ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜   作:とある渓流にいるかわうそ

21 / 29
20話 災厄の褪せ烏

 

 

〜〜15:40 アビドス砂漠〜〜

 

 

私の前に佇む、そのAC。目を惹くのは頭部の

顔に当たる、鳥のような見た目と、まるで隻眼

のように拵えているカメラだ。

くちばしこそないが、その見た目はどこか烏の

を彷彿とさせ、隻眼のカメラと合わせたその

HEADには、アンバランスさを感じさせるのに、

何故かそのACはとてもかっこよく思い、

私の目を釘付けにする。

 

アル「せ、せんせぇ!!!」

 

先生「っ!!」

 

アルの尋常ではない焦燥の声を聞き、私は

我に帰る。

 

アル「どどどどどどうするのおおおぉぉぉぉ!?」

 

リン「いち、ばん……出会っては、いけない

相手に………」

 

アオイ「出会ってしまった………!!」

 

シロコ「ロ、ロニー!!ロニイイイィィィ!!!

お願いっ!!早く来てええぇぇぇぇ!!!」

 

チャティ:ぅううううおおおおおおおお!!!!:

シュゴオオオオオオオ!!!

 

シロコの、悲壮な叫び声に反応するかのように

ロニーが私たちの元に来る。

だが、決してシロコの声に反応したわけでは

ないだろう。

ロニー自身もこの【AC】の事を聞いているはず

だから。

ならば、私たちのすぐそばにこの【災厄】がいる

のを目の当たりにしたら当然雄叫びをあげて

必死に突っ込んで来るだろう。

 

チャティ:そこから離れやがれえええぇぇぇぇ!!!:

 

 

ブン!!!

 

 

迅雷を思わせるほどのスピードで突っ込んできた

ロニーは、その勢いのまま銀の烏へと剣を

突き立てにくる。

 

だが

 

 

Fade crow:スッ

 

 

スカッ

 

 

その銀の烏はロニーの方を振り向きも

せず、後ろに少し倒れただけで死角からの

ロニーの突きをかわしーーー

 

 

ヒュオ

 

 

ドコオオオオオオオン!

 

 

チャティ:ぐああぁぁぁっ!!?:

ドコン、ドコン、ドコン、 フォン

 

 

ズバァァくるドッガアアアアアン!!!!

 

 

チャティ:ぐうううううう!!??:

 

 

Fade crow: キン、チャキ…

 

 

ズドオオオン!

 

 

チャティ:うわああああぁぁぁぁぁ!!!!!:

ドッコオオオオオン!!!!!

 

 

ズシャアアアアアァァァァァ!!!!

 

 

ー---------気づけば、ロニーは

私たちを飛び越えたところで、地面を

滑っていた。

 

 

シロコ「ロ、ロニイイイイィィィィィィ!!??」

 

シロコが悲痛な声をあげていた。

 

先生「何だ………!?さっきのは!?

アル!!シロコ!!さっきの見えた!!??」

 

アル「見え……なかった………!!」

 

シロコ「ん!ん! 分からない!! ロニー!!

何されたの!!??」

 

あまりに一瞬の出来事だった。最初の避け方だけ

でも、驚くべきことなのに………

一体、何が起こって………

 

Fade crow:蹴り2発、カーティス3発、チャージ

ブッタ一撃と、最後にチャージカーティス1発か…

まぁこんなものだろう。:

 

………なん、だって………?

一体……、何を言ってるんだ……?

 

チャティ:先生……!!:

 

その時、フラフラと立ち上がってきたロニーが

私に声をかけてきた。

 

シロコ「ロニー!良かった!無事だったんだね!」

 

チャティ:あぁ…… だが、シロコ… やばい……

このAC、本当にやばいぞ!!!!

こいつ!! 俺の死角からの攻撃をほんの少しの

動きだけで完璧に避けただけじゃなく!!

さっきの一瞬で蹴りと手に持つリニア銃を3発!!

俺と同じ剣で斬りつけた上にまた蹴りで

吹っ飛ばして、追撃にチャージしたリニア銃まで

ぶち込んできた!!!!

