ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜   作:とある渓流にいるかわうそ

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3話 そして舞い降りる流星群により、蒼きは鉄錆で紅く染まりゆく煙が上がるのだ

 

 

 

大勢の人数と人数分の武器を所持し、対策委員会と

対峙するカタカタヘルメット団たち。

 

はぁ…… 何だ彼女たちだったのか。

シロコ1人にコテンパンにやられたというのに

懲りずにまたやって来たのか。

先生の私としては勘弁してほしいところだ…

不良集団と言われているが、彼女たちも私の

かわいい生徒には違いないのだ。

まぁ、このキヴォトスでは荒事(銃撃戦)は日常

ではあるのだが、出来れば怪我をするような

ことはやって欲しくはないものだ。

 

ホシノ「うっへぇ〜〜〜〜………… なぁ〜んだ

カタヘルかぁ〜〜〜〜………」

 

シロコ「ん、懲りない奴ら」

 

ノノミ「やれやれ〜、学生の本分である

お勉強を真面目に出来ないおバカさんたち

にはキッツ〜〜〜いお灸を据えないと

ですね〜〜」

 

セリカ「もー!!まだお昼食べてるところ

だったのにーー!手を焼かせないでっての!」

 

アヤネ:えぇ、さぁ、皆さん。ちゃっちゃと

終わらせてまた楽しく雑談に戻りましょう!:

 

 

*::内は無線などの通信機器から声を発してる

という意味です*

 

 

先生「……あれ?」

 

おかしいな…? いつもならそろそろ

カタヘル団たちから「くぅ〜!舐めやがって

えぇぇ!」みたいな小物ムーブが飛んでくる

はずなのに、何かえらく萎縮してるな……

ロニーの言葉から推察するに巨大メカという

強力な武器を手に入れたからこそ、襲撃しに

来ただろうに、どういうわけかな?

 

 

カタヘルモブ「お、おい?何だよ、委員会どもの

側にあるデカいロボットは…!?」

 

カタヘルモブ「アタシらの物よりデケェじゃ

ねえか!?」

 

カタヘルモブ「おいおい!!こんなの話が

違うって!!アタシらの持ってる奴でも

アタシらの銃じゃ傷一つつかねえってのに!!」

 

カタヘルモブ「ど、どうします!?リーダー!?」

 

カタヘル副「逃げますか!?ていうか逃げま

しょうよ!!対策委員会の方もアタシらと同じ…

というかどう考えても向こうが持ってるロボの方が

デカいからやばいですって!

勝ち目なんてありませんよ!!」

 

カタヘルリーダー「ば、ば、バッキャロイ!?

おめぇ、まだ交戦もしてねぇってのにビビって

逃げだしたら、あたしゃらただの間抜けの

腰掛け集団だろうがい!?今更腰引けっか!」

 

カタヘルモブ「いえ!私たちはもうすでに

ヘタレ集団っていうのは公然の認識です!」

 

カタヘルモブ「逃げたところでこれ以上

地には堕ちようがありません!!

逃げましょう!!」

 

カタヘルリーダー「うっせええええええ!!!」

 

 

……あー、なるほど。確かにACの方がデカいし

見た目も今見えるカタヘル団たちのメカより

強そうだもんなぁ……

それで、萎縮しちゃったってわけか……

 

先生「カタカタヘルメット団のみんな?

もう帰ったらどう? どう考えても

君たちに勝ち目はないと思うのだけれど…」

 

カタヘルリーダー「ふぇ!?先生!!??」

 

カタヘル副「うっそぉ!?何でいらしてるん

ですかぁ!?」

 

私の姿を見るやいなやカタヘル団の動揺は

更に大きくなる。

 

ホシノ「……おじさんからも帰宅をおすすめ

するよ〜?」

 

シロコ「んっ、さっさと帰って」

 

アヤネ:こっちは早く雑談タイムに戻りたいん

です!:

 

ノノミ「今なら、お灸もお痛もなしにして

あげますよー?」

 

 

カタヘル団リーダー「うっ!うぅ…」

 

カタヘル副「ほら!リーダー!向こうも

見逃してあげるっておっしゃってますし!

