ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜   作:とある渓流にいるかわうそ

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24話 愉快な女子会

 

 

〜〜アビドス砂漠 17:25〜〜

 

 

ミシガン「遅い!!G6!!」

 

レッド「は、はっ!申し訳ございません!!」

 

ミシガン「貴様の取り柄はむさ苦しい熱血だろう!

女子会のクソめんどくさい準備だからと

手を抜いているのか!? それともグラスと

ジュースをただテーブルに置くことさえ

まごつく無能か!?

ただでさえ役立たずの貴様からむさ苦しさを

取り上げたら一体何が残る!?

答えてみろ!G6!!」

 

レッド「何もありません!! 自分には

むさ苦しい努力しか取り柄がありません

ので!!」

 

ミシガン「よし!!ならば貴様の唯一の

取り柄のむさ苦しさを少しは貴様の

スカスカな脳みそに転換して!!

無能ではないと証明してみせろ!!」

 

レッド「はっ!!!」てきぱき

 

 

【キヴォトス防衛委員会・ベイラム

合同講談会】

 

【ベイラムサイド 出席者】

 

[G1 レッドガン総長:ミシガン]

 

[G2 レッドガン副長:ナイル]

 

※牽制人:[羽川ハスミ]

 

 

 

ベイラムの総大将、ミシガンの怒声が

レッドに浴びせられる。

 

セリカ「……いくらなんでもひどい言葉を

言い過ぎじゃない?」

 

アヤネ「別にあのレッドさんの動きは悪い

ように思えません。

あまりにも心ない言葉です……」

 

 

【キヴォトス防衛委員会サイド 出席者】

 

・シャーレの先生

 

・砂狼 シロコ

 

・小鳥遊 ホシノ

 

・十六夜 ノノミ

 

・黒見 セリカ

 

・奥空 アヤネ

 

・七神 リン

 

・扇喜 アオイ

 

・浦和 ハナコ

 

・桐藤 ナギサ

 

 

ベイラムの総長、ミシガンに向ける

キヴォトス側のみんなの視線が必然的に

冷ややかな物となる。

私の目線でも別にレッドの動きが手を

抜いているようには思えない。

いたって普通に良く動いているように

思える。

ミシガンのかけた罵声は完全なるパワハラと

正直私も感じている。

 

ハスミ「申し訳ございません。ただの付き添い

という形である私が、ベイラムの総長である

ミシガン殿に物申すのは無礼と存じてはいますが、

それを承知であなたに苦言を申させて

もらいます。」

 

その時、皮肉のような謝辞を述べてハスミが

ミシガンに声をかけた。

それに対するミシガンの返答も怒涛だ。

 

ミシガン「くどい!!女子会にクソ長ったらしい

前置きなどいい!!嫌味か!!

言いたいことがあるならとっとと言え!!」

 

ハスミ「そうですか。でははっきりと、不愉快を

述べさせていただきます。

……いくら身内と言えど、あなたの言いようは

あんまりではないですか?

レッドはこれ以上ないほどに動いているでしょう。

なのに罵声を浴びせるのは部下に対してあまりに

愛がないのではないですか?

その上、あなたたちは見物をしているだけです。

もちろん、若輩の部下と、最上長という立場

なのですから、至極当然とは存じております。

ですが、その事をほんの少しぐらいは

お気にかけてはいかがですか?」

 

ハスミは目つきを鋭くして、ベイラムのトップに、

はっきりと自分の不愉快を伝えた。

 

レッド「いや、貴様、これは別にいいんだ。

総長の、この態度はそういう意味じゃ…

 

レッドがハスミをたしなめようと声を

かけるがーーー

 

 

ドン!!

 

 

ミシガンの机を叩く音がそれを遮る。

 

ミシガン「G6!!一体いつ貴様に無駄口を

叩ける権利があった?

ここに必要なのは評論家ではない!!

執事だ!!貴様はそんな事も理解出来ん

鳥頭か!!

余計な事をしゃべる舌ならばいらん!

縫いつけておけ!そして手を動かせ!」

 

レッド「はっ、はっ!!申し訳ありません!!」

 

ハスミ:ムカムカ

 

ミシガン「そして羽川ハスミ!俺の舌を

気にするよりも頭を気にせんか!!

貴様は敵の愉快なコントが気になるあまり、

自分の責務を疎かにする無能か!?」

 

ハスミ「……質問に答えていただけませんか?

言いたいことがあるなら言えとおっしゃった

のらあなたではないのですか?」

イライラ

 

ミシガン「よし!貴様もうちの役立たずどもと

同じスカスカな脳みその持ち主という事は

分かったな!! 今度うちの役立たずどもと

ベイラム式暗記試験を受けさせて、どちらが

脳みそがスカスカなのか競わせてみたい

ところだ!!

そんな鳥頭の貴様にも分かるように言ってやる。

こちらのやり方を、貴様に嗜める権利などない。

分かったらそのよく回る舌を縫いつけて!

職務に戻れ!!」

 

ハスミ:ブチッ!

 

 

チャキ!!

 

 

先生「ちょっ!ハスミ…!」

 

ハスミが、強くミシガンの頭に銃口を

押し当てる。

冷静かつ温和な方のハスミが割と

洒落にならないぐらいキレている…!

だが正直無理のないほどの煽られ方だ。

 

リン「総長殿。少しぐらい言葉を謹んでは

いただけませんかね?」

 

アオイ「侵略を行うような野蛮人らしく、

ベイラムには品性というものがおありでは

ないのでしょうか?」

 

ナギサ「ふふふ、総長様の方こそ、教養が

備わっていないように感じられますよ?」

 

それを見ていたキヴォトスの地位ある立場に

所属するリンたちも、毒を吐く有様だ。

しかしー---

 

ミシガン「ようやく自らの責務を理解した

らしいな。正義実現委員会の副委員長よ?

そのまましっかりと警戒を怠らず、職務に

勤しんでおくんだな。

そして、仮にもそれぞれキヴォトスの狸にしては

ジャブが弱いものだな?

そんな有様ではこのミシガンどころか、

役立たずどもすらつまずきもせんぞ?」ニヤリ

 

ミシガンは不敵に笑うだけだ。

その笑みに、ただならないオーラが滲んでいる。

まるで、歴戦の猛者と相対したような、

余裕を感じさせる…

 

そんな中、我関せずと静観していた副官

ナイルが、急に口を開く。

 

ナイル「レッド、お前は頷くばかりでは

ないだろうな? ミシガンの言いたいことを

ちゃんと分かっての励みの言葉か?」

 

レッド「はっ!ミシガン総長は!自分の

至らなさを指導してくださっています!」

 

ナイル「……30点というところだ。

ミシガンが怒っているわけではないと

いうことは理解してはいるが、つまるところ

どこを指摘されているかを、全く分かっていない

ようだな。」

 

レッド「…申し訳ありません。自分はまだまだ

至らないばかりで

 

ナイル「そこだ、それが1点だ。」

 

レッド「へ…は、い…?」

 

レッドのぱちくりと瞬きをする様子を見せ、

ナイルは、はぁ、と一つため息を吐いて

言葉を紡ぐ。

 

ナイル「まぁ、本来なら答えなど言わないが、

客人を待たせている上、随分と不機嫌に

させてしまっているようだ。

今回限りの特例としようか。よく聞いておけ。

ハスミお嬢さんも。」

 

レッド「あ!ありがとうございます!ナイル

副長!」

 

ハスミ「………………」

 

ナイル「まずお前は、この女子会やらの準備を

どう考えていた? ただグラスとジュースを

各席に置いていくだけの簡単な仕事と、

捉えていたか?」

 

レッド「…も、申し訳ながら。しかし!だからと

言って自分は決して手を抜いていたつもりは

ありません! ですが!ミシガン総長は

自分の認識が甘い事をご指摘されたのだと

思います!」

 

ナイル「その考えは手を抜いているのか、

とミシガンから叱咤されたせいか?

だとするならそれは違う。

誰が見てもお前は手を全く緩めては

いなかった事は分かるし、そこに関しては

ミシガンとて同じ意見であるのは間違いない。

実際、簡単な仕事であるのは事実だからな。

ただ、簡単な仕事であっても、【訓練】の

つもりで臨むようにいろという事だ。」

 

レッド「え……?く、訓練ですか?」

 

ナイル「そうだ。ただグラスを置く行いが

ACパイロットの技術を磨くのと何ら関係が

なかろうとな。

【戦闘時の緊張感】でグラスを置く。

平時でもその緊張感を養うことも、

立派な訓練だ。

戦場での生死を分けるのは、存外日々の

小さな積み重ねが最も重大なものだ。」

 

レッド「……っ!!!」

 

ナイル「それが1点だ。先ほどお前にも指摘した

ことがもう一点だが… まぁ、これも先ほどの話の

延長線上だ。が、こちらの方こそがミシガンが

最もお前に指導したいことであり、訓練の最も

肝要な部分であり、結局は大体の物事はここに

帰結する。

【常に頭を回せ。】【思考することを怠るな。】

ミシガンは言っただろう?

お前のむさ苦しさを【スカスカな脳みそに】

転換しろ、とな。」

 

レッド「あ……!」

 

ナイル「お前は真面目だが、それが傷でもある。

うんうんと頷いていればいいのではない。

女子会の準備でも、考えるべき事柄は山

とあるはずだ。

どう動けば、効率よくグラスを置けるか?

瓶はどこにおけば邪魔にならないだろうか?

シロコちゃんは右手を上に組んでいるな?

という事はこの子は右利きかな?

……少し私が考えただけで、これほど出て

くるぞ?」

 

 

ズコッ!

 

 

レッド「なるほど…!さすがはナイル副長です!

ご指導いただき!ありがとうございます!!」

 

いやピュアかな!? まぁレッドくんなら

なんとなく分かりそうなものだけど!!

すごく真面目で良い話をしていると思った

のに!

もしかしてこのナイルさんって天然なのかな!?

 

セリカ「いや!何で最後がシロコ先輩の

手の組み方なの!? 

てゆーか利き手がどっちかとか真面目に

考え巡らせるとかバッカじゃないの!?」

 

さすがはツッコミクイーンのセリカだ!

おそらくこの場の全員の心の内を

キレッキレのツッコミで代弁してくれたよ!

みんな呆れを多分に含んだ目でナイルさんを

見てるし!

 

ーー---だが

 

ナイル「………………」ニヤリ

 

ナイルが、無言のままで、クツクツと

笑いだした。

私は……何故かその笑い方に薄寒さを

感じた。

まるで、こちらをどこか嘲っているかの

ような………

 

セリカ「…な、なによ!?」

 

それはセリカにも感じられたのか、

ナイルに向けて棘のある疑問を

投げかけた。

しかし、セリカの質問でナイルは

すぐさま普段の仏頂面に表情を戻し

 

ナイル「……私は、ミシガンほど甘くはない。

身内にこそ手は差し伸べはすれど、敵に塩を

送る事はしない。」

 

セリカ「は?意味わからないんだけど!?」

 

セリカの言葉通り、要領を得ない回答を

返すだけだった。

……そして、黙って聞いていたミシガン総長の

こちらを見る目つきがほんの少し、鋭く

なったように感じるが……?

 

ナイル「それより準備は整ったようだ。

ベイラムとキヴォトスを交えた、女子会を始めよう

ではないか。手早くな。」

 

最後のグラスと瓶を置き終わったのを見るなり

ナイルが開始の言葉を口にした。

それを聞くなり、再びミシガンが話し出す。

 

ミシガン「うむ。ならばこの女子会の開始の

儀は決まっている!!

貴様らの意気込みとやらを、このミシガンに

聞かせてみろ!!」

 

リン「…はい?意気込み…?」

 

ミシガン「馬鹿者ぉ!!貴様は3歩歩けば

脳みそがスッカラカンになるダチョウか!?

どうやら貴様ら、隣の堅物に散々噛みついた

上に、このミシガンに言伝まで残したそう

だが、そういうことならば伝言ゲームなどと

まどろっこしいのは止めて、もっと単純に

行こうではないか?

さぁ!貴様らの宣戦布告を!総長自ら直々に

聞いてやろう!!

このミシガンの前でも貴様らが雄叫びを

吠えられるか!実に見ものだ!!」

 

リン「…なるほど、これは失礼いたしました。

まさか布告の場を設けてくださるとは。」

 

ミシガン「まずは、真っ先に噛みついてきやがった

猫耳の見るからに生意気な貴様からだ!!」

 

セリカ「…上等じゃない。侵略者の片割れの

トップに直接物申せるなんて。」ガタッ

 

ミシガン「まさにクソ生意気に違いない

小娘には感涙ものだな!!

さぁ、言いたいことがあるなら言ってみろ!」

トプトプ

 

ベイラムの総大将、ミシガンはグラスに

注ぎながらにやりと笑う。

大将らしい、余裕たっぷりな態度に、セリカは

分かりやすく触発されて、怒りの感情丸出しで

ミシガンへと噛みつく。

 

セリカ「あんた… どんな神経をしてたら

侵略行為なんて出来るのよ!!!

私たちのキヴォトスから出たコーラルが

欲しいからって!!! キヴォトスのみんなを

虐殺して!!とっ捕まえて!!苦しめる

なんて!! あんた…!!さっき引き渡した

五花海すらも比べられないクズの中のクズの

中のゴミクズよ!!!!!

どれほどあんたの腹は腐っているわけ!!??」

 

ゴクッゴクッ

 

ミシガン「ふぅ、貴様、テストの点数は

何点だ? 赤点か? それとも一桁か?」

 

カチン!!!!!

 

セリカ「質問に答えろ!!!!!茶化すな!!」

 

ドォン!!!!!

 

ミシガン「茶化しておらん!!!問題大アリだ

馬鹿者ぉ!!!! 貴様さては学生のくせして

普段から全く勉強しておらんなぁ!! 

勉強は学生の本分だ!!! 勉学に励めぇ!!」

 

………何だか、身内の恥を晒したような気分だ…

頼む、セリカ。これは本当に敵の大将の言葉

通り勉強してくれ……

 

セリカ「ぜんっぜん関係ないテストや勉強の

話を持ち出してきて!どこをどう聞いたら

茶化していないなんて言葉信じられると

思う!!?? いいからさっさと

 

 

グイグイ!

 

 

セリカ「もうっ!何よアヤネちゃん!」

 

アヤネ「セリカちゃん!もう、恥を上塗り

していくのはやめてください!