こんな、奴……俺が今まで出会ってきたAC乗りで

1人も見たことがない!!!!1人もだ!!!:

 

先生「………え?」カタ

 

私は、ロニーの言ってることが……いや、よく

分からない、わけは……ないな。

分かっていないのなら、私の身体が震え始める

わけがない……。

ただ単に、ロニーの言葉を認めたくないだけだ。

だって、それを認める、ということは………

 

チャティ:あのACに乗っている奴の操作技術…

すごいとかで片付けられるレベルじゃねぇ……

狂ってる……! 何を、どうしたら……

あんな芸当が出来るって……………

やばい、ぞ………本当にヤバいぞ!!!!

逃げられ、ない…… どうすることも……!!:

 

先生「………あ、ぁ………!!!」

カタカタカタカタ

 

シロコ「ん……ぁ………」

ガタガタガタガタ

 

アル「ひ、ぃ…………」

ガタガタガタガタ

 

リン「あぁ……………」

ガタガタガタガタ

 

アオイ「………………」

ガタガタガタガタ

 

 

カヨコ「だ…め……だ……… 先生を、

助けに、いかない……と……いけない

のに………」カタカタカタカタ

 

ムツキ「身体が、震えて…………」

カタカタカタカタ

 

ハルカ「ア……ル………様…………!」

ブルブルブルブル ギュッ

 

ハルカ「せんせえええええええええ!!」

ダッ!

 

ムツキ「ハルカちゃん!!?」

 

 

タッタッタッタッタッ!!!

 

 

先生「っ!! ハ、ハルカ!?」

 

ハルカの大きな声の方に向くと遠くからハルカが

私の方角に向かって、走ってきているのが見える。

 

そしてー------

 

 

バッ!

 

 

先生「なっ!!??」

 

アル「ハルカ!!??」

 

ハルカが、私たちの前に立って、両手を広げて

あの銀の烏ACに対して盾となるように立ち

塞がった!

 

ハルカ「そ、そこの!!銀のACの方!!

せ、せんせぇとアル様に手を出すなぁ!!!!

こ、殺すなら、私からにしなさい!!!」

 

Fade crow:…………………:

 

先生「ハルカ!?な、何をしているんだ!!

やめなさい!!死んでしまうぞ!!」

 

アル「ハルカ………!」

 

アル(ハルカが……勇気を振り絞っている

というのに、私は何を震えて……!)ギリ

 

アル「ハルカ!!」ダッ!

 

先生「アル!!??」

 

アルまで、私の横から飛び出し、手を広げる

ハルカの更に前に出て、逆にハルカを含めた

みんなを守るように同じく手を広げて立ち

塞がる。

 

アル「いいえ!! 殺すならこの私にしなさい!!

このポンコツ銀烏!! 先生に!私の社員に!

指一本触れさせないわよ!!!」

 

ハルカ「ア、アル様ぁ!?」

 

ムツキ「アルちゃん!?」

 

カヨコ「社長!!」

 

Fade crow:…………………:

 

先生「アルまで何をしているんだ!!?

やめろ!! 盾なら私がなりに行く!!」

 

シロコ「だめぇ!!せんせぇ!!」ガバッ!

 

先生「離してくれシロコ!!アルたちを

守らないと!!!」

 

アオイ「何を考えているの!!標的はあなた

なのよ!!!」ガバッ!

 

リン「お願いです!ここは耐えてください!

先生!!」

 

ハルカ「やめてくださいアル様ぁ!! 盾なら

ゴミクズである私がふさわしいです!! 

アル様の身体を傷つけさせるわけには

いきません!!!」

 

アル「いいえ!社員を守るのは社長としての

責務よ!! 第一、こんなポンコツに怯える

なんて、そんなのアウトローじゃないじゃない!」

 

ムツキ「アルちゃん〜、さっきまでお漏らしして

ブルブル震えていたのによく言うよ〜」

 

アル「おおおおおおお漏らしなんて!ちょっと

しかしてないわよよよよよよ!!!???」

 

カヨコ(ちょっとしてしまったんだ……)

 

 

Fade crow:……………チッ:

 

メーテルリンク:そこの独立傭兵。識別は

レイヴンという名のようですが…

あなた、どちらの依頼を受けていらっしゃる

のですか?:

 

Fade crow:………………:

 

五花海:まさか、そこのゴミのように、善意で

そちら側につく大馬鹿というわけではない

でしょう。

であるならば、アーキバスかベイラムの

どちらかの依頼でここに来ているという

ことに

 

Fade crow:うるせぇんだよ。どいつもこいつも。:

 

メーテルリンク:はい?:

 

五花海:なんです…

 

 

フォン!ビュビュビュオ!!!

