ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜 作:とある渓流にいるかわうそ
〜〜ミレニアム本校 医療室〜〜
シロコ「ん、お願い。」
セリナ「はい。確かに受け取りました。」
私は今、ミレニアムの医療室に来ている。
理由はナイルとの戦いで負傷した便利屋たちを
届けるため。
アル「私は……いいわ…… それ、より……
ムツキと、ハルカを……!」
セリナ「ご安心を。お二人は必ず救けます。
ですから、あなたも早く治療を受けて
ください。」
ハナエ「っ……… その足、見た目より、ずっと
ずっと悪い状態です…。
神経もそうですが……あまりに足が潰れて
いて、血管そのものが閉塞してしまっている
恐れがあります。
このままだと、足を切り落とさないと
いけない可能性があります。」
アル「そんなの……いいわ……!それより、
2人を……!」
セリナ「大丈夫、大丈夫ですから……」
そんなやり取りを見る中で、足音が複数
聞こえてくる。
音の感覚と……引きずるような音も聞こえるね。
それで、足音の主たちの状態の酷さが
大体わかる。
ハスミ「すみません……救護騎士団の
皆さんに……救急医学部のセナ部長…。
どうか、急ぎ治療をお願いします…!」
シロコ「っ……」
トリニティの正義実現委員会のハスミ副部長が
背におぶっている人たちの状態を見て、
私は思わず口をつぐんでしまった。
背におぶっているのが人たちとは言ったけど…
実際私に見えるのは赤黒い塊だ。
人たちと言ったのも状況判断からの
推測でしかない。
私の周りにいるアビドスの仲間も多種多様と
言えど、ショックを受けている。
セリカなんて涙をこぼしている。
セナ「っ!!……ひどいですね……。
一体何が……」
ハスミ「レッドガンの隊員に巨大な
グレネード弾を撃ち込まれ、それに
巻き込まれてしまいました。
……負傷者に優先順位をつけたくはないの
ですが、どうか、どうか、先にコハルを
診てあげてください…!
このままでは、この子は……!!」
セナ「うっ……!! む、むごい……
全身黒焦げ……。それに、
一刻の猶予を争いますね…。
急ぎ、治療に入ります。」
ハスミ「ありがとうございます…!」
セナ「ハスミ副部長、あなたもひどい怪我です。
治療を…」
ハスミ「いえ、私は後で構いません。この中では
私が1番軽傷ですから……。
それよりも先にコハルや、ラビット小隊の方
たちを…」
セナ「……わかりました。では、そちらの方々の
治療が終わり次第、ハスミ副部長にも治療を
受けていただきます。」
ハスミ「……ありがとうございます。」
ホシノ「……行こう。シロコちゃん。
私たちには私たちに出来ることをやろう。」
シロコ「ん…」
ホシノ先輩に促され、私たちはその場を
後にしようとした……その時、ミレニアムの
校内放送が鳴り響いた。
ザーザザ……
アヤネ:皆さん!!緊急事態です!!
ミレニアム本校に、独立傭兵【レイヴン】が
攻め込んで来ます!!:
プチン
その名前を聞いて、私の思考は真っ白に
なり、そしてすぐにまっ黒く焦がすほどの
炎が燃え上がる。
シロコ「レイ…ヴン……?」ハイライトオフ
セリカ「あいつが…きたの…?」ハイライトオフ
ノノミ「レイヴンが……ロニーさんの、
仇が……!」ハイライトオフ
ホシノ「…………」ハイライトオフ
みんなも同じみたい。当たり前。
ロニーを……私たちを助けてくれたロニーを、
あの男は目の前で殺した。
優しかった、ロニーを、あの男は【粗大ゴミ】と
言って、ロニーを穢して殺した。
許せるわけない。許せるはずがない。
だから殺す。絶対に殺す。
あの男だけは、あいつだけは…必ず殺す!!
アヤネ:館内放送が聞こえる人は急ぎ避難して
ください!!安全なば
ドシャアァァァァ、ガラガラ
アヤネの声が、壁と共に崩れて途切れた。
そして……再びその【災厄】は私の前に
姿を現す。
シロコ「レイ…ヴン……!!!」
------------------
カーラの誘導により、俺はミレニアム本校へと
やって来た。どうやらここにコーラルが
あるらしいが……
シロコ「レイヴウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!」バババババ!
セリカ「よくも!!よくも!!!!ロニーをおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」バババババ!
ノノミ「許しません!!!」ドドドドドドドドド!
アビドスのガキがいたとはな。まぁクソガキは
無視でいい。
セリナ「ひっ!ひいいいいぃぃぃぃぃ!!」
ハナエ「何でここにぃ!?」
セナ「まさか……負傷者を狙うつもりですか!?」
アル「なななな、なんですってえええぇぇぇ!?」
ハスミ「なんて…卑劣な……!!」ギリィ!
勝手に話を進めやがって…。死に損ないの
クソガキどもなどチリほどの興味もねえ。
621*カーラ、応答してくれ。*ザザ
ザザザザ
カーラ*着いたみたいだね、ビジター。*
621*コーラルの場所はどこだ?*
カーラ*エンジニア部の工房、その奥にある…
【新時代エネルギー資源保管庫】ってところだよ。
マーカー情報を送った。それを目指して真っ直ぐ
進みな。*
ウォルター*621、慎重に進め。ここはもう
【
ブースターは使うな。スキャンの使用を怠るな。
そして……スキャン結果だけを信じるな。
逐一自分の目で確認するんだ。*
621*了解。*
……今もなお下で怒号が聞こえるが無視だ。
こいつらに声の一つかけることが無駄でしかない。
……それにしても、言いようのない、
妙な感覚だ。
あえて言葉にするなら……
621:上手く行きすぎてる…?:
…………………………まさか……
…………いや、ありえん。『以前』ならまだしも
今の俺は障害まみれのゴミ同然の傭兵に過ぎん。
いくら昨日の暴れっぷりを鑑みたとして
それで『あいつら』が動くと思えん。
……思考は常に回し続けるべきだ。だが、余計…
いや、戦場において余計など存在しないが、
それでも本質を疎かにしてはいいわけではない。
俺たちの最大の障害は、【忍術研究部】のみだ。
奴らの事について思考を回すべきだ。
ガシャン、ガシャン
シロコ「!!!待てえええぇぇぇ!!!
レイヴウウウゥゥゥン!!!」ババババ
ホシノ「シロコちゃん、待って。」パシッ
セリカ「な、何よ!先輩!レイヴンが…
レイヴンが!!目の前にいるってのに!!」
ホシノ「だからって無闇に銃を乱射しちゃ
ダメだよ。ACにはいくら撃っても弾の無駄使い
にしかならないってのはセリカちゃんも
よくわかってるよね?
監視システムがやられた今、私たちがやるべき
ことは、あいつから目を離さないように
すること。
あいつを倒すには…… 先生の指揮と、独立傭兵の
ACたち、……そして私たちも。
全員が欠けずに協力しないといけない。」
セリカ「っっっ………!! そりゃ、そうだけど…
何で……何で………!!ホシノ先輩はそんなに
冷静でいられるの!!?? ホシノ先輩は
あいつが憎くないっての!?」
ホシノ「セリカちゃん。私だって憎くてたまら
ないよ。だから、あいつは確実に殺す。
そのために必要なことをしてるだけだよ。」
ノノミ「っっ!?」
セリカ「あうっ!!??」
シロコ「…………」
ホシノ「あいつは……あの男は………
絶対に逃しはしない。あんな奴は、
生きてちゃダメだから。…………だから
どんな手を使おうが、レイヴンは
必ず殺す。」漆黒ハイライト
ノノミ「ホシノ先輩……」
セリカ(こんなホシノ先輩……見たことない…
でも………)
シロコ「……ん、ホシノ先輩。ごめん。
……そうだね。こんなんじゃ、あいつは
殺せない。……だから、機を待てってことだね。
レイヴンを確実に殺せるタイミングを…」
漆黒ハイライト
ノノミ「レイヴンは私たちのことは目にも
入ってないみたいですし。
舐めていただいてる分、しっかりと後悔させて
あげましょう。」漆黒ハイライト
セリカ「ありがとう、先輩。少し頭冷えたわ。
ロニーの仇、絶対に討つわよ。」漆黒ハイライト
セリナ「……去って行きました…けど…!」
セナ「レイヴンが向かった先は、避難民が
集まっている広場の方向!!」
ハナエ「ま、まさか…!避難民を……!」
ハスミ「っっっ……私が出来る限り進行を
妨げてみます…。セリナさんたちは避難民の
皆さんに連絡を!」ジャキン
セリナ「な、何言ってるんですか!?
ハスミさん!その怪我で無茶です!!」
ハスミ「大丈夫です。外傷は目立つかも
しれませんが、身体を動かすのには
問題ありません。」
ハナエ「ダメです!!ちゃんと診てみないと!
ここで無理に動かせば、取り返しのつかない
後遺症だって残る可能性もあるんですよ!?」
セナ「医療者としては、ここで無理をさせる
わけにはいきません。それに、ここには警護に
ついてくれている生徒たちも多数います。
ハスミさん、考え直してください。」
ハスミ「……その警護の者の中には、私の
後輩たちもいるのでしょう?
…みんな、ACに対し、心に深い傷を負って
います。特にマシロは……
それに、相手はレイヴンです。彼が警護の
皆さんに加減をしてくれるとは思えません。
……だから、行かなくては…!!」タッ
セリナ「あぁ!ハスミさん!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒマリ「なに……?」
リン「どうしました?」
ヒマリ「例のハッカーが……手を引いた……?」
アオイ「諦めたのでしょうか?」
ヒマリ「それにしては不自然な撤退です…。
現に、防衛は押され気味でした。
いや、私が負けはしませんけれども。
ここで諦める、というのは少し……」
チヒロ:………ヒマリ、聞こえる?:ザザ……
ヒマリ「あら、チーちゃん。当然そちらも
異変に気づいていますよね。何かわかった
ことでも……
チヒロ:ごめん。ヒマリ。敵ハッカーが撤退した
理由ならもう分かってるんだ……:
ヒマリ「あら!さすがチーちゃんですね!
一体何で
チヒロ:もう意味がなくなったからだよ。:
ヒマリ「うん?意味がなくなった……とは?」
チヒロ:敵に、司令部の位置を抜き取られた。:
ヒマリ「……はい?」
チヒロ:ううん。それどころか…………
【ミレニアムの情報は、全て敵の手に渡って
しまった。】:
ヒマリ「え……あの……チーちゃん……?
それは、いくら何でも話が飛躍し過ぎては
いませんか?……」
チヒロ:間違いないよ…ヒマリ……:ギュゥ!
ヒマリ「ミレニアムの……情報全て……!?
ありえません!ありえるわけがないでしょう!
監視システムへの侵入だけならまだしも、
ミレニアムのデータバンクに入るには
何重ものセキュリティAIやシステムを
突破しなくてはならないのですよ!?
いくら星外企業に高度の科学力があると言え、
ここまでの短時間で全てを突破して
データバンクに入るなど!!
それこそデカグラマトンのよう…なっ……」
ヒマリ「…………まさか、超高度AIを……!?
このハッカーの目的は、私たちヴェリタスを
監視システムに釘付けにする事が………
…………………いや、それでもおかしい……
もし、仮に、デカグラマトンに匹敵、もしくは
超えるハッキングAIを所持しているならば、
そもそもこんな陽動じみたハッキングを
仕掛ける必要すらない……
そもそも、侵攻が始まった時に、もうとっくに
仕掛けにきているはず……………」
チヒロ:……もうひとつあるよ、ヒマリ。ミレニアムの
全データに干渉、抜き取る方法が……:
ヒマリ「………?」
チヒロ:……私が、私たちが、ミレニアムの
情報を全て抜き取られたって、断言できるのはね…
【ビッグシスターアルゴリズムが
掌握されているのを発見したからだよ】:
ヒマリ「……………は?」
チヒロ:…………………:
ヒマリ「チーちゃん…… いくら何でも、
その冗談は怒りますよ?」
チヒロ:……私だって、信じたくないよ……
でも、これは間違いなく……
ヒマリ「リオが!!キヴォトスを見捨てたとでも言いたいのですか!!??」ダァン!
チヒロ:………………:
ヒマリ「それこそ……そんなの!1番ありえない
ことです!!! 確かにあの女はドブ川の
底に堆積したヘドロのように性根の腐った
女ですよ!!
