ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜   作:とある渓流にいるかわうそ

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16話 Mission:ヴェスパー部隊迎撃

 

 

〜〜13:35〜〜

 

 

シャルトルーズ:はぁ!はぁ!はぁ!:

 

621:どうした?お口が減っているぞ?

早く素晴らしい傭兵様の手ほどきにより、

俺の身体に身の程をご教授願いたいんだが…

【その程度】だと俺は自分の身の程を

とても測れないんだがね?:

 

シャルトルーズ:だまれ……!:

 

621:おいおい?手加減だよな?まさか

もうすでに本気を出しているわけない

よな?

あれだけ大口を叩いていたもんなぁ?:

 

俺は未だ冷え切らない心のイライラのまま

目の前の女性傭兵を盛大に煽りまくって

いる。

まぁ、作戦でもあるがな。こういう自分に

自信を持っていて、相手を木端と自分でも

知らぬ間に見下している輩ほど、こういう

挑発はよく効く。

 

シャルトルーズ:うるさい!!:

 

 

ドォン!!

 

 

ほれ見ろ。また怒りに駆られた意味のない

大グレだ。

空中にいる相手に撃ってどうするんだか。

グレネードというのは宙から地面に向けて

撃つことで、初めて真価というものを発揮する。

グレネードの使い方はあくまででかい爆風に

巻き込むように使うものだ。

決して弾頭そのものを直接ぶち当てるものじゃ

ない。スピードが遅すぎて当てられるものじゃ

ないからな。

それか、近距離に俺がいるから当たるとでも

思っているのか?

……はっ、初めの頃の余裕は跡形もなくなって

いるな。そして、どんどん冷静でいられなく

なってきているようだ。

そうじゃなければただの考えなしの脳筋ならホバタン

をアセンしないし、初めの頃の俺が地上に降りた

時だけを狙って大グレを撃ってくる事もしないだろう。

 

シャルトルーズ:何なのよ、こいつ!!何で

当たんないの!?:

 

俺が苦もなくグレネードをかわし、奴は

ますます焦燥に駆られたようだな。

 

621:………ふぅ、どうした?どんどん

動きが悪くなってきているんじゃないか?:

 

奴の醜態を見て、落ち着きを取り戻せた俺は

煽ることをやめる。

そして、冷静になって先ほどまでのこいつとの

戦闘を思い返してみる。

総評としては、トップランカーという割には

大して強くはなくてがっかりと言ったところだ。

確かに、フレームパーツやインナーパーツは

しっかりと考えられている。

問題は、【そこに頼りすぎている】という事だな。

特に際立つのは【FCS】に頼って、本人の射撃

の腕がイマイチと言ったところか。

推測する限りだがVE-41Aの高性能な中遠距離

アシストによって命中制度を担保し、さらには

爆発系武装を多く装備することによって多少

狙いが外れてもヒットさせるというわけか。

だが、VE-41Aは近距離アシストが低めだ。

近づかれたら、カメラ追従も厳しくなるし、

照準追従も目に見えて悪くなる。

それでも、けっしてどうしようもない数値という

ほどでもないのだが、安定させるには本人に

高い射撃能力というものを求められる。

大した射撃能力を持たないこいつでは近づかれたら

ろくに射撃を当てることが叶わなくなるという

訳だ。

FCSの性能に頼って射撃の腕前を疎かにする

傭兵は腐るほどいるが、まさか仮にもトップランカー

と評されている傭兵がこんな初歩的なミスを犯す

とはな。

 

621:はぁ…、拍子抜けもいいところだ。そんな

腕前でよくトップランカーにまで上り詰められた

もんだ。:

 

シャルトルーズ:……!!!!!うるさいわね!!

さっきから!!!!!:ドシュン!

 

今度は拡散レーザーだ。

しまったな、つい口からこぼれてしまったな。

 

 

ヒュン!チッ!

 

 

俺は左にQBを吹かし、拡散レーザーに機体を少し

かすめつつも、ほぼ回避し切ってみせた。

それから一気に地上に急降下し、ENエネルギーの

回復をはかる。

 

シャルトルーズ:……チッ!こんな時に限って!!:

ドシュウン!

 

ついに奴は右手にもつ溜め大レザライも撃ってきた。

と、言うのも奴は右手のレザライは中々撃っては

こなかったからだ。

まぁ、アセンブルと武装からコンセプトは分かる。

宙を飛び回って手が届きづらい遠方から一方的に

爆発系武器を撃って衝撃値を溜め、スタッガーした

相手を右手のLRBのため射撃でとどめを刺すって

いうことなのだろう。

射撃武装は、スタッガー中に装甲ごと貫ける

貫通力を持つ物は少なく、特にどんな重装甲でも

貫けるものとなると、俺が知る限り、『あれら』を

除けばわずか4つしかない。

俺の愛用銃のHARRISはその内の一つであり、

実弾武装としては唯一の武器だ。

そして、LRBもその4つのうちの一つだ。

まさに、【見つめ合えば死ぬ女性傭兵】だが

襲われること(近距離戦)には苦手なのは笑える冗談だな。

残る片肩に接近された時用で拡散レザショか。

拡散レザショなら溜めて撃てば爆発を起こす

レーザー砲としても使えるからな。

話が長くなったが、本来ならトドメ用に撃ち

たかったLRBのため射撃まで撃つはめになって

しまって舌打ちしたって事だろう。

 

621:そういうのを無駄撃ちと言う:

 

奴が放ってきた溜めレザライを難なくかわしながら

俺は奴に言い放つ。

もう少し待てばバズーカを放てる。別にバズーカの

発射に影響する訳じゃないが、当たらんのに、

撃てばしばらくオーバーヒートして撃てなくなる

弾をわざわざ撃つのは間抜けのやることだ。

それなら、それはずっと溜めたまましておいて

相手に高威力弾のプレッシャーを与え続ける

方がよほど賢い選択だぞ。

 

シャルトルーズ:くそっ!くそっ!!何でなの!!

こんな至近距離でQBも使わずかわしてくるって

どうなってるのよ!!:ドォン!!

 

早速撃ってきやがったな。こいつはQBを

切らなければかわせない。ENエネルギーは

回復してきているからQBを使えるが、

次で決めるために、ここはあえてバズーカを

受ける方を選択しよう。

 

 

ドオオオオオン!!!

 

 

近接信管が働き、俺はバズーカの爆撃を受ける。

中々手痛いダメージをもらったがこれで奴が

切れる札は拡散レザショのみだ。

そして、絶え間なく弾幕を張り続けたことによって

奴の身体はホッカホカ(ACS限界直前)だろう。

既にENエネルギーは満タンだ。ここで

一気に決めさせてもらう。

 

 

ボッ!シュゴオオオオオオオ!!

 

 

ABを吹かし、俺は見つめ合ったら死ぬらしい

女性に向かって特攻を仕掛ける。

奴は飛び続けてろくにENエネルギーは

残っていないし、ジェネレーターは回復に

難のある【VEー20C】だ。

途中でパルスシールドも張ってきたので

それも使えない。

正直、既に詰みの状況となっているが、

さて、奴さんはどう出るかな?

