【完結】PERSONA3 Re;venger   作:清良 要

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第百二十二話 依頼と報告会

3月26日(月)

朝――フランス・シャテーニュ村

 

 イリスたち家族の故郷であるシャテーニュ村の教会は、彼女の最期の仕事で得た金により建物の修繕と補強が行われ、それからすぐに孤児院を始めた。

 元々は司祭とシスターの二人で管理していたけれど、流石に子どもたちの世話まで行うとなれば人手が必要だ。

 そこで司祭は教区長と地方自治体に届け出をすることで、新たに五人のシスターを派遣して貰い。村の人にも協力して貰いながら事故や事件で身寄りをなくした十四人の子どもらの世話をしていた。

 五人のシスターは一人だけシスター・アンナより二つ下だが、他は全員が五歳以上年上で孤児院で働いていた経験もあったので、子どもたちの母親代わりは彼女たちに任せることが出来ている。

 もっとも、働く人数は増えたが暮らす子どもたちが増えたことにより、シスター・アンナの仕事の忙しさはほとんど変わっていない。

 他の者が子どもの朝食作りや朝の祈りをしている頃、彼女も分担で当たっている墓地の見回りにやってきたとき、ある墓の前に誰かが立っている事に気付いた。

 それは半年ほど前にイリス・ダランベールという女性を埋葬した墓だ。廃人と化していた喪主の少年が教会を去ってから、彼女の知り合いだった者らが何名か花を手向けに来ていたので、こんな早朝に来ている相手も同じように裏の仕事に関わる人間なのかもしれない。

 そんな風に思いながらシスターが近づけば、相手の首に覚えのあるマフラーを巻かれているのが見えた。

 

「小狼さん?」

 

 身長だけでなく髪まで伸びていたことで気付くのが遅れたが、シスターが声をかければイリスの墓参りに来ていた湊が振り返った。

 振り返った彼の右眼に付けられた眼帯を見てシスターは僅かに驚く。白い医療用の物ではないということは、あの下の眼はきっと見えなくなっているのだろう。

 たった半年の間に何があったのかは分からない。それでも顔付きを見る限りはどうやら元気そうなので、眼帯に対する疑問を頭の端へと追いやり、振り返った相手の前に立った。

 

「……おはよう、と言えばいいのか?」

「はい、おはようございます。半年ぶりですね。随分と大きくなられていたので最初は気付きませんでした」

「まぁ、まだ十四歳だしな。半年もあれば背も伸びるさ」

 

 シスターは今現在で二十六歳だが、目の前の青年が自分より丁度一回り若いという事実に衝撃を受ける。若い事は知っていたが十代後半だと思っていたのだ。

 半年で随分と成長したことで、今では十代後半から二十代前半にしか見えないというのに、まだ十代前半だったことでシスターは人体の神秘を見た気がした。

 

「随分とお若いんですね。大人びていらっしゃるので少し驚きました」

「シスターだってアラサー手前でまだ若いだろ?」

「あの、アラサー手前は褒め言葉ではないと思います。結婚適齢期だと指摘しているようなものですから」

「カトリックのシスターは処女未婚が基本なんだから気にする必要ないだろ」

 

 アラサーではなく、そのさらに手前だから十分に若いと言える。そういって褒めた湊にシスターは何やら素直に喜べないといった微妙な表情を向ける。

 確かにカトリックのシスターは性交も結婚もしてはいけないので、見習いを終えて既に正式なシスターになっている彼女には結婚など関係のない話だ。

 しかし、女性に対してそう無遠慮に言わなくてもよいのではないかと思ってしまう。相手が年下であるため多少の事は目を瞑るつもりであっても、失礼なことを言い続けるのならシスターにも考えがあった。

 

「小狼さん、一度教会で懺悔をしてみませんか? 心の穢れを浄化することも出来ますよ?」

「……日本の神道の主神は知っているか?」

「え? えっと、ミス・アマテラスでしたっけ?」

「ミスは付けなくて良いが天照で合っている。さて、その天照は日本を作ったという伊邪那岐単身から生まれた娘なんだが、伊邪那岐には伊邪那美という伴侶がいた。二人の間にいた子どもの一人に大綿津見という神がいて、その娘である豊玉姫命というのは実在した俺の先祖なんだ」

 

 日本神話には全く詳しくないものの、シスターも神道の主神くらいは知っていた。それ故、素直に答えたのだが、急に青年がその主神の父親と伴侶から生まれた別の神の系譜に自分が属していると言ってくる。

 偉大なる父を信仰する者として、他国の者であっても神話の神を実在しないものとして完全に否定する事は出来ないけれど、自分がその子孫だと言われると流石に面食らう。

 だが、シスターが何も言えずにいると湊は言葉をさらに続けた。

 

「さらに言えば、その豊玉姫命の伴侶は天照の子孫であり、そんな二人を先祖に持つ俺は止ん事無き血筋ということになるんだが、そちらの偉大なる父よりも古い歴史を持つ他教の神の子も受け入れて貰えるのかな?」

 