ミシガン総長さんはベイラムの軍部の

トップってだけでベイラム本社の上層部

じゃないです……

ミシガン総長さんも侵略の指令を下されている

側の人間です!!」

 

セリカ「……え? だ、だって、あの人総長

って呼ばれてるじゃない!? だったらこいつが

侵略の命を下した張本人じゃないの!?」

 

シロコ「セリカ、本当に今まで何聞いて

きてたの? 今攻めてきているのは

ベイラムが所有する軍隊で、侵略の指令を

下した上層部は遠くで高みの見物決め込んでる

ってロニー言ってたよ?」

 

セリカ「あ………ふえぇ……!!」

カアアアァァァァァ!

 

シロコ「ん、セリカ、お前はもう黙った方が

いい。口を開けば開くだけこっちも恥ずか

しくなってくるだけ。」

 

セリカ「ぁ…う……///

………で、でででででも!!その上層部の

命令聞いて!実際に侵略決めてあんたの

部下にも侵略行為を強要したのは

あんたでしょ!!??

そ、そもそも!! トリニティのツルギさん

たちを必要以上に痛めつけろって命令した

のも! 私たちにACの武装を使って虐殺の

命令下したのだってあんたじゃないの!?

そ、そそそこのところはどう思ってるの

かしら!?///」

 

アヤネ「んもう!!セリカちゃんだからぁ!!」

 

シロコ「ん、やっぱりセリカ黙って。

これ以上は恥ずかしく

 

ミシガン「ウハハハハハハハハ!!」

 

グビグビ

 

セリカの更なる自爆にミシガンは大笑いした。

セリカ……完全に醜態を晒してしまって

いるぞ…

 

セリカ「う、ううぅぅぅ/// 笑うなぁ!!

バ、バカにするんじゃないわよぉ!!」

 

ホシノ「うへ〜、セリカちゃんにはこの場は

厳しかったかな〜。セリカちゃん、もう

代わろうか。大丈夫。セリカちゃんの

言いたい事はおじさんがしっかりと

伝えて………

 

ドォン!!

 

ホシノの言葉を、ミシガンが豪快に飲んでいた

ジャッキを机に置く音で遮る。

いや、どんな力で置いているんだ。

こっちにまで少し振動が来たんだけど…

ジョッキが割れてしまうだろう………

 

だが、放たれるミシガンの言葉は意外な

ものだった。

 

ミシガン「これは一本取られてしまったな!

想像に違わぬクソ生意気な女猫にしては

中々鋭い右ストレートだ!

一泡吹かせてくれるものだ!!」

 

セリカ「……ふぇ?」

 

さっきまでと一転して、不敵に笑うミシガンの

態度を見たら、分かる。

先ほどの大笑いは、セリカをバカにしたん

じゃない。セリカの言葉を認めた、という

ことだ…!

 

じゃあ、トリニティで行った非道はベイラム

上層部の意思ではなく……!

 

ナギサ「そう…ですか……、あなたは、

私には「この侵攻はベイラムの意思だ」と

おっしゃいました……

ですが、トリニティで行った非道の数々は

あなたが指示したものと、宣言するの

ですね……!!!」ギロリ

 

ミシガン「当たり前だ!!上層部は【手始めに

手頃な拠点を手に入れるために、キヴォトスの

適当な自治区を占拠しろ】と一言指令した

だけだ!!

上の狸が方法まであれこれ細かく指示する

わけがないだろう!!

何のために軍のトップとして、司令官を

派遣させていると思っている!!

役立たずのカカシか!?この俺は!?」

 

レッド「……え?そ、その話は本当ですか…?

ミシガン総長……!?じ、自分は、上の者の

指令とナイル副長から……」

 

ミシガン「何だ!貴様にとってこのミシガンは

上長にはあたらないと言うか!G6!!

頼もしい限りだ!貴様のその悪態がキヴォトス

でも継続出来るか楽しみだ!!

ノータリンの頭と腕の方も磨いておけ!!」

 

レッド「そ、んな………」ふらり

 

ハスミ「レッド!……………

っっっ!!!!!!」ギリギリギリィ!!

 

レッドの顔が、著しく曇った……

絶望した顔だ。

それだけで分かる。この青年は、総長

ミシガンを信じていたということだ。

唯一尊敬していた人間への信用を

裏切られてしまった、そのショックは

心中察するに余りある。

そして、ハスミの敵意と手に持つ銃に

更に力がこもる。

今にも撃ちだしそうなほどだ。

 

ミシガン「ほう!メロン女!ようやく職務に

励むつもりになったか!良い心がけだ!!

この女子会が終わった後、今の心意気を

忘れぬよう座禅でも組んでおけ!

…何か言いたげだが、もう女子会は始まっている。

貴様の悪態は後で相手をしてやる。

まずは目の前のクソ生意気な女猫からだ!」

 

セリカ「…………っっっ!!!!

やっぱり、そうなんじゃない……!!

ロニーが侵略を命じたのは、ベイラム本社の

上層部であって、今来ているベイラムの人間は

不本意の侵略だって言ってたけど……!!

その上層部は、あんたに命令して、あんたは

それを了承して……!自分の部下に……!!

結局は!トリニティでやった非道も!!

キヴォトスの人間たちを捕らえて、拷問

したりしたのも!!上層部なんかじゃなく!

あんたの意思で命令してたんじゃない!!

あんた!人の心とかないわけ!?

どうして…!何でこんな酷いことが

出来るのよぉ!!」プルプル

 

ミシガンの非道の意思の肯定に、セリカは

涙を滲ませ、いっそう険しい表情になった。

シロコも、ノノミも、ホシノも、アヤネも、

リンも、アオイも……

そして、ナギサとハナコは完全に憎悪に

染まった目をしていた。

かく言う私も、静かに爆発しそうな

激情が燻っている。

先ほどの、レッドくんの嘆きを見たから

余計だ。

この男は、部下が胸を痛め、涙を流そうと

全く鑑みない。

しかも、こんな、こんな大人になったばかりの

子供にも……!

 

ミシガンは自然と険しくなる私たちの睨む目にも

全く動じず、ジョッキにトクトクと飲み物を

注ぎ、一気に豪快に飲み干していた。

 

 

ドン!

 

 

そして、力強くジョッキを机の上に置くと、

先ほどの苛烈さが嘘のように静かに話す。

 

ミシガン「人の心なら持っているつもりだ。

人の心を理解しなければ、策など弄せんからな。

貴様たちへの非道の命令も戦争だから当たり前

だろう。…と、言いたいところだが、貴様の

質問の意図はそういうことではないのだろう?

……だが、そんなこと(何故出来るのかを)は論じるだけ

無駄というものだ。」

 

セリカ「無駄……?無駄って…!?人を、

罪のない善良な人々に、拷問したり虐殺

する意味を話すのが、無駄って…!!!

あ、んた……それ、本気で……

言ってるの…?」わなわな

 

ミシガン「どうやらはっきりとした言葉が

欲しいようだな?

ならば、はっきり言ってやろう。

貴様らが、この地のムシケラどもが、

泣こうが喚こうが知らん。

ムシケラの気持ちを理解してやれるほど

俺は高尚な精神など持っていない。

ただ、全員等しく歩いて踏み潰すだけだ。」

 

セリカ「っっっっっ!!!!!!

……………あぁ、そう……」

 

ミシガンがにんまりと笑う。

 

ミシガン「もう十分だな? ならそろそろ

このミシガンにも貴様のクソ生意気な

噛みつきを見せてみろ!黒見セリカ!

さっさとしろ!後に控えている生意気

どもがつっかえているからな!!」

 

セリカ「っっっっ!!!!! お前は…!!

絶対に許さない!!!! 

絶対にこのキヴォトスから叩き出して

やるわ!!!!!」

 

ナイルに宣言した時とはまるで比べものに

ならないほどの、怒りを爆発させて

セリカはミシガンへと怒鳴った。

だが、ミシガンは不敵な笑みをまるで

崩さない。相変わらず余裕を感じさせる。

 

ミシガン「なんだ!!クソ生意気が猫耳つけて

歩いていると思っていたが、拍子抜けだ!

これなら子猫の噛みつきの方がまだ効くな!!

20点だ!! もちろん100点満点中だ!

貴様はもっと国語の勉強をして!

罵倒のボキャブラリーを増やしておけぇ!!

よし!!次ィ!!!!!」

 

セリカ「なっ!ふざけたことを

 

アヤネ:ガタッ!

 

セリカ「って、ア、アヤネ!?」

 

アヤネ「セリカちゃんの番は終わりだよ。

今度は私の番。」

 

セリカ(こ、怖い… 過去一かも…!)

 

ミシガン「いかにもイモの臭いが漂ってきそうな

伊達メガネをかけた貴様は奥空アヤネだな?

さて、言いたい事を聞かせてもらおうか?」

 

アヤネ「必要ありません。言いたいことは

セリカちゃんが大体言ってくれましたし、

先ほど全て総長さんが教えてください

ました。

ですので、宣戦布告だけさせていただきます。」

 

ミシガン「ほう!手間が省けるな!

時間感覚に関してはクソ真面目な委員長

なのは素直に感心の言葉を贈ってやろう!」

 

アヤネ「………ロニーさんが、侵略に来ている

ベイラム兵も、不本意だと、やらなければ

自分や大切な人たちの命がないからと

泣く泣く非道行為に手を染めざるを

得なかったと聞きました。

実際、さっきのレッドさんの咽び泣く姿が

ベイラム兵たちの本音なのでしょう。

私も、その姿を見て「許そう」と思いました。

 

……ですが総長さん。あなただけは無理です。

ベイラムには、キヴォトスから立ち退いて

いただきます。 そして総長さん、あなたは

殺します。」ハイライトオフ

 

ミシガン「くどい!!!相手に何か伝える時は

短く30字以内で伝えろと学校で教わらん

かったのかぁ!!!

迫力も足りんな!!15点だ!貴様は!

小学校に行って!読書感想文を提出するところ

からやり直してこぉい!! では次!」

 

ノノミ「では、私が行きます。」ガタッ

 

ミシガン「次は見るからにぬくぬくと

育てられたお嬢様か!!!十六夜ノノミ!

そのふわふわした見た目からどんな言葉が

飛び出してくるか実に楽しみだ!!

呆れさせるなよぉ!!」

 

ノノミ「私は、セリカちゃんやアヤネちゃんの

ように優しくはありませんので〜。

あなたの部下ともども、捻り潰して

あげますよ〜。」うふふ

 

ノノミ「……ですが、総長さんは特別、念入りに

潰しますね? 地獄でも潰れた肉体で十分

苦しんでくれるように。」ハイライトオフ

 

セリカ「ひっ!」

 

アヤネ「あう……」

 

ミシガン「何だ!!見るからに育ちが良さそうな

お嬢様からどんな言葉が出てくるかと期待

していたが、全然パンチが足りんぞぉ!!

国語は出来るか!?辞書は開いたことはあるか!?

声も毒も足りん貴様は10点だ!!!

腹筋しながら!!国語辞典を朗読しておけぇ!!

よし次ぃ!」

 

ノノミ「は?バカにしてます???」

ハイライトオフ

 

ミシガン「やかましい!このミシガンに

生意気な悪態を吐くチャンスは一度きりだ!

分かったらクソつまらん口はチャックして!

さっさと席につけぇ!!」

 

ノノミ「……………」ムカムカ

 

 

スクッ

 

 

セリカ(何これ…?うそでしょ!?

背筋が凍りそうなほどノノミ先輩

低い声出してたのに……)

 

アヤネ(あの総長さん全然怖気づかない……

や、やっぱりベイラムの軍のトップとも

なると、度胸がちがいますね…)

 

シロコ「ん、次は私が行く。百点満点を

叩き出すっ」ガタッ

 

ミシガン「次は能面みたいに顔が変わらん

狼女か!貴様の苗字は何だ!?[すなおおかみ]

などと呼びにくい上に訓読みではないか!!

まぁいい!!それよりベイラム式点呼に

満点を叩き出すとは大きく出たものだ!

面白い!!!このミシガンを

ちびらせてみろ!!」

 

シロコ「ん!上等!!お前たちは、全員

痛い目を見せるっ

特に、お前は絶対に殺す!!!!!」

 

ミシガン「ウハハハハ!短く!実に分かりやすい

宣戦布告だな!! 背伸びして小難しい単語を

使ってこなかったのも好感は持てる!

だが声が小さすぎだぁ!!!!!

貴様のその耳はなんだ!? 今度体育で遠吠え

してみるか!? 貴様は名前を[すなおおかみ]

から[チワワ]へと役所で変更しておけぇ!!

だが、目つきは気に入った。30点くれてやろう!」

 

シロコ「んっ!!!じゃあ腕っぷしで

分からせるっ!」

 

先生「コラコラ!シロコ!!殴りかかろうと

するんじゃない!!」

 

ミシガン「ウハハハハ!威勢もよしか!!!

気に入った!!特別に5点ボーナスしておいて

やろう!」

 

アヤネ「は?」

 

ノノミ「そんなこと認められるのですか〜?

うふふふ、じゃあ私も今から総長さんに

グーパンをプレゼントしてさしあげますね〜?」

 

ミシガン「もう遅い!!貴様は他人のケツを

追うことしかできんか!? 猿でももっとお上品に

振る舞えるぞ!? お嬢様なのに猿もちびる

蛮人とは恐れ入った!! 貴様は5点マイナスだ!!

貴様に必要なのは筋肉より、頭を鍛えること

だったらしいな!!」

 

ノノミ:ブッヅン!!!!!

 

セリカ「ちょおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

ノノミ先輩ステイステイステイイイイィィィ!!!

あっちにはACがある事を忘れないでっ

てええぇぇぇ!!!!!!」ぐぐーーー!!

 

ナイル「……はぁ、ミシガン。いつもの調子は

やめておけ。本当に頭が潰れる恐ろしいグーパンが

飛んでくるぞ?」

 

ミシガン「うわははははははははは!!!!!」

 

ホシノ:ガタッ

 

シロコ「……あっ、ホシノ先輩…」

 

ホシノ「ふぅ、じゃあ今度は私の番ってことで

いいかな?」

 

ミシガン「今度は目がオッドアイの小娘か?

貴様が腑抜け4人のリーダーと聞いているが、

貴様は違うだろうな?小鳥遊ホシノ?