 

シャルトルーズ:やっと、当たったけど……

………………くそっ……!:

 

 

アンバーオックス(シャルトルーズ機):ガコン!

 

 

621:なるほど、賢明な判断だ。:

 

俺はABを止めた。【その判断】が早いのは、

さすがにトップランカーの傭兵という訳だな。

 

 

アンバーオックス:ドシュウウウウウウン!!

 

 

奴の機体からコアブロックが勢いよく射出

された。

機体を捨てて逃亡を選んだというわけだ。

 

ウォルター:逃げたようだな。さすがだ、621。

お前にかかれば上位のAC乗りも相手ではないか。:

 

621:あぁ、あいつに受けたダメージよりあの忍者

どもに傷つけれられたダメージの方がよほど

でかいぐらいだ。:

 

ウォルター:621、リペアキットを使っておけ。

APが30%を切っているぞ。:

 

621:………チッ:

 

 

キュアアァァァァ

 

 

ACcom:リペアキット、残数、2:

 

 

クソッタレ……この俺が、この程度の状況で

リペアキットを切らされるとは。

あの忍者ども…やはり許さん…。

 

621:そう言えば、口うるさい上に目ざとい総長様

はどうした? さっきから全然耳障りな怒号を

飛ばしてこなくなったじゃないか。:

 

ウォルター:……ドローンで確認した。どうやら

レッドガンの2名が敵方のヴェスパー部隊長に

苦戦しているようだ。ミシガンはそっちに

かかりきりになっているのだろう。

621、余力があるなら助けに行ってやれ。

特に重装タンクACのヴォルタの方から一刻も

早く救援に向かってやれ。このままでは落とされて

しまう。:

 

621:やれやれ…だから、重装タンク野郎は信用に

おけねえんだよ…。 了解だ。:

 

ウォルター:俺の方でも、補給物資の手配を準備

しておく。

ここでミシガンに貸しを作っておくのも悪く

ない。:

 

 

ブオオオオォォォォォ!!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

オキーフ:どうした?それで終わりか?:

 

ヴォルタ:クソッタレが……!:

 

ミシガン:ヴォルタ!持ち堪えろ!すぐに救援が

来る!:

 

ヴォルタ:ふわふわと宙に浮きやがって…!!:

 

オキーフ:そのような様ではレッドガンの名が泣くぞ?:

 

ヴォルタ:くそ…調子に乗りやがって…!:

 

ヴォルタ(やべえ…リペアも全部使い切っちまった。

それに対して野郎はまだリペアを1回しか使って

ねえ上に俺にはねえパルスアーマーまで持ってやがる

なんて…! これがヴェスパーの実力かよ……)

 

オキーフ:……コーラルが絡むと『うんざり』すること

ばかりが多すぎる。今のお前のように、無駄死にも

 

 

ピーッピーッ

 

 

オキーフ:む、アラーム…

 

 

ビッカアアアアアン!!

 

オキーフ:ぬう!!:

 

ヴォルタ:!?な、なんだ!!?:

 

 

621:よう。案の定苦戦してるじゃないか

脳筋野郎。:

 

 

ヴォルタ:てめぇは!?独立傭兵レイヴンかよ!!

まさかもう上位ランカーの傭兵を退けたって

のか!?:

 

ミシガン:遅いぞ!!G13!!さっさとここで

地べたでピーピー泣いている鼻ったれを助けて

やれ!!:

 

ヴォルタ:チィッ!!好き放題言いやがって!:

 

オキーフ:お前は……ハンドラーの猟犬か。:

 

ぬ……、『オールマインド』のHEADをつけた

こいつは……。

 

621:なるほど、『オキーフ』か。隠す気もなし

とは…。:

 

オキーフ:なに…?どういう意味だ?:

 

621:いや、『それならそれでいい。』それより

早く始めよう。:

 

オキーフ:『…………』あぁ、そうするとしよう。:

 

オキーフは4脚のAC乗りだ。その上遠距離から

プラズマ兵装による広範囲攻撃とミサイルで

ちくちくと削ることを得意とするアセンブルだ。

地上しかろくに機動を出せん重タンクの上、

空中の相手にはろくに効力を発揮出来ん

グレネード2丁に最低でも近中距離にまで

近づかなきゃろくにダメージの出ん重ショ、

有効な兵装が2連分裂ミサイルしかないと

なるなら一方的にやられて当然と言える。

地上をトロトロ動くだけのでかい的に

当てるようなものだ。

 

621:さて……:ドシュシュシュシュ

 

オキーフ:『お手並み拝見』としよう:

ドシュシュシュシュ ドシュ!

 

双方にミサイルを発射だ。

俺は左肩の10連ミサイルを。

オキーフは両肩の垂直プラズマミサイルと

……厄介なコンテナミサイルか。

垂直プラズマミサイルは飛んでタイミングさえ

図れば完全回避は容易だが、コンテナミサイルは

中々にめんどくさい代物だ。

こいつは一定距離を進んだところで止まり、その

親機からマイクロミサイルを飛ばし続ける兵装だ。

こいつの厄介なところは通常のミサイルと違って

放たれた個数分かわせばとりあえずは終わりなのと

違い、独立して、継続してミサイルを発射し続ける

という事だ。

乱暴に言ってしまえばミサイル発射専用MTを1体

増やすようなものだ。

無理にオキーフに近づけば視界外からのこいつが

発射する子機ミサイルに対応しづらくなるし、

そうでなくとも普通に弾幕としても厄介だ。

動きをかなり制限されてしまう。

まさにちくちく削ってくる兵装のお手本のような

ミサイルというわけだな。

左手に持つプラズマ銃も中々に面倒だ。

単体なら別に大したことはないのだが、チャージ

した時の3分裂広範囲プラズマ爆発は範囲が

広く、不意に撃たれれば完全に避けるのも

中々難しいところだ。幸いなところは

オキーフの持つ兵装でアラームを鳴らすのは

プラズマ銃のチャージ射撃だけというところか。

つまり、アラームに注意していれば発射に

気付くのにはそう難しい事ではないということだ。

まぁ、アラームを利用した【フェイント】も

あるから一概にそうであるとも言えんが……

まさに、じわじわと削ることを得意とする

引き撃ち機の手本だ。

『直接やり合うのは初めて』だが、企業の精鋭

部隊の3番手になれているのだからオキーフの

パイロット能力も一級品ということには間違い

ないだろう。

 