 

 

五花海:なっ!?はや

 

 

ズバアアアアアン!!

 

 

五花海:うぉあ!!??:ザシュウン!

 

 

ズバアアアアアン!!

 

 

メーテルリンク:つううううううう!!??:

ザシュウン!

 

 

アル「えっ」

 

ハルカ「は、はひ?」

 

カヨコ「え?」

 

ムツキ「えぇ?どういうこと?」

 

シロコ「んぅ?」

 

リン「なんですって!?」

 

アオイ「え」

 

チャティ:なんだ……?:

 

先生「一体、どうしたことだ……?」

 

この銀烏のACが、すぐ目の前にいる

私を無視して、突然ヴェスパーと五花海の

方に斬りかかりに行った。

何故だ? 奴の目的も、私じゃ………

 

Fade crow:さっきのてめえの言葉に頷くところ

としたら「善意で人助けなんぞしねえ」

って点だ。:

 

その私の疑問に答えるように、銀烏のACが

話し始める。………まさか。

 

Fade crow:だがな、金さえ積まれれば善意に

基づいた人助け活動を手伝ってやるのも、

【独立傭兵】だ。:

 

っ!!!! やはり………

 

五花海:何ですって………?:

 

Fade crow:このキヴォトスに存在する勢力は、

てめえら【企業】たちだけじゃねえってことだ。

シャーレの先生、あの男に死んでもらっちゃ

困る存在もいるってことだ。:

 

メーテルリンク:なに……?:

 

Fade crow:俺が受けた依頼は、【シャーレの先生を

守れ】。そして、もう一つある。:

 

五花海:…………………:

 

メーテルリンク:…………………:

 

Fade crow:これは最初に言った通りだ。【襲撃者は

1人残らず撃退しろ。】

悪いがこれが仕事なんでな? てめえらにはここの

砂の一部になってもらう。:

 

 

 

 

チャティ*待ち侘びていたぞ。ビジター。*

 

621*いい演技だ、チャティ。さすがは

AIさまさまだな。*

 

チャティ*お褒めに預かり光栄だ。だが、

俺がいくらAIとはいえ、先ほどのは少し

やりすぎではないか?*

 

621*パフォーマンスって奴だ。さっきのを見て

キヴォトスの間抜けどもには効果てきめんだった

ようだが、果たしてこいつらはどうかね…:

 

 

五花海:なるほどぉ… 随分気になるキーワードを

言いましたが…… 今はいいでしょう。

ふっふっふっ、しかし物好きな者もいたものです。

そしてあなた、不運と言わざるを得ませんよぉ?:

 

メーテルリンク:どちらも企業のエース格……

両方を相手にするつもりですか?:

 

 

621*やれやれ、いまひとつだったようだな。

俺にはこいつらが強いと思えんのだが……

自力を過信する大馬鹿なのか、自己評価通りの

実力者なのか………*

 

チャティ*どちらにしても、俺が戦ってみた

感触としては、ビジターなら間違いなく

勝てる。 お前の実力は先ほどの事だけでしか

測れないが、結論を出すには十分すぎるほどだ。*

 

621*お褒めに預かり光栄だ。ほら、さっさと

先生どもを連れてここから離脱しろ。

もちろんアビドスに残している連中の方に

向けてな*

 

チャティ*了解だ…* プツッ

 

ウォルター*間一髪だったな。だが、お前に

催促をしてから1分半ほどしか経過していない。

よく間に合ったと褒めてやりたいが……

どうやった?*

 

621*ABを吹かせながら前方AQBを連続させた。

負荷が大きいが、短い距離を急ぐ際には有用な

裏技のようなものだな。*

 

ウォルター*なるほど、盲点だったな。

さぁ、ここからはお前の仕事だ。

ヴェスパーとレッドガンの双方を排除しろ。*

 

621*了解。*

 

 

 

 

先生「たす、かった……」

 

シロコ「んっ、本当によかった……」

 

リン「まさか、災厄と思っていたあのACが、

私たちの味方をしてくれるなんて…」

 

アオイ「でも、あのAC気になる事を言って

いたわね。他に私たちの味方をする勢力が

いるとかって……」

 

チャティ:考え込んだり、くっちゃべってる

暇はねえぞ!! こうなってくれた恵みって

奴を逃さねえ手はねえ!!