 浮世離れした雰囲気で妖しい色香を漂わせ、その美麗な貌に蠱惑的な笑みを浮かべられると、神に仕える身でありながらシスターは思わず頬が熱くなるのを感じる。

 こんな十四歳がいてたまるものか、そんな言葉が頭を過ぎる。しかし、これは神が自分の信仰心を試しているのだと思う事にしたシスターは、すぐに笑顔を見せて青年の問いに答えた。

 

「え、ええ、主は何人(なんぴと)であっても等しく受け入れてくださいます」

「だから、神の血が入っているから純粋な人間じゃないと言ってるだろ」

「しゃ、小狼さんはどうみても人じゃないですか」

「神の奇跡を見せようか?」

「……遠慮しておきます」

 

 この青年は言った事は絶対にやる。第六感か知らないが、自分の未知なる感覚がそう告げてくるので、シスターは見せなくていいと返しておいた。

 異国の青年が起こす神の奇跡を見たところで揺らぐほどやわな信仰ではない。それでも、見てしまえば彼を他の者と同じように扱う事が出来なくなる。

 他教の神をどうもてなせばいいのかは不明だ。そもそも、もてなして良いものかも分からない。

 シスターは自分の未熟さを感じ、もっと強くあらねばと決意しながら、神の奇跡を披露出来ずつまらなそうにしている青年を教会へ案内することにした。

 

***

 

 シスターに連れられて教会に向かうと一騒動あった。湊の姿を見た子どもたちがシスター・アンナが彼氏を連れてきたと騒いだのだ。

 教会の孤児院の子どもは下は七歳から上は十六歳までいるので、年齢的には湊とほとんど変わらない。

 田舎にいることもあって話題に飢えているらしく、女子たちがキャーキャーと声を上げれば、幼い子どもたちも女子らの真似をして声を上げ、年齢が高めの男子たち以外は他のシスターたちがやってきて静かにするようにいうまで治まらなかった。

 シスター・アンナは子どもたちがすみませんと謝っていたが、別に気にしていないと湊が返したことで、申し訳なさそうにしながらも一緒に朝食を食べないかと誘った。

 湊はそれに対して飲み物だけ頂くと答え、シスターに食堂に案内されて彼女たちと同じテーブルにつく。

 他の者らは一緒になって配膳を手伝い。湊を席に着かせたシスターも湊のコーヒーを用意すれば手伝っていたので、全てが終わるまで大人しく待つ。

 その途中でやってきた司祭には久しぶりだと挨拶し、全員が席に着けば感謝の祈りを捧げて食事が始まった。

 

「小狼さんは今日で帰られるのですか?」

「ああ、墓参りとシスターに会いに来ただけだからな」

「っ!? ごほっごほっ」

 

 コーヒーを飲みながら真顔で言ってくるせいで、不意討ちを喰らったシスターは咳き込んでしまう。

 隣に座る中年のシスターが背中をさすってくれたことで被害は軽微で済んだが、むせて涙目になった彼女は僅かに怒った顔で湊を諌めた。

 

「そういった冗談はやめてください。また子どもたちにからかわれてしまいます」

「冗談じゃないさ。今日は貴女に話があってきたんだ」

「お話ですか? 一体何でしょう?」

「俺と一緒に日本に来て欲しい。貴女が必要なんだ」

 

 他の者たちが二人の会話に耳を澄ませていたことで、湊のその声は食堂中に響いた。

 あまりの出来事にシスターは頭が真っ白になり、直後、他の席にいた子どもたちから歓声が上がる。

 結婚だ、プロポーズだ、シスター・アンナおめでとう、そんな風に口々に騒ぎ出す子どもらに他のシスターが静かにするように言っているが効果は薄い。

 だが、少し経ってようやく再起動した彼女は、顔を真っ赤にさせながら本気で湊に怒りの声をぶつけた。

 

「わ、私は神に仕える身です。それを口説くなどどういったつもりですかっ」

「口説く? いや、うちの教会で働いて欲しいだけだ。カトリックのシステムは知らないが、別に宗派が一緒なら外国でも働けるんだろ?」

「……へ?」

 

 子どもたちの騒ぐ声やシスターの叱る声が食堂中で響き、カオスな状態になっていたにもかかわらず、湊の声だけはしっかりと全員の耳に届いて、騒ぎは一瞬にして治まる。

 先ほどの青年の言葉は明らかに口説いているようにしか思えなかったが、表情を見る限りでは本当にそんなつもりはなかったようで不思議そうにしている。

 紛らわしい。本当に紛らわしい事この上ないが、食堂が再び静かになった今なら問題なく訊けるだろうと、シスターは改めて相手の意図を尋ねた。

 

「は、働く? その、うちの教会というと小狼さんのご実家はカトリックの教会なのですが?」

「そうじゃなくて、俺はEP社の最高顧問なんだが日本に病院や研究施設を作っているんだ。研究施設の従業員は海外からの転勤も多くてな。そういった者たちや入院患者のために、敷地内にカトリック系の教会を作っているんだが、シスターに来てもらいたいんだ」

 