で、こいつをどう攻略するかってところだが、

近中距離を主体にした射撃戦に持ち込むところが

ベストと言ったところか。

ランセツRFとカーティスなら近距離での撃ち合い

ならダメージレースもスタッガーレースも向こうに

軍配が上がるからな。

ランセツRFの弱点は弾速が遅いことだ。

近づけばかわすのは難しくても少し離れれば避ける

のはそう難しくはない。

その点カーティスは弾速が速く、発射レート

そのものはランセツの倍近く撃てる。

威力はランセツに負けても遠距離戦ではカーティス

に軍配が上がる。

10連ミサイルは発射とロックが出来次第すぐにでも

撃つ。4脚だと10連ミサイルをかわすのは難しい

からな。もちろん出来ないわけではないが、

その場合、QBを切ってかわさなければならない。

4脚の不自由な地上戦に引きずり込みやすくなる。

つまり、かわさなければ継続して与えられる

ダメージ源に、かわせば有利な地上戦に持ち込める

回数が単純に増える。

そもそも、こちらは近距離兵装を持っているからな。

ごく至近距離ならば射撃武装しか持たん奴になら

こちらが一方的に殴れる。

FASANは完全に威嚇要因兼スタッガー追撃、

もしくは奴が地上に降りてくる頃合いを狙って放つ

用として、ずっとチャージしておくのがいいだろうな。

 

Fade crow:ガコン、ギュイイイイイ

FASANチャージ

 

そろそろプラズマミサイルが降ってくる頃だ。

 

 

トン、ブオオオオオオ

 

 

俺は飛び上がって上空から迫り来るプラズマ

ミサイルを避ける。

 

 

キュピン! FASANチャージ完了

 

 

ダンダンダンダン!

 

 

そして、目の前に迫り来るマイクロミサイルを

QBも織り交ぜてかわしつつカーティスを

乱射していく。

 

オキーフ:……………:ダン、ダン、ダン、ダン

 

奴もランセツを連射してくるが、この距離では

ランセツは中々当てられるものじゃない。

奴との射撃戦では完全にこちらが勝っている

状態だ。

いくらかマイクロミサイルに被弾したが、

奴は10連ミサイル6発とカーティスの連射に

当たっていく。

ここで、俺は一旦地上に降りる。

 

オキーフ:そこだ。:カチャ

 

 

ピーッピーッ

 

 

来たな。

 

 

ドシュウウウン!! プラズマ銃チャージ射撃

 

 

俺はすぐさま3連続QBを吹かしてプラズマ銃の

チャージ攻撃をかわしにかかる。

1度目は、FCSの追従を釣るための囮だ。

見事にQBの方向と移動を計算した偏差射撃を

行ってくる。

どうやらこいつもFCSに頼った射撃をするよう

だな。

と言っても、この距離じゃプラズマ銃のチャージ

射撃は弾が遅すぎて十分見てから対応出来る

から、あまり意味はないんだが。

…いや、こいつはそもそも俺にQBを吐かせる

ために撃ってきたか?

と、しても俺はEN容量にかなり余裕を残して

地上に降りている。3回程度使ったところで

回復に影響するものでもない。

 

オキーフ:……当たらんか。流石に『対応の的確さ』

が違うな。:

 

 

ドシュシュシュシュ ドン

 

 

またプラズマミサイルとコンテナミサイルか。

 

 

ドドドドドドドドドド

 

 

こちらも10連ミサイルを発射だ。

ENの回復は済んでいる。また飛び上がってかわす

としよう。

さっきと同じようにプラズマミサイルをかわし、

コンテナミサイルを避けつつオキーフと射撃戦に

なる。

だが、今度は少し距離を近め、どちらかと言うと

ランセツの距離にまで近づく。

当然、ダメージレースでこちらが不利になるが、

奴のジェネレータの駆動音的に【VEー20C】だ。

そろそろ回復のために地上に降りてくる頃合い

のはずだ。

 

オキーフ(ここで近づいてくるとは…。『(オールマインド)

から聞いていた通りの実力の持ち主だな。

こちらがされて嫌なことを完璧に行ってくる。

 

……このままでは降りた瞬間をFASANで狙い撃ちに

される。ACS限界も近い。ここはパルスアーマーを

貼るのが無難なところか…)

 

 

バチバチバチ!

 

 

来た!

 

俺はFASANの発射準備にかかる。

 

オキーフ:当然、そう来るだろうな。だが、落下中

では見てから発射に入るのは遅い。:

 

621:…いいや、甘いのはそっちだ。:

 

オキーフ:なに…?:

 

ちょうどいい。こいつに射撃ってのが

何なのかを教えてやるか。

 

俺はFASANの照準を【オキーフの機体の落下地点】

に合わせる。

そう、つまり【FCSの照準ではなく、自前の計算

照準だ。】

 

 

ドシュウウウン!!

バッガアアアアアア!!!

 

 

オキーフ:なんと…!!:ギュワン!

 

オキーフはFASANの爆発にもろに飲み込まれ、

フルヒットした。

FCSの計算通りに撃っていたら、命中こそすれど

間違いなく空中で爆発し、プラズマ爆発の半分

以上は当たらなかっただろう。

プラズマ爆発はただの爆発というより、極短時間の

ダメージゾーンを形成するものだ。

要するに、ヒットしても爆風から早々に抜けられて

しまえばダメージを稼ぐ事が出来ない。

ならば、普通に爆発武装を使えばいいと思われ

がちだが、爆発は一瞬の衝撃しかないのに比べ、

プラズマ爆発は持続的なダメージゾーンを形成

するため、じわじわ削るのならばプラズマ爆発

の方が相性がいい。

どちらも一長一短だな。

まぁ、これでオキーフのパルスアーマーは一気に

半分以上を削られてしまった事だろう。

 

 

シュワン!!ボオオオオオ!!

 

 

俺はパルスブレードを起動し、一気にオキーフに

近づく。

近距離兵装の特徴に、近距離兵装を構えた状態

ならば、ブースターの特別な推力が働き、

スピードが一気に上がるものがある。

その代わりEN消費も重く、コスパも劣悪だが

スピードはABはおろかQBをも超えてACが

出せる推力の最高だ。

更に、ブースターにはそれぞれに【近接推力】

というものが設定されている。

Fade crowが装備している【FLUEGEL】は

全ブースターの中で2番目の近接推力を

誇り、なおかつ全体の推力も高い、高速

ブースターで、俺の愛用ブースターの一つだ。

 

オキーフ:くっ!速い!!:

 

 

パリーーン!!

 

 

チャージしたブッタで、オキーフのパルス

アーマーを割る。

こうなってしまえばこっちのものだ。

 

 

ズバン!ズバン!ズバン!

 

 

俺はブッタの出力を落とし、通常モードで

オキーフを何度も斬りつける。

射撃武装しか装備してない場合、近接兵装を

防ぐ手段というものは盾以外にない。

その盾もオキーフは装備していない。

近接兵装持ちに射程内でENエネルギーを

切らすのは完全に命取りだ。

しかも、ジェネレータは回復に難のある

【VEー20C】だ。

約1.7秒も無防備を晒してしまうことになるのは

致命的だ。

 

オキーフ:くそっ…!!:ドシュン!

 

621:おいおい、逃すと思ってるのか?:ドシュン!

