ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜   作:とある渓流にいるかわうそ

24 / 29
23話 ある1人のベイラム兵の本音

 

 

〜〜17:15 アビドス砂漠〜〜

 

 

バラバラバラバラ

 

 

先生「来た!!!」

 

大きなプロペラ音を鳴り響かせながら、

見た事もないほどに巨大な輸送ヘリが

5機飛来してきた。

 

五花海「……………」げっそり

 

鯉龍「………………」

 

そんな私の隣に佇むのは、ホシノに拘束された

ままの五花海と奴のACだ。

 

そう、交渉で私たちは多額のCOAMを追加して

もらう代わりに、ベイラムに奴のACを

返す事にしたのだ。

待っている間に話してもらった『ロニーの作戦』

には資金が必要なのもあるが、狙いはそこでは

ない。

五花海のACを『持って帰ってもらったほうが

都合が良い』からこそベイラムに引き渡すのだ。

 

 

ブオオオオ……… パラパラパラ………

 

 

砂を巻き上げ、遂にベイラムの輸送ヘリが

完全に着陸した。

 

先生「さて、私が行くのは当然として……

他に誰が行くか……」

 

ホシノ「え?いや先生!危ないからダメに

決まってるじゃん!! 先生以外の私たちが

受け取りに行くよ!!」

 

先生「……私の身を案じてくれているのは

わかるけれど、正直五十歩百歩だよ。

私でも、ホシノでも、誰でも、ACに本気で

殴られれば、等しく命を落とす結果になる。」

 

ホシノ「………………」

 

 

ウイイイイィィィィン

 

 

1機の輸送ヘリのハッチが開き、………予想は

していたけれど、最前列にACと、複数の

MTが待ち構えていた。

続けて4機の輸送ヘリがのハッチが開き、

そちらに囚われた捕虜のみんなが顔を

のぞかせる。

 

先生「っっっ!!みんな……!」

 

ハスミ「!!!あれは!!!」

 

再会できた、私の生徒たちを見て、私は

逸る気持ちが込み上げてくる。

まだだ、焦ってはいけない…!

迂闊なことをすれば、この取引そのものが

台無しになる可能性がある。

 

ホシノ「………さて、どうするか…」

 

と、ホシノが発言したところで、

私の元にハスミが急いで駆け寄ってくる。

 

先生「え、ハスミ…?」

 

ハスミ「先生、ご心配には及びません。」

 

……え、断言……?

 

シロコ「……それは、一体どこからくる

自信なの?」

 

隣にいたシロコが、ハスミに対して質問すると

 

ハスミ「今見えるACは、[レッド]が駆っていた

ACです。つまり、引き渡し人はレッドでしょう。

彼は信用できます。レッドならば、騙し討ちを

するようなことは決してありません。」

 

なに………

 

先生「あのACのパイロットが、ハスミの

言うレッドなのか…」

 

私の言葉にハスミはこくんと頷く。

 

ホシノ「……悪いけれど、そんなもの何の

保証にもならない。」

 

ホシノのその言葉に、後ろから罵声が

飛んでくる。

 

 

トリニティ生a「そんなことありません!!」

 

トリニティ生b「レッドさんが、そのような

ことするはずがありません!!」

 

正実モブ「アビドスの生徒!!それは!

その言葉は…… レッドさんへの侮辱だ!!」

 

正実モブ「取り消して!!!」

 

 

ホシノ「うへ〜…何でおじさんが罵倒

されてるのかなぁ〜」

 

シロコ「んっ」

 

先生「……まぁ、どのみち行かなきゃ

いけないのは…

 

と、私の言葉を待たずして

 

ハスミ「そうですか。では私が1人で

ベイラムとの引き渡し場所に向かいます。」

 

ハスミが1人で歩き出した。

 

先生「って!ちょちょちょ!!ちょっと

待って!ハスミ!!」

 

シロコ「勝手な行動は謹んで!!」

 

ホシノ「迂闊な行動をすれば!この取引

そのものがなくなるって!理解してる!?」

 

そんな私たちに、冷たいハスミの声が

返される。

 

ハスミ「信用出来ないのでしょう?なら、

仮にレッドが騙し討ちしてきたとして、

犠牲になるのは私1人で済みます。

私のことはお構いなく。私は彼のことは

信用してますから。」

 

あ……、これ、本気で怒ってる時の顔だ…

そ、そこまでレッドを信頼している

なんて……

 

ホシノ「もーっ!トリニティの正実って、

何でこんな頑固者ばっかりなのぉ!?」

 

と、私たちがもみくちゃになろうと

していたら

 

シロコ「んっ!あれ見て!」

 

どうやら向こうでも動きがあったようで、

シロコが呼びかけてくるが

 

先生「……え?」

 

ハスミ「っ!!!」

 

私は、目を見開いた。

ACとMTを積んだ輸送ヘリから、生身の男が

そのまま出てきたのだ。

 

ホシノ「……?生身で出てきた?一体

何するつもり…

 

そのホシノの言葉を遮るように

 

ハスミ「レッド!!??」

 

ハスミが大きな声でACパイロットの

はずの男の名前を叫んだ。

 

先生「え…!?」

 

ホシノ「レ、レッド!?」

 

シロコ「んっ!?あの生身の男が!?」

 

ハスミ「そうです!間違いありません!!」

 

先生「ど、どういうことだ…?何で生身で……」

 

そんな不思議な光景を眺めていると、

向こうも予想外だったらしく、部下と

思われる1体のMTがレッドの元に駆け寄ってきた。

 

 

ベイラム兵:なっ!!??レッド隊長!!

何をしているんですか!!:

 

レッド「見て分からんか?ナイル副長に与えられた

引き渡し任務を遂行するために、取引場所に

向かっているのだ。」

 

ベイラム兵:そんなことは分かっています!!

私が言いたいのは何でACに乗らないのか

と言っているんです!!:

 

レッド「バカが!! 公正なる取引にACなど

持っていけるか!! そんなことをすれば

完全なる不平等取引となってしまうだろう!」

 

ベイラム兵:だからって生身で向かえば今度は

こちらが不利極まりないでしょう!!

あの小娘たちは生身で人体を引き裂ける

怪力をお持ちなのですよ!!??:

 

レッド「ならば、それをした時点で

取引は決裂。騙し討ちを行ったキヴォトス

防衛委員会への報復として捕虜を

皆殺しにし、卑怯者としてベイラムが

完全に根絶やしにするだけのことだ。

そんなことは向こうとて理解している

だろう。

下手な真似は出来はしない。」

 

ベイラム兵:いや、取引中はそうでしょう!!

ですが、向こうに捕虜を引き渡して、取引が

完了した後、あいつらがあなたを襲わない

保証なんてどこにもないでしょう!!

そうならないためにも自衛の手段は

持っておかなければ!!:

 

レッド「その自衛の手段がACか? それでは

立場が逆転するだけだ。無論、俺は約束を

違えはしないが、そのような誠意に欠く

行動そのものが恥ずべき行為だ!

レッドガンの誇りに泥を塗る様なこと、

出来るわけがない!!」

 

ベイラム兵:だからって!!:

 

レッド「それにだ!だからこそこの俺が

取引役に選ばれたのだろうが!!