失望させてくれるなよ!!」

 

ホシノ「……あんたの評価なんてどうでもいい。

ただ、お前に伝えたい事は伝えさせてもらうよ。」

 

ミシガン「……………」

 

ホシノ「私は、お前は、なんて生温い事はしない。

さっきのレッドの慟哭で、私も少しは慈悲を

かけようかなとは思った………

でもお前が、そういう(容赦しない)スタンスなら仕方ない。

お前の部下たちにも全員死んでもらう。

もちろん総長さんは確実に殺す。

地獄でお前が殺した人々にも、部下たちにも、

せいぜい呪われるんだね。」ハイライトオフ

 

ミシガン「クククク………ウハハハハ!

声が足りんのが実に残念だ!!!総じて

貴様らアビドスには腹にパンチをお見舞い

してやる訓練が必要みたいだな!!

小鳥遊ホシノ!!貴様には70点をくれて

やろう!! 及第点ってところだ!

これで満足せず!更に精進すること!以上!!」

 

ホシノ「………チッ、大笑いしないでほしいな。

イラついて仕方ない。」

 

セリカ「すっご……… ベイラムの総長から

70点ももらうことが出来た…」

 

ミシガン「次だ!!!今度はどいつがこの

ミシガンに噛みついてみる? 貴様らの反骨

ぶりを採点してやろう!!」

 

リン「…では。総長さんの評価など心底どうでも

いいですがね。」

 

ミシガン「貴様が、学園都市キヴォトスの現代表、

七神リンか。いかにもなインテリだな!

どうだ!?この後ベイラムでこの俺とデートと

いかないか!! もちろんデート代は俺が持って

やろう! キヴォトスの最重要機密を肴に

楽しい夜行会をしてみる気はないか!?」

 

リン「丁重にお断りさせていただきます。

夜を楽しみたいのであれば私のこのお言葉を

持って帰って酒のおつまみにでもなさって

ください。

それと、ベイラムではありません。

……お前たちが居座るその土地は、トリニティの

皆さんの故郷だった場所だ…!

お前たちを許しはしない!!

お前たちが奪った分だけ、お前たちにも

裁きが下ることを覚悟しなさい!

お前たち、星外企業を必ず打ち倒して!

青く綺麗なキヴォトスを取り戻してみせます!!」

 

ミシガン「ウハハハハ!振られてしまったか!!

しかし、仮にも広大な学園都市で頭を張っている

にしては、生意気さが足りんのではないか?

10点だ!!! そんなパンチ力にかける

言葉では酒のつまみになどなるかぁ!!

まるで味のない米を食わされた気分だ!

味も噛みごたえもしない言葉しか振る舞えん

貴様は!!家で本ばかり読まずに!!

少しは腹筋でも鍛えておけぇ!!次ぃ!!」

 

リン:ピキッ!(なるほど、これは本当に

腹立ちますね……)

 

アオイ「じゃあ私が行かせてもらい

ますね。」ガタッ

 

ミシガン「今度はケツのデカい堅物女か。

ケツのデカい女は口が達者と相場は決まっている。

その尻ならこのミシガンに地面を舐めさせる

事が出来るかもしれんな!」

 

アオイ「………あら、あなたは女の胸かお尻に

ばかり目が行くただのチンピラなのかしら?

部下も部下(五花海)なら、トップもトップね。

こんなチンピラに毛が生えたおじいさんに

軍のトップを任せるとは、ベイラムの上層部は

総じて無能の集まりかしら?

女の尻にしか頭のない、あなたの下で働かされる

ベイラムの兵たちも可哀想で仕方ないわね。

死にに行かされるようなものだもの。

それに対して、こちらの指揮官はとても優秀よ。

だって、先生ですからね。

……必ずあなたたちに惨めな敗北を味わわせて

あげるわ。

特に、総長様には公衆の面前で大恥をかかせて

地面ではなく、惨めな死を舐めさせてあげるわ。」

 

ミシガン「ウハハハハハハハハハ!このミシガンが

主演の愉快なショーに案内してくれるとは!

その上ベイラムをここまでコケにしてくれるとはな!

毒舌の点に置いてだけはハナマルをくれてやりたい

ところだ!!

何より1番貴様に敬意を表するのはベイラムへの

宣戦布告の最中に、まさか殿方へ愛の告白を

するとはな!!

本日2度目の転倒だ!このミシガンを驚愕で

転ばせるとは敵ながら実に天晴れよ!!!

文句のつけどころが声ぐらいしか見当たらん!

更に!敵も巻き込んだ上での愛の告白をした根性にも

敬意を表して!120点をくれてやろう!!」

 

アオイ「なっ!?ち、ちがうわ!!いや、

気持ちは違くはないけれど……///」

 

シロコ「……ん、総長。宣戦布告のやり直しを

求めるっ。私なら、もっと情熱的な先生への

告白が出来るっ」ガタッ

 

ノノミ「……私もです。さっきのは聞き捨て

なりません。」ガタッ

 

ホシノ「うへ〜。おじさんも改めて宣戦布告を

させてもらいたいな〜」ガタッ

 

ミシガン「やかましい!!!チキッた負け犬

どもに出る幕などない!!

人生はいつだって一度きりだぁ!!

よく覚えておけ!負け犬どもぉ!!!」

 

シロコ「ん、やっぱり今ここで総長殺す」

 

ノノミ「地獄で後悔させてあげますね☆」

 

ホシノ「お望みなら、今ここで殺してやる」

 

アヤネ「お!落ち着いてください!!」

 

セリカ「ストップストップストップぅぅぅ!!!」

 

先生「こらこらこらこらぁ!!!シロコ!ノノミ!

ホシノ!ステイしなさい!ステイ!」

 

アオイ「……まぁ、悪い気はしないわね。」スクッ

 

ミシガン「さぁ!残るはトリニティの2人か!

貴様らは当事者どもだ! さぞこの俺に

恨みを募らせている事だろう!!

あくびをさせてくれるような宣戦布告だけは

してくれるな!!!」

 

ナギサ「……では、私が行きましょう」ガタッ

 

ミシガン「これはこれはティーパーティーの

ホストのナギサ嬢か!トリニティのトップに

立つ小娘からどんな憎たらしい罵詈雑言が

飛んでくるか期待しているぞ!」

 

ナギサ「ふふふ…… 我々、トリニティは

あなたたちに見事に惨敗しました。

………ですが、私は諦めません。

あなたたちが奪ったトリニティの方たちの

無念を晴らすため、ヒフミさんたちや、

ミカやセイアさん……隣にいるハナコさん

だって、皆さんが、またトリニティで

笑って、平和に暮らせるように、その日が

訪れるためにも………

お前たち、ベイラムは、皆殺しにします。

そのためなら私はどんな手段だって使います。

この命を捨てることになっても、悪魔に魂を

売り渡してでも…!

必ずお前たちを滅ぼし、トリニティを

取り戻してみせます。」

 

ミシガン「……………なるほど、さすがは

巨大な地域でトップを張っているだけの

事はある。

実に宣戦布告のお手本にしたい見事な口上だ。

だが!自殺を口にしたのはマイナスだ!

それがなければ80点をくれてやるところだが、

自分1人だけで背負い込もうなどと考える

大馬鹿野郎にくれてやる点などない!!

反抗の意を表する前に!貴様は家に帰ってママの

おっぱいでも吸ってこい!!!」

 

ナギサ:ビキッ!

 

ミシガン「さぁ!最後は去り際にこの俺に

噛みついてきやがった貴様だ!!!

………と、言いたいところだが、貴様は

聞くだけ無駄そうだ。代わりに助言を

贈っておいてやる。浦和ハナコ。」

 

ハナコ「……………」

 

ミシガン「……貴様はまず何よりも頭を

冷やすことを最優先にしろ。

その顔を見れば分かる。貴様、目的も手段も

理由も復讐する事だけで頭がいっぱい

なんだろう?

そういう顔をした奴が、ロクな末路を

辿った事は見たこともなければ聞いた

こともない。

貴様のような奴はいずれ周囲の者を全て

巻き込んで自壊させる。

敵に抱くべきは憎悪ではなく【敵意】だ。

貴様は内に持つ憎悪を敵意へと転換出来る

ように頭を冷やせ。

もし、それが出来ないようであれば………

自殺しろ。」トプトプ

 

先生「なにっ…!?」

 

ハナコ「……………」

 

ミシガン「まだ貴様に、【友達を思える心】が

残っていればの話だがな。」

ゴクッゴクッ

 

ハナコ「………ふふ、ご忠告ありがとう

ございます。」

 

先生「……ミシガン総長殿、自殺をしろと

言うのは取り消していただきたい。

子供の未来を、根底から否定するのは

やめろ。」

 

私は、今日だけで何度更新したかと思う、

低い声でミシガンに告げた。

そんな私の渾身の怒りにすら全く動じる

事はなく、至って平静にミシガンは

返答した。

 

ミシガン「犬も食わんようなクソな末路を

辿ることになる、分かりきった未来を否定して

何が悪い? 生きてさえいれば無条件で

輝かしい未来が訪れるとでも言うつもりか?

浦和ハナコが歩もうとしているのは、息すら

ロクに吸えん地獄だ。

その地獄を歩んでいくより、踏み入れる前に

自決して、転生後の人生にお祈りでもした方が

よっぽどその女に救いがある。」

 

先生「おまえ…!!

 

ミシガン「だったら、踏み入れればもう戻って

これない扉に入って閉じる前に、何としてでも

その大馬鹿野郎を諭してまともな道を歩かせて

やれ。 それが先生の役割というものだ。」

 

私が怒りで声を張り上げようとするのが

分かっていたかのように、ミシガンは

遮って、逆に私を諭す言葉を投げてきた。

 

先生「……そう、ですね………」ガタッ

 

………私は、頷くことしか出来なかった。

確かにその通りでしかないからだ。

憎しみに支配された道を歩いていっても

ロクでもない末路しか用意されていない

ことぐらいは私とて分かる。

ならば、その道を辿らせないように

私は自らの責務を全うする他にないのだ。

 

ミシガン「……さて、そろそろ貴様の悪態にも

相手をしてやろう。羽川ハスミ。

さぁ!言いたいことがあるなら言ってみろ!」

 

ハスミ「っ…………」ギリ

 

ハスミ「ミシガン総長。私たちが去る直前に

あなたにお会いした時は、正直私はあなたに

好感を持っていました。

あなたの言葉の節々にどこか優しさを

感じられたからです。

ですが…… 先ほどのあなたの言葉と、

……何より、レッドへの態度を見て………

考えが完全に変わりました…!

レッドは……レッドは………!レッドガンを、

あなたを!信じていた!!信頼していたのに…!

あなたは、それを裏切ったのよ!!!

「総長は決して非情ではない」って、レッドの

気持ちを……!!お前は裏切った!!!!」

 

ハスミは爆発する怒りをミシガンにぶつける。

時々怒り狂うハスミを見た事はあるけれど…

これほどの怒りは見たこともない。

それを受けてミシガンはハスミにではなく、

レッドに話しかける。

 

ミシガン「なんだ!G6!この女の言う通り

この俺を「非情ではない」と考えていたのか!?」

 

レッド「………はい。」

 

ミシガン「そうか!だったらこのミシガンに

勝手なイメージを抱くなぁ!大馬鹿者ぉ!!!

貴様はまだハイハイしたての赤ん坊か!?

貴様はいつまで人のケツをしゃぶるつもりだ!?

いつまでもしゃぶっていないで!とっとと自分の

足で歩けぇ!!!」

 

レッド「………はい。」

 

ミシガン「どうした!? むさ苦しさと返事の

やかましさが取り柄の貴様にしては随分と

元気がないではないか!

失恋でもしたか? それとも犬のクソのように

不味いレーションばかり食って腹に力が

入らんくなったか?

………しょぼくれるぐらいなら、貴様の

役立たずな脳みそに血をぶち込んで

暴れ狂ってみせたらどうだ?」

 

レッド「…………」ギリッ

 

ミシガン「なんだ?クソ生意気な目を向ける

だけか? 噛みつきすらしないか?

であるならば、目の前の生意気なクソガキ

どものほうが、まだ見どころはあるぞ?」

 

 

ハスミ「いい加減にしなさい!!」

 

 

ミシガンとレッドの会話に、ハスミが

大声で怒鳴って割って入る。

……気持ちは分かる。私も、そろそろ

限界だったから。

 

ハスミ「少しぐらい…!少しぐらい!!

部下の!レッドの!!!!気持ちを考えたら

どうなの!!?? 軍では甘えた事なのかも

しれないけど…! それでも!それでも!!

あなたを憧れて、慕ってくれている部下に…!

人情をかけるぐらいの事はしたら

どうなの!!??」ぐすっ

 

目に涙を滲ませながら、ハスミはミシガンを

強く非難する。

 

……そろそろ静観をやめる頃合いだろう。

私も、この男に…"他者を、子どもすらも

使い潰す【悪い大人(ミシガン)】"に物申さなければ

気が済まない。

だが、私が話そうとする前にミシガンの方から

私に声をかけてきた。

 

ミシガン「……さて、おままごとは終わりにして、

女子会のメインディッシュと行こうではないか?

シャーレの先生とやら、貴様とは『ガキではなく

大人として相手をしてやろう。』

さぁ、楽しいおしゃべりの始まりだ。」

 

ニヤリと笑って私に強い眼光を突き刺してくる

ベイラムの総大将、ミシガン。

私は、奴に促されるままに静かに、怒りを

込めてミシガンに言葉をぶつける。

 

先生「まず始めに、総長さん。いい加減に

してもらいたい。あなたには、【大人】

としての責任はないのですか?

あなたにとって、あなたを慕う子どもさえも、

ただの道具としか目に映らないのですか?」

 

私の、怒りにミシガンも言葉を返していく。

ここから、私とミシガンとの口論が繰り広げ

られることになる。

 

ミシガン「俺を慕う子どもだと? それは

誰のことを指しているのだ? レッドガンに

ガキなどおらんぞ?」

 

先生「すぐそばにいるでしょう? レッド

くんです。あなたは、今まさに輝かしい

未来を歩もうとする、大人となったばかりの

子どもをあなたがたベイラムの都合で

使い潰そうとしている。

大人なら、子どもの未来を守るべきと

責任を持つべきとはお考えにはなられない

ですか?」

 

ミシガン「……それは、レッドは若輩だから

特別扱いしろと言いたいのか?」

 

先生「……そういうわけではありません。

ただ、彼はまだまだ成人したての、若者です。

もう少しぐらいお気にかけてはいかがかと。

それ以前に、あなたはベイラムの都合で

このキヴォトスへの侵攻することを良しとした。

……この点においてはこの際構わないと

しましょう。あなたとて、仕方のない事情が

おありだったのでしょう。

あなたの部下を侵略に引き連れてきたことも、

納得はいかないですが、これも仕方がないと

思います。

ですが…… 何故トリニティへの非道の数々を

わざわざ命令されたのですか? あなたの言い分

であれば、ベイラムの上層部に強要された

わけでもないにも関わらずです。

百歩譲って……私たちへの慈悲はお持ちでない

ことは飲み込みましょう。戦争とはそういう

ものなのでしょうから……

しかし…しかし、その非道を行う部下たちへの

気持ちぐらいは想像はつくでしょう?