 

おっと、耐えきれずENエネルギーが回復し切る

前にQBを使ったな。タイミング的におそらく

もう一度使ってしまえばENエネルギー枯渇が

起きる。

そうなれば、もっと悲惨な結末が待っている。

EN復元するのに、【VE-20C】では3秒も

かかってしまうからな。

そうなると、最早致命的どころか完全に命を

捨てたも同然かな。

 

ヴォルタ:す、すげぇ……:

 

621:チラ

 

ヴォルタ:!!:

 

俺は、ヴォルタにわざとらしくHEADを

動かし、合図を送った。

さて、脳筋に上手く伝わればいいがな。

 

オキーフ(まずいな…このままでは……)

 

 

キュアアアア!

 

 

リペアキットを使ったか。だが、溜まった

ACSまでは回復できんぞ。

 

ブッタは、もう活動限界間近だが、ここは

奴のACSを溜めるのを優先しよう。

 

オキーフ:くらえ…!:キュピン!

 

621:チャージプラズマ射撃か。撃ちたければ

撃てばいい。:

 

 

フォン!ドシュン!

 

 

ズバアアアアアン!!バチバチバチ!!

 

 

オキーフ:ぐぅおおおお!!:

 

621:なるほど、上手く自前のプラズマ爆発

からは逃れたようだな。さすがだ。:

 

チャージしたブッタをオキーフに斬りつけつつ

オキーフの放ったプラズマ爆発にもろに

飲み込まれた。

フルヒットしたプラズマ爆発はそこそこ痛いが

大ダメージというほどでもない。

EN系の悪いところは衝撃値を溜めにくいところ

だな。こいつがバズーカだったなら俺はスタッガー

して、奴が距離を取る時間も稼げたというもの

だろうに。

ここで、ブッタはオーバーヒートし、冷却時間に

入る。

さて、計算では姿勢安定値の高い4脚と言えど、

もうキックとカーティスの溜め射撃でスタッガー

を取れる範囲になっているはずだ。

 

 

ボッ!シュオオ!!

 

 

俺は瞬時にABを吹かし、【ブーストキック】に

入る構えを取る。

 

オキーフ(なるほど、ブーストキックからの

カーティスの溜め射撃か。……『有名なレイヴン(本物)

スタッガーコンボ』か。ENエネルギーを

使い切るわけにはいかない。そして、近距離兵装も

FASANも冷却中の奴にスタッガー中への有効な

追撃は無い。ならば……)

 

 

ドゴオオオン!!

 

キュピン!

 

 

なるほど、ブーストキックを受けることを

選んだか。

 

オキーフ:さぁ、有名な『レイヴンのコンボ』を

やるといい。お前に出来るのはそこまでだ。:

 

こいつはキックからつながることを知って

やがったか。だが、一つ命を落としてしまう

勘違いをしているらしいな。

 

621:確かに、【俺】に出来るのはそこまでだが

一つ、忘れているぞ?:ジャキン!

 

オキーフ:なに?:

 

 

ズッドオオオオオオオオン!

 

 

オキーフ:ぬうう!:ドッコオオオン!!

ビーッビーッ ACS限界

 

621:ここは鉄の戦場だ。【卑怯なんて言うなよ?】:

 

ドシュン!

 

オキーフ:っ!!しまった!!:

 

バックQBで距離を取る俺に代わり、奴の目には

映っていることだろう。

 

 

ドゴオオオオン!!!

 

 

ヴォルタ:くたばりやがれ!!!:

 

 

自分に向かってくる、死の弾頭(グレネード弾)が。

 

 

ヒュルルルルルル

 

 

オキーフ:くっ!!!:

 

 

 

 

キュアア……

 

 

ズッドオオオオオオオオオン!!!

 

 

そうして、オキーフは爆炎の中に飲み込まれて

いった。

だが、死ではなかったな。

クソが、しくじりやがって。

俺はヴォルタの隣へACを停める。

 

ヴォルタ:へへっ、くたばりやがったな。

ざまぁないぜ!!:

 

ウォルター:やったな。さすがだ。621。:

 

ミシガン:よくやった!G4、G13!

間抜け野郎の顔に地獄行きの一発をぶち込んで

やれたな!:

 

621:やってないし、間抜けというなら俺の

隣のやつにぜひかけてやってくれ。:

 

ヴォルタ:あぁ?:

 

ミシガン:なんだと?:

 

ウォルター:どういう意味だ。説明しろ、621。:

 

621:てめぇ、撃つのが遅いだろうが。見ろ。:

 

 

俺が煙がたちこもる先を見るよう促すと

 

ヴォルタ:な、なんだと!?あれを受けて

何でまだ無事でいやがる!?:

 

煙の中に、左腕と左半分の脚を失いつつも、

健在のオキーフの『バレンフラワー』が

立っていた。

 

ウォルター:なに!?奴の残りAP的に、

大豊のグレネードの一撃は耐えきれん

はず。何故大破していない…?:

 

621:ウォルター、答えは簡単だ。

この大ボケが撃つのをほんの少し

遅れてしまったせいで、当たる寸前に

スタッガー硬直が解けて、リペアと

身体を捻って脆弱なコアを片腕を

犠牲に守ったからだ。:

 

ウォルター:なるほどな、皮1枚で凌いだ

わけか。:

 

ヴォルタ:チッ、しくじっちまったか…!:

 

621:あぁ、俺なら絶対にしくじらんのだがな。

あの状況なら例えAPが満足でも、奴の

コアボディは爆発耐性が悲惨だ。

スタッガー硬直中に直撃したら中の奴ごと火葬

出来たんだがな。:

 

スタッガー、つまりACS異常というのは

機体に覆うENエネルギーの連結が解除

されてしまう状態のことだ。

通常、ACはENエネルギーの連結、想像

しやすく言えば薄い膜のようなバリアを

施してあり、その状態ではいかな攻撃でも

ACを破損させることは決して出来ない。

更に、防御に関しても、全ての部位パーツを

それぞれ足し合わせて総合した防御値と

なる。

つまり、どこを攻撃しても一律のダメージと

なるわけだ。

だが、ACS異常になると、その一律の防御値も

解除されて、もろに部位パーツの防御が

関わってくることになる。

なので、ACS異常中は各部位の防御率の低い

場所に攻撃を加えれば、より高いダメージを

与えられる事を期待出来る。

そして、スタッガー中は通常破損できない

ACを破損させられるようになる。

まぁ、そもそもACのパーツが硬すぎて

そう中々破壊出来るものでも無いが、

ACのパーツには【実弾】【爆発】【EN】の

それぞれに耐性が設定されており、その

値が低い属性で攻撃すれば、十分破壊することも

可能だ。

オキーフの『バレンフラワー』のコアパーツは

【ナハトライアー】。最軽量コアパーツの

一つだが、それゆえに防御力が低すぎて

スタッガー中でも射撃武装では数えるほど

しかコアを貫ける武装が存在しないものが

ほとんどの高火力武装でコアを潰せる

ようになってしまう。

更に言えば通常は爆発武装というのは威力は

あっても貫通力が無いためコアを潰す用途には

使えないのだが、ナハトライアーは爆発耐性が

悲惨を通り越して終わっているため、

弾頭がコアパーツに直撃すれば、コアごと

爆発で吹っ飛ばせてしまえる。

 

ミシガン:だが、結果はそう変わらん。

パルスアーマーもリペアキットも使い果たした

奴は最早風前の灯火だ。

せいぜい余命が少し長引いたぐらいだ。

G4、g13!ここで一気にとどめをさせ!:

 

621:了解ですよ、ミシガン総長:

 

ヴォルタ:へっ、どのみち運命は変わんねえ。:

 

オキーフ:………ふふ、さすがだ。やはり『紛い物』

とは違う。:

 

621:…あん?:

 

何言ってやがる?紛い物って何だ?