この俺は!一時の迷いでベイラムに仇なす

愚行を働いた!!

そのような愚か者には、ピッタリの役割だ!

例えこの俺が奴らに騙され死んだとして、

ベイラムにとっての愚か者が死ぬだけに

過ぎん!」

 

ベイラム兵:っっっ!!!あなたは……

あなたは!!ご自身の価値をご理解

なさっていますか!? あなたは

ACパイロットなのです!!

ベイラムにとって愚か者!?

そんなわけないでしょう!!!

あなたは!!ベイラムにとって

決して安易に失ってはいけない

貴重な…!!

 

レッド「もういい!! 貴様らは

そこで亀になっていろ!!!」スタスタ

 

ベイラム兵:っっっ!!!!そうは…

そうはいきません!!!ならば!

せめて自分も同行を…

 

レッド「ついてくるな!!!」

 

ベイラム兵:!!??:ビクッ!

 

レッド「付いて………いや、もし彼女たちに

危害を及ぼすならば、承知せん。

いかなる状況でもだ!!この俺が、彼女たちに

傷つけられようと!殺されてしまおうとも!

絶対に彼女たちに危害を与えることは

許さん!!

これは命令だ!!上官の命令は絶対だ!!」

 

ベイラム兵:……そんな命令、はいそうですかと

従えるわけないじゃないですか…!

慕う上官が!みすみす自殺行為を行おうと

しているのを!見過ごせるわけないじゃ

ないですか!!!:

 

レッド「……そうか。」

 

ベイラム兵:お願いです!レッド隊長!!

自分も!自分もご同行を……!!

 

レッド「ハーミット」ピピ

 

ベイラム兵:え……:

 

レッド「後ろの愚鈍どもが、この輸送ヘリから

飛び出してきたり、向こうにいる人間たちに

危害を及ぼしたならば、いついかなる状況で

あっても、後ろの愚鈍どもを皆殺しにしろ。」

 

ハーミット:オートパイロットモード起動。

マスターレッドの指令に従い、待機実行し、

所定位置から対象1が飛び出したり、対象2

への攻撃を確認した場合、速やかに命令に

従い、対象1の抹殺を開始します。:

 

ベイラム兵:何を、何を……レッド隊長!?:

 

レッド「分かったら、そこで見物しておけ。

命が惜しくば、俺の命令に従え。」ザッ

 

ベイラム兵:あぁ!待って!待ってください!!

レッドたいちょおおおぉぉぉぉぉ!!!:

 

 

ザッザッザッザッ

 

 

ホシノ「マ、マジか…」

 

シロコ「あのレッドっていう奴、バカなの?」

 

先生「ほ、本当にACもMTも同伴させずに

生身の身体一つで取引場所に向かってくる

なんてね……

確かに、あのレッドって男は、呆れるほどの

正義感を持っているようだね。」

 

ハスミ「私はずっとそう言っています。

さぁ、これで不安要素はないでしょう?

私たちも早く取引場所に向かいましょう。」ザッ

 

ホシノ「あっ、……まぁ、これなら

危険とは言えないねえ…」ザッ

 

シロコ「んっ、あのバカが何かしてきても

すぐに取り押さえられるし…」ザッ

 

先生「そうだね。」ザッ

 

 

ザッザッザッザッザッザッ

ザッザッザッザッザッザッ

 

ザザッ!

 

 

レッド「……………」

 

先生「っ………………」

 

 

そうして、私たちは、両陣営の中間地点の

取引場所へとやってきた。

 

先生(この、『顔』は……)

 

私の、このレッドへの第一印象は、まさに

ハスミの評通りのものだった。

佇まいは軍人らしくピッシリとしていて、

顔は真面目な好青年というのがまさに

うってつけだろう。それにかなりのイケメン

である。そして、何より若い。おそらく

私よりも。

……そう、普段ならば好感を持てるだろうし、

今も好感を持ててはいるが……この『表情』は…

 

……隣のホシノとシロコの顔は険しい。

五花海ほどの憎しみはないが……

それに近い敵視のような感情を持った、冷ややかな

顔をしている。

 

そしてハスミはと言うと…… 喜び半分、悲しみ

半分と言った顔だ。

志が合った者同士との再会出来たことへの

喜びと……

敵同士で相対している今の状況を悲しんで

いるのだろうね……

 

レッド「………また、貴様か。」

 

おもむろにレッドが口を開いた。

 

ハスミ「………えぇ。」

 

それに、どこか悲哀がこもって、ハスミが

肯定を返した。

そうして2人のやり取りは続く。

 

レッド「貴様とは、つくづく腐れ縁が

くっついて取れんらしいな。」

 

ハスミ「………えぇ。」

 

レッド「………貴様と一緒にいた者たちは

どうだ?無事か?」

 

ハスミ「えぇ…」

 

レッド「……そうか。ベイラムに弓引いた

愚か者どもの助力があって、誰かくたばって

いたならば、貴様を、貴様の正義を笑い

飛ばしてやろうと楽しみにしていたものだが…

そうか、ちゃんと無事か。残念だ……」

 

ハスミ「そう、ですね……」

 

 

シロコ「………」キッ

 

ホシノ「………」キッ

 

先生「シロコ、ホシノ、収めて。」

 

本当に、若いな……私も24だから人のことは

言えないが……

敵として、悪態はついてはいるが、

気にかけていることを隠しきれていない…

もっとも、2人にはそのことが伝わらず、

単純に侮辱していると映ってしまっているのが

とても残念だけれど……

ハスミは、ちゃんと分かっているようだね。

 

 

レッド「……貴様の友人とやらはどうだ?

ツルギと、イチカと言ったか?くたばったか?」

 

ハスミ「生きていますよ……」

 

レッド「そうか…… イグアス先輩と五花海先輩に

散々叩きのめされたと言うのに、未だにしぶとく

生きているとは。まるでゴキ○リのようだな。

その生命力だけは敵として賛美を送ってやろう。

せいぜいその生命力を無駄にせんよう、

さっさと質のいい医療施設にでもぶち込んで

やることだな。」

 

ハスミ「……そのようにします。」

 

レッド「……イグアス先輩に叩きのめされ、

心のへし折れた軟弱者どもはどうだ?

ヴォルタ先輩に恐れ慄いておかしくなった

シスターどもは……?