列車に急げ!! ホシノたちがいるところに

戻るぞ!!:

 

先生「あ、あぁ!急ごう!!」

 

チャティ:便利屋たちもだ!!列車に行け!:

 

アル「はっ!そ、そうね!! みんな!!」

 

ハルカ「了解ですぅ!!」

 

カヨコ「どちらかと言うと急ぐのは社長たちの

方だよ!!」

 

ムツキ「列車に急げぇ!!!」

 

 

 

五花海:チイイイィィィ!! 逃げようとしたって

そうは………:

 

メーテルリンク:…………レイヴンでしたか?

あなたに提案があります。:

 

621:……なんだ?:

 

メーテルリンク:あなたが引き受けている依頼、

その受注額の倍額を私の権限でお支払いいたし

ます。

ですので、先生たちの身柄を確保するのに

協力願えませんか?:

 

五花海:なにっ!?:

 

 

 

リン「なんですって!?」

 

シロコ「んぅ、ずるい……」

 

カヨコ「……まずいかも、早く列車に急いだ方が」

 

 

 

621:断る。確かに独立傭兵は金次第で動くが、

同時に信用商売でもあるからな。

まだここのキヴォトスで活動してばかりなんだ。

「レイヴンとかって言う傭兵は金次第で平気で

依頼を反故にするからなぁ」なんてイメージが

つかれちゃたまったもんじゃない。:

 

メーテルリンク:なるほど、確かにごもっともです。

ならばやはりあなたには死んでもらうほかない

ようですね。:

 

五花海:ふっふっふっ…… 私たちベイラムは

現在資金難でしてね…… 先ほどの提案には

ひやっとしましたが…… あなたが律儀な方で

助かりました。

……ですが、それはそれとして、彼らを

逃す手はあり:チャキ

 

 

ズドン!!

 

 

五花海:ぬお!!:バチィィィン!!

 

621:させると思ってるのか? どうやら

まだお前たちは自分の置かれた状況が

分かってねえようだ。

……あいつらのことを気にする必要は

もうなくなったんだよ。

てめえらは、ここで死ぬ。:

 

 

 

アル「………ふうう、どうやらその心配は

ないみたいよ!」

 

シロコ「意外と律儀で助かったっ」

 

先生「うん。さぁ!早く列車に乗り込もう!」

 

チャティ(まぁ、当然なのだが。)

 

 

 

 

五花海:チイイイィィィ!!! ただの木端の

独立傭兵のくせに、鬱陶しいですよぉ!:

ババババババ

 

621:馬鹿が……: シュオン ボッ!ボッ!

 

五花海:ぬぅ!!??速い!!!:

ババババババ

 

621:てめえがやるべきなのはその場から

とっとと離脱する事だ。:

 

五花海:甘い…!!:シュワン!

 

621:何がだ?てめえの考えがか?:ボボシュ!

 

五花海:!!??背後

 

ズバァ!

 

五花海:ぬうぅ!!:

 

ズバァ!ズバァァ!

ドドドドドドドドドド

 

五花海:このぉ!!:ズバァァ!!

 

621:3発も入ったぞ? ということは

積んでいるのはミサイルFCSか?:

 

五花海:それが、何だと言うのです!!:

 

621:それじゃあ懐に入り込まれたら

何も出来んのと同じじゃねえか。

しかも飛ぶ事を前提とした重4脚なのに、

何でMINGTANGを積んでやがる。

軽4脚ならまだ分かるが、積載があるん

だから積むならSANTAIだろう。:ボシュッ

 

五花海:なにっ……!? どうして分かる!?:

 

621:ジェネレータのことか?色と音で

分かるだろう。:ズバァン!!

 

五花海:そんなわけあるかぁっ!!:

 

 

メーテルリンク:くっ、近接戦闘の片手間に

私に10連ミサイルを撃ってくるとは、相当な

手練れですね…!:ドン、ドン、ドン

 

メーテルリンク:先生と連邦生徒会を逃す

わけにはいきません。列車を破壊すれば…:

ジャキン!

 

 

 

621*チャティ、ヴェスパーがFASANを

撃ってくるぞ。パルスプロテクションを

張って列車を守れ。*

 

チャティ*……見えているのか。さすがだな。

了解だ。*

 

 

 

バチバチバチ!