 

オキーフ:……死ぬ前に、お前にはずっと礼を

言いたかったんだ。よく『(オールマインド)』の目論見を

潰してくれた。『ハスラーワン』。:

 

………ちっ、気付いていやがったか。

 

621:……その名で呼ぶな。:

 

オキーフ:そうだったな。お前はもう、名実ともに

『レイヴン』なのだったな。:

 

621:お前、俺の経歴を知ってやがったのか?:

 

オキーフ:これでも俺は『(オールマインド)』に付く前は凄腕の

諜報員として名が通っていたからな。

調べることぐらい訳はない。:

 

621:……やっぱ、『あいつ(オールマインド)』はポンコツ

だったな。何が「あなたの経歴は全て消去

しました」だ。:

 

ヴォルタ:何だ?お前ら知り合いかよ?:

 

621:どうでもいい。とっとととどめをさすぞ。:

 

オキーフ:『あの』後、お前の消息は途絶えて

しまったから、『奴』と運命を共にしていたと

思っていたが、まさかハンドラーの猟犬に

なっていたとはな。察するにお前自身も

ただでは済まない傷を負ってしまったか。:

 

621:いちいちうるせえな…。遺言はもう

十分だろう。:

 

ウォルター:……621、これは一体どういう

事だ?説明しろ。:

 

621:ウォルター、人にはな、誰だって

詮索されたくない秘密の一つや二つ、

持っているものだろう。

あんたが俺に『隠し事』があるようにな。:

 

ウォルター:!!!お前、気づいて…:

 

621:俺はあんたの猟犬だ。犬にご主人様の

懐を探る権利はない。

だが、今やるべきはこいつの戯言に付き合って

やることか?:

 

ウォルター:………そうだな。すまない。

621、そいつを始末しろ。:

 

621:了解だ。:

 

オキーフ:最後に、遺言にもう一つお前の

飼い主に忠告をしよう。

 

ハンドラー・ウォルター、これからも

そいつを猟犬として使うのなら気を

つけておいた方がいい。

『レイヴン』とは ………いいや、そいつは

『裏切ることで有名な独立傭兵』だったからな。:

 

ウォルター:なに?:

 

621:……ほぉう。最後の遺言としては良いことを

言ってくれるじゃないか。:

 

ミシガン:ええい!お前たちはここに女子会を

しに来たのではない!

口を動かすより手を動かせと言っただろう!

G13!早くそいつを始末しろ!!:

 

621:だとよ。あばよ、オキーフ。:ジャキン

 

オキーフ:………ふっ、ようやく、まともに

休めそうだ…… 先に行くぞ、ラス

 

 

ピーッピーッ

 

 

ウォルター:待て、後ろから狙われているぞ!

621!!:

 

621:何?確かにアラームが……:

 

 

と、俺は振り返ると少し先にグレネード弾が

飛んで来ているのが見えた。

 

621:ちっ!!:ドシュン!!

 

俺はQBを吹かし、素早く上空へと身をかわす。

 

 

ドオオオオオオオン!!!

 

 

ヴォルタ:ぐあっぐ!!?:

 

俺を狙ったグレネードは近くにいたヴォルタを

爆風に巻き込んだ。

 

キャノンヘッドcom:AP、残り30%:

 

ヴォルタ:…へっ、本格的にやべぇな…:

 

ミシガン:ヴォルタ!!大丈夫か!!:

 

621:……ったく、これだから重装タンクは

困るんだよ。:

 

 

オキーフ:……お前たち:

 

 

バズーカの弾頭が飛んで来た方角を見ると、

そこにアーキバスのMT部隊がやって来ていた。

 

アーキバス隊員:ご無事ですか!!オキーフ長官!:

 

アーキバス隊員:何という損傷だ…!やられる

直前ではないか!!:

 

周囲を見ると、いつの間にかアーキバスの

MTに取り囲まれてしまっている。

 

アーキバス隊員:オキーフ長官!今のうちに

お逃げください!レッドガンとあの独立傭兵の

相手は自分たちがやります!:

 

オキーフ:……それはダメだ。あの独立傭兵の

強さは次元が違う。お前たちでは確実に全滅

させられてしまう。:

 

アーキバス隊員:でしょうね。……しかし、

あちらのレッドガンはもう大破寸前。

私たちで総攻撃を仕掛ければレッドガンは

確実に落とせます。

……そして、レッドガンを守るならば、あの

独立傭兵レイヴンは私たちを相手にせざるを

得ない。

オキーフ長官が逃げる時間稼ぎぐらいは

出来ましょう。:

 

オキーフ:しかし……:

 

アーキバス隊員:長官、あなたに倒れられては

アーキバスの損失は計り知れません。

私たちはあなたに何度も生かされてきました。

あなたを救えるならば、ここで果てても本望で

あります。:

 

オキーフ:……………:

 

アーキバス隊員:お願いです。お逃げください。

…そして、後は頼みます。:

 

オキーフ:………すまない、お前たち。:

 

621:……どうも、あの長官様は逃げそうだが、

どうする?総長さん? 追えば隣の虫の息は

完全に途絶えることになりそうだが。:

 

ミシガン:……見逃して構わん。それより

隣で泣き言こぼす役立たずを助けてやれ!:

 

621:はぁ……了解だ。:

 

 

ドシュウウウウウ!!!

 

 

オキーフ:……どうやら、一息つくには

まだ早いようだな……

…………すまない、お前たち。:

 

ABで離脱するオキーフを尻目にしながら、

俺は周囲を包囲するMT軍団を見据える。

……キツイな。俺1人だったら、こいつら

全員を昇天させることぐらいわけないが、

奴らを昇天させる間に隣の間抜けも同じく

昇天しちまうからな。

包囲されてる現状、一斉砲口されれば

動きののろいこの野郎はすぐにでも

あの世行きだ。

と、なると、こいつを死なせないように

するには嫌でも俺は自分の身を犠牲に

せにゃならんわけだ。

 

621:……察しはついてるが、一応聞く。

リペアかパルスアーマーはあるか?:

 

ヴォルタ:……どっちもねえ。:

 

621:……クソ野郎。結局実力を証明

するどころか間抜けを晒しただけじゃねえか。:

 

ヴォルタ:……すまねえ。:

 

ウォルター:621、お前は自分の身を守ることを

優先しろ。だが、出来るならば…:

 

621:努力はしてみるさ。おい、ヴォルタと

言ったか? 作戦だ。よく聞け。:

 

ヴォルタ:…………:

 

621:俺はパルスアーマー2つと、リペアキット

2つ、現APもまだ6000以上を残している。

そこでだ、出来る限りお前への被弾を

俺は自らの機体の身体を使って防ぐ。

お前は、肩の2連グレネードと2連分裂ミサイル、

右腕のグレネードで周りの奴らを蹴散らしてくれ。

広範囲火力攻撃は得意だろ?:

 

ヴォルタ:あぁ、俺様の得意分野だ。:

 

621:俺もFASANと10連ミサイルとカーティスで

出来る限り援護はする。:

 

ヴォルタ:……すまねえ、てめえの言った通り

何から何まで世話をかけることになっち

まった……:

 

621:おいおい、さっきかららしくねえじゃ

ねえか。最初に比べてずいぶんとしおらしく

なったもんだ。

……だったら、ここを生きて反省会をやるぞ。:

 

ヴォルタ:望むところだぜ。:

 

ミシガン:良い心構えだ!役立たずども!