 話を聞いてシスター・アンナだけでなく他のシスターや司祭もようやく理解出来たと頷く。

 確かに海外から転勤してきた者にとって、日本は教会の数がそれほど多くないこともあって、日曜礼拝や宗教行事の習慣を行うのは難しいかもしれない。

 それをカバーするために教会をまるごと作ってしまうのは驚きだが、ちゃんと届け出をすれば教会として活動する事は可能である。

 目の前の青年が、EP社というこんな田舎でも知られている大企業の重役であることにも驚かされたが、人々の願いを叶えるために教会を作ろうとして自分に協力を要請したことも理解出来た。

 シスター・アンナはしっかりと相手の言葉を受け止めた上で、自分の意見と規則の両方の面から簡潔に答える。

 

「申し訳ありませんが私の一存ではすぐお答えできません。いえ、お話は大変ありがたいですし、祈りを捧げたい方たちがいるのであれば私もお手伝いさせていただきたいのですが」

「一応、パンフレットを持ってきたんだ。教会は独立しているから建物が完成するのは他より早く五月中旬から六月上旬になると思う。教会として使えるように地方自治体や教区長の方に届け出はしておくから、もしも来れるなら連絡してくれ。まずは見学でも構わないから」

 

 言いながら湊は大きな封筒と自分の仕事用の携帯の電話番号を渡して来た。

 彼の言うパンフレットとやらを封筒から取り出すと、海に近い都会の教会ということで、長閑な田舎であるこことは対照的だ。

 彼女は今まで日本に行ったことはないが、元々勤勉なこともあって日常会話くらいならば現地の言葉もすぐに覚えられるだろう。

 また、目の前の青年も普段は日本にいるようなので、困った事があれば相談できる。

 慣れ親しんだ村や子どもたちと別れるのは辛いけれど、こういった人生の転換期とは突然にやってくるものだ。

 未熟な身である自分に選ぶチャンスを与えてくれた神に感謝し、受け取った封筒と電話番号をしっかりと仕舞ってシスターは青年にも礼をいった。

 

「私のような未熟な者に選ぶ機会をくださってありがとうございます。すぐには答えを出せませんが、必ず近いうちにお答えします」

「いや、こちらこそ急に済まない。もし来てくれるのであれば、住居や引っ越しの手配は全てこちらでやるので、そういった心配は何もしなくていい」

「フフッ、重ね重ねありがとうございます」

 

 敷地内の教会だろうとシスターは社員ではないので、そんな転勤の手伝いをする必要はない。道案内は欲しいが、それだってパンフレットに住所が書いているのだから自分で探す事は可能だ。

 だというのに、住居まで用意してくれると言われては、あまりに至れり尽くせりで申し訳なく思えてくる。

 それがオファーしてきた彼なりの誠実さなのだろうが、子どもがそこまで気を遣わなくて良いのに、とシスターは思わず苦笑してしまった。

 その後、用事を終えた湊は飲み物だけで朝食に付き合ったが、まだ他にも仕事があるからとすぐに村を去って行き。話を聞いていた司祭からは、よく考えて答えを出したなら自分はシスターの考えを支持して応援するという言葉をかけられた。

 大好きなこの村にいたいという気持ちもあり、自分を頼ってくれた青年の力になってあげたいという気持ちもまた存在する。どちらを選んでも不幸にはならない。むしろ、やりがいすら感じられて、随分と贅沢な悩みだとシスターは自分の置かれた境遇を幸福に思うのだった。

 

 

影時間――タルタロス

 

 シスターと別れた湊は一度シャロンたちの研究室に寄ると、衝撃吸収材を搭載した新しい義手“EP01”に換装して、性能テストを少しすると日本に戻っていた。

 この短期間で改良型の義手を開発するのはすごいが、まだ全力の拳撃に耐え得るほどではなく、日常なら出せて60%、影時間で補整を付与されて力が上がれば40%が精々といったところだ。

 武器を振る分にはほとんど問題ないのが唯一の救いで、蹴り技を主体とした武術や武器で戦うのをメインにしていればシャドウとの戦闘も問題ない。

 そうして、本日のシャドウ狩りに向かった湊は、チドリを連れてタルタロスのエントランスにやってきた。

 

「おや、本日はチドリも一緒なのですね。どうもお久しぶりです」

 

 エントランス中央に向かって歩いてゆくと、そこにいた前を開けた薄手の上着を素肌に着た男が声を掛けてくる。

 会うのは留学前に依頼したとき以来で約一年ぶりだが、ストレガのリーダー・タカヤは背丈や眼帯など見た目が随分と変わった湊を見ても気にしていないようだ。

 しかし、他の者は違っているようで、成長した湊の姿に唖然としながら目を丸くしている。

 

「……依頼の報告を聞こうか」

「ええ、シャドウ狩りに出た日と討伐数は記録してあります。ジン、ミナトに報告書を渡してください」

 

 久しぶりの再会だというに挨拶もろくにせず仕事の話を始める湊。言われたタカヤもすんなり受け入れてジンに持って来させていた報告書を出す様にいう。

 普通はもっと再会を喜んだり、どうして久遠の安寧に狙われていたのかを尋ねたりするものだろう。

 ジンはそんな事を考えながらも鞄からファイルを取り出し、それを湊に手渡しながら話しかけた。

 