逃げましょう!!

私は先生に醜態を晒したくはありません!」

 

カタヘル団リーダー「先生に!醜態を晒す……

ううううぅぅぅぅぅ!!!!」

 

 

おや?これは帰る雰囲気になって来てるん

じゃないかな?

あー……良かった。私としても生徒が傷つく

のは嫌だからね。

 

 

セリカ「はぁ!?先輩たち何言ってんの!?

ロニーは記憶が曖昧であのACを動かすことが

ロクに出来ない状態じゃない!?

だけどあいつらはあの巨大メカを使えるの!

だから襲撃しに来てるんでしょ!?

誰がどう考えても圧倒的不利なのは私たち

なのにあいつらが帰れなんて聞くわけない

でしょ!? ちょっとは頭を使ってよ!!」

 

 

………「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 

 

セリカ「はぁ!?何で先生デッカいため息

するのよ!?腹立つんですけど!!」

 

おっと、また私の悪い癖が出てしまった

ようだね。でもね?皆さんどうか大目に見て

ほしいですよ。

せっかく戦闘を回避できそうだったのに

勉強が不足している生徒のおかげで

全部台無しにされてしまったのですよ?

 

先生「いや、そうだね。私のせい、なん

だろうね。私の教育が至らないせいなん

だろうね……」

 

アヤネ「はああああああぁぁぁぁぁ!!!

いえ、先生の責任では決してありません。

これはセリカちゃんにちゃんとお勉強させ

てこなかった私のせいです。

いいえ、ここまで来たらもうセリカちゃん

だけのせいですかね…」

 

セリカ「はあああぁぁぁ!?何で私が

悪いみたいになってんの!?私何か

おかしなこと言ったかしら!?」

 

「「「はあああぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

セリカ「え、え?はいいいいい!?

どうして先輩たちにもため息つかれなきゃ

なんないの!? 喧嘩売ってる!?

喧嘩売ってるよね!?」

 

ホシノ「うっへええぇぇぇぇ………!!

いや、内容はセリカちゃんおかしなこと

言ってないよ〜〜?ため息ついたのは

わざとだよ? でも、ため息そのものは

おじさんの純粋な本音そのものだよぉ…

 

あぁ、ここまでセリカちゃんの学力が

低いってなってくるとおじさんはセリカ

ちゃんの将来を憂いて頭が痛くなって来たよ…」

 

ノノミ「これはお痛が必要なのはセリカちゃん

の方かしら〜。頭の方を〜〜……

はぁ、叩けば直りますかね?シロコ」

 

シロコ「ん、無理。叩いて直すにも限度が

ある。 自分の大バカすら自覚せず私たちに

「ちょっとは頭使ってよ!」なんて言うほどに

故障してたら無理っ」

 

セリカ「ふぇ……ふえぇ!?」おどおど

 

セリカ「………………」

 

セリカ:あ、あの……アヤネ?もしかしなくても

私、何かやらかしちゃってる……?:

 

アヤネ「……うん、セリカちゃんの言った事

自体は何も間違ってないよ?」

 

セリカ:じゃ、じゃあどうして!?:

 

アヤネ「……でもね?それはロニーさんが私たちに

伝えたからこそ、【私たちの間】での周知の

内容であって……

カタヘルたちがそのことを知ってると思います?」

 

セリカ:………………:

 

セリカ「あーーーーーーっ!!!そっか!!

上手くやったら戦闘せずに済んだんじゃない!?」

 

ホシノ「うん、だから先生も私たちもそれを

やろうとしてたんだよ?セリカちゃん。」

 

ノノミ「セリカちゃんが台無しにしちゃいました

けどね〜♪」

 

シロコ「ん、バカはお前、セリカ。私たちに

頭使ってとか言ったことを恥ずかしく思うべき。」

 

セリカ「ううううぅぅぅぅぅ///」

 

 

カタヘルリーダー「だーーはっはっはっはっ!!

おい!!野郎どもぉ!!! どうやら対策委員会

の連中どもはあのデケェロボットを動かすこと

は出来ねえみてぇだあ!! 

