り行って不滅の戦神として二百年の平和を築き上げた。

 

 「詭術」の半神セファリアと「理性」の半神アナクサゴラスが、ライコスを封印する為にその命を使って天才を罠にかけた。

 

 そして唯一残った「天空」の半神ヒアシンシアが、いずれ戻ってきた救世主が創世の渦心へと辿り着ける様に、何処からでも彩虹の橋架がかかる神跡を遺した。

 

 救世主と共に旅をしたキュレネも、それらを託す為の力を使い記憶の残響として残っているだけだった。

 

 唯一残された存在は「海洋」の半神であるヘレクトラだけ。彼女もまた、創世の渦心へと繋がる道を守る為にスティコシアに居る。

 天空の神権で作られた虹の橋を渡り、歳月の迷宮からスティコシアへと向かう。辿り着いた先では、意識だけ抜け出してきたライコスが彼女を待ち受けていた。

 

 ライコスの案内の下、ヘレクトラの辿った道筋を聞きながら奥へ奥へと進んでいき、英雄達の墓碑へと辿り着く。

 

 

 

「大地の半神」荒笛。光歴前約2000年-3961年

「浪漫の半神」アグライア 光歴3860年-4210年

「死の半神」キャストリス 光歴???-4253年

「紛争の半神」メデイモス 光歴4071年-4284年

「門と道の半神」トリスビアス 光歴3720年-4295年

「詭術の半神」セファリア 光歴3942年-4534年

「理性の半神」アナクサゴラス 光歴4065年-4534年

「天空の半神」ヒアシンシア 光歴4297年-4602年

「海洋の半神」ヘレクトラ光歴3860年-

 

 

 

 そして半神以外にも、戦い散っていった多くの戦士達の名前が刻まれていた。

 

「あれは……?」

 

 ただその場に不自然な物があるとすれば、墓碑の近くに暗黒の潮に汚染された空間がある事くらいだろうか。それを見て疑問に思う救世主に、ライコスは思い出したかのように相槌を打った。

 

「ああ、あれは三月なのか殿の成れの果てですよ」

 

「成れの果て?」

 

 言われた言葉を上手く飲み込めない救世主に対し、ライコスは「ええ」と答えて頷いた。

 

「この墓碑に刻まれていない、名前の残されなかった英雄である彼女は、全ての市民とヘレクトラを除いた全ての半神がいなくなるその時まで戦い続けました。ですが、自らに刻まれた開拓の使命を成し遂げられなくなった時、彼女の心はついに折れました……その結果が、ご覧の有様です。その身を暗黒の潮に堕とされた彼女は、自らの存在意義を失いました。姿形を保てなくなり、ただの暗黒の潮と成り果て床の染みとなったのです」

 

 その結果起きたのが、極一部の場所だけに広がる汚染だと、ライコスはそう言い切った。

 

「そう睨まないでください。むしろ私は、彼女に敬意を表しているのです。負創神に一瞥されてすら居ない「記憶」の行人が、壊滅に侵されながら救世主が来るまで「開拓」の火種を守り抜いたのです……惜しむらくは、彼女のその行いに、終ぞ負創神は一瞥すらしなかった、という事です」

 

 ライコスのもっともらしい言い分に、けれど救世主は素直に受け入れなかった。何せ彼女はオンパロスに戻ってくるその時まで、長夜月と瓜二つの存在と会っていたのだから。

 

 三月なのかは生きており、必ず開拓の先で再会出来る。彼女はそう信じていた、だからこそ揺るがない。

 

 亡くなった英雄達にメーレを捧げ、ヘレクトラの眠る地まで辿り着く。そこから創世の渦心へと向かい、ライコスとの最終決戦が始まり――天才達とキュレネの作戦の通り、ライコスを活動停止に追い込む事に成功した。

 

 

 

 「世背い」の火種を返還し、再創世を果たそうとする救世主だったが、一つの違和感を覚えた。キュレネに語って聞かされた英雄達の旅路に、歳月を担う半神は居なかった。オロニクスは人類の側に立っていた、とは言われていたものの、その火種も半神も登場していない。