「ほれ、報告書や。しかし、お前随分と成長しよったなぁ。一千万ドルの賞金首になっとったのに一人で久遠の安寧を墜としとるし。海外で一体どないしとったんや?」

「……別に。喧嘩を売られたから買っただけだ」

 

 留学前は自分の方が大きかったというのに、今では拳一つではきかないほど負けている。普段は身長など気にしていないジンも、年下の湊に背で負けるのは少し悔しかった。

 ただ、一年分の報告書に素早く目を通しながら答えているが、そこに詳しく話そうという気配がまるで感じられなかったため、ジンは雑談も含めて詳細を知るのは不可能かと諦める。

 タカヤはそれを見て僅かに口元を歪めていることから、湊が何も話さないと分かっていたようだ。

 少しすれば湊も報告書を読み終え、それをマフラーにしまうと今度は何やら携帯より二回りほど大きな何かを取り出して来た。

 一体それが何か不思議に思っていれば、湊はそれをタカヤたちの後ろに立っていた茶髪の少女・メノウに投げ渡した。

 

「わわっ、あ、危ないよミナト君。投げる前に一言いって欲しかったな」

「お前なら取れると思って投げたんだ」

「そういう信用は嬉しいけど心臓に悪いからやめてね。それでこれって何なのかな? 携帯? それとも小さなパソコン?」

 

 見た感じでは腕に取り付けられるウェアラブルコンピュータのようだが、湊はたまに変な道具を持っているので説明を聞かない事には電源を付けることも出来ない。

 とりあえず、巻くためのベルトがあるので左手首に取り付け、湊をジッと見つめてメノウは返答を待った。

 

「……それは追加報酬の適性測定器だ。アナライズが出来る人間が付けていれば、読み取った対象の適性値が表示される。画面がソーラーパネルのようになっていて、光を当てていれば月明かりでも充電出来るからバッテリーは気にしなくていい」

「へえ、便利だね。ねぇねぇ、ボクたちの適性も測ってみていい?」

「それはもうお前たちのだ。自由に使ってくれて構わない」

 

 言われたメノウは早速とばかりに電源をいれると召喚器を頭に当てて引き金を引く。すると、渦巻く水色の欠片の中から、鎖で繋がった“鋼鉄の処女”を手に持った長髪の女性型ペルソナ・正義“デュスノミア”が現れた。

 ペルソナを呼び出したメノウが誰の適性から測ろうと考えていれば、ダボダボのパーカーを着てカーゴパンツのポケットに手を入れていたカズキが口を開く。

 

「メノウ、オレから測れ」

「うん、わかった。えっとねぇ……“14900sp”って出たよ。これって強いのかな?」

 

 アナライズをかけると“ピピッ”と電子音が鳴って画面に数値が表示される。しかし、彼女は数値と強さの関係を理解していなかったので、首を傾げてどう見たものかと悩んでいる。

 

「オレが知るかよ。ミナト、どうなンだ?」

「エルゴ研にいた頃は三千から四千の間くらいだったことを思えば、それなりに成長してるんじゃないか。レベルって言い方をすればレベル29弱ってとこだ」

 

 エルゴ研時代から考えれば三倍から四倍ほどまで成長している。それを聞いたカズキは自身の成長を数値化したことでより実感出来たのか、愉快そうに凶悪な顔で笑みを浮かべた。

 湊がメノウに渡した適性測定器は、Eデヴァイスの簡易版のようなもので、栗原が以前作った物をEP社の技術で進化させたものだ。黄昏の羽根を内蔵し、バッテリーは光に当てるだけで充電されるので切れる心配はほぼない。

 テオドアの開発したアプリを入れたEデヴァイスと違って、この測定器ではまだ対象のMAX数値しか測る事は出来ないが、それでもアナライズするだけでおよその強さが分かるのだから便利なものだ。

 後々改良を続けて適性の最大値と残量を共に測れるようにする予定だが、とりあえず出来ている状態でこれを五つほど作らせ、シャロンの研究室、栗原、チドリ、メノウの四人に今のところは渡してある。

 チドリが受け取った日に自分を調べてみたところ、モナドに挑む前は7840sp(レベル14弱)だった適性は12110sp(レベル23強)まで上がっていた。

 過去の経験からするとほとんどはあの一夜の戦いで上がったのだと思われる。本気で死を覚悟して、さらに限界まで神経を研ぎ澄ませて勝利を勝ち取ったのだ。それくらい上がっていてくれなくては困るとも思ったが、流石に一年間実戦を続けていた者には勝てなかったようで、チドリは小さくつまらなそうな顔をした。

 その間もメノウはアナライズによる測定を続けており、今度は自分の数値を測っている。

 

「えっと、ボクは12500sp(レベル24)だってさ」

「メノウ、次はマリアがやる!」

「了解。マリアはね、14500sp(レベル28)だからカズキと大して変わらないね」

「メノウちゃん、メノウちゃん、わたしは?」

「スミレは……あ、すごい。17000sp(レベル33)でトップだね」

 

 幼い喋り方の金髪の少女・マリアとおっとりした雰囲気の少女・スミレは、自分たちの適性を知って楽しそうに笑う。

 マリアは元々エルゴ研にいたときから、カズキやタカヤたちトップクラスの人間に近い強さを誇っていた。それだけにカズキと近い数値でもおかしくはないが、普段あまり戦っていないスミレが自分より強いことが気にくわないのかカズキが口を挟んできた。

