【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

38 / 45
花言葉『一夜の恋』。。。まだユキと会うの2回目のココには、丁度いいクールダウンなんじゃねーかな?・・・と、ふと思うなどした。
少し下に本文あります。


36凪と荒波

姿がよく似た藪萱草(ヤブカンゾウ)野萱草(ノカンゾウ)浜萱草(ハマカンゾウ)黄菅(キスゲ)/夕菅(ユウスゲ)は共に「忘れ草」と呼ばれることも。

 

萱草(かんぞう)/忘れ(ぐさ)・・・ユリに似た(だいだい)色の大きな花。奈良時代以前に食用や薬用目的で伝来した萱草(かんぞう)が日本で野生化。中国の『養生論(ようじょうろn)』に『萱草(かんぞう)(うれ)いを忘れさせる』という記述があり、それが日本に伝わった。

分類はユリ科、ワスレグサ科、ススキノキ科、ツルボラン科と変わっている。

 

(漢方生薬(しょうやく)として有名な甘草(かんぞう)(生薬(しょうやく)の王)は日本に自生しないマメ科の植物で完全な別種)

(けどヤブとノの萱草(かんぞう)の方も生薬(しょうやく)として利用されていたりと、ややこしい)

 

キスゲ/ユウスゲ・・・レモン色の夜咲き。色素のアントシアニンが合成されない為、赤みを帯びない。

 (ほぉへ~、そうなん)

ハマカンゾウ・・・海岸近くで見られる海浜(かいひん)植物。赤みのあるオレンジで昼咲き。

ノカンゾウ・・・6枚花弁の一重咲き(まれに5枚、7枚、8枚の花弁)。花の色は個体差があり、黄色や赤色寄り、褐色寄りなど。2倍体のノカンゾウもあまり結実しない。

ヤブカンゾウ・・・八重咲きで、結実しない。草丈は1mに達し、花径は8~10㎝ほど。染色体が3倍体で減数分裂が上手く出来ず、種子を作れない。

 

藪萱草(ヤブカンゾウ)は古くから「忘れ草」と呼ばれ、親しまれたことに由来し、花言葉は「愛の忘却」「悲しみを忘れる」「憂いを忘れる」。

 (ほおぉーん??)

 (つまりココは愛(仮)を、ユキは目の前の(うれ)い(面倒事)を忘れたって・・・こと?)

花が朝咲いて夕方にはしぼむ一日花であることから「一夜の恋」という花言葉も。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「‵忘れ(ぐさ)′は名前の通り、記憶に影響を(およ)ぼすんだけど・・・モノがないね?」

気を取り直し改めてユキが術具の説明をしようとしたのだが、肝心のココが拾ったという小さな花がどこにも見当たらない。

6人が辺りを(さが)すもココの手には(すで)に無く、床に転がっている訳でもない。

「術が発動して消えたのか・・・?」

1度きりの消耗品だったのかと考えるサニーに、ユキは困惑気味に返しながら‵水手毬(みずてまり)′の映像を確認する。

「使い切りタイプって事はないと思うんだけど・・・」

 

見付からない為、一旦(いったん)(さが)す事を断念したトリコが核心に触れる。

「―――それで記憶は戻んのか?」

トリコからの問いに、ユキは水手毬(みずてまり)を操作する手を止める。

「本来、‵忘れ(ぐさ)′は対になる‵忘れな(ぐさ)′って術具とニコイチで・・・それがないと戻せない・・・」

躊躇(ためら)いがちに告げられたユキの回答に、場に沈黙が降りた。

 

「・・・事故ったのは仕方ねえが、記憶戻す道具が()えならどうしようもないか」

「まあけど現状、日常生活に支障が出る訳でもねーしな」

「・・・ダメだし」

早々に切り替えて(あき)めるトリコとサニーの言葉に、リンが深刻な声を()らす。

「ココの・・・ユキに関する記憶が消えたままとか、ダメに決まってっし!!」

「っ、そうですよ!一緒に旅した大事なものです!」

切実(せつじつ)に訴えるリンと小松を、トリコが(さと)す。

「だが現状、戻しようがねえだろ。サニーの言う様に生活に()(さわ)りねえのは不幸中の幸いだ」

現実主義(リアリズム)な正論を突き付けられ、感情の温度が(いく)ばくか下がる。

 

「・・・でもなんでココとユキ、2人にだけ影響したんだろ?」

「一番近くに居たからですかね?」

ふと浮かんだリンの疑問に、小松も考えられそうな理由を上げる。

「んー・・・ホントに影響出てないのかな」

「「え?」」

水手毬(みずてまり)で光が広がった時の様子を見ていたユキの言葉に、リンと小松の声が重なった。

「ココが拾ったモノから光は地面と平行に・・・波紋(はもん)みたいに中心から円が広がって―――ここに居る全員のカラダを光が走り抜けてる」

ユキは話しながら、リプレイでその場面の映像を映し出す。

「・・・ボクや彼女がそうであるように、みんなも自覚が無いだけでなにかの記憶を失っている可能性が高い訳か」

映像を見たココの淡々とした分析の声に、皆が驚愕の様相を(てい)していた。

 

「えぇえっ、嘘だろ!オレらも対象?!」

「~~~自覚()え内になにか忘れてるってことかっ!?」

途端に慌てふためくトリコとサニーを皮切りに、混乱が加速する。

「大変ですよっっ」

「お互い知ってる情報、精査(せいさ)してみるし!」

記憶に抜けやが無いか、小松とリンも直近の情報を照らし合わせていく。

 

4人が話し合っている間に、ユキはサングラスを外してココへと向き合った。

「っ・・・・・・・・・」

ユキがカラダを向けようとした瞬間から警戒を示すココに、ユキはゆっくりとした足取りで数歩近付き、努めて普段通りに声を出す。

「仕切り直そう。―――改めて自己紹介するね。何度かトリコの食材捕獲に同行させてもらってるユキです」

いつも小松と一緒である事や行った場所などの情報は、()えて(はぶ)いて挨拶する。

穏やかな表情で静かに待つユキに、ココは覚束(おぼつか)ないながら返事をする。

「っぁ・・・あぁ。ボクは・・・ココ。美食屋だ・・・」

「―――よろしく。ココ」

占いや美食四天王についても触れないココに、ユキは()いだ水面(みなも)のような笑みを返した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。