【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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人を避けていた分ちょいちょい距離感バグってそうなココは、周りから突っ込まれればいい。
容姿でモテるが故に無自覚なうぬぼれが滲み出た…のかなあ?


23合流

サニーの戦いに対するこだわりは理解不能だが、彼は当初から子リーガルを軽々抱える、見た目とは裏腹なパワータイプだった。

技の繊細さではなく純粋な力で決着を付けたかったのかもしれないと、仮説を立ててみる。

勝ち方が美しくないと謎の(こだわ)りを(のぞ)かせる(わり)に、泥臭い脳筋(のうきん)的な戦い方をするのだなと呆気(あっけ)に取れながら、ユキは雌雄(しゆう)を決した戦いに水手毬(みずてまり)の術を()いた。

 

 

ようやくリーガル高原の入り口であるリーガルウォールと呼ばれる高さ3000mに及ぶ垂直の岩壁(がんぺき)が見えて来た。

マンサムに言われた手前、高原に入るつもりはないが近くまで行けばトリコや小松らと合流出来るかもしれない。

 

壁の周囲を見渡せば、どういった訳か高原に()んでいるはずのリーガルマンモスが鈍い動きで崖下に居た。

「・・・なに、あの山みたいな巨体・・・」

体長1500m、体高1000mにも及ぶリーガルマンモスを見上げるユキは、子リーガルと巨大キノコの群生地で多少学んだ。

関心を極力薄くし、対象に対して無になる境地を。

(―――アレは縞模様の山。なんか動いてる気がするけど)

景観の一部として否応なく視界には入ってくるが、唸り声を響かせる山だと自身に言い聞かせつつ、近くに人影がないかを探した。

 

 

「ギャアァ」

突然上がったキッスの鳴き声に、ココが視線を向けた。

「―――!ハイアンパンサー!?誰か背に乗って・・・―――ユキちゃん?!」

数㎞離れた場所からリッキーとユキの姿を持ち前の視力で視認したココ。

「キッス、頼む」

ココの呼びかけに、キッスが飛び立つ。

 

「わっ!?なにっ・・・大鴉(オオガラス)っ?!―――その目とクチバシの色・・・キッス!?」

「ギャァ」

ユキとリッキーの前に出たキッスが肯定するように一声(ひとこえ)鳴き、ココの(もと)へと誘導する。

 

 

「―――ココっ!サニーも・・・!」

一緒に居た2人に近付いてみれば全身ボロボロだったが、サニーの方は水手毬(みずてまり)で理由を知っている。

しかしココに関しては、なぜそんな酷い有り様なのか(わか)らない。

(・・・なんで上半身裸??)

「どうしたのその姿っ」

「敵の火炎放射でね・・・」

決まりが悪いとはにかむココに、ユキはもしやと確認を取る。

「火炎放射・・・?もしかしてあの爆発は・・・」

「あぁ、引火を狙ってね」

なんて事は無いと返すココに対し、ユキはとんでもない発想をする。

「自爆!??」

「・・・まあ、そうとも言えるかな?」

「おいおい・・・」

否定はされず、聞いていたサニーも引き気味に力無く突っ込んだ。

 

思わず口を突いて出た言葉が、まさか事実だったとは。

「違うと言ってほしかった・・・!火傷っ・・・っていうか怪我は!?」

ココの体は血が出たような跡があり薄汚れてはいるが、目立だった怪我は無いように見える。

大きな3つのクーラーボックスを見るに、食材を摂り随分と回復した後なのだろう。

「毒を使い過ぎた事以外は、(かす)り傷さ」

「・・・ホントに?」

重ねて気遣うユキに、ココは眉尻を下げる。

(怪我を隠していないか、やせ我慢じゃないか・・・本気で心配してくれているね。そんなんじゃ、ボクみたいなのにつけ込まれてしまうよ?)

照れたように笑みを浮かべるココに、サニーは眉を寄せた。

(なに喜んでんだコイツ・・・)

 

「確かめてみる?・・・手を」

「―――?」

向けられた手の平に、ユキが手を置こうとしたところで手首が握り込まれ、ココの胸元へと引き寄せられる。

「!―――ヒリヒリして痛かったりとか・・・」

遠慮がちに胸骨の上に()えられているユキの手は、手首を掴まれていなければとっくに胸元から離れていただろう。

「大丈夫。・・・いや、ひんやりして気持ちいいね」

満足そうに感想を(こぼ)すココの様子に、ユキはいつかの既視感を覚える。

「・・・えーっと。そろそろ手を・・・」

今一度、至近距離で大きな怪我が無い事を確認したユキが手を放そうとするが、手首が固定されたままで動かせない。

「どうしたの?」

ニコニコと似非(エセ)スマイルを浮かべるココは意地が悪い。

(やっぱり、揶揄(からか)われてる・・?!)

「~~~これ・・・セクハラだよっ!」

「―――っ!!!?!」

意を決して告げたユキの言葉に、ギシリとココは固まった。

数秒後、ココの手首を握る力が弱まりユキは己の手を奪還(だっかん)したのだった。

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