カピバラ/
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キッスがネイチャーウォッチングのオススメ場所を案内してくれるという話は、マンサムと会えず
「また機会があった時は、お願いするねキッス」
「ァ”ア”」
キッスに続いて、ユキはリッキーにも挨拶をする。
「リッキーいっぱいありがとーっ。次は散歩を
ユキの言葉に、そんな異名を持つ猛獣が第1ビオトープにいただろうかとサニーは眉を寄せる。
「・・・?んだよ草原の支配者って」
「
トリコの問いに、サニーは即座に否定を返す。
「いねーよ。草食獣を狙う猛獣はいくつかいるが」
納得がいかないサニーに、ユキから答えが提示される。
「カピバラだよ」
「あぁ、げっ歯類の・・・えっ、あの温厚な?!」
小松が表情を明るくして
「いや、コチラのカピバラとは似て非なる
「動物達のアイドル。温泉大好き、最大のネズミ」
ココの
「ボクらの知ってるヤツでしたね・・・」
反応に困る小松の後に、トリコが現実を突き付ける。
「ビオトープには普通の動物はいねーぞ?」
「それもそっか、ざんね~ん」
特に残念でもない様子でリッキーの短い毛並みに指を滑らせるユキの後ろで、ココとサニーはそれぞれに
(・・・普通の動物も見せてあげたい)
(ノーマルな動物園か・・・ドコがいいか)
*********
トリコ、小松、ココはそれぞれ帰路に
リンの案内で防寒対策の服の採寸を済ませたユキは、気になったことを尋ねる。
「リンはサニーに行き先、言わなくて良かったの?」
「一度甘い顔すると、またしつこく聞いてくるでしょ。介入
心配は理解出来るが、詮索される事に息苦しさを感じるとリンは言う。
「その点ヨハネスは必要以上の―――・・・あれ?」
違和感を覚えたリンは、不自然に言葉を止める。
「・・・?どうしたの?」
「到着時刻の関係で、出発は明日だけど・・・ヨハネス、準備に半日って言ってたよね?」
「そう言ってたね、部長さん」
出発までの
「なんか引っかかるし・・・ユキ、ヨハネスんとこ行こ!!」
言うが早いか、駆け出すリンをユキは慌てて追った。
*********
リンの胸騒ぎは、結果としてフードロスを未然に防ぐ事に繋がった。
「機体の整備・点検、操縦士の手配、グルメケースや防寒なんかの準備に半日っておかしいと思ったんだよね~。ヨハネスってばトリコの食糧、大量に準備しようとしてたの」
リンが指を折って数えながら、気にかかった理由をユキに教えてくれる。
「・・・事前に気付けて良かったよ」
危なかったと、口元を引きつらせるユキ。
「てっきりトリコさんもご一緒されるものと・・・」
トリコへの家賃や生活費替わりとも伝えていたはずだが、ユキとヨハネスの相互確認が不十分だったようだ。
「ですが、トリコさんが不在でお2人だけで危険ではないでしょうか」
「ユキには魔法もあるし。ウチも猛獣避けフレグランスで、リスク回避も可能だし」
「!魔法・・・?」
ヨハネスが目を点にすれば、ユキが短く声を上げ、リンも遅れて失態に気付く。
「あっ」
「え?・・・あぁーっ、ごめんユキ!うっかりしてた」
慌てて謝罪するリンに、ヨハネスが確認を入れる。
「もしかして、あの浮いていた水の力でしょうか?」
そういえば
「ま、まあヨハネスは食材の情報管理とかもしてるから、口の堅さは保障出来るしっ」
「・・・逆にリンさんは、嘘が付けない性格ですから」
バツの悪さを振り払おうとするリンは、ヨハネスにフォローされて首を
「部長さん、実はですね・・・」
ユキはヨハネスに、正確には秘術を扱う術師であり、事前にマンサムには少し事情を話している旨を伝えたのだった。