【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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小杉十郎太さん、マンサムのパワー解放シーンの声がいいなと思います。
個人的に衝撃だったのは『スナドリネコさん』と『ニムゲの組長』なんだなって。組長!?!


16複雑怪奇

複雑怪奇(かいき)・・・事情が入り組んで、怪しく不思議。込み入っていて、普通では考えられないような奇妙なこと。非常に複雑で、理解を超えた不思議なこと。

 

 

マンサムがわざわざ一度リッキーを連れて研究所に戻ったのは、既に侵入している美食會とユキが鉢合わせぬよう、出発を大幅に遅らせるのが狙いだ。

「リッキーはまだ長距離を飛んで移動することが出来んから、基本は地上での移動がメインになるだろう。ビオトープの大まかな地図がコレだ」

マンサムは地図を前に、各エリアの特色についてユキに説明する。

研究所からほど近い、島の東に広がる『黒草の草原(ブラックカーペット)』には草食獣とそれらを狙う猛獣が生息。

黒草の草原(ブラックカーペット)』から北へ約500㎞先に広がる『白い森林(ホワイトフォレスト)』は、第1ビオトープの中で最も猛獣が多く生息している。

白い森林(ホワイトフォレスト)』から北西へ進んだ先には、『リーガル高原』に次いで危険な『悪霊たちの遊び場―――デビルアスレチック』。

島の南側には食の博物館と呼ばれる『いにしえの沼地』とキノコの群生地帯『マッシュルームウッド』。

 

「島の西に広がるリーガル高原と、北に位置するデビルアスレチックは特に危険だから立ち入らん方がいい」

「わかりました」

分別をわきまえたユキの返事に、マンサムは肩透かしを食ったような気分になる。

(なんっちゅう素直で思慮深い反応っ。四天王(アイツら)にも見習わせたいもんだが・・・)

「・・・・・・なにか探してるもんでもあるのか?」

笑顔で問うマンサムは、ユキが食材でも探しているのだろうかと予測する。

(食材(それ)なら力になれるかもしれんしな・・・)

「あの・・・込み入った話になるんですけど、宝石の肉(ジュエルミート)の後じゃなくても平気ですか?」

ユキは、事情を話すタイミングを計っていたようだ。

(美食會の件で慌ただしいIGO(コチラ)側の都合に合わせようとしてくれているのか)

頃合いを見て適切なタイミングで話を通す姿勢を見せるユキに、マンサムは感心するばかり。

マンサムは鷹揚(おうよう)に構えて、ユキに話を(うなが)した。

この時のマンサムは、ユキから予想の(はる)彼方(かなた)の返答があるとは、夢にも思わずに。

 

マンサムは自身の軽率な判断を、少しばかり後悔していた。

(まいった・・・。ユキが言うように、やはり宝石の肉(ジュエルミート)の件が片付いてから聞けばよかったかもしれん)

ユキが心配していたのも納得の、複雑怪奇(かいき)な事の次第に頭を悩ませる。

苦悶(くもん)の表情を浮かべるマンサムに、ユキは申し訳ないと肩を落とす。

「・・・スミマセン。やっぱりもっと落ち着いてからの方が良かったですよね。私が所長さんに黙ってる後ろめたさから、先走って・・・」

「いや!いやいやっ、ワシから理由を尋ねて、今聞くことを選んだのもワシだ。お前さんが気に病む必要はないっ」

負い目を感じているユキをなんとか元気()けようとするマンサムは、思わず酒を振舞おうとして苦手だったと思い出し自制する。

「・・・ギャウ」

マンサムの挙動に、リッキーが呆れたように小さく鳴いた。

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