そこまで神がかった食運は小松の特権かなと。
『トリコに馴れ馴れしく話しかけないでほしいし』と言ってティナに体当たりし、『勝手にトリコに触んないでほしーし』と
マンサムにも同居の件は黙っていて欲しいと言われたばかり。
リンが
「―――トリコ。今回私、別行動してもいいかな」
「ん?なにかあんのか?」
目を丸く聞き返してくるトリコに、ユキは声を
「元居たトコの研究機関で覚えのある・・・秘術の波動?みたいなのを感じたんだよ。確かめに行きたくて」
「・・・そうか。けど1人で平気か?場所は?」
「うーん、この広大な島のどこかだとは思うんだけど・・・どう移動したものか」
北海道のおよそ6倍の面積、50万平方㎞のリーガル島。
「
「・・・責任者の許可が下りりゃ、いけんじゃね?」
「所長さんになんて話せば・・・ただでさえ立て込んでる時に」
リーガルマンモスの件で気を揉んでいるマンサムに、ややこしい話をしていいものか考えあぐねてしまう。
「そうだなあ・・・。―――所長、ちょっといいか。ユキだけ別行動取っても問題ねえよな?」
子リーガルを抱えるマンサムの元に向かったトリコが確認を取る。
「そりゃ別に構わんが・・・1人でか?」
心配するマンサムの声に反応したように、離れた岩山の上から軽やかに下りて来たリッキーがユキの背を鼻先で軽く押した。
「!?どうしたのリッキー?」
「―――ん?
マンサムの提案に、ユキは表情を明るくする。
「っ!いいんですかっ」
「他ならぬリッキーが望んどる。コイツが一緒なら下手な猛獣も寄ってこんだろうし、散歩に連れて行ってくれるならワシも願ったりだ!」
気を使わせないようリッキーの付き添いを散歩だと言い切ってくれるマンサムの優しさに、ユキは感動した。
「ありがとうございます!・・・リッキー、ありがとうね。おとーさん心根がカッコいいねえ」
互いに顔をすり寄せ合うユキとリッキーを、なにか言いたげにサニーがじろじろと見ていた。
「リッキーが一緒なら安心か。気を付けてな、ユキ」
「話通してくれて助かったよトリコっ。あとで合流できるといいね」
ユキの言葉を聞いて、一瞬考える素振りを見せたマンサムが声をかける。
「・・・ああ、ユキ。一度研究所に戻ってからの出発でも差し
「?ええ、もちろん」
(リッキーの補給や休憩を挟むのかな?)
「「・・・・・・・・・」」
ユキが理由を勘違いしている一方、トリコとサニーは所長の思惑に
(所長・・・。ユキのこと気にかけてくれてんのか?)
(ふん、所長の
研究所へ引き返す道中。
マンサムがリーガル島についての留意点を、ユキに話し聞かせてくれた。
「IGOは環境や気候の異なる庭―――ビオトープを世界中に保有していて、この第1ビオトープが一番広く猛獣の平均捕獲レベルも27と、8つの庭の中で最も高い危険度Aの地獄に庭だ」
「・・・虹の実を取りに行った第8ビオトープのトロルコングの群れも、逃げ出しそうな危険地帯ですね」
「加えて親リーガルちゃんが居るのは『悪魔たちの
「ギャウ」
マンサムの言葉に反応して誇らしげに鳴いたリッキーに触れるユキ。
「わあーっ、リッキー強いんだねえ。・・・にしても所長さん、首ダイジョブですか?」
巨大な子リーガルを頭に乗せて運ぶマンサムの首を心配するユキだったが、軽快に笑い返される。
「心配無用!ワシもトリコ達もグルメ細胞を持っとる!」
優れた再生機能と生命力を持つ幻のグルメクラゲの万能細胞が、上手く人に結合されると超人的力を手に入れ、旨い食材を食べる程に進化・成長していくという。
「・・・だから食事で、あっという間に傷が
「ワシは子リーガルちゃんを調理室に連れて行ってくるから、部屋でゆっくりしていてくれ」
研究所に戻ったマンサムはユキとリッキーに言い残し、地下52階の特別調理室へと向かう。
(トリコも信用しとるしリッキーも相当