【完結】PERSONA3 Re;venger   作:清良 要

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第三百二十三話 求める情報

9月28日(月)

放課後――喫茶店“フェルメール”

 

 巌戸台港区のはずれの裏路地へ少し入った場所にある、隠れ家的喫茶店“フェルメール”。

 店のマスターである五代が情報屋をやっていることもあり、基本的には裏の人間ばかりが訪れるのだが、扉が開いてカランカランとベルが鳴ったので視線を向ければ、そこには学校の制服に身を包んだ天田が立っていた。

 以前、湊の過去について話を聞きにこの店を訪れた時と、独自の情報網で調べたところ、背伸びしたい年頃の少年という印象を持っていたので、今日は大人の雰囲気でも味わいに来たのかなと予想する。

 

「やあ、いらっしゃい。天田君……だったよね?」

「あ、はい。天田乾といいます」

「僕は前にも自己紹介したと思うけど、この店のマスターをやってる五代だ。見ての通り店はガラガラだから好きな席に座ってくれ」

 

 今現在、この店の中にいるのはマスターである五代を除けば、ほぼ定位置であるカウンター席の奥から二番目に座っているロゼッタのみ。

 彼女は情報屋と仲介屋を兼任しているので、暇な時は友人の店で寛ぎながら仕事の話を色々としているらしい。

 後から来た身ではあるが、天田は人がいる事でどこか気まずそうにしながらもカウンター席の一つに腰掛ける。

 こういった時、相手がどこに座るかによって心理を読むことが出来るのだが、少年はロゼッタから三つほど離れたカウンター席のほぼ中央に座った。

 あくまで素人の子どもにしてはという条件が付くが、超常の存在と戦っている事もあって十分にロゼッタのことは警戒しながらも、敢えてカウンター席の真ん中に座ったという事は、彼は余程の理由があって五代と話がしたいのだろう。

 小さな子どもが見るからに訳ありな様子でやって来ると、つい湊とチドリが初めて店に来たときを思い出して懐かしくなる。

 それだけ五代とロゼッタも歳を取ったという事だが、自分たちの歳のことを考えていると悲しくなってくるので、ロゼッタが意識して気配を薄めれば、天田が注文もせずに用件を切り出した。

 

「あの……情報を買いたいんですけど」

 

 この店が裏社会に繋がる情報屋をやっていることは、チドリ経由でゆかりが紹介された事もあって、桐条側にもしっかりとバレてしまっている。

 当然、本来ならば一般人である子どもらにそんな情報が伝わるのは好ましくない。

 確かに五代たちは情報を求めてやって来た者らに、報酬次第で情報を売ることもしているが、そこには裏社会における暗黙の了解を含めた独自のルールがある。

 湊はそれをしっかりと理解した上でここを利用し、チドリたちも最低限の事は湊から聞いて守った上でここを利用している。

 だが、チドリから湊の話をするならここが相応しいと紹介されただけのゆかりは、報酬を払えばどんな情報も売ってくれる相手という認識で、ルールなどまるで知らなかったために表の人間である友人らをぞろぞろと連れて来てしまった。

 変な言い方ではあるが、まともな裏の人間ならばそんなふざけた事をする人間などすぐに追い出す。

 公に出来ないからこそ“裏の”と言っているのに、そんな所へフラッとやって来て情報を売ってくれは流石にないだろう。

 訳ありな様子でここへ来た時点で五代たちも察していたが、案の定、天田が何の条件も満たしていない状態でただ情報を売って欲しいと口にしたことで、少々呆れつつもやんわりと少年を窘める。

 

「真っ当な世界で生きたいなら利用は勧めないね。分かっているかい? ここを利用するってのはそれだけで君の弱みの一つになるんだ。裏の人間と繋がりがあるっていうね」

「というか、桐条家のご令嬢と一緒にいるんでしょ? ジャンや私にお金払って話を聞くより、そっち経由で情報を集めた方が安全且つ経済的よ?」

 