………ちゃんと、笑えるようになっているか?」

 

ハスミ「えぇ、先生のおかげです。マシロも

またやかましく正義正義と言っていますし、

マリーさんもにこやかに笑えていますよ。」

 

レッド「……そうか。」

 

ハスミ「……ですが、エレとチネは………」

 

レッド「………?」

 

ハスミ「……いえ、何でもありません。」

 

レッド「っっっ!!!…………そうか。

何でも、ないか……」

 

 

目でわかるほど、レッドの顔が曇った。

【察してしまったのだろう。】

 

ホシノ「…………」

 

シロコ「…………」

 

ホシノとシロコも、少し毒気が抜かれた

ようだ。2人にも、分かるほど、レッドは

気に病んでいたか……

 

それ以後も、レッドは犠牲になったトリニティの

人々の後の安否をハスミに聞いていた。

相変わらず、悪態のついた、ひどい言葉を

かけてはいたが、気にかけているのが

私には丸わかりだ。

そして…段々とホシノとシロコも、敵視していた

眼差しから毒が抜けていき、今となっては

レッドを見る目が完全に悲哀のこもった

ものへと変わっている。

 

 

レッド「………なぁ」

 

突如、何だかレッドの様子が変わったように

感じた。

 

ハスミ「………?」

 

それはハスミにも感じられたようだ。

 

レッド「貴様に……伝えたいことが……

あるんだ……」

 

ハスミ「……何です?」

 

レッド「そ、れは……だな………」

 

レッド「っ…………………!!」

 

レッドの顔が泣き顔を必死に堪える

ものへと変化する。

だが、堪えきれず、片目からうっすらと

涙をこぼしている。

それを自覚してか、レッドはおもむろに

頭に被っていた軍帽を脱いで、その軍帽で

自らの泣き顔を隠し、胸のベイラムの徽章も

外した。

 

レッド「この軍帽と、ベイラムの徽章を

身につけていない者は、断じて、ベイラムの

人間ではない! だから、今の俺は

ただの軟弱な一般人だ!!

だ、からぁ……今から、言うこと、はぁ…!

たわけの、一般人の……レッドが、

独りごちるぅ……戯言として、聞けぇ…!!」

 

嗚咽を漏らしながら、レッドは語りだす。

 

レッド「お前たちに、味方をした、ヤマカワたちの

奮闘を………ミシガン総長は、お認めになって、

くださった…!!

「自分を、転ばせるとは、敵ながら天晴れ」と!

その栄誉を讃えて、ヤマカワたちに、総長は

勲章を与えて、くださった…!」

 

ハスミ「っ!………そう、ですか。ベイラムの

総大将に一泡吹かせるとは、正義実現委員会と

して、誇らしい限りです。」ホロリ

 

レッド「あ、と……ヤマカワたちから、

貴様に、伝言がある…!」

 

ハスミ「っっっ!!!!!!」

 

レッド「最期の最期まで、勇敢に戦った、

ヤマカワたちの、最期の言葉だ…!!」

 

ハスミ「なんと…なんとおっしゃって

いましたか!!??」

 

レッド「ヤマカワの言葉を!そっくりそのまま、

貴様に伝える!!

………「ハスミさん、……あなたのおかげで

俺は、ここにいる…皆も…!最後に…

自分の信じた…!…もののために…

戦うことが…できました……!」」

 

ハスミ「っ!!ぁ……」じわ

 

レッド「「ハスミさん……俺たちに……

正義をくれて……ありがとう……」

………以上だ!!」

 

ハスミ「うっ!うううぅぅぅ!!」ポロポロ

 

レッド「貴様……!あいつらの、上司だった、

俺からも……礼を言わせてくれ…!!

あいつらは、最後まで、貴様に感謝していた…!

羽川、ハスミィ…!お前の、おかげでぇ……!

あいつらは、ヤマカワたちはぁ……

自分の正義を見つけて、最期は救われて…!

逝くことが出来た……!!

羽川、ハスミィ……!あいつらに、正義を、

救いをぉぉ、くれ…て……!

ありがとう……本当に、ありがとう…!!」

 

 

バッ!ボタボタ

 

 

ハスミ「うあぁぁぁぁぁぁ!!!!」ガクッ!

ボタボタ

 

そして、レッドは……直角に腰を曲げて、

礼を述べた。

大袈裟とも言える、その礼は、きっと

隠しきれない涙の大粒からも察せられる

泣き顔を見られたくなかったのだろう。

少なくとも、同じ男として、私には

このレッドの気持ちは分かるような

気がする。

 

シロコ「ん……」ポロポロ

 

ホシノ「…………」ぐすっ

 

2人も、すっかり貰い泣きして

見事な泣き顔を作っていた。

 

先生「………あ」ポロリ

 

そういう私も、情けないことに

涙を流してしまっていた。

…おっさんというものは嫌なものだ。

すぐにしみっぽくなってしまう。

 

 

レッド「…………」スチャ

 

ハスミ「…………」

 

 

ひとしきり泣いた2人は、目を赤く腫らし

ながらも、レッドは既に軍帽と胸に徽章を

付け直して、佇まいを戻している。

 

シロコ「……ね、え

 

と、シロコが何かを言おうとしたのを

遮るように

 

レッド「茶番はここまでとしよう。」

 

レッドのハキハキした声が響く。

 

レッド「……貴様がシャーレの先生だな?」

 

そこで初めてレッドは、明確に私に語りかけて

きた。

 

先生「……そうだ。何だい?」

 

レッド「まずはこれを受け取れ。」

 

そう言って、私の前に置いたのは

レッドがずっと手に持っていた

大きなキャリーバッグだ。

 

先生「……これは?」

 

レッド「要求にあった800万COAMがその中に

入っている。まずはこちらから金を引き渡す

とする。 早く確認しろ。」

 

先生「……………」カチャ

 

促され、私はキャリーバッグを開いた。

中から出てきたのは、一生拝めないだろうと

思えるほどの大量のCOAMだ。

綺麗に収められたそのCOAMの束をひとつ

ずつ確認していく。

 

先生「うん。間違いない。キッチリと800万

COAMがこのキャリーバッグに収められて

いるね。」カチャ

 

確認を終えた私は静かにキャリーバッグを

閉じる。

 

レッド「よし、なら金銭の引き渡しは完了で

いいな。なら次は貴様らの方だ。

そっちの桃毛の小娘が担いでいる五花海先輩と、

鯉龍を一気にこちらに引き渡してもらおう。

それをこちらの輸送ヘリに格納が確認出来てから

捕虜の引き渡しとする。文句は言わせんぞ。」

 

先生「……いいよね?ホシノ、シロコ。」

 

ホシノ「うん、おじさんは構わないよ…」

 

シロコ「ハスミさんの言うとおり、この人は

絶対約束は違えないっ」

 

ハスミ「当たり前です。」

 

ホシノ「……はい。」ドシャ

 

 

五花海「はぁ…はぁ……」

 

レッド「五花海先輩、喋れますか?」

 

五花海「はぁ…レ、レッド坊やに気にかけられず

とも……はぁ…しゃ、しゃべるぐらい

出来ますよぉ…!」

 

レッド「よかったです。さぁ、早く鯉龍に指令を

出して先輩は部下たちが待機しているところに

向かってください。」

 

五花海「あ、あなたに言われずとも…!はぁ…!

分かっていますよぉ!…はぁ!!

鯉龍!早く、私を、あのヘリに乗せ、あなたも

そこで待機しなさい!!」

 

鯉龍「オートパイロットモード起動。マスター

五花海の指令を実行します。」ヒョイ

 

 

ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!

