催眠アプリ、感度n倍にする薬、謎の触手生物……
R18の同人誌に出てくるものはなんでもある世界に転生してしまった元男が、己の貞操を守るために幼馴染みを利用する話

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よろしくお願いします


R18の世界で貞操を守るためには

「なあ、いいだろ?ちょっとでいいからさ」

 

そう言って馴れ馴れしく私の肩に手をかける。コイツは昔からこういうボディタッチを躊躇わない。そういう軽薄なところが嫌だっていうのがわからんかね。わからんからこうなったんだろうな。

 

「いいわけないでしょ。そういうことがシたいならちゃんと彼女とか作ればいいでしょうに……」

「そんな簡単にできるならこんなお願いなんかしねぇよ」

 

肩の手を払い、眼前の男を見る。高校生にしては鍛え上げられた屈強な肉体に、ケバい金髪、肌もこんがり焼きあがっている。

 

ザ・典型的な間男だ。同人誌とかでよく出てくるNTRモノに出てくる竿役そのものである。

 

そして私は転生者である。前世の最後の記憶は家で寝ていた記憶だ。心筋梗塞で多分死んだ。次に目を覚ませば赤子になっていたのでこれが転生なのだと認める他なかった。

 

最初はワクワクしていた。第二の人生なのだ。どんなことをしようか楽しみになるのも当然のことだろう。

 

そんな私に待ち受けていた現実は、ここがR18禁の同人誌世界だったという残酷なものだった。何故わかったのか?それは簡単、催眠アプリが本当に存在しているからだ。なんなら触手やTS薬もあった。やりたい放題だ。

 

こんなもんが存在する世界なんてR18禁同人誌しか存在しないだろう。しかも最悪なことに色んなジャンルが混ざったキメラ世界。転生してTS化した俺の貞操が一気に危ぶまれることとなった。

 

自分で言うのもなんだが、私はかなりの美少女だ。一番の自慢はこの絹のように柔らかで、鴉の濡羽色をしたこの黒髪。黒髪はロングが似合うので(過激派)、昔から頑張って手入れして伸ばしたのだ。

 

目は切れ長で、凛とした風格を醸し出す。一般的な生徒会長みたいな見た目と言えばわかりやすいだろう。

 

そんな美少女になったもんだから、小学生のときから大変だった。まず同級生にはエロガキがいるので、小学校は油断ならなかった。小学生にしては進みすぎた性欲を同人誌世界では三人に一人持っている。この猿どもめ!

 

そして学校を出ても油断ならない。お手軽催眠アプリやらあやしいオクスリが出回っているこの世の中は、下校中はもっともリスクの高い時間帯だ。それをまともな人も認識しているから見回り運動とか強化してくれているが、それでも穴を突いてくるのが犯罪者だ。このロリコンどもめ!

 

家に帰れば漸く安心でき………ない。直接襲われるわけではないが、不審者がよ~~~~~~く訪問してくるのだ。相手は小学生だからって「君のお母さんに頼まれたから家に入れてね」で入れると思うなよ。こちとら転生者だ。

 

そして家族が帰ってきたら漸く安心できるのだ。……ただ、それでも希に強力な催眠をかけてくる奴がいるので、安全圏など存在しないのだが。

 

とまあこんな感じで、常に気を抜けない日々を過ごしてきたのだが、その中で一つ気づいたことがある。それはあるジャンルが近づいたときその他のジャンルは近づけないというものだ。

 

例えると磁石のようなものだ。催眠をN極とすれば、エロガキはS極。どちらか片方が近づくときがあっても、両方が来ることは絶対にないのだ。

 

私はこれを利用できないか、と考えに考え抜いた。側に置くとしたら誰が一番安全か?自分が制御できそうか?などを鑑みた結果、幼馴染みのNTR竿役、改めながしまじゅんご(永島淳悟)を選んだのだ。

 

ああいうタイプは基本私に彼氏ができたら動くタイプだ。逆を言えば彼氏ができない限り動けない。NTRという属性は基本受動的なのだ。竿役が受けとはこれ如何に。

 

そんなことはどうでもいい。兎も角、幼馴染みだからまだ制御しやすいし不快ではない。幼少期からチャラ男というわけではないので、幼い私にとって一番安全だった。

 