ここを生き残ってみせたら貴様ら2人には

レッドガン流の反省文を書いてもらうぞ!:

 

621:だから俺はレッドガンじゃねえって

言ってんだろうが。つーか、高みの見物を

決め込んでるくせにあれこれ指図すんじゃねえ。:

 

ヴォルタ:へっ、気が合うじゃねえか。

俺もミシガンの怒号に辟易としてきた

ところだったぜ。:

 

ミシガン:やかましい!直近に自殺の予定が

なければ生意気な口を叩くより手をうごかせ!:

 

ウォルター:621、備えろ!来るぞ!!:

 

621:よし、いくぞ!!死ぬんじゃねえぞ!:

 

ヴォルタ:おう!!てめえもな!!:

 

 

 

ドドドドドドドドドド!!ドンドンドン!

ギュワン!ドッカアアアアン!!

ドシュウウウウウン!!キュアアアア………

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

スウィンバーン:はぁ!はぁ!はぁ!お、おのれ!:

 

イグアス:はぁ、はぁ、どうした?余裕

なさそうだなぁ!:

 

スウィンバーン:こ、こんなはずでは…。

ま、まずい!もうリペアの残りが……!:

 

 

プルルップルルッ

 

 

スウィンバーン:む?第3隊長から入電?:ピッ

 

オキーフ:スウィンバーンか。どんな状況だ?:

 

スウィンバーン:えっ!?い、いや私は、別に…:

 

オキーフ:まぁいい、いずれにしろここは撤退するぞ。:

 

スウィンバーン:えっ!?どういうことです!?:

 

オキーフ:ベイラムに規格外の強さを持つ独立傭兵が

いる。ハンドラーの猟犬だ。

そいつに、俺たちが雇ったトップランカーのブランチ

の傭兵もやられ、俺も大破寸前までこっぴどく

やられてしまった。

奴を相手にすれば俺たちは全員ここに屍の山を

積むことになる。:

 

スウィンバーン:な、なんですとぉ!?:

 

オキーフ:この撤退は俺が全責任を負う。

お前も早くそこから撤退を開始しろ。:

 

スウィンバーン:そうですか!!それなら

仕方ありませんなぁ!!了解です!!:ピッ

 

スウィンバーン:ふぅ、戦闘の最中で

申し訳ないが、私はここから去らねば

ならなくなった。:

 

イグアス:……あ?何だと?怖気付きやがったか?:

 

スウィンバーン:ちちちがう!上官命令で仕方なく

だな!! とにかく!私はこれにて失礼させて

もらう!! さらばだ!!:

 

 

ボッ!ドシュウウウウウ!!!!

 

 

イグアス:……へっ!この俺に怖気付きやがったか!

ヴェスパーと言えど、大したことねえな!:

 

ミシガン:G5!!聞こえるか!!:

 

イグアス:何だよ、ミシガンか。ヴェスパーなら

俺に怖気付いて逃亡しやがったぜ。:

 

ミシガン:調子に乗るな!それより、貴様に

指令だ!G4とG13がアーキバスMT部隊と

応戦中だが、正直かなり不利だ!

虫の息となってる2名の役立たずを救援しに

行ってやれ!:

 

イグアス:あぁ?MTの群れごときに何やって

やがる。ったく、野良犬もそうだがヴォルタの

野郎も無様晒しやがってるとは。笑えるぜ。:

 

ミシガン:G5!減らず口を叩く暇があったら、

さっさと助けに行ってこい!:

 

イグアス:ったく、しょうがねえな。:

 

 

ボッ!ドシュウウウウウウ!

 

 

----------------

 

 

〜〜13:50〜〜

 

 

621:はぁ!はぁ!くそっ、疲れたぜ…:

 

ヴォルタ:はぁ!はぁ!マジでやばかったぜ。:

 

イグアス:ケッ、揃いも揃って情けねえなぁ?:

 

周りをアーキバスのMTの残骸で埋め尽くし

ながら、俺たちは一息ついていた。

途中で参加してきたイグアスって野郎は

かなり余力を残しているようだな。

こいつもヴェスパー隊長とやり合ってた

だろうに、なるほど、確かにかなりの

実力者のようだな。

 

イグアス:ったく、これだから野良犬の世話は

手を焼いて仕方ねえんだよ。

ヴォルタも何て様だ。俺様と違ってヴェスパーに

手も足も出なかったそうじゃねえか?:

 

ヴォルタ:うるせえな……:

 

621:言っておくが、俺がここまでズタボロに

されちまってるのはお前の相方さんの介護を

していたせいなんだがな。文字通り身を粉に

してな。:

 

イグアス:へっ、確かにヴォルタの体たらくを

カバーしてくれたことには感謝してやるよ。

だがな?てめえもヴォルタを笑える身かよ?:

 

621:なんだと?:

 

イグアス:聞いたぜ?お前、ACに乗っていながら

生身の人間に遅れを取ったってかぁ?

てめえが1番醜態を晒してやがるじゃねえか!:

 

621:……………:

 

イグアス:どうした?返す言葉も見つからなくて

黙るしかねえってか?

しょせんてめえは野良犬なんだよ。:

 

ミシガン:イグアス!貴様も生身の人間だからと

舐めるな!G13が遅れを取ったのも仕方がない

事だ。何せ、相手は太古に存在した最強の

戦闘集団、忍者だったのだからな。

最強の忍びのミチル殿を筆頭に、全員が

ACに匹敵

 

621:黙れ…!てめえいい加減その口閉じねえと

てめえの本拠地に乗り込んで物理的に、永遠に

黙らせるぞ…!:

 

ミシガン:何だ!ショックを受けているかと

思えば、全然元気なようだな!!

ついでにその生意気な態度も更に磨いておけ!:

 

イグアス:はっ!これに懲りたらあまり

調子に乗らねえことだな!上には上がいるんだよ!:

 

621:……………ちっ:

 

ガァン!