 

621:さて、俺もだ。:ギュラ!

 

 

メーテルリンク:列車に乗せませんよ!!:

ドシュン!

 

 

シュワン!【パルスプロテクション展開】

 

 

バチィィィ!! 【パルスプロテクション】に

         阻まれる。

 

シロコ「んっ!ナイスロニー!」

 

アル「ナイスよぉ!!」

 

ムツキ「グッジョブ!!」

 

カヨコ「『………………』」

 

先生「ありがとう!ロニー!」

 

 

メーテルリンク:パルスプロテクション!? チィ!:

 

 

ドシュウウウウウゥゥゥン!!!!

 

 

ピーッピーッ

 

 

メーテルリンク:っ!!??アラーム!?:

 

 

シュウウウウウ!!! 621のチャージFASAN迫る。

 

 

メーテルリンク:しまった!!間に合わな:

 

 

バッガアアアアアアアン!!!!!

 

 

メーテルリンク:うあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!:

 

 

 

 

シロコ「んっ!!アーキバス野郎!同じ兵装の

チャージプラズマ砲をもろに受けてるっ!!」

 

アル「やったぁ!!これであっちは倒せたん

じゃない!?」

 

チャティ:……いや、あの程度ではACは破壊

出来ん。確かに大ダメージは受けたはずだが…:

 

カヨコ「あの、程度……? いや、確かに

アーキバスのACに損傷してるところは

見受けられないけど……

さっきも見たあのプラズマの爆発、

私たちからしたら見るだけで背中が

凍ってくるほどやばい破壊力を

持っているように思えるんだけど……」

 

チャティ:……それに、ヴェスパーにはまだ

リペアキットが2つ残っているはずだ。

いや、さすがにFASANの直撃をもろに

受けた以上、大ダメージを受けている

はずだから、今回でもリペアキット

1つを消費するか…:

 

ムツキ「ん〜?リペアキットってなに〜?」

 

リン「そういえば、先ほどもアーキバスの

ACがリペアキット、残数2と機械音声で

流れていましたが……」

 

チャティ:機体に受けたダメージを修復する

機能だ。ACにはAPという……分かるように

いえば体力メーターのようなものがあり、

それが全てなくなれば大破する。

リペアキットはそのAPを回復するキットだ。

機体が損壊しても千切れたり、完全に

破損しなければ、それもリペアキットで

修復することが出来る。

ただし、どのACだろうと使えるのは

3回までだな。:

 

ムツキ「え、えぇ〜〜…!? ACって、自己修復

能力まで持ってるのぉ……?」

 

アオイ「ちょっと、もうホントにACって反則

すぎないかしら!? こちらの武器の一切を

通さない意味の分からないバリアを標準搭載

してるわ、ボンボン放てる銃弾の一発が

キヴォトス最高の兵器の1発を悠々と超える

威力を持ってるわ…」

 

リン「どんなものも、1km以上を無機物も

有機物も分けて感知出来る、スキャン機能を

搭載してて、まだその上に自己修復も可能と…

どこまでチート使えば気が済むんですか!!

ACというものは!!!」

 

チャティ:いや、リペアキットも万能ではない。

まずどんなにグレードが良くても機体のAPを

完全に回復できるわけじゃない。最高でも

6000ほどだ。それも3回しか使えないしな:

 

リン「……その6000というものは、一体

どの程度ものなのですか…?」

 

チャティ:……まぁ、ほとんどの場合で

機体の全APの半分以上だな。:

 

シロコ「んぅ!!おかしいって!!つまり3回

使えるんだから絶対に1回は完全回復してくるって

ことだよねっ!!??

というか!ロニーの話ならリペアキット2回

使ったら完全修復するってことでしょ!?

だったらほぼ損壊状態にまで持ち込んでも

ACは1度完全回復出来る上、まだ半分

以上も回復出来る余地を残してるとかっ!

