【トリコ夢】赤い宇宙へ   作:らぴ=どらみ

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アニメではカットされてた『鼻』さん。間違いなく狙ってるよねっ。
ファンブック見るまで、しばらくダマされてたよっ!!


08美食の庭園

古代の食宝リーガルマンモス。

体内のどこかに内臓(ホルモン)を含めた、上質な全ての部位の(うま)みを()ね備えた宝石の肉―――ジュエルミートが存在するという。

 

(―――・・・いやどういう事なん)

聞かされた内容にユキは理解が追い付かず、笑顔の下に混乱をひた隠していた。

IGOからトリコへの依頼で、第1ビオトープを目指すべく乗り込んだヘリの中。

期待に胸を膨らませるトリコと小松に対し、ユキは1人訳が分からず置いてけぼりを食らっている。

 

「そういえばフグ鯨はいかがでしたか」

ヘリの中で食品開発部長のヨハネスに問われたトリコ。

「インパクトはあったが見送りだな」

グルメ中央卸売(おろしうり)市場(いちば)で見せた(かげ)(のぞ)かせることなく笑顔で応じている様子に、ユキは内心でホッと胸を()で下ろす。

 

第1ビオトープはグルメ研究が(さか)んで観光でも有名な島だという小松に、トリコが不穏な事を口にする。

「新たな美味が生まれる島、通称美食の庭園(グルメガーデン)。表向きはそうなっている」

話を(にご)す様に、ヨハネスが割って入る。

「IGO最大の庭―――第1ビオトープは50万平方キロの島、まるまる1孤島(ことう)

 

人間界の南東部に位置する、5000m級の高い山脈に囲まれた孤島(ことう)―――リーガル島。

研究で放った品種改良やクローンの生物で、独自の生態系が作られているという。

 

*********

 

グルメTVのビルの屋上には、ニュースを運ぶ伝書風船バトの飼育小屋がある。

上司の愚痴(ぐち)を、年配の風船バトの飼育係に(こぼ)していたキャスターのティナ。

そこにサミットへテレビ取材に向かったはずのディレクターが、伝書風船バトを肩に乗せて戻って来た。

ハトは心得ているとばかりに、ディレクターから飼育係の肩へ飛び移る。

ディレクターは、各国首脳のサミット会議が中止になった(むね)を飼育係に話す。

「首脳たちが急遽、第1ビオトープの視察に行くとかで」

「サミットを中止して視察?不思議な話もあるのお」

2人の会話を聞いて「なにか匂う」と、ティナはクルッポと共に屋上から駆けて行った。

 

*********

 

第1ビオトープの入り口である、グルメ研究所のヘリポートに降り立った4人。

険しい岩山に建てられた研究所内へ進むと、巨大な生産工場が姿を見せる。

「広大な庭で常時品種改良を行っています。(おおやけ)にはできない研究も・・・」

トリコに引き続きヨハネスまでもが、なにやら匂わせな事を言い出す。

 

生産工場を抜けヨハネスと別れると、映画でしか見た事のないような無菌エリアへの入室手順を踏んで、エレベーターで所長の待つ地下へと向かう。

エレベーターを降りると、特殊超強化アクリル板の(ケージ)に入れられた多種多様なの猛獣たち。

そして返り血に汚れた手術着をまとった、研究所職員が出迎える。

彼の左腕は袖口(そでぐち)が肘下の辺りで結ばれており、否応(いやおう)なしにここの危険性を見せつけてくる。

 

(・・・モンスターパニックホラーの導入みたいじゃん・・・。絶対事故起こりそう)

ユキのマニア的な予想は、直後のマッスルクラブ脱走で即刻(そっこく)フラグ回収された。

 

コレは後で知った話だが、出迎えた研究員『(はな)』が左腕を失った理由は、酔って電車にひかれてしまったからだという。

その事実を教えてくれたのはスキンヘッドにタンクトップ、常に酒瓶を手にした身長2m超えのボディービルダーのようなIGO開発局の局長にして、グルメ研究所の所長マンサムだった。

 

(~~~なんってミスリードっ。絶対に、勘違いを加速させると解っていてワザと彼を出迎え役にしている・・・っ!!)

ユキは(ねん)()った恐怖演出に1人、(おのの)いていた。

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