 

「おい、おかしいだろうがよ。なンで、ろくに戦ってねェヤツがトップなンだ」

「……スミレのテュポーンは元々規格外だ。体長三十メートルのペルソナを扱えるんだから、他のやつより高めでもおかしくない」

 

 スミレ本人はおっとりしているが、そのペルソナである刑死者“テュポーン”は規格外の超大型ペルソナだ。拳の一撃が中級スキル以上の威力を有しており、耐性の相性を突かなければ一対一でまともに戦えるのは湊くらいなものである。

 素早い動きや戦闘が苦手で、ペルソナで自分を守りながらなんとか戦えるようにしようと考えた末に辿り着いたのが今の姿だ。ある種の進化を果たしているそんなペルソナを所持している者が、並みのペルソナ使いより弱い訳がない。

 湊の言葉を聞いたカズキも、それでようやく納得したのか、つまらなそうに舌打ちすると黙ってメノウの測定結果の続きを聞いた。

 

「ジンは13400sp(レベル26弱)だね」

「まぁ、わしは後方支援やからな。前衛のカズキやマリアには負けるわ」

「タカヤはえっと、15200sp(レベル30弱)で二位だよ」

「フフッ、一年間戦っていたことでそれなりに強くなったようですね」

 

 元々、ストレガの面々はタルタロスに来てシャドウを狩ったりはしていなかった。

 街中でイレギュラーシャドウに遭遇すれば倒していたが、柵があって上層には行けないとエルゴ研時代に知っていたのだから、湊のように意識してシャドウを狩るでもない限り、そもそもタルタロスに訪れる理由がないのだ。依頼がなければ一年もタルタロスに通う事など二度としないだろう。

 それでも、チマチマと雑魚としか言えない敵を倒し続けたことで少しでも強くなれたのなら、依頼をこなした甲斐があったとタカヤは楽しげに口元を歪める。

 

「それで、ミナトはこの一年でどこまで強くなったのですか?」

 

 だが、彼が本当に知りたかったのは自分たちの強さではない。世界を敵に回しても生き延びた真性の化け物、この世に蘇った伝説の鬼、神の血を引く青年が世界を巡ってどれだけの力を得たのか。

 本来は力試しでもして測ろうと思っていたのだが、適性測定器という丁度いい物があるのだ。先ずはそれで数値として理解しようとタカヤは考えていた。

 言われたメノウは一度湊に視線を送って測ってもいいかと言外に尋ねるも、青年はコートのポケットに手を入れたまま冷たい表情で黙っている。

 それがどっちの意味か分からず彼女が困っていれば、小さな溜め息が聞こえて、直後にチドリが召喚器を使いメーディアを呼び出した。

 メノウが受け取った適性測定器は黒だが、それと色違いの白い測定器をチドリも右手首に付けていたので、呼び出したメーディアで湊にアナライズをかけて適性値を測っている。

 アナライズなどジャミングやステルスをかけていなければすぐに終わるため、少しすればチドリの測定器から“ピピッ”という電子音が鳴った。

 一体どれほどの数値が表示されたのか。一同が黙って待っていれば画面を見たチドリが僅かに目を見開いて、ベルトを解いて測定器を外し画面を他の者に見せながら数値を口にした。

 

「……湊の適性値は100000sp(レベル100)よ」

「ハァっ!? ンなの、おかしいだろうがっ! 一人だけケタぶっとンでっぞ!」

「因みに一年ほど前はいくらだったのですか?」

「留学前に測ったときは31000spくらいだったわね。まぁ、最初から絶望的なほどに差があったんだから気にするだけ無駄よ」

 

 この場の誰よりも遥かに強いとは思っていたが、ケタ違いの数値に他の者は唖然とする。

 しかし、この数値は擬装用に普段から抑えたものであり、チドリも留学前に98000spだった事を覚えているので気付いている。

 もっとも、本来の状態であっても力の管理者には遠く及ばず。未だに彼女たちの数値を測定できていない湊は全く表情を変えていなかった。

 それが強者の余裕に見えることでカズキは敵意を剥き出しにしているが、攻撃してくれば即座に対処できるので、湊は構わず適性に関する知識を一つ他の者に教えておく事にした。

 

「適性は鍛える以外にも死に近づけば増えるらしい。俺は右眼を失ったからな。それで余計に加速したってのはあるさ」

「我々が眼や四肢を失ったところで貴方に届くとは思いませんがね。それはそれとして、せっかく再会したことですし、少しばかり力試しをさせて頂きたいのですが?」

 

 腰のベルトから大型リボルバーを抜きつつタカヤは笑みを浮かべ尋ねる。

 ジンやメノウらは湊に命を救われた経験があり、彼からアナライズや索敵の手解きを受けていたことで挑むという発想を持っていない。

 しかし、カズキやタカヤにとって湊は挑むべき壁だ。絶対的な強者であるが故に、それに挑んでいるときには己の生というモノを実感できる。

 湊は黙ったまま背を向けると一定の距離で立ち止まった。それが挑戦を受けるという合図であると悟った面々は、カズキとタカヤを除いてエントランスの端まで退避する。

 