 にも拘らず、歳月の星座は確かに灯っていた。

 

 その違和感に気付いた時、オンパロスの外で会った長夜月と再会を果たす。そして彼女は「世負い」に偽装した「歳月」の火種を返還し、自らが歳月の半神となる。そして「世負い」を担う救世主を記憶の潮に閉じ込めて、開拓の為の活動を開始した。

 

 その頃、意識体だけで列車に帰還していた丹恒は列車組と合流し、情報の整理と共有を行った後再びオンパロスへと向かい、そして長夜月のもたらした「忘却」の影響を払いたいライコスとの利害の一致により協力、長夜月の隠れている場所を見付けるためにカスライナの魂を呼び覚ました。

 

 本来であれば、鉄墓に統合され内側から暗黒の潮を抑制していたものの、永き時に渡って抗い続けた為にその意志が薄弱となっていたカスライナは、丹恒との再会と相棒である開拓者との思い出を胸にその炎を再び燃え上がらせ、力を貸した後に一足先に明日へと向かう筈だった。

 けれど、このオンパロスには唯一の異分子が存在した。その存在からの影響を受けていたカスライナの意志は、ナヌークとの決戦に向かう前から何一つとして変わらず、衰えすらしていなかった。彼は今回の輪廻において、救世主と黄金裔達が未来を切り拓く為の礎として、自らを烈日として悪の全てを燃やしていた。人々からは見えずとも、確かに空に登っていた唯一の太陽。

 そんな彼は、丹恒の呼び掛けに直ぐに応え、そしてカーネル層への道を丸裸にした。

 

「そんな訳だから、一足先に明日へ向かってるよ。あんまり待たせないでくれよ? 丹恒……それに、相棒」

 

 

 

 神悟の樹庭にやって来た丹恒は、死んでいるとされていた大地の半神「荒笛」を語る山の民ジオクロスと出会う。彼は友である荒笛の為に「不朽」の力を欲していて、丹恒と戦い敗北する。

 長夜月と契約を交わし、お互いに存在の痕跡を抹消していた荒笛は、丹恒の覚悟を受けて彼に「大地」の火種と、その身に背負っていた216万の生命を託し消えていった。

 

 「大地」の半神となった丹恒は、その力でサーシスの神体と接続、オンパロスの歴史に潜り連れ去られた開拓者を、彼の体感時間で千年間探し続け、見付けて取り戻した。開拓者の魂を守っていたのは、死の半神となって冥界にいたキャストリスだった。

 

 様々な思いを背負い、長夜月のもたらす再創世は認められないと決意を新たに救世主は足を進め、このオンパロスにおける最大の秘密とも呼べる地へと辿り着く。

 無名のタイタンの大墓、万象のマトリクス。かつて三月なのかが最初に辿り着いたその地で、この永劫回帰で行われていたもう一つの物語を知る事になる。

 

 表でカスライナが火種を集め、再創世を阻止していた。そしてその裏で、キュレネが集めた記憶の物語を語って聞かせ、全てのループでの記録を残していた。

 

 そして辿り着いた、本来十三番目のタイタンが居るべき地において開拓者と丹恒、そして長夜月が再会を果たす事になる。

 そこで聞かされるのは、キュレネの積み重ねた徒労の真実と「記憶」に属する勢力の悪辣さ。彼女曰く、記憶の星神である浮黎はキュレネの心が折れないように、偽りの希望として物語を語って聞かせる存在――つまりは元から存在しないタイタンをでっち上げた。それこそが、十三番目のタイタンの真実であると。

 

 本物の長夜月の目的は、創世の渦心で開拓者に語ったもの。即ち、完璧な種だけを残して無瑕のオンパロスを作り上げること。そうすれば、セプターの演算も全て無くして鉄墓の誕生を阻止出来る。その結果欠陥を抱えた種――黄金裔を含めた多くの人々は新世界に辿り着けないが、銀河の視点……そして既に起きている神々の戦いにおいて、決して悪くは無い手段だ。

 

 だが、開拓を歩む二人には、到底受け入れられない選択でもあった。

 

