【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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原作でサニーは初対面の相手、無言でじっと観察してるんですよね。あんな中身なのに、打ち解けるまでは人見知りするタイプなの・・・?なにソレ、おいしいね。


20滲む気遣い

知能・・・物事を的確に理解し判断する頭の働き。知力の程度。記憶・計算・論理的思考。

知性・・・物事を知り、考え、判断する能力。知的能力。感覚で得られた素材を整理統一し、新しい認識を形成する精神の働き。知能・感情・共感・慈愛・調和。

「知能」より「知性」の語の方が総合的知的レベルは高い印象になる。

 

 

「ボクらこれから沼地の方へ向かうんですけど、ユキさんはどちらに?」

調理器具を片付けながら問う小松に、ユキも採取されたキノコをグルメケースに入れながら応じる。

「沼地っていうと、ここからだと西北西(せいほくせい)の方角だっけ?私はリッキーと北東の方に戻るよ」

マンサムに教えられた地図を思い出しながら答えるユキに、サニーは険しい顔で忠告する。

「―――北東?まさか白い森林(ホワイトフォレスト)に行くつもりか?第1ビオトープで屈指(くっし)の猛獣地帯だぞ」

「え、あぁ・・・所長さんにも注意事項として聞いてるよ。特に高原とアスレチックには入らない方がいいって」

(初めて話しかけられたな・・・)

キノコを(しょく)すまでずっと冷めた表情と態度で、物理的にも距離を置いていたサニーと話す機会を逃していたユキ。

 

「いやいくらリッキーが一緒だからって、白い森林(ホワイトフォレスト)も避けるに()したことねぇだろ。ちゃんと認識してるか?IGO保有の庭ン中で一番の危険区だぞ。・・・注意喚起(かんき)()なりなんじゃねぇの、あンのガニ股所長・・・」

いい顔をしないサニーの言動に、ユキは迫力のある顔面に対しての妙な緊張が()ける。

(もしかして・・・身を案じてくれてる?小松にもアドバイスして、避けてた成虫バッタまで捕まえてたし)

「戻るのは黒草(ぐろぐさ)の草原までだから大丈夫」

「・・・ん?」

マンサムへ向けていたイラ立ちで、サニーはユキの言葉に反応が遅れた。

「心配から、助言してくれたんだよねサニー。ありがとう」

「あ、あぁ・・・」

(・・・なんで礼を言われんだ?どっちかってーと(とが)めるような言い方だったと思うが・・・)

 

サニーが頭を悩ませている間に、片付けを終えた小松。

「ユキさんの用事が終わって、また合流出来ますかね?この島すごく広いみたいですし」

「んー・・・、小松を見付けてくれたのリッキーなんだよね」

ユキが振り返れば、食後に手や顔を洗うようにリッキーは毛繕(けづくろ)いしている。

「ほとんど関わってないのに、声や匂いかな?記憶力高くてお利口ですよねリッキー」

「言ってる内容だけじゃなくニュアンスまで理解してるみたいだし、存外(ぞんがい)人より知性が高いのかも。庭の地理も熟知してるのか迷う素振(そぶ)りも無かったし・・・そうだ。小松、腕出して」

「・・・腕?」

不思議そうに両腕を差し出す小松の逆手(さかて)に、ユキは下から軽く左手を()える。

「―――‵水手毬(みずてまり)′」

ユキが上から右手をかざし、現れた小さな水の球体が小松の袖口(そでぐち)に触れ文様(もんよう)を描く。

「コレは・・・?」

腕を持ち上げて、袖口(そでぐち)をぐるりと一周している模様を確認する小松。

ユキも自身の腕に水滴を落として模様を浮かび上がらせた。

「地理で思い出した。この術は、互いの大まかな位置と様子がわかるの。模様に触れて念じれば、プライベートな状況を除いて映し出されるよ。模様の場所も自在に変えられる」

説明に呼応するように、小松の前でユキの水の模様が(はね)(おど)るようにして逆の腕へと移動する。

「位置情報とカメラみたいなものですか?わかりました」

 

ユキの動きに合わせて()せをしたリッキーの(くら)に手をかけ、背に(またが)る。

「―――それじゃあ、2人も気をつけてね」

「ユキさんも、また後で会いましょうーっ」

片腕を振り上げる小松の横で、サニーは(しぶ)い面持ちでユキを見送っていた。

(・・・おいおい、(くら)の持ち手(つか)まなきゃ()せたリッキーに乗れねえのに、人の心配してる場合か?)

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