だけどキヴォトスを見捨てることだけはしない!
チーちゃんもよく知っているでしょう!!
リオがどれほどこのキヴォトスを愛しているかを!
確かにキヴォトスを守るためなら… リオは
どれほどの犠牲が出ようとそのための手段を
実行するでしょう!!
いざとなれば私たちですら切り捨てかねない
かもしれません…!!
それより前に自分を犠牲にする方法を考える
でしょうけどね!!
だから……だから……!!
リオが!!キヴォトスを!!星外企業に売り渡す
なんて絶対にありえません!!!」
チヒロ:………悪いけど、私はそうは思わない。:
ヒマリ「チーちゃん…!!」
チヒロ:確かにヒマリの言う通り、会長はキヴォトスを
見捨てたりなんて絶対しない。それは私もよく
分かってるよ。
……でも、会長にとって、【キヴォトスを見捨てる
という定義が、私たちとは違う。】
会長にとってのキヴォトスを見捨てないの定義は、
【キヴォトスが滅びなければいい】だよ。:
ヒマリ「っっっっ!!!」
チヒロ:ヒマリ……今の状況を…いや、
星外企業との力の差を合理的によく考えてみてよ…。
私たちの武器や技術をはるかに超えた【MT】…
たった1体でも、うんと火力を集中させて
やっと破壊出来るかどうか……
だけどMTなんて
いくらでも量産できるただの汎用品にすぎない。
実際、星外企業にとっての主力である【AC】には
私たちじゃ傷一つつける事ができない。
機動性も、破壊力も、防御力も、何もかもが
私たちには歯が立たない……
AC一体で3日もあればキヴォトスなんて焼け野原に
出来るだろうね……
そんな途方もない兵器をあいつらは何十と所持
してるんだよ?
ロニーさんは独立傭兵の人たちと協力すれば
勝てるかもしれないと言ったけど……
正直、無謀と言っていい可能性しかない…
しかも、もし仮にここを切り抜けられたと
して、その次は? 私たちには相変わらず
ACに対して対抗手段なんて持ち合わせていない。
独立傭兵頼りになる。
資金はいつか必ず尽きる。
そして、独立傭兵は金がなければ動かない。:
ヒマリ「…………」
チヒロ:……それで、こっからが私が言いたいこと
なんだけど……
星外企業は簡単にキヴォトスを滅ぼせる力を
持ってはいるけど、【キヴォトスを滅ぼしに
きたわけじゃない。】
むしろ滅びるのは困る。あいつらは
この地に眠る【コーラル】が欲しいから。
……だったら、会長が企業たちにかしずく
可能性は十分に考えられると思うよ…。
実際……それが1番合理的って、私でも
思ってしまう…。
勝てない戦いを無理に挑んで、被害を
いたずらに広げるより……
あいつらの奴隷でも何でもなって、
キヴォトスが残っていく選択をするのが
よほど現実的だろうね……:
リン「……だまって聞かせていただきましたが、
仮に私たちが降伏して、彼らの奴隷となって
生きるとして、それは生きていると言えるの
でしょうか? この地に住んできた私たちに
自由意志のない、そんな世界を、キヴォトスと
呼んでいいのですか?」
チヒロ:勘違いさせてしまったなら申し訳ない
けど、私がさっき言ったやり方を、私が賛同
してるわけじゃないよ。
でも……会長は合理的に動く人だから……
どんな形であれ、キヴォトスが滅びないので
あれば、どれほどの犠牲を払おうとそれを
実行する人だから……
……そして、誰に相談もせず、会長が1人でも
無理矢理に実行する人だってことは、
ヒマリもよく知ってるでしょ?:
ヒマリ「………………」
チヒロ:……………:カタタタッ
ヒマリ「っっ!!!これ…は……!」
チヒロ:それが証拠だよ。ヒマリ……:
ヒマリ「うっ、うぅ……!!リオ………
あなた、本当に……!!」ギュゥ、ポロポロ
アオイ「………状況を整理していいかしら?
横から聞いた情報で結論づけることになるけど、
端的に言って、セミナーの生徒会長が裏切った…
そして、私たちも、各司令部の所在の全てが
星外企業の手に渡っている。
……そういう認識でいいのかしら?」
ヒマリ「………………」
リン「…………すぐにここから移動を…
チヒロ:無駄だね。ビッグシスターアルゴリズムは
ミレニアムの情報、その出どころも完全に追跡
出来るシステム。
ミレニアムの中にいる限り、どこにいようと
追跡され続ける。
……逃げ場なんて、どこにもない。:
リン「……………」ギリ…!
バァン!
リン「!」
アオイ「!」
ヒマリ「」ピクッ
リオ「ヒマ……リ………」
リン「……リオ会長…」
アオイ「……………」
チヒロ:会長………:
リオ「ヒマ…リ……。ミレ、ニアムは……
今、どうなっ……て…………」
ヒマリ「………ふふふ、何ですか?
私が苦渋に歪む顔を覗きに来たのですか?」
リオ「………え?」
ヒマリ「だとすれば、あなたの望み通りの
結果になっていますよ?
あなたの【ビッグシスターアルゴリズムの
おかげ】で、ミレニアムの情報は全て敵さんの
手に渡りましたよ。」ニコッ
リオ「っっっ…………そ、う……」ふらぁ
ヒマリ「教えてくださいますか?
売り渡したのですか? もちろんあなた自身は
お売りになってるでしょうね。
それから、私も入っているんでしょう。
私はこのような身です。働き手としては
役に立たないでしょうから… 実験サンプルにでも
提供しました? それとも慰み者ですか?」
リオ「…………ぁ……ぅ………」
ヒマリ「ミレニアムの生徒は当然全員奴隷として
提供してるのでしょうね。
……もしかして、アリスやケイも情報とともに
提供しました? 実験体として使ってくれって?」
リオ「がう……の………」
ヒマリ「このキヴォトス中の生徒たち……も……
ボタボタボタボタ
ヒマリ「リ……オ………!?」
リオ「ちがう……ちがうの………
そうじゃない、そうじゃないわ……」ボタボタ
ヒマリ「あなた……絶望…して……?」
リン「……一体、どういうことです?
リオ会長。」
アオイ「あなたは、企業に私たちを
売り渡してはないということですか?」
チヒロ:……それじゃ、説明になってないよ。
会長。ヒマリに送ったデータを見てよ……
これは、明らかなる【ビッグシスター
アルゴリズム】の使用形跡。
……だけど、このシステムを使える人間は
ミレニアムの中でもただ1人、リオ会長しか
いない。
外部の人間ならなおさら使えるわけがない。
ハッキングも絶対に無理。
だって、私たちヴェリタスやヒマリができなか
リオ「いいえ、いるわ。」
チヒロ:……なに?:
リオ「ハッキング出来る人が、たった1人だけ
いるわ。
……私は、あなたたちを犠牲に、ビッグシスター
アルゴリズムのシステム権限を、与えてなんて
いないわ。本当よ。信じられないのが当然
でしょうけど…… 間違いなく、誰1人として
売り渡すようなことはしていないわ。
……だから、ビッグシスターアルゴリズムが
使用されているのは、堂々とハッキングされて
しまっただけ。ということになるわね。」
ヒマリ「………その言葉は聞き捨てなりませんね、
リオ。その言い方はまるで、私たちが劣るみたい
ではないでしょうか?」
リオ「訂正する箇所はないわ。その通りよ。」
ヒマリ「……」イラァ
チヒロ:……会長。その発言は会長の身を案じる
ほどの愚見をしてるよ?
ビッグシスターアルゴリズムを外部の人間が
ハッキングするということは、ミレニアムの
セキュリティAIやシステムの全てを無力化
するという事。
こんなこと、わざわざ私が言葉にしなくたって
聡明な会長なら理解していて当然だよね?:
リオ「だから、そう言ってるわ。
【十数秒で私のシステム含めてまるごとを
ハッキングされた】と。」
チヒロ:……会長。それって失言?それとも
いくら会長でも、私だってね、我慢ならない
言葉はあるよ?:
リオ「そういう風に聞こえたなら謝るわ。
…仕方のないことよ。ミレニアムのシステムに
入り込まれていたとして、あなたたちには
どうしようも…… いや、気づくことすら
出来ないでしょうね。」
チヒロ:………本気で怒るよ、リオ。
あなたの歯に衣着せない物言いは理解
してるけどね。
私たちにだって、プライドってものがある。:
ヒマリ「……エリドゥでの一件を忘れたとは
言わせませんよ、リオ。
あなたが構築したネットワークを
チーちゃんはハッキングした。」
チヒロ「それはヒマリが用意してくれた鏡の
おかげでもあるけどね。」
ヒマリ「どのような形であれ、リオが
ヴェリタスに遅れをとったという事実には
変わりません。
……すなわち、チーちゃんたちを低く
評価すればするほど、あなたの程度も
知れるということになりますけれど?」
リオ「………そうね。あなたたちは
【私如きに四苦八苦する程度の実力
しかない。】
そんなあなたたちが、【あの人】の妨げになろう
なんて、笑い話ね。」
チヒロ:……は?:
ヒマリ「何……言ってるんですか……?」
リオ「……昨晩の会議の時、私は言ったはずよ。
【その人】と出会った時、私の中の世界は
ひっくり返ったと。
……私なんて、所詮は凡人よ。【あの人】に
比べれば。
……だからヒマリ、私を優秀と考えるあなたも
凡才でしかない。
【天才】なんて言葉は、【あの人】のために
あるようなものよ。」
リン「あの人…… リオ会長それはまさか
ザザザザザザザ
アオイ「っ!?」
リン「何事です!?」
チヒロ:これは…館内放送から……いや、
ありとあらゆる通信網から発生してる!:
チャティ:……やぁ、調月リオ。:
--------------------
シロコ「……え?」
セリカ「え、え!?」
ノノミ「この、声……ロニーさん!?」
ホシノ「どういうこと…!?」
--------------------
アヤネ「え……ロ、ロニーさん!?」
ユウカ「ちょ、ちょっと…!?
これどういうこと!?」
モモイ「えーっ!?そ,その人って、
さっきレイヴンに殺されたんじゃないの!?」
ミドリ「い、いいいい生き返ったの!?」
カヨコ「………やっぱり、そうだったね…
ということは、こいつは…」
--------------------
チャティ:未だお前の場所を掴みきれていない故、
当然、俺にはそちらの声は聞こえない。:
アオイ「どういう……これは……!?」
リン「ロ、ロニーさん…口調が…!?」
チヒロ:………訳が分からない…:
ヒマリ「……まさか!」
チャティ:さて、死んだはずの俺が何故生きて
いるのか。調月リオを初めとした、聡明な
人間ならばすでに察しはついているだろう。
だが、その他多数の困惑しているであろう
者たちのために説明しよう。
……ロニーという独立傭兵はもうすでに
この世にはいない。
企業たちがこの地を侵略したあの日、
すでにあの時、アビドスの時点で。
今、この本校にいるはずの、アビドス対策委員会
なら、意味はわかると思う。:
アオイ「………!」ずさ
チャティ:俺は【ボス】が開発したAIだ。
本物の方はすでに始末させてもらった。
あの者に与えた役目を放棄しようとしたのでな。
お前たちが接してきた【ロニー】は
ボスの技術によりつくりあげた人格プログラムに
よりコピー、模倣されたものだ。
礼を言おう。リン連邦生徒会代表代理よ。
お前の情報のおかげで我々は欲しい情報を
手に入れ、目的はすでに果たさせてもらった。:
リン「あ…あ……!」タラリ
チャティ:後はここの始末だけだ。
だが、その前に調月リオ。
ボスがお前との対話を望んでいる。:
リオ「!!………」
ヒマリ「ボス…… それが、リオの秘密の友人…
ですか。」
チャティ:先ほど、ボスが無線の通信をジャックした。
すでにお前たちの通信設備もこちらの手の内にある。
代わろう。【最後の会話】、楽しむといい。:プツッ
ザザザザ…
リオ「!!!!!」バッ!
ヒマリ「!!!!!」
ザザ…ザ……:やぁ、リオ。昨日ぶりだね。:
リオ「あ…あぁ……!やっ、ぱり………
全ての黒幕は…あなた、だったのですね…
カーラ様……!」
ヒマリ「………この人が…」
チヒロ:……カーラさん、でしたっけ?