「……なのかみたいに他人と付き合うなんて、アタシには無理みたい。だけど、あの子に明日を夢見させて、この楽しい旅を続けさせるには……やっぱり、どうしても未練の中で燃やさないといけない「記憶」が必要なんだ♭」

 

 感覚の雨が降り注ぐ。

 

「人の本質を変えられるものは? 記憶? 残念、その逆だよ」

 

 長夜月の足元に赤い海月が集い、記憶の潮が溢れ出す。それらが一つに纏まって、もう一人の長夜月を作り出した。

 

「おはよう、アタシ。なのかの開拓を守る為に、二人を眠らせて」

 

 銀色の髪、黒い傘、そして黒い仮面……かつて33550336回目の輪廻において、カスライナと戦った時の長夜月の姿だった。スティコシアで休眠状態となっていた彼女が起こされて、この場に現れた。

 元々彼女の出自は、長夜月の「記憶」と「忘却」の力によって作られたものだった。自身の痕跡を消すだけでなく、スケープゴートを利用して注目をそちらに集めるミスディレクション。しかし、自らの偽物を創造する過程で発生した不具合により、出現する場所がズレて暗黒の潮が混じり込んだ。

 だから、暗黒の潮を由来とする偽物の長夜月ではあるが、繋がりを辿りこうして本物の呼び出しに応える事が可能だった。

 

「おはよう、私。久しぶりに良い夢を見られたよ……ごめんね、星ちゃんに龍鱗ちゃん。手加減はしないよ」

 

 偽物の長夜月がその手に持っていた傘を、エデンの星へと作り替えた。

 

「戦う前に一つ、話しておきたい事があるんだ……本物の私、もしあなたが折れる事があれば、その「記憶」を操る力を、私に託してくれない?」

 

「……どういうつもり? アタシ。なのかの願いを守る為には、この道しか有り得ないけど」

 

「有り得ない。つまりは勝利を確信してるんでしょ? なら、この私にとって分の悪い賭けに乗ってくれても良いんじゃない?」

 

「……ふふ、良いよ。でも、アタシも分かってるでしょ? 誕生した鉄墓を討伐するには、どれだけの犠牲を払う事になるか分からない。なら、そもそも誕生させない方が賢い選択だってこと」

 

「ええ、勿論」

 

 ここに交渉は成立した。私の掲げる「方舟計画」を成功させるのに、本物の長夜月――即ち「無漏浄子」の扱える「記憶」の力は、大きなアドバンテージとなる。本物の長夜月は必ず折れる、何せ三月なのかを守る為には正しい形での再創世を成さねばならないから。

 

「じゃあ、遊ぼうか二人とも。このオンパロスを救いたいと言うのなら、それを為せるだけの力を見せてよ」

 

「偽物の長夜月、お前には聞きたい事が山ほどある。だが、開拓の為に……立ち塞がるのなら容赦はしない」

 

 星核の力を宿し様々な星神からの一瞥を受けた開拓者と、大地の半神の力と不朽の力の二つを持った丹恒。その二人を相手に戦うのは変わらず実力と権能が半減している私。勝敗は、始まる前から決まっていた。

 

 模倣したエデンの星が放つ重力は二人の足を止められず、模倣した天火聖裁の火力はとろ火。ならば金糸を用いても縛る事は出来ず、飛翔する弊での高速移動も力が足りず決定打は与えられない。天罰の矛による一撃も錬金術で作り出した銃撃も何もかも、存護の炎の槍で防がれる。

 

 そして攻撃の間隙を突かれ、丹恒の持つ撃雲に貫かれた。

 

「じゃあね、二人とも。なのかと長夜月の事……頼んだよ」

 

 仮面が割れ、現れた素顔は何も無い。暗黒の潮が発生した時のバグデータのようなものだった。けれども、二人には確かにいつもと同じ様な薄い微笑みが見えていた。

 

 

 

 この戦いの本質は、ただの時間稼ぎだった。天才達の書いた暗号キーも効力を失って、長夜月が二人を眠らせるだけの準備は整った。後は二人を記憶の潮に再び引きずり込み、開拓者の記憶をフィルタリングする……その時だった。

 