 

イグアス:おーおー、みっともねえな。物に

当たるんじゃねえよ。:

 

ヴォルタ:やめろイグアス。こいつの実力は

確かだ。:

 

イグアス:と言ってもな、俺様と違ってヴェスパーに

ズタボロにされたてめえに言われても説得力が

ねえなぁ!:

 

ヴォルタ:…クソッタレが。調子に乗りやがって…:

 

ウォルター:621、怒りを抑えろ。レッドガンの

言うことなら気にするな。:

 

621:俺がイラついて仕方ねえのは忍者どもの

事だ。こいつの言う事なんざどうでもいい。:

 

ウォルター:……はぁ、まだ根に持っているのか。

それより、そろそろそっちに補給シェルパが

届くはずだ。今のうちに補給しておけ。:

 

 

ドシュウ、ドシュウ、ドシュウ。

 

 

621:……?3つだと?:

 

ウォルター:そこのレッドガン2名の分も

手配させてもらった。お前たちも補給

しておけ。:

 

 

キュピイイイイイイン!!

 

 

イグアス:おいおい、マジかよ……こいつは

超高級補給シェルパじゃねえか。:

 

ヴォルタ:APもリペアも弾薬も全部元通りに

なったぜ! こいつはてめえの主人が

持っている設備かよ!?:

 

ウォルター:いや、これは…:

 

621:まぁ、そんなとこだ。:

 

イグアス:へっ、野良犬だが、ご主人様には

恵まれたってか。よかったなぁ!:

 

ウォルター:…………まぁいい。:

 

621:さて、ヴォルタ。反省会だ。そもそもだ、

何故俺がお前を見るなり馬鹿にしたような

態度を取ったか、分かるか?:

 

ヴォルタ:……知るかよ:

 

621:答えはてめえが重タンクなんぞつけて

ミッションに赴いて来てたからだ。:

 

ヴォルタ:あぁ?それの何が悪い?:

 

621:問題ありまくるに決まってるだろうが。

てめえ、オキーフに手も足も出ずにボコボコに

されたのをもう忘れちまったか?:

 

ヴォルタ:…………:

 

621:重タンクってのは、一見は強そうだ。

重タンクは圧倒的なAPと姿勢安定と積載量で

とにかく破壊力のある重い高火力武装を

積みまくってタフさと破壊力で正面から

無理矢理敵を粉砕する事が出来るからな。

だが、そいつは地上しか機動力を出す事が

出来ず、しかもその地上でも特段動きが速い

わけでもない。

空中では劣悪すぎるブースターでろくに

動く事が出来ん。

その上、タフとは言ったが、EN防御は

重量比に対して実はかなり低く、EN

兵装で攻め立てられれば意外なほどに

APがゴリゴリ削れていく。

そいつを分かってる奴なら空中でふわふわ

浮いて地上を走り回るトロくてでかい的当て

をするだけだ。

オキーフの機体がその最たる例で重タンクに

とって最悪の相手だ。

俺がさっき言ったように、奴に宙にふわふわ

浮かれて、お前の攻撃は何も当たらず、

オキーフの攻撃だけをゴリゴリ当てられて

しまったんじゃないか?:

 

ヴォルタ:………あぁ…、だが今回は

たまたま相性が悪かったってだけだろうが:

 

621:確かにオキーフの機体は空戦主体の引き機

のお手本のような構成だったから、相性の悪さは

折り紙つきだった。

だがな、別に空中で撃つこと自体、射撃武装か

ミサイル武装さえ持ってりゃ誰でも出来る。

俺だってそうする。

しかもお前の構成で特に残念なのが空中への

相手に対する有効な攻撃手段が肩のミサイル

兵装だけということだ。

右手と肩のグレネードじゃ弾速が遅すぎて

ろくに空中の相手にはヒットせず、左手の

ショットガンはそもそも射程範囲外。

まさに時々ちょっと痛いぐらいの豆粒を飛ば

してくるだけの硬いが動くでかい的だ。:

 

ヴォルタ:……………:

 

621:これが、対ACで見た時の重タンクの

重すぎる欠点って奴だ。

次にミッション関連で見ていくが……

こっちも重タンクは全然適性がない。

そもそも、この地の奴らの武装は最軽量

ACでも傷一つつかない貧弱なものだけ

だからな。装甲を厚くする意味がない。

手早く占領域を広めていかなければ

ならないミッションで速度を落とすのは

致命的だ。

お前が担当する敵勢力の迎撃に関しても

あまり向いているとは言えんな。:

 

ヴォルタ:そいつは聞き捨てならねえぜ。

重装甲と高火力武装は敵を粉砕する時の

定番だろうがよ。:

 

621:それが短期的か、補給を受けれる

防衛戦ならな。残念なことにACの装甲ってのは

ダメージを和らげる事は出来てもダメージ

そのものを無くすという事は出来ん。

跳弾させられる距離を伸ばすことは

出来るがな。

こいつは全ての重量級ACに言えるが、

重量級ACは長期戦に弱い。

何故ならリペアキットの回復は割合

回復じゃなくて一律回復だからな。

つまり、リペア含めた総体力は軽量

中量もそこまで変わらん。

となってくると、装甲の厚さと圧倒的

APで被弾を前提にして初めて強みを

発揮する重タンクと装甲は脆いが

そもそも被弾しないことを前提に動く

軽中量AC……

長く続けばどっちが先に息切れするかは

火を見るより明らかと思うが?:

 

ヴォルタ:な、なるほどな……:

 

621:重量タンクが明確に有利を取れる相手は

同じく近距離を得意とするAC相手だけだ。

重量タンクが有効な場面というのは、

僚機と随伴して動くことを前提とした

文字通りのタンク役、守りを固めた要塞に

タフと火力で無理矢理風穴を開ける特攻役、

逆に物資の補給を潤沢に受けられる自拠点の

防衛、後は宙に浮かびにくく、必然的に

動きが制限される屋内戦ぐらいだな。

……まぁ、このキヴォトスにはACが

入る建物がそもそも存在しないから、

屋内戦が出来る状況そのものがないかな。:

 

ヴォルタ:……どうすりゃいい。:

 

621:今と同じような戦法をしたいなら

重量2脚に変えろ。ベイラム系列に大豊が

あるだろう? あそこが出してるチタン・キング

の重脚なら手に入れられるんじゃないか?