そんなこんなで現在に至る。一つ予想外だったのは、チャラ男の成長速度。まっさか中学になった瞬間モリモリ育って、高校になった瞬間テンプレチャラ男になるとは思わなかった。オタマジャクシが蛙になるのを観察している気分だった。

 

けど中身はそんなに変わっていない。見た目が漸く性格に追いついただけなのだ。あの軽薄な感じは昔からなので、もう慣れているし。

 

「探せば可愛い子なんてゴロゴロいるでしょ」

「あー、それは……そう、だけどよぉ」

 

珍しく淳悟の歯切れが悪い。いつもの口も頭も軽いチャラ男は何処へいってしまったのか?

 

ここは同人誌世界なので、顔面偏差値がまあ高い。乳もでかいしスタイルも前世のモデルが霞むほど。なのでぶっちゃけ私のような美少女はそこらに結構いるのだ。

 

それを知らぬコイツでもあるまい。それなのに何故私にわざわざ…………ハッ!もしやこいつ……。

 

「経験不足だから私を練習台に!?」

「違ぇよ!?流石に俺でもそんな考えはねぇよ!?」

 

手をアタフタとさせて必死に弁解する様は、本当にそんな心づもりはないという証左だ。何気に知り合ってから、一回も嘘ついたことないし、淳悟。

 

それなら尚更何故?う~~~ん、わからん。多分幼馴染みだから安心してヤレるみたいな考えでしょ。このくらいの年頃なんか脳がチ○ポに支配されてるんだから。

 

「ただ、俺は……」

 

キーンコーンカーンコーン。淳悟が何か言いかけていたが、チャイムの音で掻き消されてしまった。どうせ未練がましい言い訳だろう。聞く価値もないような。

 

さて、授業に集中しなければ。美少女委員長で昔から通してきたので、授業態度は真面目しか許されない。

 

美少女委員長がチャラ男と絡んでいるのはいいのかって?それは幼馴染みだからノーカンでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、生徒たちは各々の活動に打ち込む。ある生徒は部活動に励み、ある生徒は図書室で勉強したり、ある生徒は友達とカラオケに行ったり。

 

そしてある男子生徒は、自宅で一心不乱に自慰行為に耽っていた。

 

「あーークソ、イクイクイクっ!!」

 

男子生徒は、黒髪ロングの少女を写したスマホを片手に己の息子を諌めていた。

 

「可愛すぎるだろっ、恵那(えな)!朝からずっといい匂いするしっ、勃起が止まらねぇんだよ!」

 

男子生徒、永島淳悟は三度目の絶頂を迎えた。しかしそれでも、彼の剛直が衰える様子はない。

 

「ああっ、恵那……!彼女、いや、嫁にしてぇ!」

 

見ての通り、淳悟は幼馴染みの古本恵那(ふるもとえな)に惚れている。それもずっと前の、小学生のときから。

 

初めは一目惚れだった。元々家が近いので親同士の交流はあったのだが、恵那はあまり家から出ることはなかったので会う機会がなかった。

 

しかし小学三年生のとき、いきなり向こうから話しかけてきたのだ。

 

『ねぇ、一緒に帰らない?』

 

初対面の美少女からの唐突なお誘い。その時の胸の荒れようは今でも淳悟は鮮明に覚えている。その日をきっかけに恵那との交流が始まったのだ。

 

「クソッ、彼女欲しいとか言ってるけど、ホントは恵那以外の女なんか興味ねぇのに……。クソッ、恵那……」

 

グチグチと愚痴を溢す淳悟。本当はすぐにでも彼女になって欲しいと思っているが、今までの自分の言動が邪魔をして素直になることができない。それに、この関係性を壊すことを恐れているのだ。

 

「こんなナリしてるくせに、童貞ムーヴしかできねぇ…。そりゃ童貞だからな………クソが!」

 

今日も彼は、自分の心の裡を明かすことはできなかった。比例するようにシコティッシュの量が増えていくゴミ箱は、今日もイカ臭い匂いが漂っていた。

 

 

 

永島淳悟

ジャンル【純愛】

 

 

 

 


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