あなたが会長がずっと秘密にしてきた人と
考えていいんですね?:
カーラ:………あたしはリオに対して通話した
つもりなんだが…… まぁいいさ。そうだね。
で、何だ? あたしとリオとの関係性を再確認
したいってわけじゃないんだろ?:
チヒロ:はい。単刀直入に聞きます。あなたが、
リオ会長の組んだビッグシスターアルゴリズムを
掌握したのですか?:
カーラ:そうだ。その事で、するはずのなかった
連絡を入れたのさ。:
チヒロ:……あなたはリオ会長から私たちよりも
前から付き合いのある人だと聞きました。
あなたのことについて話している時、あんなに
楽しそうな会長は見たことがありませんでした。
はたから見てもわかります。会長はあなたの
ことを心から尊敬して、信頼していました。
……であるならば、ひょっとすると、
ビッグシスターアルゴリズムのアクセス権限を
渡されていてもおかしくはないかもしれないと
私は考えています。
それを使ったのですか?:
カーラ:………いまいちあんたの言いたいことが
よくわからないね。
意図が汲み取れないから、とりあえずは
質問にそのまま答えるよ。
そんなものはもらっていない。
いくら【
情や絆に絆されてミレニアムの重大なシステムの
1つにアクセス出来る権限なんて与えたりしない。:
リオ:ビクゥッ!!
ヒマリ「っ」ピクッ
チヒロ:ならば……どうやったのですか?
どうやって、リオ会長が組んだあの
アルゴリズムを掌握したというのですか?:
カーラ:………………あぁ、そういうことか。
あんた、ハッキングされたという事実そのものに
納得がいっていないわけか。
あんなくだらない防衛システムじゃあたしを
足止めすることは出来ないよ。
正直【がっかり】だね。:
ヒマリ「くだらない……!?」
チヒロ:っっっ!!!!
…………言ってくれるね。
到底飲み込みきれないけど…… 100歩譲って
あなたが防衛システムをパスしたと、
飲み込むとして………
リオを疑ったんだよ、こっちは。
だったら、いくら星外企業の科学力が絶大と
理解していても、短時間での突破なんて
ありえないと考える【防衛システム】でも
私たちが調べないはずないでしょ?:
カーラ:……気に障ったようだから、まずは
褒めておこうかね。
確かにあの防衛システムはものすごいと
思うよ。【
だから、あたしが【がっかりした】対象は
ミレニアムの防衛システムじゃない。
【
チヒロ:は?:
カーラ:つまりこう言いたいわけだろ?
防衛システムに侵入された形跡があるかを
調べたけど、そんなものはなかったと。
リオからはとても優秀なハッカー集団と
聞いていたんだけどね。
……調べたと言って、そんな判断を下すなら
期待外れもいいところだ。:
チヒロ:ありえない…!!絶対、そんなことは
ありえない…!
侵入したならどんなに小さくとも綻びは残る!
だけど、そんなものはなかった!:
カーラ:言葉が通じないか?
だからあたしはがっかりしたと言っているんだが。
……【雑に隠したハッキング形跡すら割り出せない
程度の能力なんだね】って、こっちは言ってるん
だよ。:
チヒロ:っっっっ!!!…………:
カーラ:ま、あんたたちに関しては特段言うことは
ない。言いたいことがあるのは、あんただよ。
リオ。:
リオ「………」ビクビク
カーラ:7秒だ。:
ヒマリ「………?」
リオ「は…い……」
カーラ:あんたが組んだプログラムを
ハッキングするのにかかった時間は7秒だ。:
ヒマリ「なっ!?」
チヒロ:ななびょう!?:
リオ「………そうでしょうね。
私程度の、能力なら…… 合理的に考えても
あなたならその程度でハッキング…
カーラ:私、程度だと?:
リオ「」ビクゥッ!!
カーラ:………あんた、あたしの授業の何を
聞いていた?:
リオ「え……と…………」
カーラ:リオ、あんたには目をかけてやっていた
つもりだ。なのに、あたしの授業を聞いておいて
リオ「っ!!………ごめん、なさい……」
カーラ:謝罪の言葉を聞きたいんじゃない。
『何してた』って聞いてるんだよ。:
リオ「わ、たし…は………」
カーラ:あんたからビッグシスターアルゴリズムの
構想を聞いた時、あたしはベースとなる理論を
教えたね。:
リオ「……はい、もちろん全て記憶しています…」
カーラ:そうか。それは優秀なことだ。
『肝心な事をすっぽかしたところ』に
目をつぶればね。:
リオ「え………?」
カーラ:あんたが組み上げた
させてもらったよ。
あたしが教えた理論に基づいていたね。
それはいい。どんな物事にも理論というのが
下地になっているからね。
だが、あんたのは則っているだけだ。
何だあれは? 全然『笑えない』よ。
構成を見た時、あたしは心底失望したよ。
「あぁ、こいつはあたしが必死に教えた事を
何もしてこなかったんだな。」とね。:
リオ「ごめんなさい…ごめんなさい…!」ポロポロ
カーラ:………あんたがあたしを救けて、
一緒に活動した1年の、1番初めに、
あたしは確かに教えたはずだ。
その後もずっと伝え続けたつもりだった。
……ミレニアムで、あんたがアリスの解体を
しようとした、あの事件の時にもあたしは
教えた。
………それでも、結局あんなものしか
組めなかったんだね。:
リオ「………」ポロポロ
カーラ:……なぁ、あたしがやってきた事は
無駄だったか? 結局、あんたの『心』には
何も響かなかったか?:
リオ「うぅ……ひっく………!!」ポロポロ
カーラ:………はぁ、そうだね。結局はあんたの
言った通り、あたしの程度も知れていたわけか。
全く、嫌になるよ。自分の無能ぶりにね。:
リオ「っっっ!!!それは……それだけは!
違います!!あなたが、無能のはずが
カーラ:無能だろ。知識ってものは武器だ。
で、『あたしが持つ知識』ってのはこの世に
存在するあらゆる中でもとびきりの貴重財産だ。
………そんな貴重品を
お前みたいなどうしようもない無能にくれてやってしまったんだからね。:
リオ「っあ…………」ガクッ
カーラ:自分が腹立たしくて仕方ない。
お前みたいな無能に時間をかけた事も。
お前のようなバカに期待していた事も。
……ウォルターと比べて自分が情けなくて
仕方ない。
あたしって『こんなにも人を見る目がなかったん
だね。』:
リオ「あ、あは…あはは……ごめ、んなさい……
ごめんなさい……」ボロボロ
ヒマリ「リオっっっ!!!!
……っっっっっ!!!!」ギュウウゥゥゥ!!
カーラ:………言いたいことは言わせてもらった。
まぁ、ただの子供じみた文句を言いたかった
だけに過ぎないが。
これからミレニアムの全システムを完全に落とす。
そして、連邦生徒会長代理、七神リン。
あんたには死んでもらう。
……ま、連邦生徒会は『アレ』の存在すら
おそらく知ってはいなさそうだが……
念の為だ。
曲がりなりにもあんたの師匠を務めさせてもらった者
として、最期の言葉を送ってやるよ、リオ。
【無能のツケだ。ありがたく受け取って
あの世に行きな。リオ。】:
リン「くっ…!?」
リオ「ごめん、なさい……無能でごめんなさい……
あなたの教えを何も活かせなくて………
申し訳ありませんでした……」ポロポロ
ヒマリ「……さっきから聞いていれば、随分と
好き勝手に宣ってくれるものですね?
カーラと言いましたか?
まさか、この清廉な病弱天才美少女、
明星ヒマリを差し置いて、もう勝った気で
いらっしゃるつもりですか?」
カーラ:ん……:
チヒロ:目の前でミレニアムを落とすって、
堂々と宣言されて、黙ってそれをさせると
思う…!?:
カーラ:……あぁ、あんたもそこにいたのか。
明星ヒマリ、だったね。
あんたたち、ハッキング対決であたしに
挑もうってか。
なるほど。その威勢は嫌いじゃないよ。:
リオ「ダメ………ヒマ、リ……
無駄よ…… いくらあなたでも……
その人には勝てない……」
ヒマリ「負け犬はすっこんでいてください。
そして、あなたの認識を訂正させてあげます。
このドブ川女と私とでは比較にすらなりません!
ここからはミレニアムの真の天才、
この明星ヒマリが相手です!!」
カーラ:…………不愉快だね。:
ヒマリ「不愉快、ですか。ふふ、相変わらず
私たちを舐めてくれるその態度は変わらない
みたいですね。」
カーラ:舐める? そりゃこっちの台詞だね。
あんたたちが、あたしに片隅でも勝てると
考えているのだとしたら、そりゃあたしを
【原始人】以下とバカにしてるようなもんだ。:
ヒマリ「っっっ」ビキッ!
チヒロ:………ははっ、なるほどね。
確かにあなたはリオの師匠だね。
リオ以上に人を苛立たせる物言いだよ。:
リオ「違う……決して、罵倒ではないわ……
その人の、言うことは、この上なく適切に……
ヒマリ「えぇい!!だまらっしゃい!!
あなたまで加わると余計頭に血が
のぼって仕方ありません!!」
カーラ:あたしは端的かつ適切な表現で
あたしと【あんたたちの世界】との差って
ものを言葉にしただけだ。
オブラートに包んでほしいと言われても
あいにくだがいい言葉が思い浮かばなくてね。
別にあたしはあんたたちをけなしたいわけじゃ
ない。
ただ、あの防衛システムと、そっちのヴェリタス
の小娘の反応で、改めて【キヴォトスの文明レベル】
を再確認したってだけさ。
まぁいい。止められるものなら止めてみな。:
カタタタタタタタタッ
ヒマリ「こんの!!チーちゃん!」
カタタタタタタタタタッ!
チヒロ:分かってる!!ハレ!コタマ!:
ハレ:了解!!:カタタタッ!
コタマ:何、ですか…これ!? こちらの
コマンドを受け付けない!?:
チヒロ:は……!?ヴェリタスの、システムが、
落とされている…!? さっきまで稼働してた
はずなのに!?:カタタタッ!
マキ:なんで!?……まさか、ハッキング!?:
ハレ:す、すぐに復旧……を…………
!?!?!?っっっ〜〜〜〜〜な、なんで!!
IDが!!パスワードも!!!コードが全部
でたらめになってる!!??
ずっと変化し続けて……!?:
ヒマリ「ふぅっ!!はぁっ!!!!
くうううぅぅぅぅ!!!!!!
こ、この……!!!な、なまいき……なぁ!!
わ、わたしをはじきとばし続けよう…
なんてぇ…!!」カタタタタタタタタタッ!
カーラ:何だい?威勢がいい割にまだあたしとの
レスリングへの入場券すら手に入れられないか?
ヴェリタスといい、こっちはあんたたちに対して
片手どころか指一本しか使っていないよ。
明星ヒマリ、あんたそんな体たらくじゃ
歴史上3人しかいないとされたその"全知"っていう
すごい称号が泣くんじゃないか?:
カタタタタタタタタタ
ヒマリ「くっうぅぅぅぅぅ!!!!!!
このおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
カタタタタタタタタタッ!
リオ「無理よ……無理………!
その人に……カーラ様に勝てるわけ
ヒマリ「うるさいです!!負け犬は
引っ込んでなさいと言ったはずですよ!?」
カタタタタタタタタタッ!
マキ:あ、あああぁぁぁぁぁ!!!
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!!
膨大な情報データが流し込まれてるうぅぅ!!!
こ、このままじゃ!!システムが
焼き切れちゃうよぉ!!??:
コタマ:ハ、ハレ!!!!何してるのですか!?
早くシステム内に入ってください!!:
カタタタタタタタタタッ!
ハレ:わ、わかってるけど……!入れないの!!
アクセスを試みても、エラーを吐き出すの!!:
カタタタタタタタタタッ!
コタマ:はいぃ!?は、入れないって、
自分たちのシステムに入れないハッカーなんて
いますか!?:
カタタタタタタタタタッ!
ハレ:無理なものは無理なのおおおおおお!!
あーーーーー!!!もおおおおぉぉぉぉぉ!!
アクセス権限がないのは分かってるってえええ
!!!!!!!!!
何回も同じエラー吐き出さないでってばああ
あああぁぁぁぁぁぁ!!!!:
カタタタタタタタタタッ!
コタマ:くっ!!??ふ、副部長!!!
事態は理解していますがどうかハレの
手伝いを!!!
このままではハッキングすら行えなく
なります!!!:
カタタタタタタタタタッ!
チヒロ:無……理………!!!:
カタタタタタタタタタタタタタタタッ!