もっと、やり方があったのではないのですか?

それとも身内の心情すら理解する気もないほどに

あなたの血は凍っているとおっしゃりますか?」

 

ミシガン「……貴様はやはり甘えている。

敵に可哀想などと、情けを持ってどうする?

憐憫で任務を遂行出来んなど本物の役立たずだ。

『そんな奴』など荷物をまとめて、とっとと

レッドガンからも、ベイラムからも叩き出す

だけだ。『戦場でベイラムに泥を塗るような

大間抜けを晒す前にな。』」

 

レッド「……………」

 

先生「………そうですか。どこまでも、

あなたは自分たちの体裁だけが大事だと。」

 

ミシガン「………そういえばまだレッドの扱いに

関して答えてやっていなかったな。」

 

先生「……是非、お聞かせ願えますか?」

 

ミシガン「大人というものは、【子どもを

守ってやる責務がある】と俺は考えている。

もちろん、自分の手が届く範囲ではあるがな。」

 

先生「……は?」

 

ミシガン「何を素っ頓狂な声をあげている?

そう考えるのはそんなに不思議か?

別に人間だけに限った話ではないだろう。

猫とて象とて、子どもを最優先に守る動物と

いうものは世界にありふれている。

ならば【子どもの未来を守る事は、大人の

責任】というのは、世の理のはずだ。」

 

ハスミ「その、言葉は……ヤマカワさんたちが

発した……!!」

 

先生「っっっっっ!!!!!ふざ、けるな…!

なら……だったら!!何故!!!レッドくんへの

対応が

 

ミシガン「レッドはもう【大人】だろう。」

 

先生「ちがう!!彼は!!20歳を迎えたら、

大学を卒業したら、大人だからと!!

そんな世の中の理屈で理不尽と責務を

負わされ未来を奪われるかわいそうな

子どもだ!!」

 

ミシガン「そうだ。レッドは22年もこの

世の中で生きてきている、【大人】だ。

産まれてから20年経って、成人したならば

そいつはもう大人として扱われるべきだ。

例外など存在しない。」

 

先生「っっっ!!だけど…!」

 

ミシガン「大人には大人の責任があるが、

子どもには子どもの責任がある。

何だと考える?」

 

先生「……は? 子どもに、責任だって?」

 

ミシガン「【子どもの責任】とは、何だと

貴様は考える?」

 

先生「そんなものなんてない!!」

 

ミシガン「それが貴様の答えか……。

人には考えはそれぞれあって然るべきだ。

貴様の答えをとやかく言うつもりはないが…

俺にはある。

子どもの責任とは、【健やかに育つこと】と

俺は考えている。」

 

先生「………?どう、いう……?」

 

ミシガン「子どもは、大人に守られた環境で

健やかに、だ。決して何も考えず、あくびして

いればいいわけではない。

健康に、勉強して、将来を考え、責任感を養い

思考して…… これが【健やか】だ。

そうやって、子どもは育っていくべきだ。」

 

先生「……………」

 

ミシガン「健やかに育てない環境にしたならば

それは【大人】に責任があるだろう。

だが、誰に横槍を入れられたわけでもなく、

不自由なく成人するまで育つ事が出来たのならば、

そこから先はもう【そいつ】自身の責任だ。

成人するまでの[20年]の間に考える暇も、

努力をする時間も、何かを試してみる機会も

十分に与えられていたはずだ。

そうして、初めての【責任ある選択】の先に

待つ、理不尽に直面したからと言って、

「私はまだ成人したての子どもなんです」なんぞ

甘えた駄々は通らん。

何故ならば、そいつには選択を熟慮するに

足るだけの年月は過ごしてきているからだ。

つまり、成人したてだったろうがなんだろうが

レッドは【大人】としてベイラムのレッドガンに

入隊する事を選択し、その場所が自身の理想と

違ったからと駄々こねて責任を放棄する真似は

もう出来ない。

レッドには、子どもでいていい期間はとっくの昔に

終わっている。」

 

先生「世間一般的にはそうかもしれない……

しかし、実際はこの理不尽で、悪い大人たちが

蔓延る世の中で選び、生きていくには思考出来るに

足る経験があまりにも不足している!!

【子どもの世界】と【大人の世界】はあまりにも

残酷さが違うんだ!!

その【残酷な(大人の)世界】に初めて飛び込み、生きていく

人間を!導く義務が【大人の世界】で生きてきた

私たち大人にはある!

選択をやり直す機会を与えるのも先達である大人と

しての負うべき責任だ!

あなたはその立場に立っているだろう!!」

 

ミシガン「………先生、貴様はやはり甘い。

『残酷』なほどにな。」

 

先生「……なに?」

 

ミシガン「貴様は神か何かかと聞いている。」

 

先生「何故そうなる?私は至極真っ当なことを

言っているつもりだ。」

 

ミシガン「あぁ、そうだな。貴様のその考えは

絵に描いたように素晴らしい大人だ。

上のクソ狸どもに聞かせてやりたいほどだ。

だが、その論理がどれほど正しかろうと

所詮は『理想』に過ぎない。

それもケツの青いガキが描くお絵描きのようなな。

貴様の論理に則って話すならば、そんな理想を

語っていいのは【子ども】までだ。

そして、貴様もまだまだ青臭さが拭えんとは言え、

そいつら(キヴォトスの子どもたち)を導く立場にあるのだろう。

貴様こそ、夢見る子どもの時間はもう終わっている。

大人としての責任とほざくならまずは【現実】を

見ろ。」

 

先生「どうして……私の言った事が理想と

なるんだ!? 大人なら!!当然の

 

ミシガン「その当然は貴様にとっての当然だろう。

当然という言葉を貴様の主張と置き換えるな。

……もういい。ここには【女子会】をしに来て

いるんだ。『遠足』に来ているわけではない

からな。」

 

先生「っっっ!!!………」

 

ミシガン「……はぁ……………。そうだな。

一つぐらいは貴様の主張とやらに頷いてやると

するか。

【大人の世界に飛び込んだばかりの子ども】は

『導いて"やる"』という点だ。」

 

先生「っっっ!!!!!ふざけるな!!!!!

大人の世界に飛び込んだばかりの子どもは

導くべき!!??そこに頷く!!??

だったら…だったら!!!!何故すぐ隣にいる

レッドくんを導くことをしない!!??」

 

ミシガン「貴様は血気盛んなクソガキか?

よく聞け。導いて『やる』と言ったんだ。」

 

先生「……???何が言いたいんだ…!」

 

そうして、ミシガンは、はあああぁぁぁぁ、

とドカッと深いため息を吐いた後、私への

答えを、『レッドの方に向いて答えた。』

 

ミシガン「先生、貴様が言う【導く】とは

何だ?どこの道へだ? 正しい道か?

悪の道か? ……この2つだけで考えても

結局はそいつが導かれる先は【導く者】に

左右される。

導く者が善い大人ならば、導かれる者を

想って導いてくれるかもしれん。

だが、貴様自身も言ったはずだな?

この世の中は【悪い大人】が蔓延っているとな。」

 

先生「!」

 

ミシガン「性根の腐った野郎ほど【導いてやる】

などと体のいい文句を謳って使い潰してくる

ものだ。【導く】という言葉は耳触りが良く

聞こえるがな、その本質が【利用】という意味にも

簡単になり得る。導く野郎次第でな。

そして決まって、被害に遭うのは

【大人になったばかりの若者どもだ。】

クソガキならまだいい。貴様のような

【保護者】の手の中にあり、守ってくれるからな。

だから、【保護者】の手から離れ、子どもから

大人になったばかりの人間を標的にするものだ。

【悪い大人】はな。」

 

そうして、ミシガンはまた私の方へと

向き直る。

 

ミシガン「敵である俺が貴様に物申す義理も

なければ、差し出がましいつもりもない。

……ないが、独り言をしゃべるぐらいは

いいだろう。

過保護なのはいいがな、それを優しさやら

大人の義務やらと履き違えるな。

もし、貴様らキヴォトスがベイラムも

アーキバスもこの地から叩き出したとして、

貴様がそのクソガキどもを本当に想うならな…

貴様の手から離れても、世のクソ野郎どもに

使い潰されんようにしてやれ。

そのためには湧きあがる感情に振り回されず、

【一旦立ち止まって、考えろ。】

【思考力を養え。思考することを怠るな。】

散々貴様は俺に【大人としての責任】と

説いてきているのだろう?

そんな【大人】まで感情を撒き散らしていて

どうする。

教え、導く者はいつだって最前線で実行する

役割だ。

まずは貴様が少しは冷静になって、考える

ことを実践してみせろ。」

 

先生「………………」

 

ミシガン「その事は、今だって重要な事だろう。

リーダーは誰よりも考え、常に頭を働かせて

いるものだ。 【下の者】が大切ならなおさらな。

そもそも---ー---

 

【人生とは、そういうものなのではないか?】」

 

先生「…………………」

 

私は、最初の勢いも消え失せ、情けなく何も

言えなくなってしまった。

ミシガンの言葉に対する反論が何も浮かばない。

私自身、ミシガンの言葉が心の底の底まで

響いて、頷く事しかできない。

そもそも、私は先ほども隣の副官、ナイルに

怒りを誘われて、深く考えることを放棄する

という愚行を犯したばかりじゃないか。

 

私が黙りこくってしまったのを見てか、

ミシガンはまた、はぁ、と一息吐き

 

ミシガン「全く、ここへは遠足に来たの

ではない……

さぁ!『こいつ』を飲んで女子会の仕切り

直しだ!!」

 

生徒たちと接していた時と同じような

やかましい調子へと戻った。

 

 

トクトクトク……

 

 

ミシガンは先ほどから飲んでいる『飲み物』

ジョッキに注ぐと---ーー

 

 

トクトクトク

 

先生「……………」

 

 

私の目の前に置かれているグラスにも

自分が飲んでいる『飲み物』を注いできた。

 

ナイル(…………まさかな…)

 

ミシガン「さぁ!愉快な大人同士!!

豪快に飲み干すぞ!!」

 

そう言って、ミシガンが先に自分の

ジョッキに注いだ『飲み物』を豪快に

飲み干した。

 

ミシガン「ふぅ…… さぁ貴様も早く飲めぇ!」

 

先生「……では、ご相伴にお預かりします。」

 

私はミシガンの促しに応え、グラスに注がれた

『飲み物』を飲む。

-------しかし、ひと口含んだところで

 

先生「っ!!??ぶおっ!?ぶぉっふぉ!!!

げほっ!!!ごっほ!!!!」

 

ナイル「!!!!」

 

あまりに強烈な甘ったるい苦味と、

喉が焼けるような灼熱で私は盛大に

咳き込んでしまった。

こ、これは……!いや、しか、し……?

 

ホシノ「せんせえ!!?? どうした

 

周りの生徒が血相を変えて私の状態を

見るより前に

 

ナイル「ちょ!ちょっと待て!! そいつを

よこせ!!」

 

敵方のナイルの方が私たちよりも血相を変えて

私からグラスを取り上げ、注がれた『飲み物』に

鼻を近づけて匂いを嗅いだ。

 

ナイル「うぉっほ!!ごほっ!!!………」

 

その匂いを嗅いだナイルも実際に口に含んだ

私ほどではないが、大きく咳き込んだ。

 

ミシガン「なんだ!!飲み干すどころか

たったひと口含んだだけでギブか!?

貴様ぁ!それでも男か!?

それに堅物野郎!!貴様の方もなんという

醜態ぶりだ!! 匂いを嗅いだだけで

咳き込むとは!! タマはついてるか!?

散々奴らを小馬鹿にしていたようだが、

貴様もお子ちゃまだったか!?

答えてみろ!!G2!!」

 

ニヤニヤと笑いながら、私と……どちらかと

言えば、ナイルの方に向けて怒号を飛ばす

ミシガン。

すると、ナイルはプルプルと震えだし、

沈着な雰囲気から一転、大きな怒声で

ミシガンに抗議する。

 

ナイル「ミシガン!!!!!きさまぁ!!!!

まさかと思ったがやっぱりかぁ!!!!!!

お前!そのボトルに入っているのは【ウォッカ】

だろう!!??しかも度数50%超えの!!!!

なんてものを飲ませて…いや!!持ち込んで

いるんだ!!!」

 

先生「はぁ!!?? 度数50%以上の

ウォッカぁ!?」

 

レッド「えぇ!!??」

 

いや!強い酒だとは思ったけど!!

この総長!なんてもの飲ませてくるんだ!?

いや!!というか!!この総長!?

ついさっきも!今までずっとあのボトル

注いで飲んでいたよね!?

という事はずっとあの劇薬を…!!??

というか!というか!!ついさっきもイッキ飲み

してたのに何でケロッとしているんだこの人!?

 

シロコ「ん……ぅ……? なんとなく強いお酒

ってのは分かるけど……」

 

セリカ「そんなに強いの?」

 

リン「いやいやいやいや!!!強いどころじゃ

ないです!!50%超えのウォッカとか

ほとんど毒物ですよ!!」

 

ホシノ「うぇ?お酒飲んだことあるの?」

 

リン「ないですよ!!ですが知識としては

知っています!!普通は5度前後で飲むもの

ですよ!!」

 

アオイ「この人!この会談中ずぅーっと飲んでた

わよね!? 何で平気そうなの!!??」

 

ホントダヨ!!どうなってんの!?

この人本当に人間!!??

 

ミシガン「何を言っている!!堅物野郎!!

これは大人の女子会だ!! ならば飲み物は

酒と相場が決まっているだろう!!」

 

ナイル「酒じゃない!!これは毒物だ!!

水も氷も入れずシラフで飲めるのはお前だけだ!