うちらの巨大メカとちがって!アリャ

ただの木偶だ!!

なら怖がるこたぁねぇ!!今日という今日こそ

コテンパンにぶっ倒して、先生にいいとこ

見せんぞーーーーー!!!」

 

カタヘル副「はいぃ!!先生へのアピール

チャンス!! この絶好の機会は逃せません!」

 

 

「「「「「「「「おーー!」」」」」」」」

「「「「「「「「やってやるぞー!」」」」」」」」

 

 

ホシノ「うへへ。完全に向こうの士気が

高揚してしまったねぇ」

 

ノノミ「やるしかありませんね〜」

 

セリカ「う〜、皆ごめんなさい〜…」

 

シロコ「仕方ない。どっちみちまたコテンパン

にするだけ」

 

 

……まぁ、既定路線かぁ…

私は諦めたようにふぅ、と息を吐いた。

 

 

……とまぁ、ここまでだったならいつも

通りの光景だったかもしれない。

 

ーーーだが、次の、次にした彼女たちの

行動は私を本気で真剣にさせるのに十分

すぎた。

 

 

カタヘルリーダー「オラァ!!まずは見る

からにボロボロで弱そうな、そのデカブツの

パイロットからだぁ!! 

吹っ飛べええええええええ!!!」

 

 

ドシュン!!

 

 

その時、カタヘルのリーダーがバズーカを

撃ち放った。

 

狙いは……なんとロニーだ!!!!

 

シロコ「なっ!?」

 

ーー…………!?ーー

 

 

先生「危ない!!!ロニイイイイイ!!!」バッ

 

私は分けめもふらずロニーの元に飛び出そうと

した。

 

アヤネ「!!?? ダメです!!せんせぇ!!」

 

だが間に合わない!! アヤネの静止を耳に

しながら私は焦燥に駆られる!

 

 

ーー!!!!しまっーー

 

 

ガン!!

 

ヒュルルル……ドゴーーーーン!! ガラガラ…

 

 

ーー!ーー

 

先生「ホシノ!」

 

アヤネ「ホシノ先輩!!」

 

だが、ロニーに弾頭が到達する寸前に

ホシノが盾で弾いた。

 

弾頭はそれ、校舎の一部を崩して爆発した。

 

ホシノ「うっへへぇ〜。危なかったねぇ。

怪我はない?ロニー。」

 

ロニー:………サラサラ、すっ

 

ホシノ「うっへへぇ!こんな時に物書くって

ことは結構余裕ありそうじゃん。

ん〜なになに〜?

"すまない、ありがとう。そして、俺のせいで

校舎を崩させてしまったな。申し訳ない。"

うへへっ!いいのいいの!校舎なんてまた

直せばいいんだし!ロニーに怪我がない事

の方がおじさんには大切だよ。

 

さ、ロニーは早いところそのハッチ閉めて。

このACの中なら安全でしょ?」

 

ロニー:……………… ポチッ

 

ウィィィィィィン

 

 

ホシノに促されロニーはACのハッチを閉める。

 

 

ホシノ「さて」

 

ホシノが再び配置位置に飛び降り、片膝ついた

状態で着地する。

 

カタヘルリーダー「くそっ!防がれたか!!

まぁいい!!まずはてめえらからだ!対策………

 

 

ひいいぃっっっ!!??」

 

カタヘルリーダーの威勢はくじかれ

恐怖の声をあげる。

 

ーーー立ち上がった、ホシノの、憤怒に

染まった目を見て。

 

ホシノ「お前ら、踏み越えちゃいけない

一線を踏み越えたよ。

ーーーお前らは完全に潰す。1人、残らずだ。」

 

ノノミ「えぇ。ロニーさんは無事でしたし

もちろん命まではとりませんけれど、私も

怒りすぎてしまってるのでやりすぎちゃう

かもしれません。

ーーーせめて五体満足で戦闘を終われる

ことを祈っててくださいね。」

 

シロコ「ん。これでもしロニーが死んでたら

お前ら1人残さず殺すところだったよ?

