転生したはいいけどやっぱりガイコツだったので取り敢えず地底に住む。 作:ヘビーなしっぽ
「でけえな…ここがその洞窟ってヤツか」
オイラは、目の前に、でーん、と聳え立っている門を見上げながら言う。
オイラ達が元々居た地底にはバリアだけで入り口に門なんてなかったから新鮮だ。
《問。これから先へと進むにあたり、まだ私のナビを必要とするか?》
とまあそんな感じで呆けていると、研究之王が横から口を挟んできた。
(ああ、頼んだぜ)
《…了》
研究之王は、短くそう言い、またナビを出した。
扉に手を付いて、グイ、と押す。
「ふんっ…! ぐ…っ!」
押す。押す、押す。
……べちゃっと地面に崩れ落ちた。
「ぜはー……っ…はー…」
《…言いそびれていた。確かに君の能力は強化されたが、肉体的な能力は依然として変わっていない。だが、今の君は肉体スペック的には鍛錬をサボらなければアズゴアを超える筋力を獲得できる。》
「そう…かよ……。早めに頼むぜ…それ…」
肩で息をしながら立ち上がる。
「最初っからこうしときゃよかったな」
腕を奥にグンっと突き出すと、扉がドォン!と爆音じみた音を立てながら開いた。
「…研究之王の言う通り出力が上がってるな…」
門を潜って、また門を重力操作で閉じてからオイラは歩き出す。
・ ・ ・
それから数十分後に、研究之王も言う最深部に辿り着いた。
周りには、眩しくなってくるほどの光を放つ謎の鉱石や、地底で見かけたこともない雑草がめちゃくちゃ生えている。
こういう所を見ると、改めてここが異世界なんだと認識して少ししみじみしてしまうのは心の中だけにとどめておこう。
《まあ私がいるから無駄だがな》
黙ってろ。
(はあ…。んで?こっからどうすりゃいいんだ?さっき確認したがオイラの筋力は以前のまんまなんだろ?どうすんだよ)
《…解。先ほどの重力操作の様に、
やや上から目線の研究之王の言葉に従って、ブラスターを壁に向けて撃った。
ドォォォォン……!
という腹に響く相変わらずの音が響く。
「わ、ワオ…こいつはスゲェな…」
ブラスターの光線が着弾した箇所を、若干ひっぺり腰になりながら見る。
先程までは無かったどデカい穴が、こちら側に口を開けていた。
《だから言っただろう? 出力が上がっていると。これくらいの掘削。なんてことない》
「そいつぁ良い事聞いちまったな」
オイラは、言いながら今まで出したことのない数のブラスターを召喚し、ビームをチャージする。
「魔力量も上がってみたいだしな。どこでへばるか…地獄のチキンレースでもするか」
ドォォォン!!という重なった音が、洞窟内に幾つもこだました。
・ ・ ・
「あー、掘った掘った。もう骨一本も出せねえ…」
数時間して、オイラは門を開けようとした時の様にうつ伏せに倒れていた。
《…魔力の使いすぎだ。現在の時刻から12時間。意識有りの
自重なんて言葉。スキルにだけは言われたく無かったな。
(…っていうかマジで指一本動かねえんだが?)
《解。先程言った通り低位活動状態だ。今から12時間、意識有りの状態で地を舐めていろ》
(コイツ…案外えげつない事してきやがるな…)
《適切な処置だ》
どうやらオイラは今から12時間は活動ができないらしい。半日のブランクはでけえな…。
それはそうと、低位活動状態の事を教えてくれなかった研究之王はいつかしばく。