【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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続く小松のターン。なんでや。
小松はきっと、悪口の語彙(ボキャブラリー)とか無いと思う。
かわええ。(コワいとこもあるけど)


48調子外れ

調子外(ちょうしはず)れ・・・発言や振る舞いがズレていて、状況や空気にそぐわない。その場の雰囲気や常識、つり合いから外れて奇妙な様子。

 

()頓狂(とんきょう)な声・・・状況にそぐわない、急に調子が外れた高温や奇妙な声。普段とは違うちぐはぐなとトーンの声を突然上げる。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ユキの言葉にドキドキと胸を高鳴らせていた小松に、ココから放たれた調子外(ちょうしはず)れな発言が耳に届いた。

「・・・キミのボクに対する、これまでの消極的な態度の理由が、これ以上困惑させない為の配慮だというのは理解した」

 

(―――・・・んんんん??聞き間違いかな?ココさんの口からトンデモナイ内容が聞こえた気が・・・)

小松は立っている場所が(かたむ)いていくような感覚に(おちい)る。

 

「・・・いやまあ、小松やあのティナって人に比べたら・・・え、もっとガンガン行った方がいい、の・・・?」

(がら)じゃないと積極的なアプローチに躊躇(ためらい)いを見せるユキに、小松は確証(かくしょう)()る。

(やっぱり今、消極的とか言いました?・・・どの口が言うんですかっ!!消極的なのはココさんの方でしょう!!)

今まで疑心暗鬼(ぎしんあんき)(とら)われていたココから、ユキへの接触は皆無(かいむ)だったのだ。

占いの客達の強引さに普段から(さら)されているココからすれば、ユキの態度がそう感じるのも無理はないが、如何(いかん)せん比較対象が間違っている。

 

「だがそれを差し置いても、まだ一つ気になる点がある。なぜキミは―――」

なにかに悩み()ん切りがつかないココに、小松は胸の前で力いっぱい両手を(にぎ)り込んでエールを送る。

(~~~ココさんの(およ)び腰っ!なぜもなにもありませんっ。引け目を感じているユキさんに、ココさんから行くんです・・・っ!!)

 

「―――あまり目を合わせないようにしているんだ。ボクと話をする時は極力(きょくりょく)余所(よそ)を向いていただろう。記憶に対する罪悪感、もしくは・・・毒を抜きにしても、ボクが恐ろしい?」

信用を得たいのなら、ユキの態度は完全な逆効果。

顔を()らしたままでは、人付き合いにおいて不誠実。

後ろめたい、(やま)しいところがあると言わんばかりだ。

 

(ええーーっ、まさかユキさんもやらかして・・?!?いや、きっと(わけ)があるはず)

小松は草食獣の陰に隠れ、ハラハラと()()きを見守る。

 

真摯(しんし)さに欠ける、怪しい挙動(きょどう)だよね・・・。でもココの顔見て話したら・・・私も(あつ)かけちゃうかもって」

自覚があったのか、ユキは首もとを触りながら話していいものかと迷いを見せる。

 

(・・・『も』?ユキさん、なにかしらの(あつ)を感じてたんだろうか)

小松はユキの物言いが少々引っかかった。

 

(あつ)、というと?」

明確な答えを求め、ココはユキの迷いを押しやるように重ねて問う。

「ココに・・・4人で一緒に冒険したこと、思い出して欲しいなあって。身勝手に(あつ)かけちゃいそうで・・・。そういう負担かけないように・・・ってなるべく面と向かわないようにしてたっていうか」

自分本位な考えだと、決まりが悪そうに話すユキから聞かされた内容を咀嚼(そしゃく)するのに、ココは時間を(よう)した。

「――――――ぇ・・・」

思いも寄らなかった答えに、思考も感情も追いつかないココ。

 

「ココからしたら、私がそんなあやふやな態度だから余計に信用置けないんだよね」

申し訳ないと今にも謝罪しそうなユキの心情を、ココよりも先に飲み込んだ小松。

ぶわりと体温が急上昇し、目を(うる)ませた小松が()頓狂(とんきょう)な声を上げた。

「・・・―――~~~っ、ひゃあぁぁあ~~~っっ」

顔の横で両手の指先を曲げ悲鳴を上げる小松を、ユキとココが振り向く。

「え、小松?」

「小松くんっ!?」

なぜここにと疑問を顔に貼り付ける2人を、小松は(かま)ってはいられる状況ではなかった。

高ぶる感情が抑えきれずに、(あふ)れ出す。

「こっ、ココさんからの・・・一方通行じゃなかったっ!!~~~リンさんに伝えないと・・・!」

(ふる)えて裏返った声を発したかと思えば、小松は(きびす)を返して猛ダッシュしていった。

 

「えぇっ、小松?!―――行っちゃったよ。・・・なんだったん?」

嵐の(ごと)く去っていった小松に、ユキがリッキーとキッスを交互に見やれば、2頭も訳が分からないと首を(ひね)る。

 

*********

 

小松が一目散に向かった先のリンへ、たった今見聞きした内容を興奮冷めやらぬ状態で報告した。

「~~~リンさんっっ。ユキさんからも矢印(やじるし)!出てましたよ!!」

「え、なに・・・やじる、し??」

最初こそ小松の勢いにたじろぐリンだったが、詳細を聞くや2人はキャッキャと飛び跳ねて盛り上がった。

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