 ジャンというのは親しい者が使う五代の愛称だが、五代に続けてロゼッタも横から口を挟む形で少年にアドバイスをする。

 五代とロゼッタは共に情報屋なので、相手が情報屋としてどれくらいの腕を持つのか把握している。

 さらに、他所の情報屋や大企業の情報部がどれくらいかという話もするため、桐条グループの情報部ならば大概の情報が手に入るだろう事も知っていた。

 桐条グループのご令嬢である美鶴の仲間という事ならば、情報部もかなり頑張って調べてくれるはずなので、今現在では分かっていない事も数日の内に調べてきてくれるだろう。

 五代やロゼッタでも同じ情報を渡すことは出来るだろうが、そこは仕事として子どものお小遣いでは到底払えない対価が必要になる。

 いくらシャドウ討伐でそれなりに稼いでいるにしても、無料で情報を手に入れる手段がありながら、わざわざお金を払ってまで裏の人間から情報を買う危険を冒す理由が分からない。

 どうして桐条グループに頼らないのかとロゼッタが尋ねれば、天田はテーブルに視線を落としたままポツリと答えた。

 

「……桐条グループ側が把握した上で隠しているかもしれない情報なんです」

 

 俯いているのでその表情はあまり見えないが、“かもしれない”と言いつつも天田はどこか確信しているようだった。

 五代も湊関連で情報が必要になるかもしれないと考え、過去に様々なパイプを駆使して桐条が過去に行なっていた影時間関連の情報は手に入れている。

 だが、以前ゆかりたちが湊の過去を聞きに訪れた時の様子から察するに、子どもたちはそのほとんどの情報を知らされていない。

 桐条グループには“警備部門”という名目で、私兵とも言える情報部の特殊部隊が存在するのだが、そんな戦闘に慣れた者たちを擁していながら、ただの学生でしかない子どもたちを命懸けで戦わせているのが現状だ。

 適性がないからしょうがないというのは分かるものの、適性がない人間に一時的に適性を付与する簡易補整器の指輪を使えば、誰でも影時間に活動出来るようにはなる。

 さらに黄昏の羽根を内蔵した銃器ならば対シャドウ兵器として使えるので、桐条グループが言っているペルソナ使いしかシャドウを倒せないという情報は誤りだ。

 子どもたちがその事に気付いているかは分からないが、大人の尻拭いのために命懸けで戦ってくれている者らに、聞かれていないから教えていないというのはあまりに不誠実。

 天田が僅かにでも不信感を覚えるのはしょうがないなと五代は小さく嘆息し、情報屋の思考に切り替えるため煙草を吸っても良いかなと一言断ってから咥えた煙草に火を点けた。

 

「フゥ……とりあえず話を聞こう。その後に君が求める情報を持っているか答える。情報料もその時に伝えるから、予算と相談して何を聞くか決めるといい」

「分かりました」

 

 五代が話を聞いてくれると分かり、天田は少し安心した表情で顔を上げると頷く。

 ここで断られていれば、母親を殺した張本人の可能性がある湊に情報を求めにいく必要があったので、話だけでも聞いて貰えるというのは非常にありがたかった。

 天田が話しやすいようにと五代がオレンジジュースをサービスで出せば、受け取ってお礼を言った天田は一口飲んで喉を濡らしてから自分が知りたい情報について話し出した。

 

「僕が知りたいのは、二年前の十月四日にポートアイランド駅の路地裏であった交通事故についてです。深夜、居眠り運転していたトラックが民家に突っ込み、その家に住んでいた女性が一人死亡した。世間ではそういう事になっていますが、その時に現場にいた人間として事実ではないと否定させてもらいます」

 

 具体的な日時まで分かっているのであれば、情報屋としては簡単に調べられるので非常にありがたい。

 居眠り運転のトラックが民家に突っ込み住民が死んだなら、地方ニュースだけでなく全国ニュースでもそれなりに取り上げられているはず。

 天田の話を聞きながらノートパソコンを開き、五代が一般的な検索エンジンで調べれば、先ほど少年が話した通りの内容が様々な新聞で記事として取り上げられていた。

 