「タカヤ、オレは突っ込むぞ」

 

 タカヤに声をかけながらカズキは腰に付けた鞘からカットラスを引き抜く。予備にサバイバルナイフも持っているが、今の彼の得物はこの海賊が使っていそうな反りのある片手剣だ。

 戦い方は我流だが高い身体能力によって一般人に負けることはない。とはいえ、相手は殺しのプロだ。単体で挑めば即座に敗北する事は分かっている。

 故に、悔しい気持ちはあるが仲間に援護を任せれば、タカヤは了解だとばかりに頷いた。

 

「お好きにどうぞ。私は拳銃も使いますから当たらないでくださいね」

 

 リボルバーの弾丸を確認しながら、いつでも撃てるように用意をしてタカヤは集中力を高める。

 この一年で相手にしていたのは雑魚たちだが、それ以外にもたった一体だけ湊に匹敵する実力を持った最凶のシャドウがいた。

 倒す事は一度として出来なかったが、総力戦で挑むことで何とか押さえこみ、逃げ延びた経験が何度かある。

 相手はシャドウとは思えないほど知能が発達し、こちらの弱点を突くようなスキルを放ってくることや、攻撃を喰らって怯んだ者を集中して狙ってきたことで、何度も死を覚悟したものだ。

 それに比べれば相手は人の姿をしているだけマシである。実力はあの死神を超えているだろうが、今から挑むというのに心が昂って仕方がない。

 やはり、命を持たぬシャドウなんぞよりも、人間同士での命の奪い合いの方が愉しい。タカヤは心の中で最高の笑みを浮かべた。

 そして、

 

「きやがれ、モーモス!」

 

 ペルソナを召喚しながら駆け出したカズキは、首から下が黒一色の大鎌を持った男性型ペルソナ・隠者“モーモス”と共に湊へと迫る。

 互いの距離は十五メートルほどだ。俊敏な彼のペルソナならば一瞬にして距離を詰めてしまう。

 

「モーモス、利剣乱舞!」

 

 距離を詰めたモーモスが鎌を高速で数度振る。光を反射させる鋭利な刃は空気を切り裂き、湊に向けて見えない斬撃をいくつも飛ばした。

 タイミングを計っていたタカヤも軌道が被らぬよう移動して引き金を引く。空気を震わす破裂音を響かせ、炎と共に銃口から飛び出した必殺の凶弾は、視線の先にいる青年の退路を塞ぎ屠らんと迫り続ける。

 左前方からは多数の斬撃が、右前方からは大型の獣を一撃で仕留める凶弾が、それぞれの逃げ道を制限させながら近付く。

 仮に避けてもペルソナと共に駆け出してきたカズキが勢いを乗せた攻撃を放ち、後方支援のタカヤもカズキがダメージを受けない属性のスキルで追撃してくるに違いない。

 現在の実力がばれないうちに、少しでも攻撃を当てるための短期決戦型のフォーメンションのようだが、それを見た湊はよく育っていると素直に感心した。

 とはいえ、全てを素直に喰らうなど御免である。ポケットの中で素早く“太陽(茨木童子)”と“魔術師(出雲阿国)”のカードを握り潰した湊は、足元から黒い炎を走らせ呟いた。

 

「――――ミックスレイド・無間地獄」

 

 湊の足元から広がった炎はエントランスの床を覆うと、そこから人間大の黒い腕骨がいくつも現れる。

 ある骨は凶弾を受け止め握り潰し、ある骨は斬撃を散らせながら進み敵のペルソナを掴む。

 掴まれペルソナの動きが封じられれば、持ち主もフィードバックダメージで動きが鈍くなり、速度が落ちたところを地面から新たに生えてきた複数の骨に襲われ、カズキは両腕ごと胴体を拘束されてしまった。

 一方、少し離れた場所にいたタカヤも、黒い炎に覆われた地面から次々と生えてくる腕骨の対処に追われていた。

 地面を走る黒い炎と同じ物で構成されているようだが、骨の方には実体があって、捕まえられそうになったところを蹴って距離を取る事が出来た。

 だが、距離を取ってもまた複数の骨が出てきて限りがない。これは地面を覆う炎ごとペルソナで吹き飛ばすしかないと、タカヤは精神を高めて己の分身を呼んだ。

 

「ヒュプノス、メギドラ!」

 

 血管を束ねたようなグロテスクな翼を持つ男性型のペルソナ、運命“ヒュプノス”は羽ばたき上空から広範囲を極光で薙ぎ払う。

 地面を覆う黒い炎もスキルのような物だと認識していたが、予想は的中し、スキルで薙ぎ払った部分は元の床が覗いていた。

 腕骨も流石に炎がない場所からは現れることが出来ないようで、迫る腕骨から逃げるため、転がる様に何もない床へと飛び込むと、タカヤは続けて拘束されているカズキに向けてスキルを放った。

 

「マハジオンガ!」

 

 再び羽ばたいたヒュプノスは、カズキとモーモスごと骨と炎を散らせてゆく。

 モーモスは電撃無効の耐性を持っているため、カズキには一切のダメージがない。拘束を解かれたカズキは地面に足が着くなり湊から距離をとって、炎の消えた床へと移動しペルソナを呼び出し直す。