 

ーーー死なないよう手加減してあげるだけでも

感謝してね」

 

セリカ「確かにさ、私はバカだけど… それでも

やっていいことといけない事は分かっている

つもり。 あぁ、そうか。アンタらクスリの

やりすぎで分別すらつかなくなってるって

わけか。ま、言い訳にはならないけどね。

ーーーアンタたちは絶対に許さない。

いつものように無事に帰してあげるなんて

思わないでよ。」

 

 

カタヘルモブ「「「「「ひ、ひいいいいい

いい!!!」」」」」ガタガタガタ

 

ホシノだけではない。対策委員会の面々から

殺気すら感じるほどの本気の怒気。

そして、憤怒の目にカタヘル団たちは

完全に震えあがる!

 

カタヘル団リーダー「う!狼狽えるんじゃ

ねえ!! こっちにはコイツがあるんだ!!

今日という今日こそ負けはしねえ!!」

 

 

アヤネ:……皆さん。武運を祈ります。

そして私からもお願いです。

ーーーあの、クソ野郎どもを、絶対に

逃がさないでください。

1人も残さず、ぶっ潰してください。:

 

ホシノ「当たり前だよ」

 

ノノミ「当然ですね」

 

シロコ「元からそのつもりっ」

 

セリカ「もう二度と調子に乗らないように

徹底的に恐怖を植え付けてやるんだから」

 

 

先生「……アヤネ、その通信機を貸してくれ」

 

アヤネ「!!??」ゾクリ!!

 

アヤネを本気で怖がらせてしまったな。

当然か、自分でも久々にこんなに低い声を

出したのだから。

生徒たちに向けてはまだ一度も出した事は

なかったっけか。

でも、ごめんね? 自分でも、この怒りは

抑える事は出来そうにない。

 

先生「早く、貸して」

 

アヤネ「は…い……」ビクビク

 

アヤネは震える手で私に通信機を

渡してくれた。

受け取った時に感じたこの震え……

あぁ、私は今、尋常ではない顔を

しているんだろうなぁ。

だが、今はそんなことどうでもいい。

 

アヤネ(こんなに……怒っている先生は

初めて見ます……)

 

 

先生:ホシノ、ノノミ、シロコ、セリカ:

 

「「「「!!??」」」」ゾクッ!!

 

先生:私からもお願いだ。あの子たちを……

今回は絶対に逃がさないで。

正直、どちらも怪我を負ってほしくはないん

だけど…… 今回だけは別だ。

もちろん、身体が欠損するような怪我や

後遺症が残るような怪我、ましてや命に関わる

ような怪我は負わせちゃダメだけど……

 

そうでない怪我なら、今回だけならいくら

負わせてもいい:

 

ホシノ「う…ん……」

(先生が……ここまで言うなんて……)

 

ノノミ「ふぅ……わかりました……」

(私が愛する先生をここまで怒らせる

なんて……。はぁ、本当に怒りで

どうにかなってしまいそうです。)

 

シロコ「ん」(先生マジギレしてる…)

 

セリカ「はい……」(こっわ!?先生って本気で

怒るとこんなに怖いの!? 

先生だけは本気で怒らせないようにしよ…)

 

 

そう、ここまで私が言うのは怒っているから

じゃない。

今回は、私は先生としての責務を果たさ

なければならない。

ーーー大人として、あの子たちを諭さなければ

ならないんだ。

 

だから、今回だけは少しだけ手段を選ばない。

 

 

「「「「「ふぅ……」」」」」

 

 

ゴォウ!!!!

 

 

カタヘルリーダー「ひいいいいいい!!!」

カタヘル副

抱き合ってガタガタガタ!!!

 

 

ホシノ「お前たち、私の先生をこんなに

怒らせるなんてさ? お前らさぁ? 

どこまで私を怒らせたら気が済むつもり

なんだ?」ジャキン

 

ノノミ「あなたたち、それでも先生に感謝して

くださいね? 先生が止めてくれるからこそ、

私はあなたたちの息の根を止めないであげるん

ですよ? 

