【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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山という漢字が、ぼやぁ~っとなにかの記号に見えてきて、もうダメ。。。
これがゲシュタルト崩壊・・・?


62切望

雪嶺(せつれい)・・・雪をいただいた高山。雪に覆われた山の峰(山頂や尾根、連山(れんざん)(連峰(れんぽう)、連なり続いた山々)の中の一つのピーク)。雪山。雪峰(せっぽう)(雪の嶺(いただき))。

 

銀嶺(ぎんれい)・・・雪が積もって銀色に輝く峰/銀白色に輝く山。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ヨハネスが用意した大型のマッハヘリに搭乗し、そろそろ丸1日が経過する。

外はすでに豪雪地帯。

窓から見える茫洋(ぼうよう)たる雪景(せっけい)に、ユキは意識が彼方(かなた)へ旅立ちそうになる。

(これは何年も見付からないのも頷(うなず)ける・・・)

 

ヨハネスからの依頼内容は、食材で出来た山脈を見付け出す事。

聞いた当初、なにを言っているのかと切り返したい思いを飲み込んで、ユキは問うた。

『・・・山脈―――・・・なにかの比喩(ひゆ)ですか?』

もしくは、目指す食材が山脈のどこかにあるという話だろうか。

『いえ。まさに山となって連なっている食材を見付けて欲しいのです』

ユキが真顔で尋ねれば、ヨハネスも至極(しごく)真面目なトーンで返してきた。

 

なぜそんな巨大なものが見付からないのか。

寒冷地の山域(さんいき)にあるらしいのだが、捜索範囲が広大な為にエリアをひとつひとつ確認し、除外していくしかないのだという。

 

ヘリの中のテーブル上には、山脈を発見したという美食屋とIGOが捜索したエリアが可視化された地図が表示されている。

巨峰(きょほう)に囲まれた薄暗い山間(やまあい)で見かけたらしいのだが、どこまでその記憶が正確なのか。

現にこの辺りだろうと目星をつけて、件(くだん)の美食屋が探し回った場所はことごとく外れだったのだ。

今回の捜索エリアも2日で回れる範囲では高(たか)が知れている。

もっと効率的に探す範囲を絞れないかと考えたところで、ユキはある方法を思い出す。

 

「ユキ、なにしてるの~?」

思い出した方法を試そうと術具のネックレスを手に地図に向かっていたところに、リンが顔を出した。

「ペンダントトップをペンデュラム(振り子)に見立てたダウジングだよ」

「それって木の枝とか曲げた棒使って、鉱脈や水脈なんかを探すやつ?ウチもやってみていい?」

興味津々(しんしん)のリンの手にネックレスが渡り、地図上で3か所の場所が示された。

そうして向かった最初の場所で、ユキは呆然自失(ぼうぜんじしつ)に陥(おちい)る事となる。

 

*********

 

「・・・・・・マジか・・・」

「きゃあ~~~っ!ユキやったし!!」

雪嶺(せつれい)にも負けぬ冷えた目になるユキは、はしゃぐリンに抱き付かれながら、どこにも合わぬ視点を揺らされていた。

 

「やってのけたのはリンで・・・。まさか一発で見付けてしまうとは・・・」

2人の眼前に広がるのはバニラやチョコレートにストロベリーなど、様々なフレーバーのアイスクリームで出来た山脈だった。

リンがサニーに行き先を伝えなかった理由の大半は、捜索する対象にあったのではないか。

(アイスの・・・山脈??・・・え~~~っ、存在していいもの?どうやって形成されるの)

 

「どしたのユキ?なんだか遠い目してない?・・・あ!嬉し過ぎて感慨(かんがい)に耽(ふけ)ってたとか!?」

「・・・・・・・・・」

(おかしい・・・私達、同じものを目にしてるはずだよね・・・?)

価値観の違いに、ユキは静かに打ちのめされる。

 

信じられない気持ちでユキがぎこちなく首を横に振れば、更に目を疑う光景が飛び込んでくる。

「・・・嘘だろ・・・、トッピングかかってるんだが・・・???」

アイスクリームの山脈というだけでも驚きなのに、アイスに合う各種トッピングでデコレーションまでされている。

 

クッキー生地の棒状の巻き菓子に、色とりどりのチョコレートでコーティングされた粒状のパールクラッカン。

ワッフルに格子(こうし)状の薄い焼き菓子であるウエハース。

クッキー、カラースプレーに銀色の砂糖菓子アラザン。

 

「チョコアイスがあるなら、もしや・・・チョコチップがある。え、ナッツ??フルーツソースらしきものまであるの、なんなん・・・???」

現実離れした状況を前に動揺の只中(ただなか)にいるユキを放っておいて、リンは目の色を変えて歓声を上げる。

「ひゃっほ~!どれから味見しよ~っ?」

 

「は?・・・待ってくれ。アイスの下のコーンみたいなの、逆さについてる・・・?ねえリン―――ってダメだ。共感してくれる相手がない」

ユキはこの場に居ない小松の存在を切望(せつぼう)し、心の中でほろりと泣いた。

「ツッコミ仲間が欲しいよう・・・」

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