先生!すまなかった!このバカの無茶に付き

合わせてしまって……

こっちを飲め。こっちは度数3%ほどの

ぶどう酒だ。飲みやすくて評判のベイラムの

名産だ。」

 

 

トクトクトク

 

 

ナイルは私のグラスに注がれたミシガンの

毒物(ウォッカ)を砂漠の土へと捨て、

自身の手元に置いてあったボトルから

私のグラスに注ぎ直した。

それを見たミシガンがより一層怒号を

強める。

 

ミシガン「なぁ!!??こんの堅物野郎がぁ!!

なんてことをしやがる!!!

そいつは中々手に入らん銘酒だぞ!!??

砂に捨てるなんてどれほど罰当たりか

分かっているのかキサマぁ!!

それに何を注いでやがる!!そんな名産の皮を

被ったベイラムの生ゴミなんぞ注ぐなぁ!!

ジュースなんぞ注いだら本当にただの女子会に

なるではないか!馬鹿野郎がぁ!!」

 

ナイル「ジュースじゃない!ベイラムが誇る

立派な名産のぶどう酒だ!

お前が飲むウォッカこそ酒の皮を被った毒物だ!」

 

ミシガン「大馬鹿野郎!!40%にも満たん酒など

断じて酒ではない!!ジュースだ!!

しかもその生ゴミは度数たったの3%しかない

果汁100%ジュースではないか!

転じてこいつは度数58%の銘酒【極楽地獄】だ!

こいつの価値がその生ゴミの何倍の価値があるか!

堅物のカッチカチの頭で計算してみろ!!」

 

ナイル「ごじゅうはちっ!?

…………あぁ、答えてやる!!

そいつはこのベイラムが誇る銘酒【アサヒ】と

比べることすら出来ん生ゴミだ!価値ゼロだ!

何が【極楽】だ!!考えられん!!

【アル中バカ地獄】とでも改名しろ!!」

 

ミシガン「答えになっとらん!!俺は計算しろ

と言ったのだ!! 貴様は耳がついているのか!?

それとも人間の言葉が解らん猿か!?

そんな体たらくでベイラムの参謀を務めている

とはお笑い草だ!!!」

 

ナイル「価値がないものを計算なんて出来るか!!

ないから0だ!!貴様こそ知っているか!?

0は何を掛けても0になるんだぞ!!

小学2年生でも知っているぞ!?

貴様こそ!ベイラムの総長のくせして掛け算も

出来ないとはな!! 総長などという上等な

肩書きは降ろして小学生として小学校で

算数の授業をやり直してきたらどうだ!?」

 

ミシガン「ぬあぁぁにいいぃぃぃぃ!!??」

 

セリカ「…………ぷっ」

 

アヤネ「セ、セリカちゃん…… 気持ちは分かる

けど……ふふっ」

 

ミシガン「ん?吹き出しやがったのはお前か!

黒見セリカ!」

 

セリカ「やっば!聞こえてた!!」

 

ミシガン「見た目にそぐわない生意気ぶりだな!!

大人のままごとに参加したいか!!よかろう!!

貴様もこの脳みその芯まで鉄で出来たカッチカチの

堅物野郎に、このクソ野郎が行った愚行がどれほど

罪深いものか!貴様の得意な右ストレートを

1撃お見舞いしてやれぇ!!」

 

セリカ「………………」ニマ

 

セリカ「ふふん!総長さん〜? 副長様は

価値ゼロって言ったんですよ〜?

あんたこそちゃんと聞いてたの〜???

それともゼロって言葉知らない!?

小学生でも知ってるわよ!?

算数の授業を受ける前にまずは文字のお勉強

しないといけないわねぇ♪

文字が分からなかったらそもそも計算なんて

出来るはずないもんね!

私の小学校時代の国語の教科書あげようか?

ミシガンさん〜???」ニマニマ

 

ミシガン「貴様ぁ!!耳はついているのか!?

その目立つ猫耳は何だ!?飾りか!?

堅物野郎の味方をしてどうする!!」

 

ナイル「黒見セリカ、すばらしい慧眼だ。

ミシガン、知ってるか? 弁護士は被告人に

擁護出来る点がなければ降りるんだぞ???

どうやらセリカ嬢はその点はちゃんと理解

しているらしい。

お前の頭は目の前のセリカちゃんより下で

ある事が証明されたな?

そういえば、セリカ嬢にテストの点数を聞いて

いたが……」チラ

 

セリカ「ふっふふー♪ ねえねえ!総長さんこそ

小学校のテストどうだったの?

0点だった?あ!もしかしてマイナス行ってた!?

教えてよ!ミシガン総長ぉ!」

 

ミシガン「うるさいぞ!堅物野郎!!

そして黒見セリカ!何と憎たらしい野郎だ!

猫はかわいいのが常識だろう!!」

 

アヤネ「もう、ダメだよ〜セリカちゃん?

総長様はゼロって言葉をご存知ないんだからぁ♪」

 

セリカ「あっ!そっか!!ごめんね!」

 

ミシガン「何だとっ!?イモ眼鏡ぇ!!」

 

アヤネ「総長様の行った事はアルコール

ハラスメントと言って、最低な行いなんですよ?

辞書でお調べに…… あっ!ゼロって言葉を

知らないぐらいなのに辞書なんて読めるはず

ありませんでしたね!

ですが、私自信ないです…… 脳みそがスッカスカの

総長様に30字以内でご理解いただけるように

説明出来るかどうか……」にぱあああぁぁぁ!

 

ナイル「どうやらうちの総長には国語の

授業が必要だったらしいな。

どうだ?ミシガン?アヤネ嬢に絵本でも

読んでもらったらどうだ?

俺はごめんだぞ? 貴様の脳みそに仕込むのは

骨が何本あっても持たないからな。」

 

ミシガン「堅物野郎の子守唄などこちらから

願い下げだ! そのクソみたいなカッチカチな

声で童話を聞かされたら俺の脳みそが爆発

してしまうわ!

そして奥空アヤネ!絵本を読み聞かせるなら

せいぜい俺を飽きさせないようにしろ!

退屈な語り口だと俺はお昼寝してしまうからな!」

 

アヤネ「無理です☆」にぱっ

 

ノノミ「うふふふ〜。ミシガンちゃん〜?

文字は読めまちゅか〜?ひらがなは書けまちゅか〜?

ばぶちゃんは幼稚園に行きまちょうね〜?」ニコニコ

 

ナイル「ほら、ばぶって言ってみろ?」

 

ミシガン「ばぶぅ!ばぶぅ!これで満足か!

堅物野郎! 軍のトップに赤ちゃんの真似事を

させるとは! G2!貴様はベイラム更生促進

収容所更迭ものだ!

目の前の野蛮なお猿と一緒に!動物園に

ぶち込んでやろう!!

十六夜ノノミ!貴様はウッキーと言ってみろ!」

 

ノノミ「こんの……!!」ビキキ

 

ナイル「はっはっはっ!!!おい十六夜ノノミ!

このばぶちゃんは自分が文字が読めないどころか

ひらがなも書けない、産まれたての赤ちゃんほど

の知能しかないことを認めたぞ!!

何を青筋立てている?この赤ちゃんの言葉を

理解したのかな?

だとすれば、良い母親になれるな。

だが、青筋を立てるのはみっともないぞ。

我々は良識を持ったゆとりある人間だ。

赤ちゃんの癇癪ぐらい大目に見てあげるのが

余裕ある人間の振る舞いじゃないかね?」

 

ノノミ「………うふふふ〜!何だかナイル

副長さんは好感が持てるようになってきました〜。

ですが、私には難しいですね〜。

この赤ちゃんはお猿さんよりよっぽど乱暴かつ

嗜みがありませんので☆」ニコニコ

 

ミシガン「ウハハハハ!様になって来たでは

ないか!十六夜ノノミ!!こちらの頭も

温まってきたぞ!これは採点の見直しが

必要か? その調子でもっと精進することだ!

 

さぁ!そろそろこのミシガンにも援軍が欲しい

ところだが、誰か名乗りを上げるものは

いないのか!」

 

シロコ「ん、お酒の事はよく分からないっ。

なので私はミシガン総長の援護する。

そして声だけが取り柄の下品な総長を

後ろから撃つっ」

 

ミシガン「ほう!助勢の振りをして俺の

後ろを取るか! 中々頭のキレる小娘だ!

だがその前に!貴様は名前の変更をしておけぇ!

特別にこの俺が貴様の新しい名前を書いて

やろう!

 

スラスラ……

 

【チワワ マッシロコ】ドン!

 

シロコ:ビッキィ!!

 

さぁ!これで役所に提出するだけだな!

その後はこのミシガンが直々にしごいて

やろう!

何からやるか!?ワンと吠えて一周お回りする

ことから始めるか!?」

 

シロコ「………私は狼っ、総長の首元を

噛みちぎる!」

 

ミシガン「狼だと?よし!貴様の演習内容が

決まったな!今度山に遠足に連れていってやろう!

頂上で発声練習だ!アオーンとな!」

 

シロコ「んうぅぅぅぅ!!#####」ビキビキ!

 

ホシノ「……えーと………」

 

セリカ「ホシノ先輩!何かこの総長に言って

やって!」

 

アヤネ「お願いします!」

 

ノノミ「私たちに続いてください〜!」

 

ホシノ「うぇ!?………え、えっと……

総長さんのバカ!下劣!え、えーとおぉぉ……

エ!エロ親父!」

 

セリカ「ズコッ!ホシノ先輩!何その罵倒!」

 

アヤネ「小学生ですか!?」

 

ノノミ「ホシノ先輩、それはないですよ〜!」

 

ホシノ「いや!だ、だって!いきなりこんな

ノリになるなんておじさん思わなかったもん!?

急に罵倒の言葉なんて出てこないよぉ!」

 

ミシガン「どうやら国語辞典が必要なのは貴様の

ようだな? 小鳥遊ホシノ!そんな体たらくで

アビドス高校のリーダーとは片腹痛いぞ!!

ちょうど貴様の2つ隣にケツのでかい適任な

講師がいるではないか!

負け犬らしく毒舌を鍛えてもらえばどうだ!?

ついでに尻の大きさも見習っておけ!」

 

ホシノ「あははは☆………本気でここで

この人殺していいかな?」にっこり

 

ナイル「ミシガン、お前は彼女たちの

淑女らしいお淑やかさを教えてもらえば

どうだ?

少しはお前の下品も直るかもしれんぞ?」

 

リン「無理でしょう。総長に知性という

ものを感じませんから」にっこり

 

アオイ「第一、上品な総長さんなんて

吐き気がしませんか? 私は気持ち悪くて

想像すらしたくありません。」ニコ

 

ナギサ「まだ犬の方が上品という言葉は

似合います。犬は躾ければちゃんと

行儀良くなりますが、ミシガン総長は

無理でしょう。

どうやら犬より教養をお持ちでないよう

ですから!」ニコニコ

 

ナイル「はっはっはっ!そうだったな!!

確かにミシガンがほんの少しでも上品に

なったのを想像すれば、胃の中の物が

全て逆流してきそうだ!」

 

シロコ「ミシガン総長にはワンワン吠えて

いる方が似合ってるっ」

 

ホシノ「だめだよ〜シロコちゃん。

犬に失礼だよぉ!」

 

シロコ「あっ、そっか。ごめんね。犬に。」

 

セリカ「おっさんの頭は役立たず!」

 

ミシガン「おっさ!?………」

 

ナイル「ぶっ!………わはははははは!!!」

 

アヤネ「ふふっ……おっさんはお下品です!」

 

ノノミ「おじさん〜?ウッキーと言ってみて

くださいません〜?」

 

ミシガン「…………ウッキー! 貴様ら、

ここぞとばかりに攻勢に転じおって……

好機を見定める目が鋭いものだ!

G2!これはキヴォトス防衛委員会は

中々骨がある相手ではないか?」ニヤリ

 

ナイル「ははははは!そうだな!

油断していれば地獄を歩くことに

なるのは俺たちになりそうだ。」

 

ハナコ「……………」

 

ハスミ「……………」(何ですか?これ…)

 

先生「……………」

 

何を、考えているんだ、私は………

この一連の生徒たちとの談笑を見て……

私は、この男(ミシガン)が…………

惑わされるな…! いくらユーモアな

男とはいえトリニティに非道を行い、

部下の気持ちを鑑みない男だぞ……!

その事実は変わらない!

 

ナイルが自らのグラスに手元のお酒を

注いだ時だった

 

レッド「っっっ!!…いい加減にしてください

ミシガン総長、ナイル副長……!」プルプル

 

レッドが、上官にあたる2人に抗議の意を

示した。

 

ミシガン「……なんだ? お行儀良くお座り

しているだけのクソ面白くないイヌコロと

話しても場が白けるだけだ。

貴様はもう黙ってお座り……

 

 

ダァン!!!

 

 

先生「っ!!??」

 

ミシガン「!」

 

ナイル「!」

 

ハスミ「レ、レッド!?」

 

あの、レッドが…… グラスと酒瓶がひっくり

返るほどの力で机を力強く叩いた。

 

レッド「酒!?何故酒など飲むのです!!

どうして危害を与えた彼女たちの前で

嗜好品などを嗜めるのですか!!??

先ほどから女子会女子会とおっしゃってますが!!

これだって大事な軍事会議でしょう!!!

総長も副長も!!! 軍事作戦中は一滴も

酒など飲まなかったはずです!!

それなのに……どうして……よりによって!

どうして彼女たちの前で酒など飲めるの

ですか!?」

 

ミシガン「……………」

 

レッド「敵方のシャーレの先生が、自分の事を

案じていましたが…… それはいいでしょう。

自分は軍に仕えておきながら、甘さを捨て

きれない未熟者に違いありませんから……

ですが、彼は、彼女たちは違うでしょう!!

彼女たちは!この地で昨日まで平和で

幸せに暮らしていた善良な人々です!!

それを……ベイラムは……ミシガン総長!!

あなたは奪ったのではないですか!!!!!

命令されたからと言って!自分も同罪だ!!

それについて総長を非難する事はとても

出来ません!!

ですが……ですが…………彼女たちの気持ちを…

涙ぐらいは流してやったらどうなんですか…!

酒など飲んで……!

総長も!副長も……!本当に人の気持ちが

分からないのですか…!?

自分に、私たちに…見せてくれた温情は嘘だった

のですか…!?