 キュレネがその場に現れ、海月の記憶の精霊を使役して長夜月を封じる。しかし、使令級の力を持つ長夜月とただの記憶ミームでしか無いキュレネでは、そもそもの格が違う。けれど切り札は既に開拓者の手に渡されていた。

 

 開拓者がシャッターを切り、調和の力で作られた記憶の光円錐の中に彼女は閉じ込められた。そこで行われたのは、キュレネを交えた三月なのかと長夜月の会話。長夜月は三月なのかの為にも自分の立てた作戦を変える気は無かったが、ケリュドラの書き換えた最終協定の内容を聞き、考えを改める。情で心を動かし、理屈で説得する。見事もう一人の自分と和解して、三月なのかは自らの姿と記憶を取り戻した。

 

 そして、サンデーの助けを借りて開拓者と丹恒の二人は光円錐に入り、ついに本物の三月なのかと再会を果たす。涙無しには見れない再会ではあるけれど、残念ながらそれを眺められるのはキュレネだけ……私も出来ればそのシーンに立ち会いたかったな。

 

 

 

 ♭

 

 

 

「つまり、ヌースの算出した「時」が、この世界に刻一刻と迫っていると言う事よ」

 

 星穹列車のラウンジで、ヴェルトと姫子、サンデーとヘルタ、そしてブラックスワンが会話をしていた。ブラックスワンは長夜月から逃げおおせた後に仙舟同盟との連絡をし、鉄墓討伐への協力を取り付けその報告をしていた。

 

 識刻アンカーの信号を辿り、ようやく見付ける事が出来た。ここが星穹列車かぁ、テンション上がるなぁ!

 

 自分の見た目をホログラムでその場に投影する。かつての星核ハンターがそうしたように。

 

『偉大で素敵なミス・ヘルタ、久しぶり。そして星穹列車の皆さん初めまして……ああ、警戒しないで「調和」の小鳥ちゃん。私の事は、取り敢えず長夜月と呼んで』

 

 賢者アナクサゴラスの知識と、彼がリュクルゴスから学んでくる様々な知恵。そして本物の長夜月との賭けで得る「記憶」の力。私が意図せず得た「降臨者」の価値。方舟計画を進める為のピースは、殆ど全て揃った。そしてその計画を完成させる為の、最後のピース。それがこの星穹列車にある。

 

「あら、あのちんちくりんだった小娘が、随分と気取った見た目をしてるじゃない。それとも、借り物の姿が無いとまともに会話も出来ないの?」

 

『ふふ、辛辣な評価だねミス・ヘルタ……あなたとのお喋りは、出来る事ならお金を払ってでもしたいのだけれど、残念ながら用件は別にあるんだ』

 

「あなたは……偽物の長夜月さん?」

 

『ふふ、初めましてスワンちゃん。本物の私が、随分と迷惑をかけたみたいだね?』

 

「ええ、本当にね……それで、わざわざ星穹列車まで駆けつけるだなんて、一体どんな用件なのかしら?」

 

 初めて見る私の姿に、姫子とヴェルトが「こうして見ると、本当に三月ちゃんそっくりね」「ああ、それに丹恒から聞いた話では何やら色々と知っている素振りをしてたらしいが」とコソコソ話をしている。

 くそ、出来る事なら会話したい……したいけど色々差し迫ってるのだ。

 

『私の目的はただ一つ。オンパロスを救う過程で犠牲になる存在がいる……それを救いたい。その為に、ブラックスワンの記憶を操る能力、サンデーの調和の力、その二つを借りたいの』

 

「……どういう事です? それに、記憶の力で言えば長夜月さん、あなたの方がブラックスワンさんより強いようですが」

 

『それは本物の話だよ、サンデー。私の存在は、あくまで壊滅に属するモノ……記憶を操る方法は、私には無いの』

 

「それを操って、一体何をするつもりなの? いえ、それより……偽物の長夜月さん、あなたは一体何者なの?」

 

 基本的に、星穹列車の面々と彼等に協力をしてくれる人々は善人だ。そして誠心誠意お願いし、相応の対価を支払うのならば助けてくれるだろう。だからこそ、誠実に答えてあげたいのは山々なのだが……自分が何者なのか、という質問に答える事は出来なかった。