はぁーはぁー!!!
コタマ:ふ、副ぶちょ、う……?:
チヒロ:ここで………ほんの少しでも……
やめ、たら………いま、すぐに……でも……
ここの、システム……は……!:
カタタタタタタタタタタタタタタタッ!
はあーーーー!!はあーーーーー!!
コタマ:え………? ま、さか……セミナーの……
管理者権限が……!?:
ヒマリ「チーちゃん!?チーちゃん!!!
大丈夫ですか!!??」
カタタタタタタタタタッ!
チヒロ:うがああああぁぁぁぁぁぁ!!!!:
カタタタタタタタタタッ!!!!
コタマ:なん、ですか……? 私たち、
一体何と戦ってるのですか……?
こんなの………AIだって……:
カーラ:バカにすんじゃないよ。
あたしはちゃんとした人間さ。
AIなんかと比べるな。:
コタマ:は……い………!?:
チヒロ:あっ……………:
カタ…………
ヒマリ「チーちゃん!?」
チヒロ:しまっ………
マキ:う、うわああああぁぁぁぁ!!!
ダメだ!! オーバーフロー……
いや、オーバーヒートしてる!!!:
ハレ:耐えきれないぃぃぃぃ!!!!
ダメ!爆発するうううぅぅぅぅ!!!:
ボオオォォォォォン!!!!
ヒマリ「チーちゃん!?チーちゃん!?!?」
カタタタタタタタタタッ!
:ピーーーーッザザザザザザザ………:
ヒマリ「っっっ!!!!!」
カーラ:ヴェリタスの小娘たちは退場か。
ま、想像よりかはやったよ。優秀だね。:
カタタタタタタタタタ
ヒマリ「ぁ……ぅぁ………わ、たし、だけ…?」
カーラ:ん……………:
カタ
ヒマリ「残されたのは、もう、わたし…だけ……?」
リオ「ヒマリぃ……!やっぱり、もうダメだわ…」
ヒマリ「わ、たしが、負ければ……ミレニアムは…
キヴォトスも……!!」
カーラ:…………………:
タタタタタタタタタタタタ
リオ「カーラ様が……敵の時点で………
最初からわたしたちに勝ち目なんて……
なかったのよ………」
ヒマリ「〜〜〜〜〜〜!!!!!
うるさい!!!だまってなさい!!!
天才ハッカー明星ヒマリの名にかけて!!
このキヴォトスを渡しはしません!!!」
カタタタタタタタタタタタタタタタッ!
ヒマリ(まだ……まだ………希望はある…!
ミレニアムの集合管理システムへの、
最後の門番、統合学習AI、Avior……!
古代から存在し、
ずっと学習を続け、もはや人の知でははかれない
ほどの演算能力を持ったキヴォトスでも最高クラスの
知能…!!
仮に、Aviorを上回る演算能力をこのカーラが
持っていたとしても、簡単にパスなんて
出来ない…!
私とAviorでハッキングを仕掛ければ…!)
カタタタタタタタタタッ!
カーラ:…………………:タタン
ヒマリ「うああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
カタタタタタタタタタタタタタタタ!!!
タンッ
ヒマリ「よし……!!入れ、ました……。
これで、ようやくこのふざけた女に…
カーラ:遅かったじゃないか。おかげさまで
こっちの仕事はチェック出来たよ。:
ヒマリ「え…………は、い………?」
ヒマリ「え……え………?管理、システムが……
陥落、してる……?え……?なん、で……?
どうして……? Aviorは…???」
カーラ:察するに、最後の門番とばかりに
仕込まれていた防衛AIのことかい?
【あんなもの】バラバラに解体してやったよ。
この文明では1番マシなAIだったかもね。
だけどま、何年だか何世紀だか知らないが、
機械が学習して手に入れられる知能じゃ
この程度が限界だろ。:
ヒマリ「え、は??? かい、たい………?
うそ、そんな……の……!?!?!?
バカ、な………そんなバカな!?!?!?!?
Aviorが……ア、あびおるが……!?
う、そ………うそうそうそうそうそ!!??
ありえない……ありえないありえないありえない
こんなのおおおぉぉぉぉ!!!」
リオ「ふ、ふふふ………あはははっ!!!!
そう、ですか………。ミレニアム……いや、
キヴォトス史上、誰にも、何人も突破できなかった
AIをあなたは突破どころか、易々と解体して
しまえるのですね…… カーラ様……
あはははははははははははっ!!!!!
こんな、こんなの!!あなた、みたいな天才に…
チートに………どうやって勝てって言うんですか…」
カーラ:あたしはそんな大層なもんじゃないよ。
リオ。:
ヒマリ「たいそう、な、ものじゃ、ない……?
Aviorを……キヴォトス最高の防衛AIを解体して
おいて……大したことない……!?って!!??
………あ、あは……あははは!…………
あははははははは!!!
…………すみません……。私たちの負けです。
完敗であることを認めます………。
だか、ら……だから、最後に教えてください…
あ、なたは……あなたは……!!!!!
一体何者なんですか!?
こんなの!!人間どころか!AIにだって
決して不可能です!!!
そんな、そんなことを……!!!
あなたは大したことないって!!言うあなたは!!
どんな存在なのですか!!??
お願いです!!最後に教えてください!!!」
カーラ:あんたの望む答えじゃないだろうけどね。
人間さ。人の腹の中から生まれてきた、
何にも特別性のない、ただの人間だよ。
だから、送ってやる言葉はこうだ。
【だから言っただろ。】:
ヒマリ「ふぇっ……へぇ……?」
リオ「…………………」
カーラ:各務チヒロ、だったか?
あの小娘が防衛システムを信頼していたって点で
すでに証明されてたのさ。
……あんたたちの理論は、【前提】そのものが
間違っているのさ。
……いや、まだ【そこ】に辿り着けていないと
言うべきかね。:
ヒマリ「は…い……?」
リオ「なに、を……?」
カーラ:あたしと
石を持って、狩りをしていた時代の人間に
コンピュータの話をしても通じなければ、
刀を持って斬り合っていた時代の人間に
火縄銃よりもずっと小さくて、引き鉄を引く
だけで数百と離れた人間を殺傷出来る
見せたって、そいつの頭は理解することを拒む。
……同じように、あんたたちの【常識】は、
あたしたちの世界じゃもう大昔に決着が
ついた【理論】だ。:
リオ「え…?」
ヒマリ「なん、の……ことですか……?」
カーラ:……人間の脳が、造られた知能に負けるわけがないだろ。:
ヒマリ「へ………?」
リオ「え………?」
リン「………っっっ!!!」
アオイ「………………」
カーラ:チェックメイトだ。:
カタンッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜レイヴンズネスト〜〜
カーラ「…………ふぅ」
ウォルター:……カーラ、大丈夫か?:
カーラ「………まぁね。こうなる事は、5年前に
この地にコーラルがある事を確信してから
覚悟はしていたさ。」
ウォルター:………彼女、調月リオと言ったか……
不憫なものだ…。相手がお前では、勝ちめは
到底なかったろう……:
カーラ「ウォルター、あんたの認識を訂正して
おいてやるよ。リオは間違いなく天才さ。
才覚で言えば、おそらくあたしなんて足元にも
及ばないほどだろうね。
そして、それに比べれる明星ヒマリも、自称
するように天才に違いない。
……最後、あたしの防御をかいくぐって
システム内に入り込んで来たからね。
だから、リオたちが不憫と言うなら、それは
【産まれ落ちた場所】だよ。」
ウォルター:なに…?だがお前は、【見る目が
なかった】と……:
カーラ「方便ってやつだよ。あたしの教え方が
悪かったんだろうね。
……まぁ、わざとの部分もあるが……」
ウォルター:……………:
カーラ「リオは………あまりにも才覚がありすぎた。
このキヴォトスレベルじゃ、お門違いだって門前払い
されるあたしたちの世界の理論をも、理解出来て
しまえるぐらいにね。
……だから、あいつには『EN』のことや、それを
発展させた理論である『コア理論』のこと……
ACに関係する理論は一切教えなかった……」
ウォルター:教えれば、彼女はACを造れてしまえる
からか。:
カーラ「そうだ。そうでなくとも、リオに
【ACの実験】を見られてしまっただけで……
あいつは
そういう意味で早い段階であいつの才覚に
気づけて良かったよ……
ほんの少し、何かが違っていれば……
あいつはACを造りあげていた。
………わかる通り、この世界でACなんてもの
造ってしまえば、そしてそれをキヴォトスで
運用なんてしてしまえば………」
ウォルター:……『封鎖機構』が見逃すはずがない。
……『俺たちの使命』を果たせなく
なっていただろうな……:
カーラ「……まぁ、最早済んだ話だね。
それとウォルター、いいね?※」
※連邦生徒会と、リンを殺すこと。
ウォルター:……………………そう、だな……:
カーラ「………『使命』を果たすんだろ?
だったら……今更躊躇うんじゃないよ。」
ウォルター:…………………あぁ。:
カーラ「………ハル坊、やっぱりこの世界で生きるにはあんたは優しすぎるよ……」
ザザ……
カーラ「聞こえるか?ビジター。------
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜ミレニアム本校内〜〜
*----システムは全て無力化した。
これで連邦生徒会は逃げられない。
コーラルを始末したら、その後は
連邦生徒会長代理、七神リンを排除するんだ。*
621*さすがだな。だが、七神リンだと?
意味は分かるが、順番で言えば浦和ハナコの方が
優先じゃなかったか?*
カーラ*そこは『あんたの予想通りの結果に
なってるよ。ほっといてもカタをつけて
くれる。』*
621*ふむ。では、先生は?*
カーラ*どうやらまだしぶとく生き残っている
みたいだね。それと、レッドガンの2名もそっちに
向かってるようだ。
嗅ぎつけられる前にコーラルを焼くんだ。*
621*なるべく急ぐ。終わったら、七神リンを
始末して、まだ先生が生き残ってるようなら
そいつも始末しに行くよ。*
カーラ*まぁ、先生に関しても企業に狙われている
上に身内の傭兵たちにも裏切られた以上、無事に
逃げ出せるとは思えないが…その時は頼む。*
621*『ん…………………』*
カーラ*どうした?*
621*………………………いや、何でもない。*
ウォルター*621、急ぐと言ってもあくまで
慎重に進め。
621*チッ…… 分かってるよ。*
カーラ*チャティも今、同じ地点に向かっている。
ミレニアムの情報はほぼ手に入れたが、
特にコーラルに関しては慎重になっておきたい
からね。
エンジニア部の研究成果を直接吸い出せてもらう。
その間、あんたにはチャティの警護もしてもらおう。
一応ね。*
621*了解。ではまた後で。*プツッ
そして、俺はまたのそのそと歩き出す。
ブースターを吹かせばすぐにでも到達出来るのにな。
クソッタレ……あのクソ忍者野郎ども……
面倒なことをしてくれやがって……
見つけたら確実に葬ってやる……
マシロ「と、止まりなさい!!」
チナツ「それ以上進むことは許しません!!」
進行方向上に何かいやがるが気に留めない。
こいつらは善意でしか動けん自殺志願者だ。
意識を向けることすら無駄だ。
ドシン、ドシン、
マシロ「くっ、うううぅぅぅぅ!!」ドンドン!
チナツ「だ、だめです……やはり全然効かない!」
バンバンバン
ドシン、ドシン、
ハスミ「待ちなさい!!そっちには行かせ
ません!!」
ドォン!ドォン!
ドシン、ドシン、
ハルナ「くっ!?だ、だめです!!」
ダダダダ!
アカリ「止まりません〜!!」
ドンドンドンドン!
イズミ「や、やばいよー!!!」
ジュンコ「このままじゃまずいわよ!?」
ドシン、ドシン、
ナグサ「な、んで………どうして……!!
やっぱり、私はアヤメじゃ、ないから…?」
キキョウ「こんな、無様な有様なんて……!」
レンゲ「ちくしょう…ちくしょぉ…!!」
ポロポロ
ユカリ「何で……身共は……こんなに
無力なんですの……」
ドシン、ドシン、
シロコ「っっっ〜〜〜〜」
ホシノ「シロコちゃん、堪えて………
まだ、まだ、ダメだよ……」
ギュウウウウゥゥゥゥ!!!ポタ…ポタ…
セリカ「でも……このままじゃホシノ先輩
…ひぅっ!!??」ビクッ!
ノノミ「ホ、ホシノ先輩……手から血が…!!」
ホシノ「まだ……まだ………ダメだ……!!
