【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

50 / 50
続く小松のターン。なんでや。
小松はきっと、悪口の語彙(ボキャブラリー)とか無いと思う。
かわええ。(コワいとこもあるけど)




48調子外れ

調子外(ちょうしはず)れ・・・発言や振る舞いがズレていて、状況や空気にそぐわない。その場の雰囲気や常識、つり合いから外れて奇妙な様子。

 

()頓狂(とんきょう)な声・・・状況にそぐわない、急に調子が外れた高温や奇妙な声。普段とは違うちぐはぐなとトーンの声を突然上げる。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ユキの言葉にドキドキと胸を高鳴らせていた小松に、ココから放たれた調子外(ちょうしはず)れな発言が耳に届いた。

 

「・・・キミのボクに対するこれまでの消極的な態度の理由が、これ以上困惑させない為の配慮だというのは理解した」

 

(―――・・・んんんん??聞き間違いかな?ココさんの口からトンデモナイ内容が聞こえた気が・・・)

 

小松は立っている場所が(かたむ)いていくような感覚に(おちい)る。

 

「・・・いやまあ、小松やあのティナって人に比べたら・・・え、もっとガンガン行った方がいい、の・・・?」

積極的なアプローチに躊躇(ためらい)いを見せるユキに、小松は確証(かくしょう)()る。

 

(やっぱり今、消極的とか言いました?・・・どの口が言うんですかっ!!消極的なのはココさんの方でしょう!!)

 

占いの客達の強引さに普段から(さら)されているココからすれば、ユキの態度がそう感じるのも無理はないが、如何(いかん)せん比較対象が間違っている。

 

今まで疑心暗鬼(ぎしんあんき)(とら)われていたココから、ユキへの接触は皆無(かいむ)だったのだ。

 

「だがそれを差し置いても、まだ一つ気になる点がある。なぜキミは―――」

なにかに悩み()ん切りがつかないココに、小松は胸の前で力いっぱい両手を(にぎ)り込んでエールを送る。

 

(~~~ココさんの(およ)び腰っ!なぜもなにもありませんっ。引け目を感じているユキさんに、ココさんから行くんです・・・っ!!)

 

「―――あまり目を合わせないようにしているんだ。ボクと話をする時は極力(きょくりょく)余所(よそ)を向いていただろう。記憶に対する罪悪感、もしくは・・・毒を抜きにしても、ボクが恐ろしい?」

 

信用を得たいのなら、ユキの態度は完全な逆効果。

顔を()らしたままでは、人付き合いにおいて不誠実。

後ろめたい、(やま)しいところがあると言わんばかりだ。

 

(ええーーっ、まさかユキさんもやらかして・・?!?いや、きっと訳があるはず)

小松は草食獣の陰に隠れ、ハラハラと()()きを見守る。

 

真摯(しんし)さに欠ける、怪しい挙動(きょどう)だよね・・・。でもココの顔見て話したら・・・私も(あつ)かけちゃうかもって」

自覚があったのか、ユキは首もとを触りながら話していいものかと迷いを見せる。

 

(・・・『も』?ユキさん、なにかしらの(あつ)を感じてたんだろうか)

小松はユキの物言いが少々引っかかった。

 

(あつ)、というと?」

明確な答えを求め、ココはユキの迷いを押しやるように重ねて問う。

 

「ココに・・・4人で一緒に冒険したこと、思い出して欲しいなーって。身勝手に(あつ)かけちゃいそうで・・・。そういう負担かけないように・・・ってなるべく面と向かわないようにしてたっていうか」

自分本位な考えだと、決まりが悪そうに話すユキから聞かされた内容を咀嚼(そしゃく)するのに、ココは時間を(よう)した。

「――――――ぇ・・・」

思いも寄らなかった答えに、思考も感情も追いつかないココ。

 

「ココからしたら、私がそんなあやふやな態度だから余計に信用置けないんだよね」

申し訳ないと今にも謝罪しそうなユキの心情を、ココよりも先に飲み込んだ小松。

 

ぶわりと体温が急上昇し、目を(うる)ませた小松が()頓狂(とんきょう)な声を上げた。

「・・・―――~~~っ、ひゃあぁぁあ~~~っっ」

顔の横で両手の指先を曲げ悲鳴を上げる小松を、ユキとココが振り向く。

「え、小松?」

「小松くんっ!?」

なぜここにと疑問を顔に貼り付ける2人を、小松は(かま)ってはいられる状況ではなかった。

 

高ぶる感情が抑えきれずに、(あふ)れ出す。

「こっ、ココさんからの・・・一方通行じゃなかったっ!!~~~リンさんに伝えないと・・・!」

(ふる)えて裏返った声を発したかと思えば、小松は(きびす)を返して猛ダッシュしていった。

 

「えぇっ、小松?!―――行っちゃったよ。・・・なんだったん?」

嵐の(ごと)く去っていった小松に、ユキがリッキーとキッスを交互に見やれば、2頭も訳が分からないと首を(ひね)る。

 

*********

 

小松が一目散に向かった先のリンへ、たった今見聞きした内容を興奮冷めやらぬ状態で報告した。

「~~~リンさんっっ。ユキさんからも矢印(やじるし)!出てましたよ!!」

「え、なに・・・やじる、し??」

最初こそ小松の勢いにたじろぐリンだったが、詳細を聞くや2人はキャッキャと飛び跳ねて盛り上がった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

魔法少女リリカルなのは ダメ人間の覚悟(作者:make_51)(原作:魔法少女リリカルなのは)

これは、一人の元引きこもりなダメ人間と、それを取り巻く環境と人々が送る物語・・・。▼彼は何をし、何を思い成し遂げるのか・・・・。▼そして、そんな彼を周囲は『どうしていくのか?』▼*注意*▼この小説は某ss投稿サイトで投稿された小説と流れが似ておりますが異なりますので、お気に召さなかった方々は『戻る』をしていただいて構いません。


総合評価:885/評価:6.1/連載:95話/更新日時:2026年06月21日(日) 17:51 小説情報

その美食屋、転生者につき(作者:苦笑いの妖精)(原作:トリコ)

トリコの世界を便利な3つのチートと共に生きていく。▼息抜きに書いた習作です。


総合評価:6993/評価:6.7/短編:14話/更新日時:2026年06月04日(木) 22:26 小説情報

神域の料理人が往く食戟のソーマ(作者:あさやん&あさやん)(原作:食戟のソーマ)

▼【グルメ界】の『エリア6』に住む『貝王 ジャイアントシェル』。その中にある文明『ブルーグリル』で、気が遠くなるほどの長きに渡り『魂の交換』を行ってきた男。▼『美味なる食材』と『優れた調理技術』を求め『人間界』『グルメ界』と旅を続け………………遂には【食戟のソーマ】の世界までやってきてしまう。▼全ては『人生のフルコース』を完成させるために!!!▼※【トリコ】…


総合評価:6962/評価:8.08/連載:28話/更新日時:2026年06月26日(金) 18:00 小説情報

千年後のグルメ時代(作者:鳩夜(HATOYA))(原作:トリコ)

転生した先は、憧れ続けた『トリコ』の世界。▼だが、そこは主人公が夢見たグルメ時代ではなかった。▼時代はトリコたちが活躍してから千年後。▼地球の開拓はほぼ終わり、グルメ界ですら一般人が出入りする時代。▼人々は生まれた時からグルメ細胞を接種し、過酷な環境にも当たり前のように適応している。▼未知なる食材を求めた冒険の時代は、すでに終わっていた。▼それでも主人公は思…


総合評価:9685/評価:9.06/連載:77話/更新日時:2026年06月26日(金) 21:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>