「あの場で一人の女性、僕の母が死んだ事は事実です。でも、民家に突っ込んだトラックなんてありません。僕の母は物音がしたからと外に出て、その時に近くの建物が壊れて出た瓦礫に潰されて死んだんです」

 

 幼少期に離婚した事で母と二人で暮らしていた少年にとって、母の死は世界が崩壊するのと同義だった。

 あの日、緑色に塗り潰された世界でトイレのために目を覚ました天田は、外から物音がするからと様子を見に行った母を追って遅れて家を出た。

 結果から言えば、家の外にはその時の判断を悔やむほどの絶望が待っていた。

 暴れて建物を破壊する黒い馬の化け物。恐怖で動けなくなった母親。そして、そんな母親へと降り注ぐ崩壊する建物の瓦礫。

 

「当時、警察にもその事を話しましたが、母親が死んだショックで夢と現実の区別がつかなくなっているんだと判断され、僕の話した内容は一切記録に残されることなく終わりました」

 

 暗い表情でその時のことを話してくれる少年には悪いが、聞いている五代とロゼッタは共にそれはそうだろうと思っていた。

 その警察官が欠片でも影時間について知っていれば、恐らくそこでの会話をメモし、警察としての公式な文書にも残しつつ桐条グループに連絡をいれていただろう。

 だが、何も知らぬ一般人であれば心に傷を負った少年を心配するだけで終わる。

 当時は相手の雑な応対に対してショックを受けた天田も、少し考える余裕が出来ると話を聞いてくれただだけマシなのだと考えるようになっていた。

 

「正直、僕も影時間について知るまでは、もしかしたら警察の人が言っていた通りにショックで夢を見ていたんじゃって考えるようになってたんです。でも、影時間を知って、記憶に残っていた黒い馬の化け物に似たシャドウがいると分かった事で、やっぱりあの事故は夢じゃなかったんだと思いました」

 

 事故が起きた日に揃って影時間に迷いこんだのは偶然だ。

 元から高い適性を持っていたのだろうが、天田に関してはペルソナに目覚めるまで適性は安定していなかった。

 おかげで影時間に迷いこむのもランダムで、安定した適性とペルソナを手にするまで随分と時間が開いてしまった。

 

「でも、先月の満月の日に敵のペルソナ使いの一人が言ったんです。僕のお母さんを殺したのは確かに黒い馬の化け物だけどシャドウじゃなくてペルソナだって。確かに仲間の一人に黒い馬に跨がったペルソナを持ってる人がいるんです。敵がその話をした時に一緒にいたんですけど、その人は否定も肯定もしなくて……」

 

 そこまで話すと天田は膝の上に置いた手をぎゅっと強く握り締め、再びテーブルの上に視線を落として俯く。

 今まで仲間として信頼していた相手が母親の仇かもしれないという状況は、確かに年頃の少年でなくとも非常に悩む問題だ。

 もしも、桐条グループがその事を把握していても、自分たちの持つ戦力が減ることを恐れて黙っている事は十分に考えられる。

 下手をすれば天田が相手に仇討ちとして武器を向ける事もあり得るのだ。

 子ども同士で戦う状況に陥るリスクを考えれば、やはり把握していても黙っている事が正解のように感じる。

 だが、いくら桐条グループがその件について隠していても、裏の世界で生きている敵に情報が漏れていて、さらにそれをチームの内部分裂のために使われていては世話がない。

 その敵のペルソナ使いらには拠点への侵入を許して裏方としてサポートしてくれていた顧問を殺害され、その次の月にはメンバーの実家がバレていて親族を危うく殺される状況にあったという。