ダメだよ……!!!
あいつを……レイヴンを………!!!
殺せるチャンスまで……!!」ギリイイイィィィ!!
シロコ(ロニーの命を奪われただけじゃなく、
死んだ後も尊厳を穢し続けられて……
そんな……連中に………
最も憎い実行犯がいるってのに………!
何も、できない…の……?
ただ、こうやって指を咥えて見てるだけ…!?)
シロコ「……ごめん、ごめんね……ロニー……
ロニーは、あの日ノノミを、私たちを助けて
くれたのに……
私は、ロニーに……何にもしてあげられなかった…
今も……こうやって、ただ見てるだけ………
ごめんね……弱くて、ごめんなさい……!」
ポロポロ
ドカアアアァァァァン!
避難民「ひっ!?」
避難民「ああぁぁぁぁぁ!!!
き、来たぁぁぁ!!企業だああぁぁぁぁ!!!」
621:…………?:
妙だ…… 生存者の集まりどもの場所まで
来たと言うのに、忍術研究部どもは
どうしてる?
罠どころか、動きすら感じられん……
………まさか、生存者を見捨てたのか…?
あの時、ミシガンの提案を受けたのは、
決して、百鬼夜行の人間に情があった
わけではなく、この時のために……
…………いや、そうと仮定しても
今の状況に説明がつかん……
今ほど、絶好の機会はないだろう。
これだけの人間だ。生存者もろとも
こっちを吹っ飛ばす爆弾やら術やらを
使えば不意打ちとして最上だろう。
それこそ、生存者どもに気づかれんように
生存者の身体に仕掛ければ簡単なものだ。
…………いや、まさかこの思考こそが
奴らの狙いか…?
何もないと、ただ、怖気づいたのだと
こちらに侮らせ、安心し切ったところを
仕掛けるのが狙いなのか?
しかし……あれだけの立ち回りと豪胆さを
百鬼夜行において見せておいて、今更
俺たちに自らを怖気づいたのだと、
思ってくれると考えるほど、単純な思考の
持ち主でもあるまい……
………ちくしょう!狙いがわからん…!!
あのクソ忍者ども……とことんこの俺を
イラつかせやがって……!!
621*………どう思う?*ザザ……
ウォルター*……スキャンは行ったか?*
621*とっくに試している。罠らしい物は
何も反応なしだ。*
ウォルター*スキャンでは検知できない
科学では説明の出来ない何か超常的な
術か、それとも物があるのか……
分からん……もうコーラルまでは
目と鼻の先だぞ…?
何故姿も動きも見せん…?*
カーラ*……ただそこにいないってだけじゃ
ないのかい?*
621*……まさか、こっちにもウスラトンカチが
いたとはな……。だとすれば忍術研究部どもの
思考もあながち首をかしげるほどのことでも
ないのかもしれんな。……いや、それは
あの連中への侮辱か。*
カーラ*あたしへの侮辱だろう。
この際、はっきり言わせてもらうけどね。
あたしはどうやってもあんたたちの言葉に
頷けてやれそうにない。
忍術研究部ってのが、特別何かすごい集団
とも思えない。それこそあんたたちを超越した
頭脳明晰な思考が出来ると、そのミチルとやら
には思えない。
あんたたちの勘違いだよ。*
ウォルター*カーラ、あまり俺たちの世界の
常識を前提にした思考をするべきでない。
このキヴォトスは俺たちの世界と勝手が違う。
今まで観測してきたキヴォトスの現象が
こちらの世界の論理に適用されなかったと
しても、それで【キヴォトスは我々の科学には
無力】と結論づけるのは少々浅はかだ。
お前にも観測しきれなかったキヴォトス固有の
神秘があり、彼女たちがそれを持っていたと
考えるべきだ。
現に、イズナという忍者もミチルという上忍も
621が駆るACにダメージを与えた。*
カーラ*………はあ、あのね。この6年間
あたしがどれだけこの地を調査と観測を
してきたと思ってるんだい。
鋼鉄大陸という出来事時に観測された
エネルギーが、あたしがこの地で観測した
中で最大のエネルギー反応だった。
で、あれはリオに聞くところによれば
【名もなき神々】が大きく関係した現象
のようだ。
名もなき神々と言ってもあんたたちには
さっぱりだろうけどね。
まぁ簡単に言えばキヴォトスの『古代技術と
されている』ものって考えればいい。
その名もなき神々は現代のキヴォトスでは
実現不可の超技術かつ神秘そのものな現象な
わけだが、そのエネルギーでさえも『EN』で
構築されたあたしたちの世界の基準で言えば
鼻で笑う程度のエネルギー量でしかなかった。
そもそも言っただろ? 【キヴォトスの神秘は
ACには効力がなかった】って。
そいつも【色彩】ってのが攻め込んできた時に
起きた現象で試してみた。
結果はACはそんな現象………いや、神秘か?
【存在しないもの】のように無力化した。
いや、ACだけじゃない。あたしが作った物
全てがそうだった。
なのに、一地域の、一集団たちの技術やら
神秘やらがACにダメージを与えたと聞いても
あたしはあんたたちの錯覚だろうとしか
言えない程度には納得出来そうにもない。*
621*ほう?じゃあ先生の指揮がACに
適用されたという神秘への説明はどう
つけるつもりだ? こいつはお前の
言葉でもあるが?*
カーラ*………はぁ、こいつは泣き言の
ように聞こえるかもしれないけれどね。
あの【先生】って呼ばれる人間は
あたしが観測してきた中でもとびきりの
不可解な存在そのものだった。
彼の指揮に関してはまた別の領域のものと
考えるべきと言ったはずだけどね。*
ウォルター*ならば、彼女たちもまた
同様の別の領域であるとは何故言えない?*
カーラ*…………………………
はあ〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ。
嫌になってくるねホントに。
どっちにしろあんたの雇用主の
飼い犬たちが迫ってきている。
さっさとブースター吹かせて焼きに行かないと
アーキバスにコーラルを嗅ぎつけられちまうよ。*
621*………チッ…。*
ウォルター*……………*
カーラ*あんたたちが正しいにしろ、
まずはこちらから動きを見せてみた方が
いいんじゃないかい?
そうすれば忍研たちもいぶり出てくれる
かもしれないよ?*
ウォルター*…………やむを得ん。
621、ブースターを使用し、至急コーラル保管庫
へと向かえ。*
621*………了解だ。*
カーラ*はぁ……疲れるよ……*
マシロ「はぁ…う、動きが……」
ドン!
ハスミ「っくうぅ!?」
キュアアァァ、ドシュウウウゥゥゥ
チナツ「うっ、ううううぅぅぅぅ!!!」
イズミ「けほっ!けほっ!……って、あれ?」
キキョウ「い、いない…!?」
マシロ「でも、生存者の皆さんは無事の
ようです…」
ナグサ「生存者が狙いではなかった……?」
ジュンコ「じゃあ何が目的なの?」
ホシノ「っっっ!!!にが、すか……!!
レイヴウウウウウゥゥゥゥゥン!!!!!」ダダッ
ハスミ「なっ!?ホシノさん!?」
シロコ「ん……!」タッ
セリカ「見失うものか……!!」タッ
ノノミ「絶対逃しはしない…!!」タッ
マシロ「ちょっ!アビドス高校の皆さん!」
ハルナ「危険ですわ!!深追いをするべきではーーー
621*………やはり何も変わりなし……。
何を考えている…?*ブオオオオ…
ウォルター*このままではコーラルの元に
辿り着いてしまうぞ…?
ここでコーラルを焼かれてしまっては、
彼女たちにとっても本末転倒のはず
だろう……。*
カーラ*……あたしは、忍研がコーラルを
知らないにベットするよ。*
ウォルター*何だ………本当に何が狙いだ……?。
………………分からん……
とりあえずお前はそのまま作戦を継続しろ。
621。*
カーラ*無視かい。*
ウォルター*そこだ。その先にコーラルがある。*
621*確認した。確かに多量のエネルギー反応を
スキャンした。突入する。*
ドカアァン!!
ドアを周りの壁ごと蹴破る。
ウタハ「!」
ヒビキ「うわぁ!?」
コトリ「のわわわわ!!」
〜〜【エンジニア部 開発工房】〜〜
そうして見えたのは3人の小娘たちだ。
おそらくこいつらがミレニアムの
エンジニア部なんだろう。
どいつがリーダーの白石ウタハかは
知らんが……
ヒビキ「壁ごとドアを吹っ飛ばすかな…」
ウタハ「私たちよりもむちゃくちゃな奴だ…」
コトリ「そんなことより!まずいですよ!?
目の前の傭兵の目的はこの先に保管している
コーラルであると推測出来ます!
何故なら先ほどのアナウンスからここに
来るまでの時間が短すぎることに加え、
更には
ヒビキ「コトリこそ今呑気に今の状況を
説明している場合じゃないかな。」
ドカアアアァァァァン!!
コトリ「であるからっっっぷ!!??」
ヒビキ「ひゃん!?」ビックゥ!
ウタハ「ま、またか!?」
621:!:
横から弾け飛んだ壁の向こうからACの
姿が見える。
……だが、見ない機体だ。
これは独立傭兵の……いや。
チャティ:ビジター、どうやらほぼ同時
だったようだな。:
621:チャティか。:
チャティ:企業の手の者はまだ来ていないが、
もうすぐにでも来る。
お互いの仕事を手早く済ませよう。:
621:そうしよう。:
コトリ「はらほろ……」ピヨピヨ
ウタハ「な、何だ……仕事……?」
621:この先だな。:
ウォルター*あぁ、頃合いも上々だ。
後は忍術研究部たちの仕掛けだが……
慎重に行動しろ。621。*
621:……………:
ウタハ「な、何だ?何をするつもりなんだい?」
ドシュン!
ウタハ「うわあああぁぁぁぁ!!!」
ビュウゥゥン!
[近くだったため、ウタハはQBの衝撃が
起こした強風で吹き飛ばされる。]
ドガァ!![ウタハ、壁に強打]
ウタハ「カハッ…!」
ヒビキ「うぅぅぅぐぐ……」
キュゥアルルルル
チャティ:研究データと設備施設概要データを
抜き取る。:ルルルルルル
コトリ「ほろひれはれ……はっ!?
てっ、あああぁぁぁぁ!!!」
チャティ:……完了だ。やはり瞬間的に
作業を終えられたようだ。
これではボスにデータを転送する時間の方が
要しそうなほどだな。:
カーラ:そりゃありとあらゆる防衛機能を停止
させたからね。今のミレニアムは壁一つない
家みたいなものだ。:
ヒビキ「いつつつ……って、コラァ!!
なに人様の努力の結晶を勝手に盗んでるの!?」
コトリ「ていうか、目の前のACさん完了だって
言いませんでしたか!?」
ヒビキ「え…あっ!?な、何で!?
防衛システムはどうしたの!?」
〜〜【新時代エネルギー資源保管庫】〜〜
ドカン!!
621:……見つけた。:
ウタハ「うっく…………って!?な、なんて
乱暴な事をしてるんだ!?
その先にあるエネルギー資源を刺激してしまう
ところだったぞ!!」
ウォルター*これほど殖やしていたとは……
これもコーラルが持つ魅力に惹きつけられたが
故の結果か……*
カーラ*ったく、ガキども……
絵に描いたような愚行を犯しやがって…*
621:さっさと燃やすとしよう。:
ウタハ「って……は、もや、す…!?」
ウォルター*待て621。これほどの量、
迂闊に大きな衝撃を与えるのは逆に危険だ。
お前もろともどころか、このミレニアム本校一帯が
吹き飛びかねない。*
ウタハ「バ、バカ!?何を言ってるんだ!!
君は知らないかもしれないが、それは
コーラルと命名された未知のエネルギーで、
そこの手前に入っている瓶ひとつでも
数万k jに匹敵しかねない膨大な熱量が
あるんだ!!
そんなものがこの部屋にあるもの全てに
引火してみろ!!
この部屋どころかミレニアムの全てが
吹っ飛ぶかもしれないんだぞ!!??」
621:なに…… じゃあどうする。:
ウタハ「じゃあどうするって……
いや、そのまま引き返したまえよ!?