ずるすぎるよっ!!!!」

 

チャティ(……言われてみれば、改めて高性能な

機能を持っているかもしれない、ACは……。

最近はもっとおそろしい人型兵器(『惑星封鎖機構の新型LCやHC』)

も出てきているからあまり実感はなかったが……)

 

先生「そんな奴らとこの先戦っていかないと

いけないなんてね…… ちなみに、MTは

どうなの? まさかリペアキットを使えたり

なんて……」

 

チャティ:MTにその機能はない。耐久性もミサイル

数発で破壊出来る上にスキャン機能もない。

ただの量産型のガラクタだ。:

 

リン「……ロニーさん?ミサイルというものは、

我々の世界だと大型兵器の分類で1発撃ち込めば

対象に破滅的な被害をもたらすものなんですよ?

そんなものを数発耐えてくる時点で私たちに

とってはMTも規格外の化け物兵器ということを

ご理解いただけませんかね?」

 

チャティ:……これから先、MTなんぞ山のように

相手にしねえといけねえぞ?

少なくともACの数百倍はな。:

 

アル「……私たち、これ本当に詰んでない?

私には勝てる未来が全く想像できないわよぉ…?」

 

チャティ:……大丈夫だ。策ならある。

『戦力のあて』もな…:

 

先生「え、戦力のあて?」

 

チャティ:後で話す。そんなことよりとっとと

列車に入れ! パルスプロテクションも長くは

持たんぞ!:

 

 

 

メーテルリンク:くぅっ!まずい……:カチッ

 

 

キュウウゥゥゥゥン

 

 

インフェクションCOM:リペアキット、残数1:

 

 

五花海:おのれぇ……!!:ボオオオ カチカチッ

 

 

キュキュウウウウウゥゥゥン

 

 

鯉龍COM:リペアキット、残数1:

 

 

621:どちらも残数1……? ほう……:

 

 

 

621*チャティの奴も中々やる。企業のACを

2体相手取りながらヴェスパーにリペアを1つ

使わせるとはな。*

 

ウォルター*……そのことについて、621、

お前とも相談するべき事案が出てきた。

だが、後だ。今は目の前の相手に集中しろ。*

 

621*……? 了解。*

 

 

 

 

メーテルリンク:不覚をとりました……。

確かに、先生たちを気にかける余裕は

ありませんね……! ベイラムの!:

 

五花海:……チッ、背に腹ですか……。

まずはめんどくさいこの烏から

共同で始末することにいたしましょう!!:

 

621:最初からそうすればいいものを。:

 

メーテルリンク:連携でいきましょう!!

私が前に出ます! あなたは上空から

ミサイルで援護してください!:

シュボボボボボ

 

五花海:命令するんじゃありませんよぉ!!:

ボオオオオ

 

621:………:ドン!ドン! ブオオオオ

 

メーテルリンク:ちょっと!何をしているん

ですか!? 早くミサイルを撃ってください!!:

シュワン

 

五花海:分かっています!!ですが、この烏

私の真下から離れないから上手く狙えないの

ですよ!!:

 

621:真下に入られると弱いのが4脚の弱点だ。

4脚は構造上脚の真下のブースターでホバリング

移動するからな。

姿勢をした方向に向けたいならホバリング

移動を止めるしかないぞ?:

 

五花海:……チッ!仕方ありませんね!!:カシュ

 

五花海:さぁ!くらいなさい!!:

ドシュ!バシュバシュ

 

621:………馬鹿か? 同時に撃ってどうする?:

バチバチバチ

 

 

ギュワン!!【パルスアーマー】発動。

 

 

五花海:ははははっ!ばかですねぇ!!:

ブオオオオ

 

メーテルリンク:パルスガン2丁ですよ?

そんなもの張ったところですぐに剥がれます!:

 

621:別に構わん。回復とベイラムの野郎に

突っ込める時間だけあればな。:ボッ

 

 

シュゴオオオオオオオ!!!

 

 

五花海:AB!? なるほど、こちらに

突っ込んでくるおつもりですか!

そう簡単にさせはしませんよぉ!!!:

ボッ ババババババ

ガンガン

 

621:バカが。不容易なQBだ。おたくの

ところの総長さんは基本すらご指導出来て

いませんのかね?:ボッ ドン、ドン、ドン、ドン

シュワワワワワ!

 

五花海:意味の分からない事を……!

あなたの方こそ、もうパルスアーマーの

限界でしょう!!:

 

621:お前の方はENとACS負荷の限界だろうが。:

ボッ

 

五花海:!? 気づいて!!??:

 

621:捉えたぜ。いくら空戦に分がある4脚と

言えど、ほぼガス欠間近の状態で近接武器を

持っている俺にどう対処する?

