衣食住を確保しました。
バロン諸島へ出向く前の港で、ユキは小松に聞かれた。
「早いですね。ボクは昨日ホテルの方で仕込みを手伝ってから来たんですが、ユキさんはどちらからいらしたんですか?」
「・・・ふふ、
「えぇっと・・・すごく
その時は、
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バロン諸島でガララワニを捕獲し、その肉全てを平らげた帰路。
「そういえば今更ですけど初めて会った時、ユキさんはなぜあんな山奥に居たんですか?トリコさんの狩りに同行を?」
ジャングルを進みながら、向けられた小松からの純粋な質問にユキは返答に
「―――っ・・・」
「あぁ、言いにくい事でしたら別に―――」
「小松はさ。テレポーテーションって信じる?」
空気を読んで引こうとする小松に、ユキは
「え?フィクションなんかで描かれる、ワープとか瞬間移動の事ですか?」
「
「へえ~~・・・。え、なんで急にそんな話を―――」
「・・・・・・・・・」
トリコの話に
「・・・ユキ、さん・・・?」
「私が―――別の世界から来たって話だよ」
「「!!?!」」
ユキの言葉に小松とトリコは
「~~~別のっ、世界!!?」
「マジかよっ!!?どうやってだ!?」
心底驚いた様子の2人に、ユキは思わず
「どうやってって・・・そこ重要?」
「ユキさんが別の世界から来た人間・・・ええっとどう言えば・・・」
小松は混乱しつつも、別世界から転移してきた者についての呼び方を考える。
「
トリコも名称について考え始め、ユキは
「呼び方は・・・迷い人?よそ者、
「なるほど、
「異なる世界の人間、異世界人ってことか。いや、外宇宙とかからやって来たって場合もあるんじゃねーか?」
「えぇっ、それじゃ宇宙人ってことになるじゃないですかっ」
可能性を語るトリコに、論点がズレていく気がしたユキが待ったをかける。
「いや、私のいた世界の
この世界は、そう―――世界を創造した神によって食を中心に
「それより、信じてくれてるって事でいいの?」
「え?あ、はい。驚きはしましたけど」
「?んな
なんともアッサリと信じてくれたようでユキは
「まずトリコの質問について。どうやってこの世界に来たかだけど、恐らくは事故・・・だと思う」
「事故?」
「元居た世界で、ある
「研究と・・・
どういったものか想像出来ない2人に、その背景からユキは説明する。
「私が所属していたのは、自然界の力を操る
「美食神を
トリコの
「自然界のあらゆるもの―――動植物や無生物(有機物・無機物)に精霊や神が宿るという考えの
トリコも小松も、
「要するに、そんな不可思議な力や
「「・・・・・・・・・」」
無言の2人に、ユキは心配になって確認を入れる。
「えっと、理解・・・追いついてる?」
「
もたらされる情報に圧倒されているのか、小松は
「え?あぁ、まぁ・・・どうだろ?
「・・・自然界の美味いもん見付けられたりすんのか?」
「ブレないね。それは今のとこ分からん」
この世界の事がまだわからな過ぎて、試してもいない事なのでユキは正直に伝える。
「―――コレが初めて会った時、私があんな山奥に居た理由だよ、小松」
「・・・ボクが港でどこから来たのか
ユキの不可解な言動についての合点がいった小松。
「ん?待てよ。じゃあ帰る場所がないって事か?」
「だから会ったばかりで危険な狩りに付いて来たんですか?
トリコの気付きに、小松が
驚きの上乗せが出来るとは、小松はなんて器用な事をするのか。
小松が軽はずみな行動だと声を上げれば、ユキも言い返す。
「小松だって力が無いのに、
「いや、そこじゃねーよ。ユキ、行く当てがねぇならウチに来ねぇか?」
「!いいのっ?」
トリコの提案に、ユキは瞳を輝かせる。
「ああ、部屋は
「
「良かったですねユキさんっ」
身の上を打ち明けることに対する不安から一転、当面の衣食住が保証されユキは心から感謝の意を示した。