 

 

五花海を拾って、鯉龍はMT部隊が待つ

ヘリへと入っていった。

 

シロコ「……ん、やっぱあいつ腹立つ。」

 

ホシノ「うへ〜、もうちょっと痛めつけて

やるべきだったかな〜?」

 

先生「……確かにね。」

 

レッド「……よし、確認した。では約束通り

捕らえた捕虜たちを貴様らに譲渡する。

捕虜ども!!もういいぞ!今より貴様らは

ベイラムより解放する!!」

 

 

「や、やった……!」

 

「自由だ…!!」

 

「ううぅぅぅぅ!!せんせぇ!ありがとおおー!」

 

 

先生「あぁ、よかった…みんな……!」

 

そうして解放されたキヴォトスの住人たちは

一目散に生存者たちが待つ方向へと合流を

果たす。

 

 

スバル「あぁ、皆さん…!!良かった……

良かった!」

 

アリウス生「は、い……もうダメと思い

ましたけど……こうしてスバルさんや

サオリさんと再び会えて、夢のようです!」

 

サオリ「あぁ、無事でいてくれて良かった…」

 

 

向こうも離れ離れになった人たちと感動の再会を

果たしているようで何よりだ…。

 

ナギサ「せんせえええええ!!!」タタタッ!

 

 

ダキッ!

 

 

先生「うわっと!ナギサ!」

 

ナギサ「ふうううぅぅぅ!!!再びこうして

お会いできて、喜びを隠しきれませんっ!」スリスリ

 

先生「……私もだよ。よく、よく頑張ったね。」

ナデナデ

 

ナギサ「〜〜〜///もっと、もっと!頑張った

私を労う意を込めて、撫でてください!」パタパタ

 

先生「はははっ!もちろん、光栄だy

 

 

ゾクリ

 

 

!!!???

な、なに!?この悪寒!!??

すぐ近くから発せられているような…

 

ホシノ「うへ〜、ナギサさんってトリニティの

ティーパーティーなんだよね〜???

淑女の代表がそんなはしたない姿を

晒すのは、示しがつかないんじゃない

かなぁ〜?」

 

シロコ「んっ、早く離れて。さもないと

撃つよ?」

 

ハスミ「ナギサ様?トリニティの現代表

ともあろう方が少しはしたなくは

ありませんか? 早急にやめてください。」

 

ナギサ「……ふふふ、確かに現在、トリニティを

束ねる者として、至らぬ行為であることは

理解しています。……ですが、もうトリニティは

占拠されてしまっていますので。

なら私も今はただのか弱い一少女の桐藤ナギサ

です。

ベイラムに尋問を受けた少女が大人の男性の胸で

泣き甘える事も許していただけないと言うの

でしょうか?

アビドスに住まう者たちは揃って狭量という

ことですね。」

 

ホシノ「うっへ〜。そういうトリニティは

淑女らしからぬどこでも発情する獣ばかり

って事だね〜。

知ってる?うさぎって一見無害そうに見える

けど、野生なら結構危険な菌とか持ってたり

するんだよ〜?」

 

シロコ「んっ、喧嘩なら買う。」スチャ

 

ハスミ「……お忘れですか?正義実現委員会は

政務を行う者が暴走した時の、ストッパーも

兼ねているのですよ?

その考えに則るならば、私もナギサさんに

銃を向けても構わないということに

なるのですが、それでも先生へのわいせつ行為を

止めるつもりはないと?」

 

先生「ちょっ!ちょっ!ちょおおぉぉぉぉ!!

こわいこわいこわいって!!

こ、こんな所でも修羅場にするのやめよ!?」

 

ホント怖いよ!! どうしてすぐにこの子たちは

こうなるわけ!? イミガワカンナイヨ!!

というか、今ここにはベイラムの方もいるん

だよぉ!?

ほ、ほら!!レッド君も大いに困惑して…る……

 

先生「っ!!!!」

 

…………あぁ…

 

先生「ごめん、ナギサ。慰めるのはまた後でね。」

スイッ

 

ナギサ「ふぇっ!?そ、そんな!!せんせぇ!!

殺生です!!」

 

私はナギサを無理矢理どかせて、レッドの前に来る。

【今にも罪に押し潰されそうな顔をしている】

若者の前に。

 

先生「レッドくん。」

 

私は、あえて【くん】づけで彼を呼んだ。

 

レッド「………貴様、無礼だぞ。例え敵であっても

くんづけで呼ぶな。侮辱行為だぞ…」

 

ハスミ「先生…レッド……」

 

レッドの反論に、力がない。私は続ける。

 

先生「……いいや、私にとっては例え敵であっても

相手が子どもなら構わずそう呼ぶよ。」

 

レッド「き、さ、まあああぁぁぁぁ……!!

どこまでこのレッドを侮辱するつもりだ!?

【子ども】ではない!! 俺は責務を果たす

べき軍人だ!!!改めろ!!!」

 

先生「………君、いくつだい?」

 

レッド「……22になったばかりだ。」

 

先生「そうか、確かに年齢的には【大人】と

されるね。……だけど、君はその理屈を

振りかざされて【理不尽な責務】を背負わ

された、少し背伸びをしている【子ども】に

違いないよ。」

 

レッド「っっっっ!!!!!」

 

 

スチャ!!!

 

 

その時、レッドが腰から拳銃を引き抜き

私に銃口を向けてきた。

 

ホシノ「っ!!!!」

 

シロコ「っ!!!!」

 

ナギサ「っ!!!!」

 

ハスミ「レッド!!!」

 

 

スチャチャ!

 

 

それを見て、すぐさまホシノとシロコも

携帯している銃を取り出しレッドへと

銃口を向ける。

 

ホシノ「銃を、下ろせ…!」

 

シロコ「それは冗談ではすまないよ…!」

 

ナギサ「先生!!」ガバッ!

 

ベイラムに銃を取り上げられてしまい、

銃を持たないナギサは代わりに自らの

身体で私への盾代わりとして私の前に

立つ。

ホシノとシロコの、先ほどまでの柔らかく

なった態度は一気に最初の頃に、いや、

それ以上の緊張状態に逆戻りし、もはや

今すぐにでも撃ち出してしまいそうだ。

 

レッド「その男は、三度もこの俺を侮辱した。

もはや無礼罪で銃を向けられ、死んでも文句は

言えん。貴様らの要求は拒否する。」

 

ホシノ「……あぁ、そう。そう答えられるなら

こっちとしてはもうお前を撃つしかなくなる

わけだけど。」

 

ハスミ「ま、待って!待ってください!!

先生!!謝ってください!!確かに

先ほどの先生の発言はレッドの誇りを

著しく汚す、忌むべき発言です!

取り消してください!!

レッド!それでいいでしょう!!

銃を!銃を降ろして!!」

 

先生「ごめんね。ハスミ。それは出来ない。」

 

ハスミ「先生!!!」

 

そんなやりとりの中---

 

レッド「くくくくくく………」

 

レッドが急に笑い出した。

 

シロコ「何が、おかしいの?」

 

レッド「ちがう、おかしいのではない。

貴様らの……軟弱ぶりに、心底呆れている

だけだ。

ホシノと言ったか? 確かに俺は撃たれても

仕方がないはずだ。

その男に挑発されたからと、今ここで銃を

引き抜くのは、完全な違反行為だ。

つまり、先に手を出したのはベイラム側であり、

この俺の暴走だ。死んでもベイラムは文句を言える

余地はなかろう。そして、取引も終わり、

捕虜たちは全てそちらに渡ったはずだ。

なのに何故貴様はまだ撃たないのだ? 腰抜けか?