 

 だってそれは、私すら知らない事なのだから。

 

 自分が何者であるかなど、興味も無いし至極どうでもいい。重要なのは、自分がどう在りたいかでしかない。

 

『正直に答えるね、ブラックスワンさん。私は私が何者なのか、それについて何一つとして知らないの。ただ、何者でありたいかについては答えられるよ』

 

「……聞かせて頂戴」

 

『"みんな"の為の薪だよ』

 

 この身は薪である。誰かの炎を燃え上がらせる為の薪である。私が求めているのはただ一つ、誰かの為の何かであれる事だ。

 

 掲げる不変は「オンパロスの物語」だ。私の愛する彼等の物語、尊敬し憧れた彼等の生き様を、この宇宙に刻みつけてやりたい。私の愛した彼等はこんなに凄いんだぞと、声高に叫んでやりたい。

 その為ならば、いくらでもこの身を捧げよう。自らの身命を賭して何かを成そう。そして彼等と同じかそれ以上に輝く人々の為に、自らの存在の全てを注ぎ込んでその輝きを更に燃え上がらせるのだ。

 

 壊滅に壊滅を与えようとした、カスライナを知っている。例えどれ程の力の差があったとしても、彼の物語と歩んだ道のりに敬意を表して、その烈火を高く高く燃え上がらせよう。

 

 壊滅の運命を強制的に歩ませられた、オンパロスに生きる全ての人々を知っている。彼等は救世主の預言に従い、自らの運命から解脱した。その運命からの逸脱という宇宙に刻まれるべき大偉業を知らしめる為、彼等の物語を宇宙に深く深く刻み込んでやろう。

 

 例えこの身に塵芥程度の価値しか無いとしても、知ったことか。オンパロスという地で起きた神殺しの英雄譚を、人間賛歌の物語を、喉が枯れ果てる程に謳い上げよう。

 

 "みんな"はただ徒に生まれてきたのでは無いと、ただ徒に生を貪り、苦しんだのでは無いのだと知らしめるのだ。

 

 その為のハイリヒアルヒェ。それをなす為の薪なのだ。

 

「……」

 

 うわ、なんかみんな絶句してる。

 

『誠心誠意答えたんだけど……これで協力を得られなかったら、ちょっと大変かな』

 

 ああ、サンデーが頭抱えてる。

 

「具体的には、一体どうするつもりなんだ?」

 

 一番立ち直りの早かったヴェルトが聞いてくる。流石「世界」のコードを持つ男だ、面構えが違う。

 

『ヴェルトさんに分かり易く伝えるなら、私は「古の楽園」を作り出そうと思ってる』

 

 彼の理解を得られれば、ヘルタにオンパロスの辿り着ける別の結末を知らせずに計画を遂行出来るだろう。

 オンパロスの新生を妨げたくは無い。その為にヘルタは鉄墓の頭となり自己戴冠をする必要がある。

 さあ、上手く回れよ私の口。オンパロスの為の予備プランであると騙す為、最後の偉大な詭術を成し遂げよう。




ここから賛否すごい別れそうで戦々恐々。

あと記憶の星神の考え方が少し変わりました。
今まで宇宙の終わりに浮黎が生まれて、始まりに砕けてその破片が無漏浄子になって、それらが最終的に集まって浮黎になるって考えの下書いてたんですけど
これ浮黎はテルミヌスと同じく時間の流れが逆な可能性あるんすよね。それなら浮黎が砕けて無漏浄子が生まれて、ただの記憶の行人が無漏浄子に覚醒する説明になるんすよ。
スタレで出てきた文章的にデミウルゴスは色んな記憶に触れて無漏浄子に覚醒したって書かれてて、でも浮黎が砕けた破片が無漏浄子なら意味わからんくね?ってなってたんですけど、時間の流れが逆ならすげぇ自分の中でスッキリするわって言う思考の垂れ流しでした。


この物語、短編とか言っときながら意外と続いてきたけどあと3,4話くらいで終わりそうです。いい感じに書けるように頑張ります
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