【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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サニー登場まで、長かったな。
初見でのトゲトゲしさ全開のセリフ、容赦の無さが凄まじいですよね。



13ひるがえる印象

パラケラテリウム・・・奇蹄(きてい)目の絶滅した史上最大の陸上哺乳類。体重20トン、原始的なサイの仲間で体型は馬に似ていた。新生代古第三紀(こだいさんき)(漸新世(ざんしんせい)後期)に生息。

 

 

(くら)を装着したリッキーの背にマンサムと共に乗ったユキ。

先に研究所を出発していたトリコらの後を追った先では、小高い岩山の上でサニーの到着を待っていた。

テリーの居る場所へ降り立つと、やがて地響きと共に姿を見せたのは、硬い岩肌の大地をめり込ませるほど巨大な縞模様のマンモス。

6本の足に2本の鼻と牙、小さな翼をもったリーガルマンモスは、数十mの巨体だ。

「古代から食の宝、食宝(しょくほう)と言われてきただけはある。圧倒されるサイズだな」

トリコも持っていた酒乱牛を食べる手を止めて、貫禄(かんろく)ある体躯(たいく)を見やる。

「・・・・・・・・・」

ユキはまぶたを下ろし、一旦(いったん)目の前の現実から目を(そむ)けた。

 

―――かつて地球上に生息した最大の陸生哺乳類は、およそ3000万年前に生息した高さ約5m、体長約7.5mのパラケラテリウム。キリンとほぼ同じ背丈だっけ。

史上最大の爬虫類である恐竜、アンフィコエリアスが全長60mの巨体を誇る。

地球上で、生物が大きくなれるサイズには限界があった。

リスクを伴う妊娠期間、体温の調節と維持の難しさ。

豊富な食べ物、高い酸素や炭素率に高湿度といった環境などの影響。

重力と体重を支える骨格形成の壁だってある。

現実的な思考が巡る頭を、ユキは深呼吸で外気を多く取り込みクールダウンを試みる。

元の世界の(ことわり)など一切通用しないグルメ世界に意識が遠のきかけるのを、ユキはリッキーとテリーを交互に撫でることでなんとか保つ。

(―――ホントとんでねえ世界だわ・・・)

 

最大の竜脚類が生きていたら、これ程のサイズ感なのだろうかとぼんやり考えていると、マンモスの下にいる人影に気付く。

狂暴な爬虫獣類ギャングフッドの群れを触れずにノッキングし、マンサムにマンモスを投げてよこしたのはリンの兄であるサニーだ。

「ナイスキャッチ所長。ただし美しさが足りない・・・。受け止める所作に全然胸がドキュンとしないし。全く感動が起きないってゆーか、そもそもガニ股でブサイク。色気ないし、もう死ね(消えろ)って感じかな・・・」

「なんだこの人ーーー!!!」

ファーストコンタクトでのどぎつい発言に、小松は度肝(どぎも)を抜かれる。

ふくらはぎまである4色の長髪をなびかせ、宙に浮いてトリコらと距離を縮めるサニー。

「飛んだ?!―――アレがリンのお兄さんか・・・あんまり似てないな」

リッキー、テリーらと少し離れた場所から様子を見守っているユキは、第一印象を口にする。

 

「リン、お前・・・っ。ンだその土管みたいな足は!!久々に会ったら、皮下脂肪もハンパねぇ!そんな甘いもんばっか食べてるからだ!!」

パフェを手にしたままのリンを注意するサニーに、ユキは兄としての一面を見る。

「なるほど。妹の健康を心配してるとこはちゃんと保護者だ」

先程のマンサムへの罵倒(ばとう)も、薄まるというもの。

「お兄ちゃんには関係ねーしー!」

「関係したくねーし。んな男みてーな妹と」

「あぁ?女みたいなお兄ちゃんに言われたくねーし」

「ねーしねーし、うるせーし!!」

低レベルな兄妹の言い争いを聞いて、ユキは抱いた印象をすぐに思い直した。

「・・・前言撤回。めっっっちゃ似てた」

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