今ここで、この俺を殺すことは、貴様らにとって

計り知れん利益だろう。

生身の、無防備な、その上重大な違反行為を

行い、死んでもベイラムは文句の言えない状態だ。

ただで貴様らにとっておそろしいACを1体削げる。

これほど貴様らにとって絶好の機会はない。

なのに、まだ撃たんとは。貴様らは事の理すら

考えられん鳥頭か? それとも未だに人の命を

奪う事がおそろしくて出来んか?

やはり、貴様らは脳内がお花畑の、甘っちょろい

人間どもだ!!」

 

ホシノ「……そこまで言われると、本気で

撃ってしまうけど?」

 

レッド「そうだ!!躊躇うことはない!!

撃て!!! これは戦争なんだ!!!

甘い思考など捨てろ!!」

 

ハスミ「やめて…!! 撃ったら……

私は!!あなたを殺し…

 

レッド「だまれ!!!!!」

 

ハスミ「レッド!!!!!」

 

レッド「羽川ハスミ!!! 貴様には

吐き気がする!! いつまで正義だのと

甘いことを言うつもりだ!!!

これは戦争で!!俺は侵略者なんだ!!!

殺せる絶好の機会に殺すことなど当たり前だ!!

もう貴様の甘さにはうんざりだ!!!

貴様とは!!もう二度と顔も合わせたく

ないほどだ!!!!」

 

ハスミ「ど、どうして……!!あなただって…」

 

レッド「うるさい!!!もう貴様とは言葉も

かわしたくはない!!!

さぁどうしたぁ!!?? 早く撃ち殺せ!!

貴様らに!その度胸を持ち合わせていれば

だがな!!!」

 

シロコ「んぅ……」耳ペタッ

 

ホシノ「…………」

 

ナギサ「…………」

 

レッド「殺せ!殺すんだ!!!!!

この先生きていくなら…!お前たちの世界を

取り戻したいなら……!!甘さを捨てろ!!

殺せ!俺を……殺し、殺せええええ!!!」

 

ホシノ「…………」チラ

 

ナギサ:こくっ(殺りましょう。)

 

ホシノ「……そう。じゃあお望み通りに…」

 

ホシノが引き鉄に指をかける。

 

先生「ホシノ。」

 

---そうは、させない。

 

先生「ナギサ、シロコ。」

 

---この男を、レッドを、死なせはしない。

 

先生「銃を、降ろして。」

 

---こんな、こんな、理不尽な現実

   あってたまるか。

 

ホシノ「先生、いくら先生の頼みでも、

ごめんだけどそれは無理。」

 

シロコ「……分かるよ。確かに、このレッドは

悪い人間じゃない。善い人間だよ。…でも」

 

ナギサ「もはや、このキヴォトスは私たちの

知っている世界ではありません。

非情にならなければ… 敵は殺さなければ

いけません。それが有能ならばなおさらです。」

 

ハスミ「…やめて…… レッドを、レッドを…

殺さないでぇ…」

 

---こんな、こんな、理不尽な世界、認めて

   たまるか。

 

先生「大丈夫だよ、ハスミ。私がこのレッド

を殺させはしない。」

 

ハスミ「せん、せぇ……」

 

---子どもが、責任を負う世界なんてあっては

   ならないんだ。

 

先生「ホシノ、シロコ、ナギサ。もし、君たちが

レッドくんを害そうというならば、殺すならば

---もう君たちは、私の生徒と思わない。」

 

 

ビビビクゥッ!!!!!

 

 

ホシノ「あ…え……せ、んせ…?」カタカタ

 

シロコ「うそ……だよね……?」カタカタ

 

ナギサ「そのような…こと……おっしゃら

ないで……」カタカタ

 

先生「嘘でも何でもない。ホシノも、シロコも、

ナギサも、私は完全に見放す。

どうしようもない生徒と、更生の余地などないと

見切り、一生導くことはしない。」

 

ホシノ「あ……ぅ……!!」ガタガタポロポロ

 

ナギサ「い…やぁ……!!」ガタガタポロポロ

 

シロコ「ん……ぅ…………!!!

ずる、いよ…………!!!」プルプル

 

先生「……………」

 

シロコ「いざっていう時の先生って!

ずるいよ!!そんな!そんなこと言われたら…

私たち、従うしかないよっ!!!

先生は優しい!!優しすぎるよっ!!!

甘すぎるよ……!!!

今までの、私たちの、世界なら………

それが、それが……何よりも良かったん

だけど………!!

でも、でも!!!もうここは!!!!!

【鉄の世界】なんだよ!!!!

ロニーが言う通り!!!全てが凍てつく!!

【鉄】しかないのっ!!!!

善人だからって……敵なら殺すしかない…!

先生の!!!先生の優しさは!!!!!

【鉄の世界】には通用しないんだよっ!!!

もう今のキヴォトスには、通用しないんだよっ…

私たちだって、このレッドさんは殺したく

ないよっ!!! ないけど………!」

 

……………ついに、ついに、私の生徒たちに

【殺すのが当然】とまで言わせるように

なったなんて………

ロニー…… お前が、気に病んだのが、今と

なっては痛いほど分かる。

確かに、企業がもたらした【鉄の世界】は

あまりにも残酷だ。

もはやシロコの言葉に異を唱えることは

私には出来ない。

この【鉄】はそんな甘い事柄など一瞬で

凍てつかせる。

だが……それでも……!!!

このレッドを……!!この青年を……!!

死なせるわけにはいかない…!!

だって、あんまりじゃないか……!!

あまりにも、この青年が不憫じゃないか…

【鉄の世界】だからって…… こんな、こんな、

理不尽な現実を背負わされるなんて…!!

…子どもが、責任を負う世界など、あっては

ならない。

ましてやーー------

 

先生「そうだね……… でも、私は大人だから

---卑怯な手も使うよ。」

 

 

カチャリ

 

 

シロコ「ふ……え……!!!」ビクゥ!!

 

レッド「なんだと!!??」

 

私は拳銃を自らの頭に押し当てる。

そして、シロコを、みんなを脅す。

 

先生「もし、君たちが、レッドくんを

殺したなら……… その時点で私は

この引き鉄を弾いて自殺する。」

 

ホシノ「せ!先生!!??」

 

ナギサ「冗談は……!!」

 

レッド「何を!!!何をしているんだ!!??

貴様は!!!???」

 

シロコ「やめて……!!お願い!!」

 

 

先生「銃を、降ろして。」

 

 

……………………スチャチャ

 

シロコ「んぅぅぅ!!!先生の、バカッ!!

卑怯者!!! 鬼畜!!!!」

 

ホシノ「今回ばっかりは……おじさんも

先生のこと許せないよ…!!最低!!!」

 

ナギサ「恨みますからね…!」

 

ハスミ「………………」

 

先生「……ありがとう。みんな。」

 

さて………

 

先生「レッドくん。」

 

私は、本命のレッドくんに語りかける。

 

レッド「き、さま、は……バカなのか…!?