そうでないならあなたたち全員あの世に送ってる

ところです。

それからホシノ先輩、私の先生の【私の】は

訂正してください。」ジャキン

 

シロコ「死んで詫びて? あ、それは無し

だった。けど、死んだ方がマシって思うぐらい

痛めつけるから

後、ホシノ先輩でも先生を自分のもののように

言うのは許さない。」ジャキン

 

セリカ「皆こわすぎ。ま、私も人のこと言え

ないか。あんたたちさぁ?人を怒らせる選手権が

あったら出場をおすすめするわよ?

絶対優勝出来るから

それと、ホシノ先輩。私の先生って言うのやめて。

本気で腹立つから。」ジャキン

 

アヤネ:すみません、皆さん。訂正します。

先生のご意向に損ねない程度にそいつらを

なるべく苦しめてください。

後、私の分も残してくださいね? 生まれて

来たことを後悔させてあげたいですから。

それとそれと、ホシノ先輩には後でお話が

あります。:

 

対策委員会全員の怒りのボルテージが一気に

引き上がる。

 

うん、ちょっと心配になってくるほどだけど

まぁ、今回ばかりは仕方ないかな。

それだけのことを、彼女たちはしたのだから。

 

 

カタヘルリーダー「……くそっ!!おらどうした!

巨大メカ係!!とっとと行けよ!!」

 

カタヘルメカ係「は!はいいいいいい!!」

 

 

これほどの激情に晒されながらも、カタヘル団

たちの戦意は失っていないようだ。

なるほど、あの巨大メカに相当な自信があるって

ことだね。

 

 

カタヘルメカ係「おらぁ!!ぶっ潰してやらあ!」

 

 

ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!!

 

 

重低音を起こしながら、カタヘル団の巨大メカが

突進してくる。

 

それが、開戦の合図となった。

 

ダダダダッ!

 

 

ホシノ「皆!あのデカブツは4人で潰すよ!

私が前衛でデカブツの相手!シロコちゃんと

セリカちゃんは側面で私のサポートとカタヘル

どもの牽制!

デカブツに隙が出来たらノノミちゃん、

マシンガンで一気に叩いて!」

 

シロコ「了解!」

 

セリカ「おっけ!」

 

ノノミ「分かりました!」

 

 

〜〜ホシノ視点〜〜

 

 

私のすぐ後ろにシロコちゃんとセリカちゃん

が追従して、ノノミちゃんは後方ちょっと

離れてついてくる。作戦通りだ。

 

カタヘルメカ係「ぅおら!!死にやがれええ!!」

 

巨大メカと接敵寸前でシロコちゃんと

セリカちゃんは側面に展開、ノノミちゃんが

後方で待機した。

 

ブォン!

 

メカの大きな右腕振り下ろしを掻い潜るように

私はかわしーー

 

ズドン!!

 

銃口がメカの脇腹に押し当たるほどの

至近距離でショットガンの弾をぶっ放した。

 

ガキキン!!

 

ホシノ「ちっ!」

 

だが、まるで効き目がないように思える。

成果としては機体のボディにちょっと

焦げ目をつけたぐらいか。

 

ドドドドドドッ!!

 

両隣から銃声が響く。

 

カタヘル団「くそっ!身を隠せ!」

 

シロコちゃんとセリカちゃんの牽制射撃が

上手く行っているらしい。

 

さて、私の方だ。位置的にはメカの脇を

通り抜け右後ろ付近にいる。予想では

空いている左腕で薙ぎ払いにくると

思うが、もしかしたら蹴りに来るかも

しれない。

はっきりしている事は跳んでかわすのは

ダメという事。

このメカの前で一瞬でも無防備な状態を晒すのは

命取りになる。

あの腕で殴られたら、死にはしないまでも

相当なダメージを喰らうはずだ。

 

カタヘルメカ係「く、くそっ!?」

 

ホシノ「…?」

 

しかし、私の予想された攻撃は来ない。

どころか、何も来ない。

 

カタヘルメカ係「えっと…こうか!!」

 

時間を置いてメカは私の予想した左腕で

薙ぎ払いに来た。

 

ホシノ「なるほど、そういう事」

 

私はそれをスライディングでかわしつつ

 

ズドン!ズドン!ズドン!