そうすれば何事もないさ!!」
ウォルター*右手の銃で奥の槽にある
コーラルの固まりを撃て。
その程度の刺激ならばいきなり全てが
暴発するわけではない。」
621:全て焼くんじゃなかったか?:
ウォルター*問題ない。これほど密集している
空間ならば、時間差で他のコーラルにも
引火し、やがて全てのコーラルを燃やし尽くす。
退避をする時間程度はある。*
カーラ*連邦生徒会のことを忘れるんじゃないよ。
七神リンは確実に消しておくんだ。*
ウォルター*カーラ…… それはもういいだろう。
彼女もコーラルの火で焼き尽くされる。*
カーラ*悪いがそいつは不確定要素だ。
いいや、確率で言えばもっと小さいぼやしか
起きない可能性の方が高い。
やばそうなら十分退避する時間はあるさね。*
ウォルター*……実行するのは621だ。
621を危険に晒しかねない作戦は取れない。*
カーラ*………あんた、それは本当に
ビジターの身を案じての発言かい?
それとも、まだ
してるんじゃないだろうね。*
ウォルター*…………………*
621:悪いが俺はカーラの意見に賛成だ。
もはや七神リンは生かしておくには
リスクがある存在だ。
カーラ*そうだね。そいつらも少しばかり
知りすぎた。企業に捕まれば面倒なことに
なる。始末を頼むよ。*
621:わかった。:
ウタハ「ふぅ……分かってくれたk
ドン
バシュ……ボオオォォォォォ!!!!!
ウタハ「って、ちょおおおおぉぉぉぉ!!??」
ヒビキ「ふぇっ!?ああぁぁぁぁ!!!」
コトリ「なっ、ななななんてことをおおぉぉ!?」
キュアアァァ!!ボシュウウゥゥゥゥ!!
621:……よし。:
ウタハ「いや、よしじゃないよ!!??
は、話を聞いてた!!??」
ヒビキ「た、大変だあああぁぁぁぁ!!!
ミレニアムの防衛云々どころじゃ
なくなったよ!?」
コトリ「ひえええぇぇぇぇぇ!!!!
コーラルに火が誘引していってますううぅぅぅ!!
こ、このままじゃどれほどの規模の災害が
起きるか分かったものじゃ…
ジャキン!
ウタハ「!」
ヒビキ「ふぇ?」
コトリ「にょ?」
621:次はお前たちの始末だ。:
ウタハ「…………あぁ、なるほど、確信犯
だったってわけか。
確か……レイヴンってユウカは言っていたっけな。
君、企業の手の者じゃないな?」
621:さぁな。:
ヒビキ「少なくとも、あなた……いや、
あなたたちは私たちよりもその物質について
知っているようだね。」
621:俺は別だ。それほどコーラルについて
知っているわけではない。
ただ、そいつは金になることと深入りするべき
でないことぐらいなら分かるぞ。
で、お前たちは少々こいつに深入りしすぎた
わけだ。だからここで死ぬことになる。:
チャティ:ビジター、こちらの仕事は終わりだ。
先に引き上げさせてもらう。:
621:あぁ。:
チャティ:コーラルの誘爆に巻き込まれない
ようにな。:キュラキュラキュラ……
コトリ「………あ、あの、見逃してって言ったら
聞いてくれたりなんて……」
621:わけねえだろ。:
ウタハ「ははっ、だよなぁ……」ぐすっ
チッ…… 俺としたことが、何を無駄話
してやがる。さっさとこいつらを……
------------------
ウォルター「カーラ、先生の様子はどうだ?」
カーラ*時間の問題だろうね。見事にレッドガンの
思惑通りの展開になってるよ。
しかも、総長さんはキヴォトスに雇用兵を
紛れ込ませていたらしいね。*
ウォルター「………なに?」
カーラ*後ろからドカンさ。しかも、
アリーナ入りの名うての高ランク傭兵さ。
2人も雇っていたよ。*
ウォルター「アリーナ高ランクの……独立傭兵
だと……?」
カーラ*そうだ。噂通りの徹底ぶりだね。
生身の一個人にここまでするなんてね。
まあ、二度も不意打ちから生き残ったんだが…
今まで観てきた中でも思った通り、
あの先生ってのはやっぱり悪運は強いようだね。*
ウォルター「まだ資金を残していたのか……」
カーラ*……どうした?何ブツブツ言ってるん
だい?*
ウォルター「いや……まさか……!!!
621!!もう任務のことはいい!!
すぐにそこから退避しろ!!!」
------------------
シロコ「はぁ……はぁ…………え?」
ドカアアアァァァァ!!!!!
ビシュン![Fade crow 回避]
ブン![STEEL HAZE レーザースライサー]
ウタハ「おおおおぉぉぉぉぉ!!??」
ヒビキ「またああぁぁぁぁ!!??」
コトリ「ひえええぇぇぇぇ!!!!」
なに……?あれって、確か………
でも、なんで…………………
【
その私の疑問は、目の前の憎い傭兵も
口にする。
621:………相棒じゃなかったのか?:
ラスティ:悪いな、戦友。元よりこれが
【作戦だ。】:
キュイ[STEEL HAZE メインカメラを
新時代エネルギー資源保管庫へと向ける]
ラスティ:………なるほど。ミレニアムは随分と
『封鎖機構の思惑』に乗っているらしい。:
シロコ「んぅ……?」
ホシノ「…………?」
セリカ「また、出た。その名前……」
ノノミ「"惑星封鎖機構"……… 一体………」
621:随分と物知りなようだな。:
ラスティ:君とそう変わりはないさ、戦友。
だが、客観的視点で鑑みればおかしいと
思うだろう?
『封鎖機構の手の内』である
【紅い麻薬が蔓延していた事に。】
621:………なるほど、確かに言われてみれば
おかしい。ならば『
帰着するのは必然か。:
カーラ*『……………………』*
ウォルター*確かに違和感はあったが………
いや、そんなことより、どうやら
遅かったようだな……*
ガラガラガラガラ
シロコ「!」
また、壁が崩れた。
その崩れた壁の向こうから3体のACが
見える……けど
ホシノ「なっ…!?」
セリカ「え、ちょっと!?どういうこと!?」
ノノミ「あれって、アーキバスの……!?」
みんな困惑している。もちろん私も
その組み合わせに混乱する。
だけど、もう一体のあれは………
シロコ「なんで、レッドガンと一緒にV.Ⅵが
いるの…!?」
最大の敵同士が一緒にいる。
だけど、
いや、機械音声に声色も何もないけれど…
雰囲気が、と言えばいいのか。
621:……なるほど、【俺が感じた違和感の解答が
合っていた】わけか……:
私たちが混乱している中、あいつはこの状況を
理解しているらしい。
なんて……頭の回る奴なんだろう……
ん、腹立つ………!
メーテルリンク:これは……!?:
ヴォルタ:どうなってんだ?こりゃあ。:
イグアス:やってくれたな、野良犬。
コーラルを燃やしてくれるなんてよぉ。:
621:やってくれたって台詞はこっちに
相応しいだろうが。
てめぇら……いや、ベイラムとアーキバスは
俺を殺すためだけに手を組んだってのか。:
カーラ*これはさすがに予想がつかなかったね……!
あんたを潰すためにここまでするか…!*
ウォルター*だが………どうやった……?
お前を消すためだけにベイラムとアーキバスが
手を組むなど、上が納得するようには
思えん。*
ザザザ………:ウォルター、どうせ聞いている
のだろう? ならば答えてやるから暗号回線
などとこそこそせず、堂々と出てこい。:
機械特有のノイズ音と共に、耳に残る馴染みの
声が聞こえてきた。
セリカ「あ!おっさんの声!!」
その声にセリカが真っ先に反応する。
ミシガン:ん?その声は頭空っぽ猫耳野郎の
声か!ということはアビドスワンワンどもも
ここにいるな?:
セリカ「頭空っぽ言うな!!」
アビドスワンワン……… ん、ムカつく。
また変な名前を付けて……!
ミシガン:まぁいい。そんな事よりさっさと
出てこんか!ウォルター!!
それともQ&Aのコーナーは要らんか?:
おっさんの煽りに応えるように、レイヴンの
機体から知らない声が聞こえてきた。
ウォルター:……ミシガン、この同盟はお前が
発起人か?:
年配の声……この人がウォルターという人物で
このレイヴンの主人と考えていい……
ということは、ロニーを巡る仇の黒幕でも
あるということだ。
だったら、こいつも見つけ出して絶対殺す。
ホシノ「………………」漆黒ハイライト
ミシガン:そうだ。:
ウォルター:随分と上手く上層部を説き伏せた
ものだな。:
ミシガン:そいつは愚問だな。俺との関係性を
貴様が知らぬわけではあるまい?:
ウォルター:………なるほど。危ない橋を渡って
いるようだな、ミシガン。
だが、アーキバスにはどう立ち回った。
連中が簡単においそれと頷くはずがあるまい。:
ザザ………:それに関して答えてあげましょう。:
また、知らない声が聞こえてくる。今度は
メーテルリンクの機体からだ。
……ということは、こいつはもしかして……
ホシノ「………浅はかかもだけど、アーキバスの
進駐軍の司令塔かな…」
スネイル:そこの駄犬如き、我々アーキバスが
手を煩うことなどありえませんので、そちらの
レッドガンの警戒など、我々からすれば
一笑に付すところではありますが、
箸と棒にかける対価にしては、中々に
魅力的な条件を提示されましてね。
こちらとしても鬱陶しいハエ1匹を
潰すにはちょうどよかっただけの事です。:
セリカ「………何か嫌な奴……」
シロコ「箸と棒って……なに?」
ホシノ「いや、それは今気にするところじゃ
ないと思うよ?……でも、確かに。」
ノノミ「ちょっと意味が分からないですね…」
ウタハ「誰か分かるかい?」
コトリ「わかりません!」
ヒビキ「私たちの分野は科学だし……
文法なんてさっぱりだよ……」
ウォルター:……………なるほど、次席隊長は
頭脳は明晰でも、教養の方は幾分と備わって
いないらしいな。
その傲慢、貴様ほどセミに例えられる
良い例は他にあるまい。程度が知れるぞ。:
セリカ「………なんか、ウォルターさんって人、
すっごい怒ってない?」
ノノミ「そりゃ、自分たちをここまで
貶されれば怒るのも無理はないかと…」
セリカ「ここまでって、どれくらい
バカにされてるの?」
ノノミ「えっと……」
シロコ「…………セミ?」
ホシノ「うへ〜……おじさんには
ちょっとレベルが高くて分からないかな〜…」
ウタハ「ちんぷんかんぷんだ……」
ヒビキ「国語は私たちの専門外だって〜…」
コトリ「だ、誰か!説明してください!!」
621:別におかしくはないだろう。
このヴェスパーの言うことは確かに
中々に的を射ている。
確かに俺なんざ企業からすれば木の枝に
等しいだろう。:
シロコ「………やっぱり、あいつは意味
分かってるみたい…… ん、腹立つ…」
ウォルター:621………どうやらお前はあまり
自分の価値を理解していないようだな。
お前は昨日の作戦行動でアーキバスにも
散々と価値を表明した。
それを汲み取れん時点でこの男は夏虫にも
劣る節穴の持ち主ということだ。:
スネイル:どうやら駄犬にしては飼い主より
物分かりは良いようですね。
カビの生えた脳にしてはまともな思考を
生み出すものです。:
ウォルター:…………………:
621:文句がないわけではない。
木の枝を折るにしては大人気ないどころか
子供の癇癪のほうがマシに思えるほどだぞ。
一体何をもらったら子どもの癇癪に付き合える
気になれるわけだ?アーキバスさんよ?:
スネイル:………ミレニアムの譲渡。:
621:………なに?:
スネイル:この地を我々アーキバスに
譲り渡すことを条件につけたのですよ。
もちろんこの開発工房も。
……だが、どうやら中々煩わしい事態に
してくれたようですねぇ。駄犬。:
621:……嘘だろ?:
ウォルター:それは本当なのか……?
ミシガン……!?:
ミシガン:あぁ、間違いない。ミレニアムは
我々ベイラムは手をつけんことを約束した。:
ウォルター:バカな…!?その意味を、
理解していないお前ではあるまい!
その地を取られれば、キヴォトスにおける
絶対的優位性を握られるも同然なんだぞ!?:
ミシガン:そうとは決まらん。キヴォトスは
広い。そして占領域はわれわれベイラムが
多数を占めている。
MTを生産する工場ならいくらでも建てられる
だろう。:
ウォルター:何を言っている……!?
工場を建てるだと……!?