 恐らくは探知型のペルソナを使い、特別課外活動部がどういった動きをしているか把握しながら、事前に決めていたパターンの中から作戦を選んでいると思われる。

 桐条グループもそこまでは分かっているはずだが、狡猾な裏の住人を相手に一般人の学生らが対応しきれる訳がない。

 現にこうして天田は桐条グループを信用出来なくなって別の情報源を求めて訪れているのだ。

 完全な内部分裂には至らなくとも、チーム内で不穏な空気が流れるだけでも戦力は大幅に下がるので、この状況を狙って仕組んだ相手側のブレーンの作戦は既に成功していると言えた。

 話を聞き終わったところでストレガの方がやはり上手だなと考えていた五代は、どこまで話すかなと既に持っている手札の切り方を考える。

 天田が何の情報を買いたいか話し始めた時点で、五代もロゼッタも湊から聞いていた話だと分かっていたのだ。

 どういった経緯で事故が起きたのかも把握しているし、被害者と加害者が一緒のチームにいるというのも聞いている。

 つまり、二人は一切自分で動くことなく小遣い稼ぎをする事が出来るのだが、相手が子どもであっても情報屋が自分の持つ情報を安売りするような事はあり得ない。

 業界のルールも知らない素人が持ち込んだ突発的な依頼なので、相手が諦めるならそこまでという一種の遊び感覚でいながら、それを欠片も表情に出すことなくロゼッタは薄い笑みを浮かべて少年に声をかける。

 

「その事故……いいえ、事件についてはいくらか知っているわ。貴方が知りたいのは真犯人の名前? それとも事件に至る経緯? もしくは両方かしら?」

「出来れば両方知りたいです。それと桐条グループがそれを把握して隠していたのかも分かるなら教えてください」

 

 余裕すら感じる口調と仕草で天田を見つめるロゼッタの言葉に、天田はそれが求めていた情報ですとすぐに食いつく。

 当然、ロゼッタは少年が食いつくように話したのだが、ここまで簡単に釣れてしまうと情報を売る側としては完全なカモだなと心の中で笑うしかない。

 これが高校生組ならばもっと疑って下手なりに交渉してくるのかもしれない。

 だが、やはり精神的に追い詰められている小学生ではこれが精一杯かと小さく笑って、ロゼッタと五代であくまで適正な範囲での値段設定を教える。

 

「こういう時って段階的に情報を開示するのよ。そして、そこで値段も変わってくるの」

「相場は名前だけなら十万、経緯を含めれば三十万、プラスアルファの情報も欲しいなら五十万から百万ってところだね」

「っ……そんなにするんですね」

 

 考えていたよりも高い値段設定に天田は思わず言葉に詰まる。

 天田がどれだけを想定して予算を組んでいたのかは分からないが、シャドウ退治で稼いでいても出せるのは真ん中の三十万が限度だろう。

 仮に一番最後のプラスアルファまで情報を求めるのであれば、その時は問答無用で百万が請求されるという罠もあったりする。

 情報は欲しいが出来る限り値段を抑えたい少年は顎に手を当てて考えると、相手から情報を多く貰うから駄目なのではと発想を変えてみた。

 

「じゃあ、僕が知っている事が事実かどうかの判定ならどうなりますか?」

「解説も何もなく事実か否かの判定かい? まぁ、ほとんど変わらないよ。それって真犯人の名前を聞くのと大差ないだろ。どんなにまけても二万円引くくらいかな」

 

 確かに天田の考えた方法ならば情報屋としては出す情報は少なく見える。

 けれど、それは見方を変えただけで、実際には犯人の名前を教えるのとほとんど変わらない。

 そのため、家電量販店の値切りみたいだが二万円ほどしか下がらないよと答えれば、天田は難しい表情で考え込み、最後には意を決したように口を開いた。

 

「……分かりました。じゃあ、犯人の名前だけおしえてください」

「前金で十万だ。持ってきてるかい?」

「はい」

 