本当に……血が凍っている、と………」

 

 

ボロボロボロボロ

 

 

大粒の…悔し涙を……レッドは流す……

私は目頭が熱くなる。

やはり、レッドは真面目かつ正義心に満ちている。

自分だって、辛くてたまらないだろうに

敵である私たちを慮ってくれている。

そんな……優しく、善良な好青年なのに……

その(憐憫と裏切り)は、不憫でならない……

 

ミシガン「………ククククク!!」

 

ナイル「…………………」グビグビ

 

レッド「………?」

 

先生「?」

 

ミシガンが突然微笑を漏らした。

私は何だと思い、少し様子を伺うと

 

ミシガン「ウワーハッハッハッハッハッ!!!」

 

大声で、笑い始めたのだ……!

この、男は……!!

 

レッド「!!!!!! 何が…何がおかしいと

言うのですか!!??」バン!

 

レッドが大きな怒声をあげる。

さっきよりも一際大きい、渾身の怒りだ。

だが……ミシガンは、彼の嘆きにも

『いつもの調子を崩さず』やかましく

言葉を返した。

 

ミシガン「うわはははははは!これが笑えずに

いられるかぁ!! G6!貴様は我が

レッドガンに相応しくない、お行儀良くワンワン

鳴くだけのまさに飼い犬かと思っていたが!

この俺にここまで噛みつくとはな!

やれば出来るではないか!

それでこそ役立たずだ!!!

だが!まだまだ牙の研ぎが足りんぞぉ!!

これで満足せず!もっと牙を研ぎ澄まして

おけぇ!!

言っておくが!貴様のような役立たずが

どれほど牙を尖らせたところで!!

このミシガンの手を焼かせることは

出来ん!!!

レッドガンの役立たずどもがどれほど

束になろうがこの俺の歩みは止められん!!

例え地獄の業火だろうが!!このミシガンを

焼いても焼いてもバーベキューにする事は

絶対に出来んわ!!!!

 

分かったら!!貴様はイグアスに牙の研ぎ方でも

教わって!!俺ではなく本部の狸どもにちびっ

ちまうぐらいのキンッキンの牙を見せつけて

みろぉ!うわあっはははははは!!!」

 

豪快に大笑いする、ミシガン。

改めて、この男は……『レッドの、部下の

嘆きを、心情すらも、歯牙にもかけないと

宣言した……』

 

レッド「っっっっっうぅ!!」ギリィ!ポタポタ

 

ハスミ「レッドぉ……」ぐす

 

先生「レッドくん……!!」ギリギリ!

 

セリカ『…………?』

 

『全員』が、改めてミシガンへの敵視が強まる。

そして、静観していたナイルも『我慢出来なくなった

のか』、ミシガンを嗜める。

 

ナイル『………ミシガン、煽るな。レッドは

ベイラム軍として、誇れる模範兵だ。

素直かつ真面目に上官の命令を遂行してこそ

軍に仕える兵士としてあるべき姿だ。

レッドの姿勢はベイラムとして正しい姿だ。

 

セリカ(…………あれ?この副長さん、何で

『私たちやレッドの方を向いて……』)

 

ナイル「そして、レッド。貴様は『上官への

不敬罪』で囚われたいか?」

 

レッド「………は、い…………」

 

ハスミ「…………」ギュウウウゥゥゥ!!!

 

先生「………………」

 

ナイル『私やミシガンに噛みつくのは別に構わんと

しよう。お前程度の軟弱者の戯言など私たちは

取るに足らん。

だが、貴様程度の木端の兵士がベイラム本部と

やり合うだと?

私の頭を飛び越えようとは。自惚れが過ぎるぞ。

上層部とやり合うのは私とミシガンだ。

お前は私かミシガンの言うことだけを聞いていれば

いい。上層部のことなど貴様程度が気にするもの

じゃない。』

 

そして、ナイルは私の方へと向き

 

ナイル『お前も、下の役立たずたちも、俺たちに

使い潰されるために存在しているのだからな。』

 

先生「!!!!!!!!」ギリギリギリ

 

ハスミ「っっっ」プチッ

 

その、言葉は、私の琴線を完全に切る言葉だった。

結局は……このナイルも【同類(悪い大人)】だったと

いうわけだ………

自分のために、部下を、若者を、……そして子供を

利用し、使い潰す。

人を人とも思わない、心が鉄で冷え切っている

吐き気がするクズ野郎たちなんだ……

 

ミシガン『………ナイル、貴様はホントにいけ好かん

野郎だ。』

 

ナイル『お前は甘すぎだ、ミシガン。』

 

ミシガン『貴様が言うか。』

 

ナイル「はははは、『そうだな。その通りだな。』」

 

レッド「……………ご無礼を働きました。

申し訳ありませんでした… ナイル副長、

ミシガン総長。」

 

ナイル「………あぁ」グビッグビッグビッ

 

ミシガン「俺には謝らんでいいぞ?G6。

貴様の悪態など片腹が……

 

 

先生「もういい。」

 

 

もう、こいつらには何を言っても同じだ。

 

ハスミ「………レッド、ごめんなさい。

これほど蔑ろにされても、あなたにとって

この方たちはやはり大切な存在なのでしょう。

あなたが、望まない事は分かっています。

…ですが、私には無理です。

あなたが、このままみすみすこの男たちに

潰されるのを黙って見ていることなど

出来ません。」

 

ハスミ「……だから、覚悟しなさい。

下衆ども。この会合が終わり、次に

会ったならば、あなたたちは確実に

殺します。

そして、あなたがたの下で酷使されている

方々を必ず解放してみせます。」ハイライトオフ

 

ナギサ:ゾクッ

 

レッド「…………………」

 

………………ハスミの、その目は光を失い

絶対零度の冷たさがこもっている。

そして、その凍てつく瞳を鋭くミシガンへと

突き刺している。

噴火する怒りすらも飛び越え、ハスミが

抱いているのは純粋な憤怒の殺意だけだ。

 

ミシガン「ふっふっふっ……メロン…いや、

羽川ハスミ。実に良い貌になったではないか。

ようやく『その気』になったか。

貴様はどうだ?シャーレの先生よ?」

 

先生「……ハスミと同じくだ。もうあなたがたと

対話をする気はない。お前たちは、確実に

倒してみせる。レッドくんや、他の所属している

優しい人達のためにも。」キィッ!

 

私も、ともすれば殺意が宿っているのではないかと

錯覚しそうになるほどの、強烈な憤怒の眼光を

ミシガンにぶつけてやった。

 

ミシガン「ウハハハハ!そうだ!それでいい!!

敵に情けなど不要だぁ!

だが、この俺はそう簡単にくたばりはせんぞ?

このベイラムの歩く地獄を!文字通り地獄に

向かわせたくば!頭も腰も引き締め直すことだ!」

 

だが、やはりミシガンはやかましく、威風堂々と

大笑いするだけだ。

………確かに、クズだがこのミシガンは器は

でかい。過去でも屈指の、強敵には違いない

だろうな。

そうして、ナイルが締めくくる。

 

ナイル「ふふふふ…… ようやく、最後の1人、

キヴォトス防衛委員会の総大将からの宣戦布告を

受け取ったな。

ではこの時より、改めて、ベイラムインダストリー、

レッドガン部隊と貴様ら【キヴォトス防衛委員会】は

全面戦争だ。

ムシケラはムシケラらしく、一匹も残さずに

殲滅してやろう。」

 

先生「望むところだ。」キッ

 

リン「絶対に、私たちはお前たちに

屈しません。」キッ

 

アオイ「この命をかけてでも、このキヴォトスを

渡しはしないわ。」キッ

 

ホシノ「こっちのセリフだよ。お前たち、

星外企業は皆殺しにする。ベイラムも

アーキバスも、ね。」キッ

 

ノノミ「改めて、ミシガン総長殿、ナイル副長殿、

あなたたちは必ず殺します。」キッ

 

アヤネ「えぇ、あなたたちに慈悲は

かけません。」キッ

 

シロコ「ん、キヴォトスから、絶対に叩き出すっ。

ロニーと一緒にねっ」

 

セリカ「『…………………そうよね。』

あんたたちは、キヴォトスから絶対に

追い出してやるわ……」

 

ナギサ「必ず、お前たちベイラムに奪われた

トリニティを返していただきます。」キッ

 

ハナコ「ふふふふふ…1人足りとも生かしは

しませんよ? ……必ずお前たちは皆殺しに

する。」ハイライトオフ

 

ハスミ「……少なくとも、総長様と副長様は

死んでもらいます。……絶対に」ハイライトオフ

 

ミシガン「ふふふふ…『笑える貌』になったな。

貴様らの宣戦布告、改めて受け取ったぞ。

このミシガンは容赦がないことで有名だ。

貴様らキヴォトス防衛委員会は、レッドガンが

徹底的に粉々にしてやろう!!」

 

 

ググーーーーー!!!

 

 

そう言って、ミシガンはジョッキに注がれた

ウォッカを一気に飲み干した。

 

 

ドン!!

 

 

そして、また豪快にジョッキを机におき

 

ミシガン「さて、女子会のメインディッシュも

済んだことだ……」

 

これでお開きかな、と私は席を立とうと考えて

いると

 

ミシガン「そろそろ、真面目な話をすると

するか。」

 

先生「……なん、だって…?」

 

何だ?まだ何かあるのか?

 

ミシガン「当たり前だ!貴様!俺が貴様らの

愚痴を聞くためだけにわざわざ出向いて

来たと思っているのか!?」

 

先生「いや、そんなことはないが…」

 

ミシガン「ふんっ、まぁいい……。

真面目な話と言っても一つ取引を行おうと

言うだけの事だ。すぐに済む。」

 

先生「取引…?」

 

ミシガン「あぁ、早い話情報の交換だ。

別に断ってくれても良いが…」

 

先生「………まずはあなたがどんな情報を

提供するかを聞いてからの判断としたい。」

 

ミシガン「………(ニヤリ)いいだろう。

ベイラムが交換に出す情報はこれだ。」

 

そう言って、ピラリと片手に出した書類には、

 

先生「!!!???」

 

私の目を、釘付けにするには十分な題名が

記載されていた。

 

 

【アーキバスコーポレーションに

捕らわれた捕虜についての資料】

 

 

リン「アーキバスコーポレーションっ!?」

 

アオイ「そこに捕らわれた…捕虜の情報

ですって…!?」

 

ミシガン「あぁ、我々ベイラムはすでに奴らが

【捕虜をどうしたのか】、その確かな情報を

掴んでいる。…知りたくはないか?」

 

先生「っっっ!!! 知りたい…知りたいに

決まっている!! 

それを、それを渡してくれ!!!」

 

ミシガン「馬鹿者ぉ!!貴様はダチョウかぁ!!

取引だと言っただろう!ただで渡すわけが

なかろう!!!」

 

先生「っっ…………確か、情報と言いましたよね…

キヴォトスの、重要機密情報を……お求めなの

ですか……?」

 

ミシガン「確かにそいつは喉から手が出るほど

欲しいなっ!!……だが、あいにくだが俺も

そこまでがめついつもりはない。

そして、俺は隣の堅物野郎のように眠っちまい

そうな駆け引きは好まん。

だから直入に言おう。

……我々が欲しいのは【忍術研究部】の情報だ。」

 

先生「………へ?」

 

ミシガン「特に、キヴォトス最高にして最強の

戦士、【上忍ミツル】の情報を提供してくれれば

ハナマルだがな。まぁ、そこまでは望みはせん。

それで?返事はどうだ?」

 

先生「…………へぇぇぇ???」

 

え?いや?何で?この子たちの情報が

欲しいの? ドウイウコト???

 

ミシガン「素っ頓狂な声をあげてないで、

返事をあげろ!」

 

先生「え?あ、いや、その………伺わせて

いただいてよろしいですか?」

 

ミシガン「なんだ?」

 

先生「……な、なにゆえに……【忍術研究部】の

情報が、欲しいのですか???」

 

ミシガン「ふっ、しらばっくれるか。だがな、

そんなことをしても無駄だ!

何せ、未熟と名乗りやがったイズナとかいう

忍者が、ACを稲妻で吹っ飛ばし、

そして、上忍を名乗ったミチルという最強の

忍びはそれすらも比較にならん火の爆発で

ACに甚大なダメージを与えやがったのを、

実際に見ているからな。

おかげでこちらのMTも無視出来ん被害を

被ってしまった。」

 

先生「………ふぇえ?」

 

ミシガン「しかも、そのACと言うのが、

貴様の後ろで突っ立っている銀の烏野郎だ。

知っているかどうか知らんが、奴はAC乗りと

して、そんじょそこらの奴らとは比べられん

強さを持っていた。」

 

先生「え?いや、あの銀烏のACは知って

ますけど……」

 

ミシガン「知ってるか。なら貴様とてあの烏の

恐ろしさと強さのことはよく理解している

だろう。

そんな野郎が、手も足も出ず、ただ泣きべそ

かいて、逃げることしか出来んかったぐらいだ。

【忍術研究部】、怖しい戦闘集団どもだ。」

 

 

621*ビキビキビキビキ!*

 

ウォルター*どうどう……落ち着け、621。*

 

 

リン「何ですって!?ACにダメージを!?」

 

アオイ「しかもあの銀烏のACが!逃げることしか

出来なかったですって!?」

 

……え!?いや、あ、あの子たちがACを!?

い、いくら何でもそんな事出来ないと思うけどぉ!?

 

先生「え?あの、ミシガン総長?何か勘違いされて

らっしゃるのでは……」

 

ミシガン「くどいぞ!!駆け引きは好まんと

言っているだろうが!! YESかNOかはっきりと

言え! 忍者集団は貴様らの最大の戦力にして

切り札という事は分かっている。もちろんそう

簡単には渡せんということもな。

だったらとっととNOと言わんか!」

 

先生「あっ!いや!ちょ、ちょっと待って!?」

 

いや、そんなものでアーキバスに捕らわれた

みんなの事がわかるならむしろ願ったり

叶ったりだけども!

………えーと、でも情報と言っても何が

いいかな…… と、とりあえず忍術研究部たちの

簡単なプロフィールとか活動内容の資料とか

見せてみる?

 

 

先生「えっと……アロナ。」

 

アロナ「あ、先生、分かりました。

忍術研究部の皆さんの名簿と活動資料ですね。」

 

プラナ「すぐに画面に表示します。」

 

 

ピロン!

 

 

そしてすぐに、私の持つシッテムの箱の

画面に情報が表示される。

 

先生「えーと……と、とりあえず忍術研究部に

所属している生徒たちの名簿と活動内容です。

これでよろしいでしょうか?」

 

ミシガン「ほう?取引に乗るということか?