 

下から3発弾をお見舞いしてやった。

 

が、やはり目立ったダメージを受けた

様子はない。

 

ホシノ「………」ガチャン!

 

カタヘルメカ係「くそっ!おっせぇ!!」

 

私はショットガンのリロードを済ませ

ながら、2つの結論を導き出した。

 

まず、奴らから見て、メカの真後ろ側に立って

攻撃するべきという事。当たり前の

話ではあるが、コイツとの戦いでは

重要度がさらに増す。

というのも、これだけのデカさなのだから

奴らが後ろから発砲したとして、この

デカブツが盾となって私にまで銃弾が

飛んではこない。

そして、わずかな射線を通して撃つような

技術など、あいつらは持ち合わせていない。

という事はだ。シロコちゃんとセリカちゃんの

負担を減らせるということだ。

そして減らせる牽制分、コイツへの射撃を

増やすことが出来る。

2つ目はもう直接言ってやろう。

 

ホシノ「アンタたちもさぁ、人のこと

言えないんじゃないの?」

 

カタヘルリーダー「なにぃ!?」

 

ホシノ「そのメカ、上手く操縦できないん

でしょ。」

 

カタヘルリーダー「ギク」

 

カタヘルメカ係「うへぇ!バレちゃって

ますよおおお!」

 

カタヘル副「う!狼狽えないで!!こっちも

撃つんですよ!」

 

セリカ「はいはい!そういうのはさせない

っての!」ブン!

 

セリカちゃんが手榴弾を投げる。

 

カタヘル副「あわわ!!手榴弾ですぅ!

隠れてええええ!!!」

 

 

ちゅどーーーん!!

 

 

「「「「「わー!」」」」」

 

「「「「「.ひー!」」」」」

 

ホント、ヘタレ共だ。手榴弾一つにビビって

どうするんだ?

 

ホシノ「ノノミちゃん!」ポイ!バッ!

 

ボワン!!

 

私は煙玉を投げ、メカとノノミちゃんとの射線を

開けた。

ろくに操縦が出来ないのなら、煙一つで慌て

ふためくだろう。

 

カタヘルメカ係「わぁ!?何も見えないよぉ!」

 

ノノミ「ハイハーイ!」ギャルルル

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

そこでノノミちゃんのマシンガンの集中砲火だ。

 

 

カタヘルメカ係「ひえええええええええ!!!」

 

ノノミ「うっふふ〜♪デカいだけあって当てやすい

ですね〜♪」

 

やがて、マシンガンの集中砲火が止み、煙玉が

晴れてきた。

だけど私の期待していた結果は得られていない。

そうだね、%で示すなら1%もだ。

 

ホシノ「これでは……ダメか」

 

ノノミ「あらあら〜…」

 

シロコ「ん、やたら硬い」

 

セリカ「……これ勝てるの?」

 

未だに無傷のメカの前に私たちは

苦渋の顔を浮かべる。

 

カタヘルメカ係「わっははははーー!!

そんな攻撃したって痛くも痒くもないよー!」

 

カタヘルリーダー「だーっはっはっはっはっ

ーーーー!! だから無駄だってのー!!」

 

カタヘル副「何せそのメカは至近距離からの

ロケット弾の直撃にも耐えたんですからね!!」

 

 

ちっ、調子づきやがって……

ロニーを撃ち、先生をあんなに怒らせたことを

思うとはらわたが沸騰しそうだ。

奴ら、絶対にぶっ潰してやる。

 

とは言え、至近距離のロケット弾にも耐えれる

ほどの装甲に、私たちの装備ではこれと言って

有効打を思いつかないのも事実だ。

思いつくとしたら……

 

ホシノ「シロコちゃん、セリカちゃん、

ノノミちゃん。次の作戦だ。」

 

3人が耳を傾ける。

 

ホシノ「まず、私が真正面であいつの注意を引く。

それで何とか隙を作るから、シロコちゃんと

セリカちゃんはメカの左右後方に回り込んで

後ろからメカの左右の脚の関節部に砲火。

それでメカを倒す。

その倒したメカにすかさずノノミちゃんが

乗って、銃口を押し当て、マシンガンの

全弾を全てぶち込む。

倒せるとしたらこれぐらいしかない」

 

シロコ「ん!」

 

セリカ「了解!」

 

ノノミ「任せてください!」

 

ホシノ「行くよ!」ダッ!

