本人達が感情に気付いてないと殊更(ことさら)オイシイ(?)アレ。
屋上から各自が割り振られたゲストルームへと向かう途中、リンはサニーの予想した失った記憶について小松に話を振る。
「小松は消えた記憶についてどう思う?お兄ちゃんは『最近あった大事な記憶』って当たり付けてたけど、ユキは忘れな
「ユキさんにとって、それほど重大で重要なモノだったんでしょうか・・・」
考えながら小松は、先頭の案内スタッフに続くユキの背を見つめた。
「人の記憶を狙って消去出来るとか、どー考えてもヤバ過ぎだから!でも全くの見当違いって事はないと思うんだよね~。・・・ユキの場合は、あの瞬間の意識が強く向いてたのもあるのかも?」
「そうなるとココさんも・・・?ココさんはユキさんのこと、どう思ってるんでしょう」
ココのユキに関する忘却は、術の発動時に意識が向いていた
「わっかんないけど、お兄ちゃんも怪しいと思うんだよねー。この世界の案内を買って出てたし。まあ持ち前の世話焼きが発動したってだけかも。なにせ失った記憶は
世界一硬く美しい
その原料が
「そういえばボクにもフルコースごちそうしてくれてるって。・・・アレって兄貴肌からくる発言なんですね」
*********
翌日の朝食の席で、リンはおずおずとユキに声をかけた。
「・・・なんでユキはそんな落ち着いていられんの?忘れられるってフツー
ココに忘れられてユキが冷静に振る舞えている事が、リンには心底不思議だった。
向けられた疑問に、ユキは気を
「なんでって・・・。―――ココとは会うの、まだ2回目だしね」
「えっ!?あっ、そぉー・・・なんだ?!――――――・・・・・・??」
リンは告げらえた内容を
食事を進めながらもリンの視線は時折、上へ下へと移動する。
「・・・・・・・・・、ぇ・・・うん・・・??」
*********
「?・・・他人を避けてたココが、出会って2回で狩りに誘って―――?」
「リンさん、なにか悩み事でも?」
ずっと上の空であるリンを、小松が気にかける。
「―――・・・ウチも小松に聞きたいことが・・・。ユキとココっていつ知り合ったの?」
どこか心ここに
「?えっと、先日フグ鯨産卵のニュースがあったのご存知ですか?ボクもユキさんも、その時ココさんと知り合って―――」
「めっちゃ最近じゃんっ!!」
小松の言葉尻に
「そ、それがどうかしたんですか?」
リンは
「~~~~~~っ、ココとは・・・その・・・。会うの2回目って・・・マジ?」
「へ?・・・ええ」
一体なんの話なのだろうと、ぎこちなく
「ホントにっ?小松だけじゃなくユキも?」
「は、はいっ」
ずずいっと顔を寄せてくるリンに、サニーとの
草むらから小さな鳥が低く飛び立ち、声を響かせた。
「―――・・・物語だとさ。こーゆう記憶喪失イベントって、もっと・・・色々段階踏んでからじゃない??」
リンの
「リンさん・・・。確かに、ココさんとユキさんは会うのも2回目で―――物語における恋愛モノなら、こんな
知り合い、ある程度交流が生まれた後だったならば、ユキの心境もまた違っただろう。
「なんでだし・・・なんでっ、こんな・・・」
ギリっと拳を握り
「その
「
ジレンマに
「ボクで良ければ話を聞きますから、どうか
感情の
「―――なんだ?アイツら、わちゃわちゃと」
「・・・やたら盛り上がってんなあ~」
呆れた目を向けるサニーの横で、トリコは術具を探しながら