そして、そいつはタブレット端末か。

このキヴォトスでもこのぐらいの技術進歩は

しているか。

いいだろう。だが、まずは今差し出してきた

情報が俺たちに有用かどうか、確認してからだ。」

 

ミシガンは私からシッテムの箱を受け取り、

タブレットをスワイプし始めた。

キヴォトスの端末を何も言わなくとも操作

しているあたり、そちらの世界でも似たような

端末があるということか……

 

ひと通り確認し終えたミシガンが、声を少し

低くする。……え?お、怒っている?

 

ミシガン「……貴様、いくら何でも舐めすぎ

ではないか? この俺を愚弄したいか?

まさか本当にこの俺がばぶばぶ程度の知能

しかないと侮る無能か?」

 

先生「へっ!?」

 

ミシガン「素っ頓狂な声をあげて誤魔化そうと

しても無駄だ。奴らは忍者なのだろう?

貴様の渡してきたこのプロフィールやらや

活動内容が、忍術研究部どもの、仮の経歴と

表向きの活動ということぐらいは分かる。

俺は、こいつらの【本当】の情報を渡せと

言っているんだ。」

 

先生「は、はひぃ!?」

 

いやいやいやいや!まってまってまってまって!!

仮!?表向きって!!嘘偽りない確かなものを

渡しているんだけど!!

逆にこのぐらいしかめぼしい情報とかないよ!?

【本当】とか訳わからないこと言わないで!

 

先生「いや!あの!!仮もなにも確かな

情報ですよ!! 逆に何を求めているんですか!?」

 

ミシガン「………………はぁ。

どうやら貴様はこいつらの情報は持っていない

ようだな。

貴様はキヴォトスの重要人物たるシャーレの

先生だから、奴らの情報のひとつでも何かしら

掴んでいるかと期待したが……

そんな甘い連中なはずがなかったか。

まぁいい、とにもかくにも取引は決裂だ。」

 

………まずい。帰る雰囲気になってきている。

アーキバスに捕らわれた、私の生徒の情報は

何としてでも欲しい。……けど、ベイラムが

欲しがりそうな情報なんて思いつかない。

……何か、何でもいい、別の何かを提示して、

引き留めなければ……

 

 

 

アロナ「先生!なら、これはどうでしょうか!?」

 

先生「アロナ?何かあるの!」

 

プラナ「先輩!ナイスお仕事です!」

 

アロナ「先生!画面に表示します!総長さんに

合図を!」

 

先生「うん!分かった!頼むね!アロナ!」

 

アロナ「はい!」

 

 

 

先生「ミ、ミシガン総長!今、他の有用そうな

情報を端末に送りました!画面を右にスワイプ

してみてください!」

 

ミシガン「なに?………またふざけた情報なら

今度こそこのクソッタレの端末を突き返して

引き上げさせてもらうぞ。」シュッ

 

そう言って、ミシガンはシッテムの箱の画面を

指で右にスワイプした。

 

先生(頼んだよ!アロナ!)

 

 

…………………チャ〜ンチャララララ〜ン!

 

 

祈る気持ちで見守る中、間の抜けた音声が

シッテムの箱から流れてきた。

……どうやら、アロナの言う有用な情報と

いうのは映像記録のようd

 

ミチル「さあー!今日もぉ!忍者を知って

もらうためにぃ〜!少女忍法帖ミチルっち!

はっじまっるよぉ〜!!」

 

 

………………ファ?

 

 

ミシガン「………………」

 

ミチル「まず初めに、今日もミチルっち

チャンネル恒例のぉ〜 ミチルの忍術修行から

映していくよぉ〜」

 

ミシガン「ほぅ………」

 

先生「」

 

リン「あの?先生?」ゴゴゴゴ

 

アオイ「こんな時に、もしかして

ふざけたいのかしら?」ゴゴゴゴ

 

先生「」ふぅ……

 

 

 

先生「アロナああああぁぁぁぁぁ!!??」

 

アロナ「ふぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」

 

プラナ「先輩いいいぃぃぃぃぃぃ!!!!

先輩を一瞬でも尊敬の念を抱いた私を

恨みたいですよ!!!!

頭沸いてるんですか!!??」

 

アロナ「ちょぉ!?ひ、ひどくないですか!?

プラナちゃあん!!」

 

先生「当たり前だろおおおぉぉぉぉぉ!!!

趣味動画なんて流してどうするんだああぁぁぁ!!」

 

アロナ「だ!だってぇ!!ベイラムの総長さんは

忍術研究部の情報が欲しいって言って

ましたしぃ!!

他にめぼしい情報とかなかったんですぅ!」

 

プラナ「だからって視聴回数2桁のドマイナー

配信動画を流してどうするんですかぁ!!」

 

先生「もう次はないって言われてるん

だよおおおぉぉぉぉぉぉ!!??

本気で怒って帰ってしまうってええええ!!」

 

プラナ「先輩のバカ!アホ!おたんこなす!!

何がスーパーアロナちゃんですか!!!

先輩なんてスーパーポンコツOSです!!!」

 

アロナ「ふえええぇぇぇぇぇぇん!!!」

 

 

 

まずいまずいまずいまずいまずい!!!

ほんっとおおおおおおおに!!!まずい!!!

き!キレちゃう!!総長さんキレるって!!

は、早く!べべべべ弁明しないとおおお!!

 

先生「あああああの!!!ミシガン総長ぉ!!

こ!これは違くてですね!!??」

 

ミシガン「やかましい。少し黙ってくれ。」

 

先生「そそそそそ総長ぉ!!話を!!

弁明する余地っをぉ???」

 

って、あれ?……………な、何?

この総長さんのめっちゃ真剣な表情ぉ?

何か、やけに目を見開いてたりしてたけど…

 

ミシガン「……………クックッ」ニヤリ

 

ミシガンが、不敵に口角を吊り上げて笑った。

そして………

 

ミシガン「おい!ナイル!!」

 

ナイル「………なんだ?」

 

ミシガン「貴様のプライドをズタズタに

してくれる!これを見てみろぉ!」

 

ナイル「はぁ?…………」

 

ミシガンはまた静観に戻ったナイルに

呼びかけて、忍術研究部の配信動画の

ある部分を見せる。

 

ナイル「…………っっっ!!!???」ダラリ

 

すると、ナイルは額から一粒の大粒の汗を流し、

ミシガンと同じように目を大きく見開き、

信じられないと言った表情で配信動画を

凝視していた。

…………いや、待って待って待って待って。

何か、予想外にマジの反応をされて、逆に

怖くなってきたんだけど……

え?何なの?どういうことなの?

 

 

タン……

 

 

そうして、ミシガンは配信動画の再生を

ストップした。

ナイルは深く息吸って、吐き出し、

静かに口を開いた。

 

ナイル「……なるほど、ミシガン、おまえが

言ったように、忍術研究部、なんと怖しい

集団だ……」

 

 

 

先生「えっ」

アロナ「えっ」

プラナ「えっ」

 

 

 

ナイル「まさか、【予期】していたというのか、

この事態を…!

特に、【千鳥ミチル】、なんという常識から

逸脱した策謀家にして、賢者か……

私も策を弄することに自信があった方なのだがな…

確かにこちらのプライドをズタズタにして

くれる。」

 

ミシガン「ウハハハハ!だから言っただろうが!

百鬼夜行の【忍術研究部】どもは想像を絶する

能力を持った、忍者集団だとな?

特に【千鳥ミチル】。戦闘だけでなく脳みそまで

最強だとはな!

このミシガンの想像すら、生温かった。」クククク

 

いや待って待って?どゆこと?全く話に

ついていけないんですけどぉ!?

さっきのシーンが一体何なの?何をどう見たら

そこまで賞賛する評価になるの!?

 

リン「……すみません。私は勘違いして

いたようです。その動画はとても価値が

おありだったようで…私にはさっぱり

分かりませんが…」

 

うん、私も1mmも理解できない。

 

ミシガン「おい、シャーレの先生。」

 

先生「え、あ、はい。」

 

ミシガン「貴様……今度はどういう風の

吹き回しだ? 確かに情報を寄越せとは

言ったが…… これほどの爆弾情報を

くれてやるとは。

生徒を想う心の強さ故か?それとも余裕か?」

ニヤ

 

先生「ふぇ?ふぁ?あう?」

 

ミシガン「クックックッ……とことんベイラムを

舐めてくれる。さすがは総大将と言ったところか?

この俺の腑をバーベキューにしてくれるとは!

……まぁいい。こいつを俺のタブレット

端末に送れるか?」スッ

 

先生「え、いや、その」

 

ミシガン「安心しろ。騙すような真似はせん。

ちゃんとこちらの掴んでいるアーキバスの

情報を渡してやる。【アーキバス】の、だ。

貴様の生徒についてだけでなくな……

これほどの情報を渡されたのだ。

むしろまだおつりが残っているほどだ!

先っぽだけでは到底釣り合わんことぐらい

分かっている。

いいだろう!?堅物野郎!!」

 

ナイル「仕方あるまい。逆に生徒の情報だけで

済ませば、ベイラムの沽券にかかわる。」

 

ミシガン「…だ、そうだ。それともここで

終わるか? だとしても貴様の生徒の情報は

くれてやろう。」

 

先生「ふぇ、いや、そういう、………いや、

いや……わ、分かりました。そちらの

タブレット端末に送りますね?」

 

 

 

先生「……………あの、アロナ様…」

 

アロナ「ふっふふふふふふ〜♪

分かってますよぉ♪ 送ればいいんですね!」

 

先生「はい、お願いします。」

 

アロナ「ふふふふふふふふ!

先生!さすがはスーパーアロナちゃんでしょう!

さっき貶した分褒めてください!!」

 

先生「わー!さすがシッテムのスーパーAI!

アロナだよぉ!! アロナにいつも助けられて

いますぅ!!」

 

プラナ「………あの、私には何ひとつ理解

出来ないのですが…… もしかして、本当に

ベイラムの総長って赤ちゃんほどの知能しか

ないのでは……」

 

アロナ「さぁ!プラナちゃんもです!!

私を褒めていい子いい子してください!」

 

プラナ「ワーセンパイスゴーイ!

サッスガー!ヨッ!キヴォトスイチノ

スーパーエーアイサマー!」

 

アロナ「えへへへへへへぇ♪♪♪」

 

 

 

ピロン!

 

ミシガン「……データが送られてきた

ようだな。それにしても、貴様端末を

操作しているように思えんが……

まぁいい。ナイル。貴様にもデータを

送る。目を通しておけ。」

 

ナイル「あぁ。全く……キヴォトスには

存外骨のある連中が多い。ふふふ…

頭を痛ませてくれるものだ。」ニヤリ

 

ミシガン「うわはははははは!!!

まさにレッドガンが叩きつぶすに、

不足なしだ!! 帰ったら役立たずどもの

ケツを引っ叩いて回らんとなぁ!

……さぁて、今度はこちらの番だな。

まずは貴様が喉から手が出るほど欲しい

アーキバスに捕まった捕虜どもの情報

からだ。これを受け取れ。」

 

 

スッ

 

 

先生「っ…………!!!」バッ!

 

私はミシガンから手渡された、アーキバスに

捕まった捕虜に関する資料を素早く受け取った。

そしてすぐにページをめくって確認する。

………だけど、あぁ、私は、何を期待していたの

だろうか………

 

先生「あ!………ぁ………!」へたへた、すとん

 

心のどこかにあった、【アーキバスに捕まった

生徒たちも無事かもしれない】………この汚れ

きった【大人たちの世界】に、この【鉄の世界】に

そのような夢物語がいくつとあるはずが

ないというのに………

 

 

 

【アーキバス基地の近くに、概算500万人程度の

【捕虜の痕】を確認。】

 

 

 

先生「あ、あぁ!あああああぁぁぁぁぁ!!!」

ポロポロ

 

非情な事実に、私は涙を流す。確定した絶望の

現実に、私は打ちひしがれることしか出来ない。

 

ホシノ「………先生…」

 

守るべき、子どもたちだった。大人の、先生である

私が。将来があった、子どもたちだったはずだ…!

導かなければならない存在のはずだ…!大人と

いうものは…!!

大人であるはずの、奴らは、アーキバス

コーポレーションは、それを奪った…!!!

あまりにも冷徹に…!!

………そして、私も同類だ…。

導いてあげなければならないその責任を

果たさず、ここで無様に泣くことしか

出来ない……… どこまでも滑稽な大人だ…

私はぁ!!!」

 

ミシガン「…………………」

 

先生「なんで、だ……!なんで、私はいつもいつも

弱いんだ…!! 私は、大人なのに……!!

生徒に頼らなければ……!!何も出来やしない…!

何も守れやしない…!!! うっ、うぅ…!!」

 

ミシガン「……それに関して、続きを話す。

1度しか話さん。子どもみたいに泣き喚いて

いても、一字一句聞き漏らさんよう、必死に

耳を傾けておけ。

とりあえず、今の勢力図から話してやろう。

我々、ベイラムはキヴォトス全土の7割を、

アーキバスは2割をその手中に収めた。

初戦は我々ベイラムの勝利と言ったところだ。

そして残り1割が貴様らの領域だ。

その1割が【山海峡】と【ミレニアム】だ。

明日、その片割れの【ミレニアム】に我々

ベイラムは侵攻する。無論アーキバスもな。

つまり、明日の【ミレニアム】がベイラム、

アーキバス、そして貴様らキヴォトス防衛

委員会、怪獣大決戦となる。

明日が貴様らの命日にならんように力の

限りもがくことだ。」

 

先生「……………………」

 

ミシガン「ここからが、捕虜についての

本題だ。出鼻はアーキバスが先だった。

その上に、捕虜確保に関しては奴らの方が

ベイラムより効率が良かったみたいだ。

何が言いたいか分かるか?」

 

先生「…………?」

 

ミシガン「最終的な勢力確保はベイラム優勢で

終わったが、アーキバスの方がベイラムより捕虜を

圧倒的に確保しているはずだ。

うちが確保した捕虜の総勢は2000万人!

だのにアーキバスに廃棄された捕虜は

約500万人ほど。1/4?そんなはずがあるか!

アーキバスはその10倍以上は捕らえている

はずだ。」

 

先生「え……!!じゃ、じゃあ!?

 

ミシガン「夢見る子どもの時間は

終わりだと言っただろう。」

 

先生「っっっ!!??」

 

ミシガン「処分された捕虜の10倍以上は

まだアーキバスのキヴォトス本部にいることは

間違いない。ここから先は確かな事は我々も

掴みきれていない。だから我々が貴様に

渡せる情報はここまでだ。

だが、忠告は贈っておいてやろう。

……甘える子どもはやめて、【グレる大人】に

なる時だ。」

 

先生「……はい?」

 

ミシガン「貴様の、大切な生徒を【手にかける(殺す)

覚悟を固めておけ。」

 

先生「っっっっ!!!!! そんなこと!!!