 本来ならば前金で全額貰う事はほぼない。信用第一な情報屋として長くやっている人間なので、嘘を言う可能性はほとんど無いのだが、天田はそういった警戒を欠片もしてないのか素直に財布から十万円を取り出したテーブルに置いた。

 小学生が財布に入れてくるにはあまりの高額。まぁ、中には湊のように数百万から数億単位で持ち歩いている者もいるが、天田のこれは依頼のために財布の中身を重くしてきただけだ。

 少年が出したお札を確認した五代は、相手が早く情報を聞きたいと分かっていながら、敢えてゆっくりと煙草の煙を吐いて勿体ぶる。

 視界の隅では五代な露骨な時間稼ぎにロゼッタが笑いを堪えているが、天田は拳を強く握り締めて言葉を待っているのでそれが視界に入っていなかった。

 そして、煙を吐き終えた五代は再び煙草を咥えると静かに答えた。

 

「……君のお母さんを殺したのは月光館学園高等部に通う荒垣真次郎だ。どうだい。君の中にあった答えと一致したかな?」

「……はい。元々、カストールは荒垣さんのペルソナなんです。でも、有里先輩が使っていた時期もあったので、もしかしたらって思ってたんですけど」

 

 一連の経緯は五代たちも知っているので、天田が荒垣ではなく湊が犯人である可能性に賭けていたのは察していた。

 まぁ、湊は散々人を殺しているので、その感覚で母親も殺していてもおかしくないと思ったのだろう。

 けれど、彼や彼の仕事を知っている者にすれば、むしろ無関係な他人を巻き込むような殺しはあり得ないという印象の方が強い。

 未だに湊に負けて死にかけた事を引き摺っているのかと思ったロゼッタは、湊のマイナスイメージを少しでも減らせないかと少しだけ情報をサービスする。

 

「サービスで教えておくけど、小狼君がその荒垣って子のペルソナを持っていたのは、荒垣って子が人を殺した事実から離れたくてらしいわよ。部活やあの寮を離れて、最後に力を手放してって感じでね」

「そう、なんですか?」

「ええ。元々はストレガに頼んだけど、嫌がったストレガが小狼君を紹介して以降は小狼君が担当してたらしいわ」

「……なんだよ、それ」

 

 ロゼッタが話したのは事故やその経緯ではなく、真犯人のその後についてである。

 故に、その情報はプラスアルファの部分にも含まれないという適当な理屈なのだが、話を聞いた天田は荒垣が人を殺した事実から離れたがったと部分に強く反応し、肩を震わしながら拳を握り締めると、席を立ってそのまま店を出て行った。

 しっかりとお金は受け取っているので別に構わないが、貰った内の半分をロゼッタに渡しながら五代が先ほどの彼女の発言について僅かに責めるように諫めた。

 

「ロゼッタ……君、わざと誘導しただろ」

「あら、情報の受け取り方は自由よ? 最初から目が曇ってるみたいだから、下手にブレーキをかけるより当事者間で好きにどうぞって勧めただけじゃない」

「それで小学生が道を踏み外すかもしれなくても?」

「生き方を選べない子だっているのよ。選択肢があって選んだなら後は自己責任よ」

 

 先ほどのロゼッタの言葉は天田が余計に犯人を憎むように仕向けたものだ。

 力を手放すことで罪から逃げようとして、その人物が期間をおいてから部活に復帰していれば、もう時間が経っているから良いだろうと思っているようにも見える。

 勿論、それはあくまで一つの見え方であって事実ではないのだが、天田が湊を都合良く悪人として見ようとした事にロゼッタは小さく怒っていたので印象操作しておいたのだ。

 確かに自分が見聞きした情報が全て正しいかは分からないので、間違った情報に踊らされるかどうは自分次第になってくる。

 だが、いくらムカついたからといって、いい歳した大人が小学生を煽るなんて大人げない。

 小さく溜息を吐いてからお金をポケットに入れた五代は、扉の方へと視線を向けてから天田が使っていたグラスを洗いにシンクへと向かって行った。

 

 


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