自殺、紛いのことまでして……

どうしてこいつらを止める!!??

どうして敵である俺を助ける!!??

そのシロコという人間の言葉通りだ!!!!

敵は殺すしかないんだ!!!!

例え……例え……善人でも………

そうだ、そうだ……!!!善人でも!

殺すしかないんだ……!!!

俺は敵だ!!!敵なんだ!!!!

善人の貴様らを!!!大勢殺した!!!

侵略者たちに与しているんだ!!!

もはや善人ですらない!!!!

死んで当然の悪人なんだ…!!!」

 

先生「でもそれは君の意思じゃないだろう?」

 

レッド「だからなんだ!!??だから殺すな

って言うか!!??

甘い!!!貴様は甘すぎる!!!!!

そんな思考など捨てろ!!!!

自分の守りたい、貴様の大切な生徒たちを

救うことだけを考えろ!!!!

敵のことなど考えるな!!!敵は殺せ!!!

貴様が!!!この先!!!貴様の大切な

生徒を守っていきたいなら!!!!

合理的に考えて!!今すぐにこの俺をころ

 

先生「そうやって、死のうとしないで。

レッドくん。」

 

 

ハスミ「!!!!!!!!」

 

ナギサ「っ!!!」

 

ホシノ「……ぁ」

 

シロコ「ん、あぅ…!」

 

 

レッド「………せ………は、あ?」

 

先生「君のせいじゃない。君は気に病まなくて

いいんだ。 悪いのは、侵略の命を下した

【ベイラム】だ。

君たちを食い潰そうとするベイラムの上の

方にいる、【悪い大人】なんだよ。」

 

レッド「な、にを……なにを、言っている…!?

俺が……死のうとしているだと……!?

愚か者が!!!俺がいつ!!!自殺を行おうと

していた!!??

取り消せ!!!!俺は別に死のうとしていた

わけじゃない!!!!

ただ合理的に話していただけだ!!!!

貴様らの理屈に則って!!!俺を殺して

おくべきだと……

 

先生「そんな『顔』していて、合理的と

言われても説得力なんてないよ。」

 

レッド「へ……あ……か、お……!?」

 

先生「そんな『顔』をしている若者を…

大人になったばかりの、今まさに輝かしい

将来を歩み始める【子ども】が、死のうと

しているのを、大人として見過ごせる

はずがないよ。」

 

レッド「あ…う……ぁ…… ち、がう……

俺は、俺は……!!ちがう……!!」

 

 

ホシノ「あぁ……そっか。おじさん、ホント

バカだな……。その『目』を、見たのは、

これで3度目のはずなのに、先生は気づいて

いたのに…どうしておじさんは気づけない

かな〜……」

 

シロコ「……無理も、ないよっ…………

だって、この人の『顔』…… デブシロコよりも

もっともっと……」

 

 

先生「レッドくん、聞いてくれるかい?」

 

レッド「……………」

 

先生「ある生徒がいてね。その生徒は今は

少し明るさを取り戻せたんだけど…

 

ある場所で、理不尽が降りかかって、

大切なものの何もかもを失くして、

その上、その場所で辿った結末の

原因が自分にあると、その生徒は

責め続けた。」

 

レッド「……………」

 

先生「その末に、ある者と一緒に、

その生徒も君と同じ侵略者としてここに

攻め込んできたんだけどね。

………ひどい顔をしていたんだ。

絶望していて、罪に苛まれていて、

寂しくて………そんな顔だった。」

 

レッド「………それが何だ?

それと俺が何か関係しているとでも

言いたいのか?」

 

先生「だから、言ってるよ。『顔』だって」

 

レッド「……顔…」

 

 

ザッ

 

 

ホシノ「そうだね。おじさんも先生の言葉で

思い出したよ。でも、ちがう。」

 

シロコ「似てるけど、似つかわしくない。

あなたの場合、あの時のデブシロコの顔より、

もっともっと……ひどい顔してるっ…」

 

ホシノ「……それが、何なのかおじさんには

分からないけど…… でも、私が見てきた

中で1番辛そうな顔だってことは分かる。」

 

レッド「……そんなに、ひどい顔をしているか…?」

 

先生「当たり前だよ…… 辛いのなんて

当たり前だ。…だって、この世で1番

辛い感情は、【罪の意識】なんだからね。

クロコより酷い顔しているのも当たり前だ。

レッドくんの、その顔は……【罪の意識

だけで苛まれている人間のする顔】だ…。」

 

ホシノ「……ぁ…」ポロ

 

シロコ「んぁ……」ポロ

 

先生「君の顔は、【死に場所を、裁きを

求めている顔】だ。」

 

レッド「…うあ……!」ホロリ

 

先生「君は………死ぬために…………

私たちに自分を裁いてほしくて、

ここに来たんだね……」

 

ホシノ「…………」ポロポロ

 

シロコ「ん、ぅ…… ごめ、んね……

気づいてあげられなくて……」ポロポロ

 

レッド「……………なぁ、貴様。教職を

しているのだよな?」

 

先生「……………うん。」

 

レッド「…………じゃあ、教えろ。」

 

先生「私に答えられることなら……」

 

レッド「…………何で、上の者は、対話しようと

しないんだ……」

 

先生「っ……………」

 

レッド「いきなり、襲うこと、ないだろ……

ちゃんと、会話すれば…… 分け合おうって、

分けてくれって!話せば……!!

頷いてくれるかもしれないじゃないか…!!」

ポロリ

 

先生「…………」

 

ホシノ「…………うん」ポロポロ

 

シロコ「ん…………」ポロポロ

 

レッド「そもそも!そもそも!!コーラルって!

コーラルは!!無限に増殖するのだろう!?

なら、なら!!分け合えるじゃないか!!

有限資源じゃないんだから……分け合えば

いいじゃないかぁ!!!」ボロボロ

 

先生「……………」

 

ホシノ「…うん、うん…!」ポロポロ

 

シロコ「…ん……ん……!」ポロポロ

 

レッド「なのに!何で侵略になるんだ!!??

どうして奪うことしか考えられないんだ!!??

何で独占することしか考えないんだ!!??

何で、何で……そこに住む人たちのことを、

考えないんだぁ…!!!」ボロボロ

 

先生「…………」

 

ホシノ「………!」コクッコクッ!ポロポロ

 

シロコ「………!」コクリ!ポロポロ

 

レッド「何で!何で!!罪のない……

善良な………人々をぉぉ……殺さなければ、

ならない……!!??」ボロボロ

 

先生「………………」

 

ホシノ「…………」ポロポロ

 

シロコ「…………」ポロポロ

 

レッド「どう、して………敵を、こんな、

俺にも………気にかけて、涙を流して

くれる……… お前たちを…………!!