そんな資源、お前たちベイラムは
持っていなければ、
ない!:
ミシガン:心配は無用だ。上のクソ狸に
手配させたからな。:
ウォルター:て、はい……だと……!?:
621:………あんた、いよいよボケちまったか?
それとも血迷ったのか?
いずれにしろ今のあんたが正気とはとても
思えん。
この惑星は『惑星封鎖機構』が睨みをきかせている。
物資なんて手配したところで連中に撃ち落とされて
終わり。
物資の輸送なんてとても出来ん。
そもそも、お前たちだって随分と犠牲を払って
かろうじてキヴォトス入りしたはずだ。:
ミシガン:…………レイヴン。消えた後の貴様が
何をしていたかも、何故そうなったのかも
俺の知るところではないがな。
【その名の意味も、取り巻く問題も、
どうやら認識していないようだな。】:
621:なんだと……?:
ミシガン:……………俺だ。……………そうか。
さすがにあの男の元で鍛えられてきただけの
事はあるな。……………あぁ、任務完了だ。
依頼料の件は後にしろ。そのレイヴンのことで
こっちはかかりきりだ。…………分かってる。
終わったらサービス付きでちゃんと振り込んで
おいてやる。ではな。:
ガチャン
621:…………?:
ウォルター:何だ……誰と連絡を取っていた?:
ミシガン:たった今こちらにとっての朗報と
貴様らにとってのバッドニュースが舞い込んで
きた!
封鎖機構のステーション31襲撃を【ブランチ】が
成功させた。
それにより、封鎖機構の封鎖戦力は壊滅!
ここに来た時とは比べられん大穴が
惑星封鎖に生じた!
事実上惑星封鎖は機能を停止したものと
断定して良いだろう!
もちろん一時的ではあるが、それでも
物資の輸送を阻むには、とても立て直しは
間に合わんだろう。:
ウォルター:なに……!?:
621:!:
スネイル:ほう……:
……さっきから、何の話をしているのか
分からない……
ウォルター:バカな…… 封鎖機構の執行機大隊で
編成された封鎖戦力を壊滅させただと…?
ブランチ……3人の傭兵から成る少数精鋭の
実力者集団と聞いたことはあるが………
いや、しかし妙だ。お前が昨日やり合った
ブランチのシャルトルーズも相当な強者に
違いないが、それでも俺の所感では
単体ならともかく、『HC』の多くを相手どれる
ほどとは思えん。
残り2人の実力がお前が相手した傭兵より
更に上澄みの能力なのか…?:
621:……いや、2人じゃない。おそらくは『1人』
だろう。:
ウォルター:なに……:
621:あんたが驚いてるところ悪いが、俺としては
『LC』やら『HC』なんぞ、ACの比にもならん
ガラクタとしか思えん。
だが、MTとは比べるのが失礼なぐらいには
高性能な事にも間違いない。
HC LCで編成された1000程度の大隊なら、
10万のMTを持ってきても到底敵わん。
……だから、V.Ⅳと2人で3000程度のMTを
退けたという【キング】という傭兵も
それほど大きな実力差はない。
それでも傭兵界隈では上澄みの実力と
評していいだろう。
……そして、その数の執行機体を壊滅させるのは
俺でも骨が折れる、が十分可能だ。:
ウォルター:まさか……お前に匹敵する実力の
傭兵がブランチに所属していると言いたいのか?:
621:十分にあり得る。フロイトも、
ほぼ単騎で封鎖機構の執行部隊を壊滅させて
いるんだ。
しかも、フロイトは元独立傭兵だ。:
スネイル:なに…!?貴様、何故そのことを
知っている!?:
621:答える気はない。ただ、これは言っておこう。
『ヴェスパーに関しては俺はお前より知っている。』
おそらくな。:
スネイル:なに!?:
621:だからウォルター。今のこの状況は
その事を考慮しなかった俺たちの落ち度だ。
こうなって当然とも言えるな。:
ウォルター:……………:
ミシガン:………黙って聞いていたが、
貴様、それは本気で言っているのか?:
621:……は?:
ミシガン:………なるほど、『その名』を
俺が貴様より認識しているという事が
改めて分かった。:
621:………何が言いたい?:
ミシガン言葉を返してやる。『貴様ら』の
問題について答える気も関わる気もない。
だが、代わりに少し昔話をしてやる。:
ウォルター:ミシガン、何を言っている?:
ミシガン:いいから、黙ってお座りしてろ。
総員、静聴!:
621:チッ……こんな時までコントをやってん
じゃねえ…:
ラスティ:そう言うな。戦友。:
ウォルター:………………:
スネイル:どうやらベイラムの地獄はよほど
頭の部品が足りないようですねぇ。:
イグアス:アーキバスの指揮官は良いことを
言うじゃねえか。:
ヴォルタ:耳障りで仕方ねえよな。:
シロコ「ん、確かに。」
セリカ「おっさん味方にもうるさいって
言われてるじゃん。」
ノノミ「やっぱりおじさんのいる所は
動物園の木の上が似合いそうです☆」
ホシノ「うへ〜。おっさん〜。黙って
スクワットでもしてたらどう〜?」
ウタハ「え、いや、確かに声は大きいけど…」
ヒビキ「普通に気になるからおじさんの
話聞きたいんだけど。」
コトリ「人が真面目に話そうとしているのを
聞かないのはなんたることですか!!
あなたたち全員失礼です!!!」
メーテルリンク:え、いや、私は普通に聞こうと
ドォン!!!!!
キヴォトス's:ビクゥッ!
ミシガン:やかましいぞ!!!黙って聞かんか!!そら!!おすわりだぁ!!ウッキーどもぉ!!!!:
621:あなたこそ少しはしおらしく
話せませんかね?ウッキーさんよ。:
ラスティ:戦友…:
スネイル:チッ…… 反吐が出る
ベイラムのレッドガンは最低限の教養すら
ないのですか?:
ヴォルタ:一緒にすんじゃねぇ!!!:
シロコ「ん、でもおっさんがレッドガンのトップ。」
イグアス:…………………チッ:
セリカ「おっさん、ホントに身の振り方を
変えた方がいいわよ。
部下に迷惑がかかってるじゃない。」
ノノミ「ナイル副長と交代するべきです!」
ホシノ「うへぇ…… 耳がキンキンするよ〜……」
メーテルリンク:…………:ビクビク
ウタハ(……こ、こわ……)
ヒビキ(な、何でこの人たち平気なの……?
胆力えぐすぎない…?)
コトリ:(;ω;):
ウォルター:621、煽るな……。
お前たちも、621に連られるな……。
これでは話が前に進まん。全員静かにしろ。:
621:チッ…………:
ミシガン:G13!舌打ちをするなぁ!!
ホントに貴様はいけすかん野郎だ!!!
まぁいい!!総員、静聴!:
ミシガン すぅ…………
ミシガン:………もう20年は前か。
ある宙域で、1人の男がいた。
そいつはファーロンで一つの武装船団を率い、
そいつ自身も、ACパイロットとして
上澄みと言っていい実力を持っていた。
【勘違いをする】ほどにはな。:
621:………………:
ミシガン:仲間と一緒に、負けなしだったそいつは
ある時、あるACと出会った。
そいつはたった1機だった。
たった1人で、そのある男に、ある男が
率いていた船団に喧嘩をふっかけてきやがった。
はたから見ればその傭兵はただの自殺志願者か
頭のネジが全部ぶっ飛んだ異常者。
しかも、そいつはまだ2桁にもいっていない
子どもだった。
当然、ある男はそのACを侮った。
その男は自分には才能があり、経験があり、
確かな実力があると。
だから自分が負けるわけがないと、ましてや
カビすら生えておらんケツの青いガキに
万に一つも自分が負けるはずがないと。
だから仲間には手を出させず、そいつも
タイマンで挑んだ。
この世界の厳しさと、思い上がりを
叩き込んでやろうとな。
そしてすぐに思い上がっていたのは
自分だったと思い知らされた。
そのACはあまりに強かった。
男の才覚も、努力も、何の意味もないほどに
理不尽なまでに強かった。
男は散々と叩きのめされた。
男の危機に、男を救おうと男の仲間は
なりふり構わずそのACに総攻撃した。
だが、事態は何も好転しなかった。
むしろ、この世の地獄かと錯覚するほどに、
最悪だった。
そして……… 気がつけば、その男はその地獄に
おける、ただ1人の生還者となっていた。
仲間を全て失い、心を完膚なきまでに
へし折られたある男は、涙と共に固い誓いを
立て、誓いは男の戦場における教訓となった。
【相手がどれほど非力だろうと、
例えアリだとしても、微塵も
侮らずに全身全霊に、徹底的に
叩き潰すとな。】:
ウォルター:ミシガン……お前は……!:
シロコ「……………!」
ミシガン:そのACは、その傭兵はこう名乗った。
……【レイヴン】と:
621:………………:
ミシガン:ウォルター、お前がそいつを連れて来た時、
直感で分かった。『本物』だとな。
貴様はそいつを買っているようだが、
俺は貴様よりもずっとそいつのことを
買っている。今
連中では俺が1番そいつを危険視していると
言っていいだろう。
でなければ、自らが不利益を被ってでも、
アーキバスと手を組むなどといった
行き過ぎた大間抜けはせん。
だから、これは決して私怨の行いではない。
レイヴン、貴様にはもう恨みはない。
だからこそ、これは貴様への俺が出来る
最大限の敬意だ。
……と言っても、頭ガチガチのアーキバス野郎が
「うん」と言わなんだから、俺は本部で牽制を
しなければならなくなったがな。:
スネイル:あたりまえです。そのカビの生えた
駄犬のためだけに、アーキバスの全戦力を
動員など呆れる愚行です。
まぁ、あなたの小心ぶりはよく分かりましたよ。
全く、仮にもベイラムの進駐部隊のトップである
者が、何とも惨めなことです。:
ミシガン:……どうやらヴェスパーも他人の
ケツを舐め回すのが大好物のようだな。
だがそいつのケツを舐めるのだけはやめておけ。
ツケに貴様らもろとも灰に変えられるぞ。
そいつは生かしておけば、俺たちベイラムも、
そしてお前たちだって、全員が等しく
殺される。
その男は、それだけの力を持っている。
だからこそ、そいつは……【レイヴン】は
ここで確実に息の根を止める。
……何もかもを黒く焼き尽くされる前にな。:
ホシノ「っ!……………」
ラスティ:そういうわけだ。残念だが戦友。
これも仕事だ。覚悟を決めてもらおう。:
メーテルリンク:レッドガンの総長には感謝します。
あなたは危険すぎます。ここで排除させて
いただきます。:
ミシガン:G3 G4!貴様らの人生で間違いなく
1番の正念場だ!気を引き締めてかかれ!
無闇に突撃はするな!G2の応援が来るまでは
とにかく死なないことを第一にしろ!:
ヴォルタ:あぁ。言われなくてもわか
イグアス:くだらねえ。:
ミシガン:なに?:
イグアス:どいつもこいつも、情けねえ。
たかが野良犬ごときに、何をビビってやがる。
特にミシガン、大昔のこの野良犬にこっぴどく
やられたトラウマを未だに引きずって、
こんなリンチみてぇなことを考案するなんざ
いよいよてめぇの程度も落ちぶれて来やがったかよ。:
ミシガン:イグアス、貴様の自惚れもそこまで
行くとなじる気にもならんな。
そいつの目の前でアホ面をかますのは全く笑えんぞ。
自殺の予定がなければ、認識を改めろ!
さもなければさっさとこの任務から外れろ!:
ヴォルタ:イグアス。はっきり言ってやるがな。
そいつはお前よりも圧倒的に強え。
もちろん俺よりもな。ミシガンの言う通り
舐めてかかると、本気で死ぬぞ。:
イグアス:ケッ…… バカみてえだぜ……。
所詮こいつは野良犬だ。俺たちレッドガンに
敵うはずもねえ。:
ヴォルタ:イグアス!:
イグアス:………だが、こいつを野良犬のまま
死なせるのはもったいねえのも確かだ。:
ヴォルタ:!:
ミシガン:イグアス…!貴様…!!:
イグアス:野良犬。降れ。俺たちベイラムにな。:
メーテルリンク:なっ!?:
ラスティ:……………:
621:………………:
ホシノ「っ!!!!」ギリィ!