しかもコア機能は冷却中のようだからパルス

アーマーを持ってたとして、スタッガーする

まで待つか?

 

五花海:くぅ……!! ヴェ、ヴェスパーの!!

あなたこそ何をしているのですか!?

早くこいつを抑えなさい!!:

 

メーテルリンク:わ、私も、ACS蓄積がまずいん

ですよ…!:

 

621:そうだろうな。だが早く妨害せんとブッタの

冷却が終わった以上、レッドガンはお陀仏

しちまうぜ?:

 

 

シュン

 

 

メーテルリンク:っ!!パルスアーマーが切れ

ましたね! 畳みかけます!!:

シュボボボボボ!!!!

 

621:捉えていると言ったはずだが?:ガシャン

ガシッ!

 

五花海:な、なにっ!?:Fade crow手に捕まれ

 

 

グルン! 五花海と621の位置関係を入れ替わる。

 

 

五花海:うおっ!!?:

 

メーテルリンク:なっ!!?:シュボボボボボ

 

五花海:ぬおおおおおおお!!??:

ガガガガガガ!!!

 

メーテルリンク:しまった!!!:

 

621:……………:ドン、ドン、ドン

ドドドドドドドドドド

 

メーテルリンク:レッドガンの機体を盾に…!!:

シュワン ボシュシュシュシュシュシュシュ!

 

五花海(まずい……!!このままではスタッガー

してしまう!!!)

 

五花海:くぅお!! はな: キックペダル準備

 

621:遅い。: キックペダル踏み

 

 

ドコォン!!

 

 

五花海:ぬおおおお!?:ガシャァァァァァァン!!

 

621:ちっ、これでもまだスタッガーせんのか。

重4脚はやたらと姿勢安定が高い。:ブオオオン!

 

 

ボォシュ!!

 

 

621:だが、チャージブッタはどうかな?:シュゴオ!

 

五花海:う、あぁ……!!:(まずい、まずい!

まずい!!もうENが空っぽだ…! 回避燃料が!

 

 

ズバアアアアアン!!

 

 

五花海:ぐおおおおおおおおお!!!!:

ピーッピーッ!(ACS負荷限界)

 

621:まず1人…:ヒュ

 

五花海:た、助け!

 

メーテルリンク:はああああああ!!!:

シュゴオオオオ!!

 

 

ドコオオオオオン!!

インフェクションが鯉龍にブーストキック!

 

 

五花海:ぬぉあ!?:ガァン!!

 

621:ほう!:ヒュオ!

 

 

ザシュウン!

 

 

五花海:くうううううう!!!!: ブチイイイイ!!

(左肩武装、断ち切られる)

 

メーテルリンク:つううぅぅぅぅ!!:ズバァン!

 

621:スッ キィン!

 

 

ズドォン!!(ためカーティス発射)

 

 

メーテルリンク:うわあああぁぁぁぁ!!!:

ピーッピーッ!(ACS負荷限界)

 

621:じゃあ、お前からだ。:ブゥン!!

 

五花海:くぅおのおおおおお!!!!:シュゴオ!

 

 

ドコオオオオオン!!

鯉龍がインフェクションをキック!

 

 

メーテルリンク:あああぁぁぁぁ!!!:ガァン!

 

621:……その辺か?:ヒュオ!

 

 

ガガガガガ!!! 

 

バチバチバチバチ!!!

 

 

Fade crowのチャージブッタが、インフェク

ションのコア部分を大きく削る!

 

 

メーテルリンク:あひいいいいい!!!!:

中のメーテルリンクの前スレスレをブッタが奔る!

 

 

バチバチバチバチバチバチ!!!

 

 

結果、インフェクションコックピットの

メーテルリンクの姿が露わになる。

 

 

621:同じように味方を蹴ってくると予想したから

吹っ飛ばす方向を予測したが……惜しいな。少し

勘が外れたか。

だが、さっきのはいい連携だったんじゃないか?:

 

メーテルリンク:あ……ひ………!!!:

 

五花海:なん、なんだ……!? この独立傭兵は…!?:

 

 

 

 

 

 

先生「なん、なんだ……!? あのACは……!?

