【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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50懊悩

煩悶懊悩(はんもんおうのう)/懊悩煩悶(おうのうはんもん)・・・思い悩み、苦しんで(もだ)える。

 

煩悶(はんもん)・・・わずらい(もだ)える。悩み(もだ)える。悩み苦しむ。(もだ)え苦しむ。

(はん)・・・思い悩む。

(もん)・・・(もだ)える。思い悩む。(もだ)え苦しむ。

 

懊悩(おうのう)・・・悩み(もだ)える。深く悩み苦しむ。心がとても苦しい。

(おう)・・・悩む。(もだ)える。

(のう)・・・世。世の中。

 

実際問題・・・実際のところ。実際に直面している現実の状況。現実問題。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

意外なユキの一面に、()き上がる笑いをどうにか押し込めたココ。

ユキへの警戒が()けたような、自身の心境の変化にココは目を向ける。

(なんだろう、この感情。・・・って、それより。今まで彼女に、どんな対応だった・・・?)

(しょ)(ぱな)から声を荒げて拒絶し、挨拶してきたユキにガチガチに警戒しながら事務的な返事だけで済ませた。

今朝はユキが接触してこない事に内心ホッとしながら、サニーに言われるまで避け続けていたのだ。

過去の行動を(かえり)みて、ココの心臓が拍動(はくどう)を速める。

(ヤベ・・・。かなり、やらかしてるな・・・。サニーにも記憶が無い間の事で自爆してるなんて言われたが・・・)

 

自らを語らないココがサニーの行動に対し、自分なら恩を売るなどと考えを(すべ)らせてしまったのは、ユキが自身の感情に正直だったからだ。

オーラを読み()かずとも、表情や態度に現れる。

身構えていた手前、分かり(やす)過ぎるユキに、完全にではないが毒気を抜かれた。

 

(ボクが少しでも素直であったなら、悪態(あくたい)を付くことも無かったんだろうけど)

突き放すような言葉を向けた相手に、ユキはずっと配慮してくれていた事実。

「どうしてそこまで、ボクを気遣(きづか)える・・・」

ココから(こぼ)れた疑問を拾ったユキ。

「―――!気遣(きづか)いっていうより・・・例えば今この瞬間、目の前に現れた知らない人の記憶を私が失っているなんて言われたら、みんなの正気と相手がなにかしたんじゃないかって疑うのは当前じゃない?」

(―――そうやって相手の立場で物事を見れる人間は、多くないよ)

ユキの考えに、ココは心の内で静かに返す。

 

「その瞬間から周囲の認識が(ゆが)められた、もしくは本当に私だけがおかしいのか・・・。そんな疎外(そがい)感と恐怖、なかなか()えられない。―――だから、表向きだけでも冷静な対応してくれてるココに、少なからず・・・私の方が救われてると思うんだよね」

ココの胸中は疑念や不安に(さいな)まれているだろうに、表面上は努めて平静を(よそお)い対話してくれていると受け取っていたユキ。

 

(ボクの性分を見抜かれている。()(あさ)からぬ関係だったのか・・・?)

トリコや小松から、ユキとの関りについて詳細を聞かなかった事が()やまれる。

「ボクは、そう思われるような事はなにも・・・―――」

ユキの存在を疑り深く見ていたココには、弱々しく返すしか出来ない。

 

だが実際問題、()(あさ)い関係である。

 

気後れし(うつむ)きがちになったココは、言葉が見付からず口ごもってしまう。

小さなココの呟きはユキには届かず。

怪しい相手からなにを言われても信憑(しんぴょう)性に欠けるかと、熟考を重ねるココを1人にしようと思考を巡らせるユキ。

「―――・・・この辺り、ある程度サニーが探してくれてたみたいから、少し向こうを探してみるね」

ココに言い残して、術具を探すべく歩いて行くユキの後をリッキーも付いて行く。

キッスは一瞬考えるように素早く首を回し、ココの(そば)に寄り()った。

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