イグアス:野良犬の世話なんざまっぴらだが……
首輪に繋がれたんなら…まぁ面倒見てやるのも
悪くねえ。
ヴェスパーも、アーキバスだって、大したことねえ。
俺たち3人なら、この場にいる奴らまとめて
ぶっ潰せる。そうだろ?:
ヴォルタ:………ははっ!そうだな。そりゃ
最高だぜ。ミシガンが立てた作戦なんざより
よっぽど名案だぜ。
確かにアーキバスなんざものの数にもならねえ。
昨日みてえによぉ、3人で大暴れすりゃあ
解決だ。:
ミシガン:このバカどもが!!笑えん冗談を
言うな!!:
スネイル:ほぉう。同盟を破るつもりなら
あなたがたレッドガンもまとめてゴミ箱に
入れて差し上げましょうか?:
ヴォルタ:ミシガンの言うことなんざ無視
すりゃいい。アーキバスの同盟なんざ
関係ねえ。俺たち3人で敵を全員ぶっつぶせば
いい。簡単な話だ。俺たちならな。
……だから、烏野郎。:
イグアス:降れ。ベイラムに降ると言え。:
ウォルター:………………:
621:………確か、15年以上は前か。
その時も同じように勧誘されたよ。
答えは一緒だ。断る。:
イグアス:………………:
621:企業付きになるなんざ死んでもごめんだ。
羽をもがれるぐらいなら、惨めでも野垂れ死に
する方がマシだ。
自由を求めてなかったなら…【独立傭兵】なんて
やってねえ。:
イグアス:確実に死ぬとしてもか?:
621:確実?……俺の死が決定してることには
頷けてやれそうにねぇが……まぁ、仮に
今から死ぬことが避けられないのだとしても
俺の答えは変わらん。
そもそも独立傭兵になった日から惨めな死も、
理不尽な死に方も覚悟してる。
【好きなように生き、理不尽に死ぬ。】
それが俺たち、【独立傭兵】さ。:
イグアス:ふううううう……………
バカヤロウが……生きられる最後のチャンス
だってのに……
お前ら独立傭兵ってのは、プライドばかり
高くていい加減かなわねえ。
もう吐いた唾は飲み込めねえぞ?:ジャキン
ヴォルタ:まぁ……おめぇならそう言うとは
思ってたがよ………
いきなり塩を送ったことを、後悔する時が
来るとはな。
……いんや、てめぇならこれも本望か。:ジャキン
スネイル:くだらない茶番でした。先ほどの
戯言は聞かなかったことにしてあげましょう。
ヴェスパーⅣ、Ⅵ、『本命』の前にそこの駄犬は
確実に始末しておくように。:
ラスティ:私が前で翻弄しよう。隙を見て
彼を叩いてくれ。:
メーテルリンク:了解です。第四隊長殿。:
ウォルター*まずいな……。ミレニアム本校の
周りも両企業のMTに完全に包囲されて
しまっている…。*
カーラ*こうなってしまったからには仕方ないね…
ビジター、厳しいと思うがそこから何とか
脱出してチャティが向かった方向に進むんだ。
その先にはあたしが密かに用意していた
秘密の抜け道がある。
そこに入りさえすれば逃げ切れるはずだ。*
621*脱しろか…… ならばV.Ⅳを無力化
しないとな。よしんば振り切っても機動力で
簡単に追いつかれる。*
ウォルター*急げ621。G2とV.Ⅲの反応も
近づいている。:
621*だろうな。了解。*ピッ
ミシガン:……さぁて、機も役者も熟したようだな。
では、本作戦のメインディッシュ、
【烏野郎棺桶作戦】を開始する!
突入しろ!命知らずども!!:
ラスティに、レッドガンの2人………
正直キツイな。
だが、だからこそ燃えるというものだ。
俺は、この窮地こそを、この理不尽こそを
今までも追い求めていたのだ。
むしろ、嬉しいことだ。
ラスティ:行くぞ。戦友。:ドシュン!ギャルルル
621:ふん。:ブァン
ガキイイイイィィィィィィン!
ドヒュゥ!
コトリ「ひえええええぇぇぇぇぇ!!!」
セリカ「うわあああぁぁぁぁ!!!」
ノノミ「くっうううぅぅぅぅ!!!
こんなところまで戦闘の衝撃の余波が
飛んでくるなんて…!!」
ウタハ「本当っにっ…!!なんてっ……
凄まじい戦闘、ロボット…!!
技術者魂が揺さぶられるね……!!
一度解体して中身がどうなってるのか
見てみたいものだ…!」
ヒビキ「せっかく昨日そのチャンスがあったのに〜!」
ウタハ「何はともあれ、離脱するチャンスだ!
コーラルに引火した以上、ここがふっとぶのは
時間の問題だ!!
司令部に連絡して、状況説明を…
ホシノ「いや、チャンスと言うなら別の
チャンスだ…」
私はホシノ先輩の言葉を聞いて、すぐにピンと
来た。
だから、私はその後言葉を紡ぐ。
シロコ「ん…!あいつを…レイヴンを殺せる
絶好のチャンス…!」
私は瞳に仇を討つ闘志を宿し、手に持つ
ライフルを力強く握る。
ウタハ「な,何言ってるんだ?まさかあの戦いに
加わるつもりか!? 無茶だ!!
ACの破壊力は腕を軽く振るうだけで私たち
キヴォトス人ですら致命傷を負うほどと聞く!
そもそも!機動力がまるで足りない!
音速に近いスピードで戦闘を行う機械兵器に
銃弾を当てるどころか!目で追うことすら
出来ると考えているのかい!?」
ホシノ「大丈夫だよ。どんなに速くとも私なら
当てられる。」ガシャン!
ウタハ「いや、そんなバカな……マッハだぞ…!?
そ、それだってそもそも、よしんば当てられる
として、ACにはただの銃弾なんて傷一つつかない
だろう!!
君たちがやろうとしてることはただの自殺行為だ!」
ノノミ「そうです! ここは仕方ありません!!
ホシノ先輩!!シロコちゃん!逃げ
セリカ「何言ってるのよ、ノノミ先輩。
何が仕方ないの? 私は、我が身可愛さで
ロニーをゴミ呼ばわりして殺した、あいつを
見過ごすなんて出来ない!!」ガシャン!
ノノミ「セリカちゃん!!」
シロコ「出来ることはある。閃光弾を放ったり…
少なくとも、こっちに意識を向けさせるぐらいは」
ウタハ「待てって!冷静に考えろ!!
ロニーさんと君たちの間に何があったかは
知らないが、今の君たちは怒りにとらわれ
判断力が低下している!!
よく、よく、考えるんだ!!
先ほどの会話を聞けば、企業たちはここに在る
全戦力を傾けてレイヴンを倒そうとしている。
それも敵同士であるはずの双方が手を組んで
までだ!
それほどまでにレイヴンを敵視しているんだ!
何がなんでも両企業はレイヴンを排除する
だろうさ!
激しい戦いとなるだろう!!
そんな中、生身の君たちが加勢したところで
全く役に立たないどころかかえって邪魔に
なるだけだ!
それに、もしよしんば君たちの加勢が功を
奏して、企業たちがレイヴンを討ち果たしたら
次の標的は君たちだ!!
もうコーラルだって引火して吹っ飛ぶまで
秒読みだ!!
ここにとどまっていては命がいくつあっても
足りないぞ!!
だから、レイヴンの始末は企業たちに
セリカ「ふざけないで!!」
ウタハ「っ!?」ビクゥ!
セリカ「あいつらには……ベイラムと
アーキバスには……!!ロニーを、人を悼む心も
なければ…… 真っ当な心すらもない!!
ただ!!あいつらは自分たちの汚い欲望と
ビジネスのためにレイヴンを殺そうとしている
だけじゃない!!!
そんな…そんな奴らに!!!!!
ロニーの仇を任せるだなんて!!!!!
私には認められない!!!耐えられるわけが
ない!!!!!」
ホシノ「そうだよ。ロニーの気持ちはどうなるの?
あんな薄汚い侵略者たちに、ヘドロのような
欲望でレイヴンを殺されたら、ロニーが
あまりにも報われないよ。」
ノノミ「ホシノ先輩!冷静になってください!!
こんなこと!!ロニーさんが望むと思いますか!?
自分の仇討ちだって、いたずらに自殺紛いの
特攻をしているホシノ先輩を見たら
ロニーさんが悲しみますよ!!!
いいえ!ロニーさんだけではありません!
先生も、ユメ先輩だって
ホシノ「ノノミちゃんはロニーのことはどうでもいいの?」
ノノミ「……はい?」
ホシノ「ノノミちゃんだって、仇を討とうって、
ここまで来たんじゃないの?
今が、その絶好のチャンスなのに。
ノノミちゃんにとってロニーはその程度の
存在だったんだねぇ。おじさん呆れ
ノノミ「ふざけないでください!!」
ホシノ:ピクッ
ノノミ「その程度の存在!?そんなわけないじゃ
ないですか!!!私は、ロニーさんに直接命の
危機を救けられているんです!!!
私だって……!本当はこの手でレイヴンを
殺してやりたいです……!!
で、も………ロニーさんが、命懸けで私たちの
命を救ってくれたのに…… それなのに、
私たちが自分たちの命を蔑ろにしたら……
ロニーさんにどう顔向け出来るんですか…!!
ユメ先輩だって……!!
ホシノ先輩言ってたじゃないですか…!!
ユメ先輩に私たちを守るって……!!
アビドスを守っていくって……!!
そう約束したって!!!!!
なのに……なのに!!ユメ先輩との約束を
反故にするつもりなんですか!!??」
ホシノ「っっっっっ!!!!!……………」
ノノミ「ホシノ先輩……!お願いですから
憎しみに捉われないで……ロニーさんや
ユメ先輩の願いを
ホシノ「ユメ先輩を引き合いに出すのはやめてよ
ノノミちゃん。」
ノノミ「」ビクッ!
ホシノ「ノノミちゃんが、ユメ先輩の何を
知ってるの?
ユメ先輩は、いっつも騙されて、それでも
人を信じることをやめなくて…
優しくて、お人好しで………そのせいで
いつも酷い目に遭って………。
ロニーもそう。会ったばかりで、何の義理も
ない私たちのために怒ってくれて、味方
してくれて………
あの時もそうだった。
どうしようもない状況の中でも便利屋たちを
見捨てられなくてさ。
ユメ先輩も、ロニーも、どうしようもない
お人好しだよ……
………でも、ユメ先輩とロニーとでは
決定的に違うことがある。
ユメ先輩は事故で死んでしまった……
けど、ロニーは違う。
ロニーは、善意を利用されて殺された。
あの出来事が演技だったとかそんなのは
どうでもいい。
どっちにしろ、あいつらは、…あいつは
ロニーの善意を無価値だって、粗大ゴミだって、
嘲笑って殺した。
……ロニーの優しさを粗大ゴミと
笑って殺したんだ!!!
あんな奴は生きてちゃダメなんだ!!
あんな奴生かしていたら!!
ユメ先輩やロニーのような
善人がまた酷い目に遭う!
また殺される!!!
次は先生が被害に遭う!!
だからあいつは………
レイヴンは私がこの手で必ず殺す!!!」
ノノミ「ホシ、ノ……先輩……」
シロコ「ん、私もホシノ先輩に同意する。」
確かにノノミの言う通り、今の私たちを見たら
ロニーは悲しむだろう。
でも……ロニーの仇を、私とは全く関係ない
ところで殺されるのだけは絶対無理。
あいつが、レイヴンがただ死ぬだけじゃ、
もうこの心に嵐のように吹き荒れる憎悪は
納得してくれない。だからーーー
シロコ「レイヴン、お前は私が必ず殺す!!」
ダッ!!!
私は瞬間的に硝煙の嵐が吹き荒ぶ地獄の中に
身を投じる。同時に、ホシノ先輩とセリカも
続いてくる。
後ろで、ノノミの声が聞こえるけど、今の私の
耳には、もう届かないーーー
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〜〜ミレニアム地中深く〜〜
………バチッ、バチチチチ!!:
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ザザ…
スネイル「私だ。………ほう、山猿が逃げたと。
ACの兵装の余波を受けてまだ生き残っているとは。
猿にしては悪運は強いようですね。
………いいえ、構いません。元より山猿駆除の
プランは出来ております。そもそも、私が
乗ったのは山猿駆除のためではありません。
頭の発達が遅れた猿ごとき、企業が手を煩うこと
すらありえません。
よって、追う必要はありません。あなたたちは
そのままキヴォトス側の
片付けなさい。
……これから山猿には誰1人味方はいなくなり
ますからね。」
カチッ、ピピー!!!