仮にも、企業のエース達2人が、まるで相手に

なっていない……!! しかも同時に相手どってる

というのに…!?」

 

列車に乗り込んだ、遠くのAC3体の戦いの様子を

私の目が捉えているのは……

銀の烏による、ただただ一方的な蹂躙だった。

2vs1という、銀の烏の方が、圧倒的に不利な状況

のはずなのに、結果はレッドガンのACは左肩の

シールド武装をもぎ取られ、ヴェスパーの方に

至っては、胴体部分前面が削られ、怪我こそ

なさそうなものの、中の女性パイロットが

完全に露わとなっている……

 

シロコ「完全に……一方的な展開……!!」フルフル

 

アル「ひ、ひいいぃぃぃぃ……!!!」ガタガタ

 

ムツキ「あの、銀の烏……やばい……!本当に

やばいよ…!!」ブルブル

 

カヨコ「やっぱり、あの銀の烏はおかしい……!

あいつを、この先相手にしないといけないと

いうの…!?」カタカタ

 

ハルカ「む、む、無理ですぅ!!絶対!私たち

全員殺されますって!!!」ブルブルブルブル!

 

アオイ「………とりあえず、ここから早く

離れるべきね…!」

 

リン「ロニーさん!!!」

 

チャティ:あぁ!!!全速離脱する!!しっかり

物に捕まっておけ!!!:

 

 

ボッ!シュゴオオオオオオオ!!

 

 

 

 

 

 

 

五花海(ま、まずい…… 機体損傷が激しい…!

APも半分近くまで削られてしまった……!

まだリペアが1つ残っているとは言え、

どうする…!? これは撤退も視野に…)

 

メーテルリンク:はあ!はあ!はあ!:カチカチカチ

(殺される!殺される!!殺される!!!)

 

メーテルリンク:ひ!ひいいいいいいいい!!!:

くるっ! ボッ!!!

 

五花海:!?:

 

 

シュゴオオオオオオオ!!!!

 

 

621:……ヴェスパーは逃げたか。まぁ、

コアコックピットから本体が丸出しに

なってたからな。

そりゃこのまま戦闘を続けりゃ自殺と

何ら変わらんわな。:

 

五花海:……………!:

(ヴェスパーが離脱した以上、悔しいですが

私1人ではこの烏に勝ち目はないでしょう…

くそっ!せっかくの出世のチャンスが

 

621:まぁ、どの道お前はもう終わっている。:

 

五花海:………?なに?:

 

621:……俺は重量級ACってのは特に好きに

なれない構成でね。その理由の一つが致命的な

欠点があるからだ。何か分かるか?:

 

五花海:何だと…!?:

 

621:………AC戦で追い詰められた時、ほぼ

逃げる事が出来んからだ。ABに特化した

バーゼルでも積んでない限りはな。

お前が積んでるのはファーロンの初期

ブースターか。まぁ、ABのスピードで

言えば悪くはないが、それでも重量差を

とても埋められるものじゃない。

その上、ジェネレーターも中型だからな。

俺の機体は大型ジェネレーターを積んでるから

お前のジェネレーターよりかなり容量は上だ。

つまり、俺の機体からABで逃げることは出来ん。

 

となれば、脱出レバーを引くぐらいしか

ないが、そいつが絶対というわけでは

ないのは知っているだろう?

確か、生存率50%にも満たなかったっけか?

……しかも、ここは恐ろしい怪物(キヴォトス人)が跋扈する

キヴォトスだ。

侵略しにきてる以上、生身で偶然ばったり

出くわすなんて事がありゃ、まず間違いなく

リンチされてあの世行きだろうな。

……という事はだ、この地に限って言えば

生存確率は10%あるかどうかも怪しい

かもしれんな?:

 

五花海:……う、あぁ………!:

 

621:お前は俺がてめえを殺すためにここに

参上した時点で、もう詰んでるんだよ。:

 

五花海:……ま、ちなさい……! 取引を

しましょう! あなた、独立傭兵でしょう…!?

金だ!金が欲しいはずだ!! いくら…

 

621:くだらん命乞いは聞かん。覚悟しろ。:ビュッ!

 

五花海:ひ!ひいいいいいい!!!!:

 

 

 

 

----------------ーー

 

 

 




時間がかかってしまいました。 本来、4万文字も
あったのですが、後半が今回のタイトルと趣旨が
完全に変わってきてしまったので、話を分ける
ことにしました。
なので、2話同時投稿ですっ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。