というか、お前が今装着している脚以外の

フレームも全部チタン・キングだな。:

 

ヴォルタ:2脚か…… 2脚は操作が難しくて

どうも慣れねえんだが…… 何とか乗るしか

ねえか。:

 

621:後、右手のグレネードをバズーカに

変えろ。バズーカも大豊は出してるが、

おすすめはメリニットのマジェリックだ。

大豊のバズーカより軽くて、威力も上だ。

まぁ、弾持ちで劣るがな。:

 

ヴォルタ:メリニットって…… 高級メーカー

じゃねえかよ…… そんなもん高くて買えるか。

まぁ、大豊のバズーカを買えばいいか。

……だが、何でバズーカなんだよ。:

 

621:バズーカはグレネードより弾速も早く

近接信管もある。空中相手の機体にも

グレネードよりはまだ当てやすい。:

 

ヴォルタ:……何だかなぁ、俺はド派手なのが

好きなんだよ。グレネードからバズーカに

変えたら地味になっちまうだろうがよ……:

 

621:………そういうことなら、肩の2連グレを

メリニットのEARSHOTに変えろ。

あれはいいぞ?広範囲の敵を一気に掃討

出来るし、火力としても申し分ない。

何より、最高に気持ちがいい。:

 

ヴォルタ:そいつに関してはメリニットの

最高級品だろうが!!買えねえって言ってん

だろうが!!! ……だが、いいよな。

男なら誰でも憧れる至極の一品だ。

俺もいつかあれを買うのが夢なんだが……:

 

621:後、俺が1番首を傾げるのは、積載量を

存分に積める重タンクなのに、何で

ジェネレータを【MING-TANG】なんぞ

積んでやがる。【SAN-TAI】を積め。:

 

ヴォルタ:……何で俺が積んでるジェネレータまで

分かりやがるんだ…? それと、お前さっきから

勘違いしてるのか? 俺にそんな高級パーツを

ぽんぽん買える財力はねえ。:

 

621:【SAN-TAI】に関しちゃ大豊から出てる

ものだろう。同じベイラム系列の企業なら

手に入れやすいんじゃないのか?:

 

ヴォルタ:そんなに甘くねえよ。確かに割引は

してくれるが…… それを込みにしても

あんなもん高すぎて買えるかよ。

それに、【MING-TANG】はベイラム本社も

製造に関わってるから、ほぼただで手に入るん

だよ……:

 

621:そうか。企業付きと言えど、苦労

するものなのだな。:

 

ミシガン:役立たず2名!反省会はその辺に

しておけ!遠足はまだまだ始まったばかりだ!

次の地点へ向かうぞ!:

 

イグアス:へっ!本当に役立たずって言葉が

似合ってるなぁ!てめえら!

負け犬同士の傷の舐め合いは済んだかよ?:

 

ヴォルタ:いちいちうるせぇな…:

 

ミシガン:G5、一体いつ貴様が役立たずで

なくなった? 貴様の性能もそこで喚く

役立たずどもと変わらん!:

 

621:……はぁ、いつまでもレッドガン流コントを

披露するのはやめないか? 早く次の目的地と

やらを指示してくれませんかね?

あんた風に言うなら激を飛ばすより指示を飛ばせ:

 

ミシガン:良い心構えだG13!!

小娘3人に青筋立てていた奴と同一人物とは

思えん冷静さだ!:

 

621:……そうか、そんなに俺を怒らせたいか。

じゃあ、今から代金を徴収させてもらうか。

代金はてめえの命だ!!クソ野郎!!:

 

イグアス:おい!待て!!マジで洒落になって

ねえぞ!!:

 

ヴォルタ:落ち着け!!何でそこを蒸し返したら

そこまでキレるんだよお前は!?:

 

ウォルター:……ミシガン、本当にその話を

蒸し返すのはやめてくれ。621はその事を

ものすごく気にしている……:

 

ミシガン:善処はしてやろう!最低でも貴様の犬

の反応が面白くなくならなければ出来ないがな!:

 

ウォルター:はぁ、お前の悪い癖だぞミシガン。

早く次の目的地を指示してくれ。

621も、怒りをおさめてくれ。:

 

621:チッ……:

 

ミシガン:さぁ役立たずども!!愉快な遠足の

続きだ!!気を引き締めてかかれ!!:

 

次の地点のマーカーが表示される。

 

621:クソッタレ…… 本気で耳障りな声だ。

野郎の顔に1発ぶち込んでやりたくなる。:

ブオオオオ

 

イグアス:初めて気が合ったな。ちょっとは

気に入ったぜ。:ブオオオオ

 

ヴォルタ:ホントに気が散って仕方ねえよな。

こき使いやがって……:ブオオオオ

 

ミシガン:うるさいぞ!役立たずども!

口より手を動かせと何度言わせる気だ!!

それとも貴様らは頭まで鳥より役立たずか!?:

 

621:おいおい? 総長さんの方は節穴か?

歳のせいでお目目が耄碌しちゃったんですかね。

今まさに次の地点に向かうと言う指示を遂行

しているのが見えないのか?:ブオオオオ

 

イグアス:くははっ!:ブオオオオ

 

ヴォルタ:いいねえ!最高のカウンターパンチだ。

さっそくミシガンの顔面にぶち込んでやれた

じゃねえか。:ブオオオオ

 

ミシガン:……G13、減らず口ばかり叩きおって。

こちらも貴様の泣きっ面にもう一発と行こうか?:

 

621:チッ、調子に乗りやがって…:ブオオオオ

 

イグアス:くはははははっ!野良犬!やっぱお前

最高に笑えるぜ!:ブオオオオ

 

ヴォルタ:だっはっはっはっはっは!!!

おい、烏野郎!てめえの方がよっぽど

ミシガンとおもしれえコントを繰り広げてるぜ!

ミシガンとコンビ組んで2人で芸人に転職

したらどうだ?:ブオオオオ

 

621:だまれ!:

ミシガン:やかましい!:

 

ヴォルタ:だっはっはっはっはっはっは!!!:

ブオオオオ

 

イグアス:くくくくく!いいじゃねえか。

今回の遠征は、久々におもしれえな。:

ブオオオオ

 

 

 

 

621:そうだ、ウォルター。一つ言い忘れてた

事があった。:ブオオオオ

 

ウォルター:どうした?:

 

621:オキーフが最後に口走った戯言の事だ。

……そいつは戯言じゃない。

奴の言う通り、俺は最低のクソ野郎だ。:

ブオオオオ

 

ウォルター:………………:

 

621:お前がここで何をするのが目的かは

知らんが、目的のために俺を使うって言うなら

せいぜい背後には気をつけろ。

油断してたら後ろからズドン!かもだぜ?:

ブオオオオ

 

ウォルター:……いいや、俺はお前のことは

信じている。:

 

621:………ま、言いたいことはそれだけだ。:

ブオオオオ

 

 

 

 




この小説の今のイグアスは自分だけがヴェスパー
隊長を退けたという功績と、621(というか
ウォルターとミシガンも)がやらかした
ヘマのおかげで621にコンプレックスを
感じることはなく、原作本編とは違う視点で
621の事を見れています。
調子に乗りに乗りまくっているイグアスくん
ですが、悪友のヴォルタの命の危機を救って
くれた事や、後のミシガンとのコントも
手伝って、621のことはかなり気に入っている
感じですね。

後、ヴォルタも個人的には好きなキャラクター
なのでイグアスともどもこの小説の物語最終盤
まで生かせる予定です。
詳細に言えば原作のチャプター5相当までですね。


さて、621が『ハスラーワン』と呼ばれて
いたことに関して、名前の由来はもちろん
初代のみんなのトラウマのパイロットから
来ています。

何やらここの621オールドンマイ……失礼、
ドントマインド……これも失礼、オマちゃんと
何らかの深い関わりがあったようだが……?

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