転生したはいいけどやっぱりガイコツだったので取り敢えず地底に住む。 作:ヘビーなしっぽ
12時間後。全回復したオイラは、再びブラスターをぶっ放していた。
半日何もしないでいいだなんてオイラからしたらご褒美だ。ちなみに研究之王は滅茶苦茶に呆れていた。
「…………っはあ。一旦こんなもんか」
《そうだな。大きすぎるのも何かと良くないだろう。これくらいが適切な大きさと言える》
あの後、
研究之王によると2倍近いサイズらしい。
《問。君のいた元の世界では、“バリア”という物があったらしいが、代用品の案はあるのか?》
研究之王が唐突にそう聞いてきた。
一旦大穴の入り口まで移動して、俯瞰して入り口を見てみる。
…。確かに、ただどデカい穴が大口を開けているだけだ。この封印の洞窟内の魔物に侵略される可能性だってある。
(逆に聞くが、何か案はあるのか?)
《解。君の記憶の中に残る“バリア“を私が解析・鑑定し、バリアをそのまま貼り付けるという手がある。だが、これはあまり効果的ではないと考える》
(へえ? なんでだ?)
《解。私の力では、あのバリアを解析するのに2年はかかるからだ。それに、この世界に人間なんてごまんと居る。それを7人殺して魂を手に入れるだけで侵入出来るだなんて防衛力が低すぎるからだ。他には、それと似た能力として、無限牢獄が挙げられる。これの解析は約2日程で済むが、これをバリアの代用品とするのも味気ない…ゴホン。不十分だと言えるな》
(お前今味気ないっていったな?)
《その上、アレをバリア代わりに使うには些か制約がありすぎる。私はオススメしないな》
(ガン無視すんだな? まあいいけどよ)
《門でも付ける事を推奨する。これならば、材料を運び込むだけで済むな。設計図などは私の方で書いておこう。その門に色々と工夫してみようじゃないか》
(なるほどなぁ…んじゃ、それで行くか。設計図は頼んだぜ)
《了》
・ ・ ・
研究之王との会話を一旦中止して、オイラは再び空洞の中に入った。
真っ暗で何もない空間が、永遠とも思える距離続いているだけだ。
これを見ると、灯りだとか、建物だとか色々やるべき事が多そうだ。
面倒ではあるが、その分逆にやる気が出た。
前世では、ケツイの力を恐れて、全ての事に対してのやる気が削がれてしまっていたが、この世界ではその危険性がない。つまり、オイラは何にも縛られる事無く自由なことができる。
感覚が麻痺していて実感がなかったが、もう自分を縛る者も力も何もないのだと思うと、嬉しさが込み上げてきて狂喜乱舞しそうだ。
そんなくだらない考えに、heh、と笑いながらオイラは果てしなく続く空洞を歩く。
(以下、三人称)
それなりの時間歩いて、サンズは空洞の果てに辿り着いた。
周りとなんら変わりの無いただのゴツゴツとした岩壁の終点が目の前に鎮座している。
つい先程、汗水垂らしながら自分で掘った変哲の無いただの空洞の最奥の壁を、片手ですり、と撫でた。
その瞬間に、無い筈の脳味噌から、ビリっと電光の様な何かが迸る感覚を、サンズは覚えた。
手足がぶるぶると震え、歯が軽くカチカチと音を立て始める。ショートでもしたかの様に、目が真っ白にチカチカと点滅する。
直後に、目から液体が流れ出てきた。
一滴。二滴。三滴……。
流れ落ちた涙は、サンズの滑らかな骨格を伝い、地面に染みを作る。
サンズは、壁に縋り付くように倒れ込んだ。
ばちばちと存在しない脳がスパークする。
感情が擦り切れて、何も感じなくなる…。そのずっと前の記憶を。サンズは思い出していた。
あの頃は良かった。研究が成功したら全員で狂った様に踊って。失敗したら泣きながら肩を抱き合って。時には
面白くて、その分可笑しくて。実に充実した、二度と戻らないかけがえのない時間。
”失う“という感情の存在すら知らずに、思いっきり生を楽しんだ日々。
失う恐怖に怯える事など無く、自分のやりたい事を、好きな事を。思う存分にやれる環境。
懐かしいな。と、サンズは目から溢れる涙を拭う素振りすらせず見せずにそう思った。
それでも。みんなが居なくとも。これだけは確かで、この世に存在する何よりも決定的だった。
「(ああ。やっと。戻って来られたよ。みんな)」
何もない空間に、所々嗚咽混じりのサンズの泣き笑いだけが静かに響き渡った。
本作のサンズは、ガスター、ガスターフォロワーと一緒に研究してたっていう過去持ちです。
原作“UNDERTALE”に、サンズが研究者だった事を決定づける描写はありませんので、ご了承ください。