 

「モーモス、ジオンガだ!」

 

 再び現れたモーモスは湊に向けて一直線に閃光を放つ。効果範囲の違いはあれど、ほぼレベル差のないヒュプノスの放った攻撃と本来は同じ威力を有するスキルだ。

 だが、一目見ればモーモスの一撃の方が威力で勝っているとはっきり分かる。空気中で爆ぜる音、目を焼くほどの眩さ、走る青白い雷の太さ、どれもが魔法を得意とするヒュプノスよりも遥かに強力で、それを見た湊は相手が特定属性の威力上乗せスキルを習得していると見抜いた。

 

「受け止めろ、白虎(バイフー)。大口真神はモーモスを烈風撃で仕留めろ」

 

 相手のスキルが着弾する前に、湊は“節制”と“剛毅”のカードを握り潰し、牛ほどの大きさのあるマルタタイガーと白狼を呼び出す。

 呼び出された白虎は電撃吸収でジオンガを防ぎ、脇を走り抜けた大口真神はスキルを放っていたモーモスに風を纏って接近し、応戦のために敵が振り被った鎌が背中に刺さるのも構わず、生木すらも噛み砕く鋭い牙で噛みついた。

 

「がぁっ!?」

 

 烈風撃は疾風属性が付加された斬撃スキルだ。疾風が弱点のモーモスは、一撃で胴体を噛み千切られ消えていった。

 弱点のフォードバックダメージを負ったカズキは、離れた場所で額に脂汗を滲ませて膝をついているが、まだ目には力が宿っている。

 こういう手合いはすぐに片付けねばしつこく立ち上がってくるものだ。後衛のタカヤも色々と狙っているようなので、相手が反撃してくる前に、湊は一気に決めにかかった。

 

「アタランテ、刹那五月雨撃っ!!」

 

 砕いた“戦車”のカードを上空へと投げれば、月色の髪を揺らして深緑の衣を纏った女狩人が現れる。

 彼女はそのまま湊の頭上で限界まで弓を引き絞り、滅するべき敵を鋭い眼光で射抜くと、光で出来た無数の矢を大雨の如く降らせた。

 たった一張の弓から放たれたとは思えぬほどの矢が、一切の逃げ場を作らぬように降り注ぎ、飛んでいた眠りの神も、その召喚者らもまるごと呑み込んでしまう。

 傍らからその光景を見ていた者たちには、それはまるで光の滝のようにすら見えた。

 人間がいくら挑もうと自然には勝てない。この一戦は、ここに居る者たちにそんな当たり前の事を教えるために行われたのではないかと思わせるほど、圧倒的な力の前にあっさり幕切れとなったのだった。

 

***

 

 矢の攻撃が止むと、ひび割れクレーターと化した床の上に血だらけの二人が倒れていた。

 幸いなことに致命傷は避けられていたが、全身を太い針で刺されたようになっていたため、そのままにすれば失血死は免れない。

 だが、彼らを完治させるほどの回復スキルを誰も持っていなかったことで、ジンやメノウに助けを求められた湊がカグヤを召喚し、傷跡も残さずに完璧に治してみせた。

 彼らの武器と召喚器は無事だったが、服はボロキレになっていたため、マフラーから出した似た服をジンに渡して一人で着替えさせた。そのとき文句を言われたけれど、湊はストレガの一員ではないので味方の男がやるべきだと返した。

 相手が普通の病人や怪我人であれば、湊だって老若男女問わずに介護してやる。だが、カズキとタカヤは自分から力試しをしたいと言ってきたのだ。

 ぼろ負けした人間が勝者の男に着替えまでして貰ったと聞けば、あまりの屈辱に怒りで血管が切れるかもしれない。

 普段は大人しいタカヤならばそれはあり得ないだろうが、直情的なカズキならあり得ない話ではない。

 言われたジンもそう思ったらしく、二人の血をボロキレとなった服で拭いてしまえば、新しく貰った服に黙って着替えさせていた。

 そして、気を失っていた二人も少しすれば目を覚まし、自分たちの服が変わっていることとエントランスの惨状を見て直前の記憶を思い出したようで、どこか悔しそうに溜め息を吐いている。

 

「はぁ……少しは近付いたと思っていたのですが、どうやら正面から戦っても勝ち目は皆無のようだ」

「知らねえペルソナまで増えてやがったしな。ミナト、テメェいま何体持ってンだ?」

「……さぁな。さっきので全てかもしれないし。百体を超えているかもしれないぞ。お前らに教える気はないが精々悩むといいさ」

 

 復讐代行という仕事柄、依頼や状況によっては知り合いであっても敵となり得る。故に、そんな人間に自分の情報を明かす気はないと、湊は見下した嘲笑を浮かべて回答を拒否した。

 湊のその態度にイラついた様子でカズキは舌打ちし、タカヤは肩を竦めて武器の状態確認に移ってゆく。

 ジンやチドリにメノウらは、戦っていた三人それぞれがある意味で自己中だと理解しているので、相変わらずだと呆れたように嘆息する。

 そうして、二人が動けるようになってから少しばかりシャドウ狩りを行うと、学校の校門のところで別れ、湊はチドリを桔梗組に送ってから自分のマンションへと帰って行った。

 