殺さなければならない

んだああああ!!!!」

 

ホシノ「う、うぅぅぅぅ!!!」ポロポロ

 

シロコ「んううぅぅぅぅ!!!」ポロポロ

 

先生「…………………」

 

そう、大声をあげ…… レッドはうずくまって

嗚咽を漏らし続ける。

レッドの顔の前は、もう水たまりを成形していた。

 

ホシノもシロコも、ひとしきり泣きじゃくって

いる。

後ろを見れば、ハスミも、ナギサも、大粒の

涙を流している……

 

このレッドの、先ほどの叫びと嘆きが、

おそらくは今侵略に来ている大半の

ベイラム兵の本音なのだろう。

 

 

621*チッ、クソつまらねえ遠吠えを

あげやがる。*

 

ウォルター*……あの男は若い。泣き言を

こぼすのも無理はない。*

 

621*戦場では、あぁ言う甘ちゃんから

真っ先に死んでいく。

だから、若い奴が生き残れる人数ってのは

少ねえわけだ。

……甘さを捨てきれん奴から死んでいくのは

戦場の常だ。*

 

ウォルター*………………そうだな。*

 

 

先生「………………」ザッ

 

私は、泣き続けるレッドくんに歩み寄る。

 

先生「………うん。ごめんね。私も未熟だから

レッドくんの疑問に答えられるほどの見識は

ない。」

 

レッド「……………」

 

先生「でも、これだけは言える。」

 

レッド「…………?」

 

先生「子どもが責任を負う世界など、あっては

ならない。」

 

レッド「……………」

 

先生「そして、それ以上に---」

 

レッド「……………?」

 

シロコ「?」ぐすっ

 

ホシノ「?」ぐすっ

 

先生「例え君のような、大人になったばかりの

これからを歩み始める【子ども】だとしても…

【子ども】が、誰かから、他者から、責務を

負わされる世界など、あってはならない。」

 

レッド「………!!」

 

先生「それを求める……強要してくる………

何より、【子ども】にそんな顔をさせる…!

ベイラムはクソだ!!! そこに所属する

上層部は……!間違いなくこの世で1番の

クソの中のクソどもだ…!!

私たちだけじゃない…君のような、弱い人間を

踏みつける……人を人とも思わない………!

正真正銘のクズどもだ!!

 

………だからーーー

 

 

そう言って、私はレッドに手を差し伸べる。

 

先生「---そんな奴らとなんて、手を切るんだ

レッドくん!

ベイラムなど見限れ! 腐った連中の肥溜めで、

自らの人生を台無しにしないで!!

私たちと!一緒に歩もう!!!」

 

レッド「……………」

 

ハスミ「!!!!!」ダッ!

 

ナギサ「!!」スタ

 

シロコ「そうだよ…!!そんな、そんな

クズどもの言うことなんて、聞く必要ないっ!

そんな奴らのために…命をかけないで!!」

 

ホシノ「レッド… おじさんたちに力を

貸してくれないかな? もちろん私たちは

今にも沈みそうな泥舟だけど……」

 

ナギサ「少なくとも、私たちは侵略行為や

虐殺を強要したりはしません。

力を、貸してはくださいませんか?」

 

レッド「…………それは…」

 

ハスミ「レッド……!お願い……!!

さっきの、さっきのあなたの嘆きと叫びが!

あなたの心の全てでしょう!!??

やっぱり、あなたの正義が泣いているんじゃ

ないですか!!

ベイラムの、上で高みの見物を決め込む

クズたちの命令など聞く必要はありません!

私たちと、一緒に……戦いましょう!!」

 

私たちは、必死にレッドの心に訴えかける。

………だが、レッドの答えは……

 

レッド「それは、できない。」

 

拒否だった。

 

ハスミ「〜〜〜〜〜〜!!!

この、この!!分からず屋ぁ!!!!

どうして!!!何で!!!!!

私たちを殺したくないって!!!

涙ながらに訴えておきながら……!!!

何でこの手を取ってくれ

 

レッド「妹と、弟がいるんだ。」

 

ハスミ「………え」

 

シロコ「んぅ!!」

 

ホシノ「っ!」

 

レッド「ベイラムの、経済圏で、妹と

弟が、合わせて6人……暮らしているんだ…

金がいる。健やかに暮らすためには……

いや、それ以前にベイラムを裏切れば、

妹たちの命はない。」

 

ナギサ「……」ギュッ!

 

先生「………く、そ…!」ギュウウ!!

 

シロコ「……………!!!!!」ギリ

 

ホシノ「ホントに、吐き気がする奴らだ…!」ギリ

 

ハスミ「なんて…なんて……!!卑劣な

奴らなの…!!」ギュウウウウウウウ!!!

 

レッド「それにだ、貴様に既に言っただろう。」

 

ハスミ「……?」

 

レッド「俺には………ここまで面倒を見てくれた

レッドガンの先輩たちがいる。

総長も、副長も……五花海先輩も、ヴォルタ先輩も

イグアス先輩だって………

俺を、ここまで育てて、導いてくれた人たちだ。

俺と一緒に歩んできた仲間だって…!!」

 

ハスミ「…………………」

 

レッド「みんな……みんな………辛いんだ。

みんな………みんな………侵略なんてしたくは

ないはずなんだ……!!

それなのに、非道が嫌だからって俺だけ

逃げ出し、裏切ることなど、俺には

とても出来ん…!!」

 

ハスミ「………………」

 

レッド「総長を……レッドガンのみんなを……

撃つことなど、出来るはずがない……!!

レッドガンを撃つぐらいならば……

貴様らを撃って、地獄に落ちる方が

まだマシだ………」

 

ハスミ「…………………」ポロ

 

シロコ「………………」ペタッ

 

ホシノ「………………」シュン

 

ナギサ「………残念です…」

 

先生「…………………」

 

 

悲嘆に暮れる私たちの耳に突如

 

 

 

:そこまでにしてもらおうか:

 

 

 

先生「!!!???」

 

私たちのいる場所を黒い影が差し込み、

頭上から聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

その影は、私たちのすぐ後ろに着陸した。

 

先生「この、声…は……!!!」

 

ホシノ「なっ!!AC!?」

 

シロコ「何これ!約束違反っ!!」

 

レッド「な!なんだと!?これは!

ナイル副長の[ディープダウン]!?」

 

やっぱり、この声はナイルだったか…!

私たちと、交渉を行なったベイラムの副官!

それがACで乱入してきたということは…!

 

 

カシュウウウウ………

 

 

ACのコアハッチが開き、中からナイルが

出てくる。

 

ナイル「困るな、シャーレの先生。うちの

若輩を口説くのは。」

 

ナイルが私たちにそう言葉を投げかけるのも

束の間---

 

 

ババババ!!!!

 

 

ディープダウン:スッ   カンカンカンカン

 

 

ホシノがナイルに向けて発砲するが、

ディープダウンがナイルを手で覆って

弾を防ぐ。

 

ナイル「小鳥遊ホシノ。武力行為はこちらも攻撃

開始を取らざるを得ない、今回の取引において

重大な違反行為と理解しての行動かな?」

 

ホシノ「ふざ…けるな……!!!違反行為を

先に行っているのは!!!そっちじゃ

ないか!!!!」

 

シロコ「ACで取引に乱入するなんて…!!

撃たれても仕方のない約束違反だよ!!」

 

ハスミ「まさか…レッドも知って…!?」

 

レッド「し、知らない!こんなことは…!

どう言うことですか!?ナイル副長!!