出来るわけがない!!!!」

 

ミシガン「甘える子どもはやめて、グレる時が

来たと言っただろう?

殺れなければ…貴様は本当の

地獄を味わい尽くす事になる。

それ以上に、貴様の大切な者たちに

地獄以上の苦痛を味わせる事になるぞ

 

先生「……?どういう、ことですか?

何が言いたいんですか!?」

 

ミシガン「………この【鉄の世界】ではな、

【死】が救いになる事など、ままあるの

だからな。」

 

先生「っっっっ!!!!!!」

 

ミシガン「………さて、女子会の目的は全て

終わった。とっととこんな砂埃っぽいところ

など!おさらばしてやる!!

G2!俺は一足先に戻る!

貴様は女子会の片付けをしておけぇ!!

そしてG6!貴様は輸送ヘリでそいつら

全員!ミレニアムに送迎してやれぇ!」

 

ナイル「『…………』了解だ。」

 

レッド「……了解です。ミシガン総長」

 

 

ガタッ、ザ、ザ……

 

 

そう言って、ミシガンは席を立って一足先に

その場を後にする、

 

ミシガン「あぁ、そうだ。そういえばまだ

おつりを渡していなかったな。」

 

だが、途中でその足を止めた。

 

先生「え…、まだ何か?」

 

ミシガン「貴様らの手伝いをしている

物好き野郎はどうやら声を発せんようだが…」

 

そして、ニンマリと笑ってミシガンは言う。

 

ミシガン「【声を発せん独立傭兵なんぞ、

クソの価値すらない、と言うのが我々の

世界の常識】だ。『よく噛みしめておけぇ!!』」

 

先生「っっっ!!!…………」ギュッ

 

シロコ「………んぅ!」ギリ

 

ホシノ「うるさい。」ハイライトオフ

 

ノノミ「とっとと消えてくれます?」

ハイライトオフ

 

アヤネ「目障りです。」ハイライトオフ

 

セリカ「?…………」

 

ミシガン「クックックッ…お釣りは支払ったぞ?

後は貴様らのスカスカの脳みそで考えてみろぉ!」

 

そうして、ミシガンは足早とここから

立ち去っていった。

残されたのは、今だに酒を飲み続けるナイルと

立ち尽くしているレッドのみだ。

 

ナイル「……………」ゴクッゴクッ

 

レッド「……………」

 

ナイル「………ふはぁ…。……ふぅ、さて、

我々も帰るとしようか。」ガタッ

 

レッド「……後片付けはしなくて良いの

ですか?」

 

ナイル「安物の備品だ。大した損失には

ならない上、アビドスは砂で物が散々

埋もれている。長机と椅子の数個程度

構わないだろう。

………それに、何よりも、そういう気分に

なれない。

今の私は一刻も早く帰って酒を浴びるほど

飲みたい気分なのでな。」

 

先生「………いいご身分だな。」

 

レッド「………………」シュン

 

ナイル「一仕事を終えたからな。」

 

先生「勝利の美酒というわけか? 

私の生徒たちは、これから先、不安と恐怖で

怯え、食事も喉を通らない夜を過ごす

というのにな。」

 

レッド「っ………すま、ない……」ズン

 

先生「!! いや、レッドくんに言ったん

じゃないんだ…。私は、あくまで君の隣に

いるナイルに向けて…」

 

レッド「………………」

 

先生「………ごめんね。レッドくん………」

 

ナイル「ふふふふ、勝利、か。名案だな。

まずは快勝出来たことの喜びを噛み締めて、

酒と勝利の味で酔わせてみるとするか。」

 

レッド「……………」

 

先生「………頼む。お前はもう口を

開かないでくれ、ナイル。」

 

ナイル「『蟻』が何か言っているようだが、

別に気にすることはないぞ、レッド。

それよりどうだ?お前もそろそろ酒の味を

知っておいた方が良いぞ?

この後、私と晩酌を酌み交わさないか?

勝利の味に酔いしれながらな。」

 

 

先生「黙れと言ってるんだ」

 

 

レッド「………無理、です……自分には…」

 

ナイル「そうか。フラれてしまったな。

では1人で楽しむとしようか。

………後ろにいる『蟻ども』には我々の

高尚な言葉などとても理解出来んだろう。

ならば、酒に酔っても何ら問題はないと

私は考えている。レッド、お前はどうだ?」

 

レッド「っ!!!!」

 

先生「っ」プツン

 

ハスミ「っ」ドロリ

 

 

ユラ

 

 

レッド「おも、えるわけありません……!!

彼女らは、人間です…… 善良な人々です…!

自分には!ナイル副長やミシガン総長みたいに!

酒に酔うなど…… 出来ません!!!」

 

ナイル「………レッド、その言葉は貴様が

まだ若輩だから許されるのか?」

 

 

ユラ…ユラリ……

 

 

レッド「……………」ギュッ!

 

 

スゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイル「私やミシガンは上長だからと、

成熟した大人だからと、彼女たちの境遇に胸を

痛めるのは許されないか?」

 

 

ピタッ!

 

 

先生「……は?」

 

ハスミ「え……?」

 

セリカ「………!!」

 

レッド「……………え?」

 

そして、その時、ナイ、ル…は……

 

ナイル「私も、ミシガンも、勝利にでも、

この虚空にでも、肴にして、無理矢理に

でも酔わせないと……やってられなくてな……

………敵は何も考えも感情も持たないムシケラ

だと認識しなければ………

ましてや、幸せに生活していて、悲劇を

悲しむことが出来て…… 友と喜びを共有

出来て……… 涙を、流すと、などと……

1度でも認識してしまえば………」

 

 

フッ

 

 

ナイル「もう、【引き鉄など弾けなくなる。】」

 

レッド「ナ、イル……副長………」

 

なん、なんだ……?その、泣きそうな顔は…?

なん、なんだよ……!悲しむ人間のような

振る舞いは……!!!

だって…だって………お前も、ミシガンも、

私たちをムシケラだと見下したくせに…!

トリニティに、苦痛の限りを与えたくせに…!

レッドくんを…道具のように発言していた

くせに……!!

 

ナイル「…………だから、酒を飲むぐらいは

許してはくれないか?」

 

レッド「っ!!……………はい。」

 

今更…!そんな血の通った人の顔を

してるんじゃ…!!

 

ナイル「………舌が回りすぎたな。

やはり、酒など飲むものではないな……

……だが、今回ぐらいは別にいいだろうか…

やはりレッド、晩酌に付き合っては

くれないか?

………小さな部屋の一室くらいでなら、

彼女たちを【人間】として扱って、

涙を流すくらいはいいだろう。」

 

レッド「………はい。自分も是非ご相伴に

お預かりたく思います。」

 

ナイル「……すまないな。そろそろ行くぞ。」

 

レッド「はい………」

 

認めない……! 私は!断じて!!この男も

ミシガンも認めたりなんてしない!!

 

セリカ「ね、ねえ!!!待って!!!

トリニティの事も……やっぱり何か

 

ナイル「黒見セリカ」

 

先生「っ!」ビクッ

 

ハスミ「っ!」ビクッ

 

セリカ「ふぇっ!!」ビクッ

 

セリカの言葉を、ナイルは大きめな声で

遮り、私たちの方に振り向いた。

 

ナイル「ミシガンは言ったはずだぞ?

【そんなことは無駄】だと。貴様の先生も

言っていた。

事情など、何の意味も為さない。

戦場に持ち込んで良いのは【事実】だけだ。」

 

先生「…………」

 

セリカ「……………」

 

ナイル「【敵】と【敵は倒す】という【事実】

だけだ。」

 

振り返って見せたナイルの顔はもういつもの

仏頂面の顔へと戻っていた。

 

ナイル「………行くぞ。」ザッザッ

 

レッド「はい。」ザッザッ

 

そして、ナイルとレッドは、足早と

その場から去っていったのだった-----

 

 

 

 

 

621*……チャティ。もう強引でも良い。

すぐに連邦生徒会の首席行政官って奴から

ブラックボックス(最重要機密事項)】の在処を聞き出せ。

最悪大雑把でも構わん。*

 

ウォルター*621、俺もお前の言葉の意味が

やっとわかった。

ミシガンめ……俺たちがキヴォトス側と

つながっていることをどこで勘づいていた?

……とにもかくにも、チャティ、お前の正体が

露呈する前に行動に移す必要がある。

621の言う通り多少強引かつ曖昧な情報で

構わん。すぐに行動しろ。*

 

チャティ*了解だ。*プツン

 

621*やれやれ、総長さんの真のメイン

ディッシュは俺たちとチャティが繋がっている

事をお花畑どもに教える事だったってわけか…*

 

ウォルター*いや、それは違う。621。*

 

621*なに?*

 

ウォルター*……だが、『それ』は俺たちに

とってはどうでもいい事だ。

それより621、ミレニアムまでの護衛は

レッドガンのレッドが担当する。

もうお前が護衛をする必要はない。

 

帰投しろ。そして、作戦会議を行うぞ。*

 

621*………まぁいい。了解だ。*

 

 

 

 

------------

 

 

〜〜ミレニアム:要塞都市エリドゥ〜〜

 

 

調月リオ「はい、この間の鋼鉄大陸の時には

知恵を貸してくださりありがとうございました。

おかげであのスーツを発想出来、デカグラマトン

を止める一助になりました。」

 

???:知恵って……あたしは一言あんたに

助言を送っただけだろう?リオ。

ほぼあんたたちと先生の功績さね。:

 

リオ「いえいえ、あなた様の知恵は

一言だけで数億以上の価値があります。」

 

???:相変わらずあんたは大袈裟だねぇ…

そういやあんたが新たにミレニアムに編入

させたって言うアリスの片割れの調子は

どうだい? 確か…ケイって言ったか?:

 

リオ「無事馴染んでいるようです。

所属は特異現象捜査部とゲーム開発部ですが、

アリスが基本的に常駐しているゲーム

開発部にほとんどいるようです。」

 

???:『ようです』って、……まぁいい。

ゲーム開発部って、確かモモイって【笑える】

奴がいる場所か。

あれはいい。あぁいう奴が、意外と戦況を

ひっくり返したりするからねぇ。:

 

リオ「あ、あなた様が褒めるなんて… モモイは

こう言っては何ですが…… かなり知能指数は

低い部類に入る方だと思うのですけれど…」

 

???:バカと天才は紙一重って言う言葉が

あるぐらいさ。物事ってのは、頭が良いか

悪いか、強いか弱いか、そういう【理屈】は

いつだって道を作る役割で、ゴールを

決めるのはいつも【笑える奴】さ。

他は笑えなくても、ここぞって時に必ず

決める奴ってのはいつも笑っていやがる。

だから強いのさ。:

 

リオ「……何だかよくわかりません。」

 

???:わかったらダメさ。理屈に落とし

込めたらダメなんだよ。

わからないからこそ、笑えるんだろ?:

 

リオ「……………」

 

???:さて、そろそろ真面目な話をしようか。

今回のは今までと比べ物にならない。

あたしも手を貸せるだけ手を貸すよ。:

 

リオ「…とてもありがたいです。あなた様の

協力を全面に受けられるなんて。

しかも、あなたの一切を、ずっと隠して

きたのを、一部、ミレニアムに共有しても

良いとまで言ってくださるなんて……

何から何まで感謝の言葉を尽くせません。」

 

???「事が事だからね。さすがに今回の

相手はあんたたちだけじゃ太刀打ち出来ない。

あたしの助けが必要だ。

あんたの話を聞くに、敵はあたしもよく

知ってるからね。」

 

リオ「はい、さすがです。ミレニアムの

協力者に、あなた様がいてくれて、

…いえ、6年前、あなたと出会えて、

とても幸運でした。

 

今回あなたがバックについてくれるだけで

どれほど心強いでしょうか。

ミレニアムのセミナーの会長として、

改めてお礼を申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【シンダー・カーラ様】」

 

 

 

 

???→ウォルターの協力者、【灰かぶりのカーラ】

 

 

 

 

 

 

 




いや、自分で書いておいて失笑ものだとは
思うのですが……
ミシガン総長って器デカくないですか?
人情味のちょっぴりほろ甘さが滲んでいて、
だけど、ちゃんと、やるべきことはやる。
総長の優しさが、キヴォトス側に……というか
先生に伝わっていないのが、何だかね……
先生、ミシガン総長とナイル副長を【悪い大人】
だと言っちまってるよ……そんなわけあるかよ…
自分で書いていて失笑も(ry それでも、本当に
もっと考えようぜ!先生!
もちろんごすは総長も副長の思いを全て
理解しています!
ごすも壮年の大人ですので。
ワンちゃんは分かっていません。

……まぁ、普段の先生ならミシガン総長の
『意図』を見抜けたのかもしれないですが
今の先生は【生徒】を酷い目に遭わされ
まくられてて、常に頭に怒りがあって
冷静に考えられないのかもしれないですね。
だから子供好きの総長に『怒られる』んだよ!!

ブルアカエアプなのに非常に申し訳ないの
ですが…… 正直先生よりミシガン総長の方が
遥かに大人だというイメージがあるので、
この小説でもそのように描いています。
なので、総長は【大人】だからあからさまには
見せないですし、そもそも器がデカいので
平静を保てますが、先生が怒りを向けている
ように、総長も先生には相当の怒りを向けて
います。
まさしく、先生が総長に向ける、全く『同質』の
怒りをです。
まぁ、この小説の先生は24歳設定ですので、
総長にとってはまさに【背伸びしているだけの
クソガキ】という認識ですから、先生が
言うように【大人の世界に飛び込んだばかりの
クソガキ】として大目に見てあげてるの
でしょう。


……この先、ここでのミシガン総長や
ナイル副長の真意を描くかどうかは
わからないので、小説中の文脈や、
特に『』で囲まれた言葉の意図について
明確な答えを書くかどうかは微妙です。

なので、気になる描写があったらコメントで
質問してください。覚えていたら答えようと
思っていますので。


さて、ついにカーラ様が本格登場です。
そして、次回からは少し停滞していた分
ギュギュっと物語を………
あー、そういえばハークラーの話もしないと
いけないんか〜… まーた物語止まりそうな…
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