 




登場ペルソナ解説
 能力は第百二十二話終了時点のもので、後に成長する事でステータスやスキルの増減や変動もあり得る。スキルはP3系・P4系・PQで登場した全スキルを扱うため、P3作中よりも覚えているスキルの種類が増えているペルソナもいるが、魔法攻撃スキルはアギもアギラオも使えようと覚えている中で最も強いものだけを表記する。
 性能は大きく分けて魔法・物理・バランス型の三つがあり、そこへさらに数値の高い項目によって耐久や俊敏、得意な属性によって火炎系や氷結系なども加えて表記する。
 

節制“バイフー(白虎)”
【召喚者】湊
【説明】西を司る四神の一柱。名前は白虎だが青い毛をしたマルタタイガー型のペルソナ。性能は電撃系バランス型。
【ステータス】吸収:電撃 弱点:火炎
【スキル】
・ジオダイン:単体電撃
・マハジオダイン:全体電撃
・デスバウンド:全体斬撃
・雷鳴斬:単体電撃斬撃
・マハラクンダ:全体敵防御ダウン



剛毅“大口真神”
【召喚者】湊
【説明】現在では廃れてしまった日本の狼信仰で奉られていた神。牛ほどもある大きな白狼型のペルソナ。性能は俊敏な疾風系物理型。
【ステータス】耐性:疾風、氷結 無効:光 弱点:火炎
【スキル】
・ガルダイン:単体疾風
・デッドエンド:単体斬撃
・烈風撃:単体疾風斬撃
・スクカジャ:単体味方命中、回避アップ
・デカジャ:全体敵能力上昇魔法解除



戦車“アタランテ”
【召喚者】湊
【説明】ギリシア神話に登場する女狩人と同名を名乗っている名切りの先祖のペルソナ。緩いウェーブのかかった月色の髪を揺らし、深緑の衣と腰に短剣を、手には黒い大きな弓を備えた姿で現れる。性能は疾風系貫通特化型。
【ステータス】無効:貫通、疾風 弱点:氷結
【スキル】
・ガルダイン:単体疾風
・マハガルダイン:全体疾風
・イノセントタック:単体貫通
・ポイズンアロー:単体貫通+毒
・刹那五月雨撃:全体複数回貫通
・疾風斬:全体斬撃
・陣風撃:単体疾風斬撃
・スクカジャ:単体味方命中、回避アップ
・チャージ:一撃のみ物理攻撃力超強化
・会心眼:自身のクリティカル率アップ



正義“デュスノミア”
【召喚者】メノウ
【説明】ギリシア神話の秩序の破壊の神として、『不法』の神と呼ばれている長い銀髪の女性型ペルソナ。胴体は体表から数センチほどがガラスのように透き通った水色をしており、鎖に繋がったアイアンメイデンを右手に持っている。性能は索敵能力持ちの氷結系魔法特化型。
【ステータス】吸収:氷結 無効:光、闇 弱点:火炎
【スキル】
・索敵:地形の把握や敵味方の居場所を把握する
・アナライズ:対象の強さや弱点を調べる
・ブフーラ:単体氷結
・マハブフーラ :全体氷結
・マハ:単体光
・マハンマ :全体光
・マリンカリン :単体悩殺
・ポイズマ :単体毒
・スクンダ:単体敵命中、回避ダウン
・タルンダ:単体敵攻撃ダウン
・ラクカジャ :単体味方防御アップ



刑死者“テュポーン”
【召喚者】スミレ
【説明】他の者よりも巨大な全長三十メートルの男性型ペルソナ。くすんだ赤色の長髪に黒い肌をした身体をしているが、足はそれぞれが大蛇の尾のようになっており、背中には蛇を編んで作ったような翼が生えている。性能は高耐久物理型。
【ステータス】耐性:斬撃、打撃、貫通、火炎、疾風 弱点:電撃
【スキル】
・ギガンフィスト:単体打撃
・アギラオ:単体火炎
・マハラギオン:全体火炎
・ガルーラ:単体疾風
・マハガルーラ:全体疾風
・チャージ:一撃のみ物理攻撃力超強化
・デビルスマイル:敵全体恐怖
・治癒促進(小):HP自動回復



隠者“モーモス”
【召喚者】カズキ
【説明】ギリシア神話のニュクスの子の一人で非難や皮肉を擬人化した『嘲り』の神。ボロ布のようなマントを羽織り、首より下は黒一色の肌の痩せた身体をしている。肩からは牛の角が生えており、手には大鎌を持った死神にも見える姿。性能は俊敏な電撃系バランス型。
【ステータス】無効:電撃 弱点:疾風
【スキル】
・パワースラッシュ:単体斬撃
・利剣乱舞:全体複数回斬撃
・ジオンガ:単体電撃
・マハジオンガ:全体電撃
・スクンダ:単体敵命中、回避ダウン
・スクカジャ:単体味方命中、回避アップ
・電撃ブースター:電撃系スキル威力アップ





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