話が、話が違います!!!」

 

ナイル「そうだろうな。何せ【急に決まった

事】だ。

さて……あらかじめ警告させてもらおう。

もし仮に、【我々】に危害をもたらす

ならば…… その瞬間、私の[ディープダウン]は

あちらのお仲間に攻撃を仕掛ける上に、

先生も抹殺を行う。そのように命を下してある。

私のディープダウンは多くミサイル兵装を搭載

している。

つまり、そちらにいくらロニーとか言う独立傭兵が

いようと、お仲間は確実に大勢死ぬことになる。

下手な真似は慎むことだ。」

 

ホシノ「…………」ギリ!

 

ナイル「もう一点だ。すぐにお前たちが携帯

している武器を全て捨ててもらおうか。

従わなければ、先ほどの武力行為をディープ

ダウンは行う。

言っておくが、隠し持つことは不可能だぞ?

武器の所有もスキャンをすれば分かるからな。」

 

シロコ「……卑怯…!」ギリィ!

 

ナイル「……ただし、[羽川ハスミ]のみは

武器の携帯を許そう。」

 

ハスミ「は……?」

 

先生「何故ハスミだけ…?」

 

ナイル「おしゃべりはいい。10秒以内に

武装解除してもらおう。さもなくば

ディープダウンの武力行為を行わせて

もらうぞ。」

 

先生「くそ……!みんな!!武器を捨てて!」

 

ホシノ「チィ!!!」

 

 

カチャカチャカチャ

 

 

ナイル「……全ての武器を捨てたようだな。」

 

レッド「待ってください…!ナイル副長!!

何故、何故このようなことを!!」

 

先生「………約束ぐらいは守ると信じていたの

だけれどね…。結局お前は卑劣漢だった

わけだ。」

 

そんな私の皮肉に…………

なんとナイルは、バツが悪そうに返答を返してきた。

 

ナイル「……いや、全くだ。私も約束を違える

つもりはなかったし、今だって君たちに危害を

加えるつもりは微塵もない。

………だが、仕方ないだろう。このぐらいは

しなければ…」

 

先生「は?」

 

シロコ「仕方、ない?」

 

ホシノ「何の冗談? 一体どれほどの

イレギュラーがあれば、こんな蛮行が

許されるって言うのかなぁ?」

 

それを聞いて、ナイルは、疲れたように

笑みを引き攣らせて答える。

 

ナイル「……そうだな。【我々の総大将(ミシガン)】が

直々に会いにくるぐらいのイレギュラーと、

言っておこうか……」

 

 

先生「……え?」

レッド「………は?」

 

 

その時ー--

 

 

???「G6!!!」

 

 

後ろから、やかましい怒号が響いた。

 

 

621*おいおい、マジかよ……聞いてねえぞ…*

 

ウォルター*相変わらずの、豪胆だな…*

 

 

レッド「は、はい!!!」ビックゥ!!

 

その声で、地面に伏せっていたレッドが

面白いように飛び上がる。

 

???「貴様の水芸の惨めぶりをたっぷりと

見せつけられたぞ!! どうやら貴様には

涙腺の訓練が足りていないようだな!!

どうやらレッドガンの特訓でも貴様には

よほど温いと見える!!

見上げた根性だ!!その根性に敬意を示し!

涙が枯れるほどに過酷な!貴様専用の

スペシャルメニューをこの俺自ら組んで

やろう!!!」

 

レッド「は!は!はいぃぃぃ!!!!

光栄でございます!!【ミシガン総長】!!!」

 

!!!!????

 

先生「ミシガン……【総長】だって…!!」

 

ホシノ「じゃ、じゃあ、この男が…!!!」

 

シロコ「ベイラムの、トップ…!!!」

 

ミシガン「うむ!!!これからもしごき

倒してやるから覚悟をしておけぇ!!G6!!!」

 

レッド「はいいいぃぃぃぃ!!!」

 

ミシガン「おい!!堅物野郎!!!一体

いつまで貴様は高みの見物を決め込む

つもりだ!! 上長を見下ろすとは

ほんの少し余所見している間に随分と出世を

したものだ!!」

 

ナイル「はぁ……… すぐに降りる。」バッ

 

 

スタッ

 

 

ミシガン「ふぅ、さて、貴様がシャーレの

先生だな?」

 

先生「あ、あぁ。そうだ……」

 

ミシガン「まずはうちの隊員が見苦しい

ところを見せてしまったことへの非礼を

詫びる。」スッ

 

先生「…え!?」

 

い、いきなり…ベイラムの総大将が私に

頭を下げてきた…!?

 

ナイル「何をしている!ミシガン!!

敵だぞ!! 安易に頭を下げるな!!」

 

ミシガン「うるさいぞ!堅物野郎!!

シャーレの先生はキヴォトスの総大将だ!

ならばこの戦場において、この俺と立場は

対等だ!!! 非礼を働いたなら頭を下げて

当然だ!!」

 

ナイル「いや、その理屈はおかしいぞ!!」

 

ミシガン「うるさい!! 堅物野郎は

堅物らしく口をチャックしておかんか!」

 

ナイル「なんだと!!??」

 

ミシガン「……だろう?【キヴォトス防衛

委員会】?」

 

ホシノ「………………」ギロリ

 

ミシガン「ウハハハハ!可愛い面して

中々凄みがある目を向けてくれるものだな!

役立たずどもを睨めっこさせてやりたい

ほどだ!

しかし、つれないではないか?

愉快な談笑を堅物野郎とだけで済ませるとは?

このミシガンとも付き合ってもらうぞ?

羽川ハスミと言ったな?」

 

ハスミ「…何でしょう?」

 

ミシガン「俺の元まで来い!」

 

ハスミ「……………(なるほど、レッドの

偉そうな態度はこの男譲りだったのですね)」

ツカツカ

 

ハスミ「ご要望通り、来ましたが…」

 

 

すると、ミシガンはニヤリと笑って

 

 

グイッ!カチャ!

 

 

ハスミ「なっ!?」

 

先生「!!??」

 

ハスミの銃を掴んで、自らの頭に銃口を

当てた。

 

ミシガン「さぁ、これでフェアになっただろう?

メロン女!せいぜいこの俺に変な気を起こさせん

ようにしっかりと牽制しておけ!」

 

ハスミ「……セクハラですよ?その発言。」

 

先生「………望むところだ。ベイラムのトップと

直談判出来るなら願ったり叶ったりだよ。」

 

ミシガン「ウハハハハ!俺もだ!

シャーレの先生、貴様とはじっくりと

面を突き合わせて話したかった。

……だが、今回は談笑ではない。」

 

先生「………?」

 

ミシガン「今回やるのは、【女子会】だ!!

どうやら貴様らの所属メンバーにもこの俺に

物申したいやんちゃどもがいるようだからな!

貴様との交流のおまけには悪くはない。

堅物野郎!!さっさと机を用意しろ!お菓子と

【ジュース】もだ!

さあ!!貴様らぁ!愉快な【女子会】の

始まりだあ!!!」

 

 

 

 

 




今回で女子会やろうと思ってたのに、
思ったよりレッドくんが主張強くて……
気づいたら2万弱も文章書いていたぜ…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。