 

シロコ:ダッ!

 

セリカ:ダッ!

 

 

カタヘルメカ係「はははーー!!何度やっても

無駄無駄ーー!!!」

 

 

またメカがバカの一つ覚えのように右腕を振り

下ろしに来る。

私はそれをメカの正面に立ったまま、最小の

動きで避ける。

 

ジャキン

 

そして、ショットガンをかまえる。狙いは

右腕の肘、関節部だ。

 

ズドン!!

 

また至近距離でお見舞いしてやった。

 

カタヘルメカ係「うわわ!右腕の駆動が

ちょっと変にぃ!」

 

だが、期待通りの効果は得られていない。

クソッタレ。脆い部分を狙ったってのに

どれだけ硬いんだこのメカは。最低でも

右腕を機能不全には出来ると思ったのに。

 

カタヘルメカ係「このぉ!よくもやりやがり

ましたね!!」

 

メカが左腕で正拳突きを繰り出してきた。

体勢が悪い。これは盾で受けるしかない。

 

私は盾で防御にかかる。

 

 

ドゴオオン!!

 

 

ホシノ「くううううう!!!」

 

私はすごい力で後方空中に吹っ飛ばされた。

パワーも半端じゃないな…

 

だけど、全部計算通りだ。

 

シロコ「そこ!」

 

セリカ「隙だらけ!」

 

ダダダダダダダダ!!!

 

ガックン!!

 

カタヘルメカ係「なああああああ!?」

 

シロコちゃんとセリカちゃんの

メカの脚関節部への集中砲火で

メカは大きく体勢を崩す。

流石に脆い部分へ集中砲火されたら

バランスを崩すか。

それでも、完全に倒れないってのは

ホント腹立つほど硬さを感じさせるけど。

 

だが、それも予想はしている。

 

ノノミ「そぉれ!!」

 

ノノミちゃんがマシンガンを正面に構えて

メカに突進する。

 

ガァン!!

 

ドシャア!!

 

バランスが崩れたところに

対策委員会の中で1番の怪力のノノミちゃんの

突進攻撃はメカもたまらなかったようだね。

ついにメカは仰向けに倒れた。

 

既に、ノノミちゃんはメカの上に立って

銃口をメカのボディに押し当てている。

 

ノノミ「チェックメイトですよぉ?」

 

カタヘルメカ係「あ、あの?お情けとかって」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

カタヘルメカ係「ですよねええええええ!!!」

 

有無を言わさずノノミちゃんはメカに

マシンガンの弾丸の雨を降り注がせる。

 

ズドドドドドドドドドドドド…… カチン!

 

 

だが、全弾を撃ち尽くしたマシンガンの

後でなお、目を疑いたくなるような光景が

広がる。

 

ノノミ「……冗談ですよね?」

 

カタヘルメカ係「は、ははは!!!やったあ!!」

 

なおも、小さな損傷しか見当たらないメカが

見える。

 

カタヘルメカ係「それえ!」ガバッ!!

 

ノノミ「きゃあ!」

 

メカが勢いよく立ち上がった影響で、ノノミ

ちゃんは後方に尻餅をついて倒された。

 

 

カタヘルリーダー「よっしゃあ!!いいぞ!

そのままトドメさしてやれえええ!!」

 

 

カタヘルメカ係「あいさ!リーダー!!」

 

 

ブォン!

 

 

ノノミ(あ、ダメ……かわせない。)

 

ホシノ「ノノミちゃん!!」

 

シロコ「ノノミ!」

 

セリカ「ノノミ先輩!!」

 

まずい、まずい!まずい!!

今のノノミちゃんではあのメカの攻撃を

かわせない!

 

盾を構えた私をこんなに吹っ飛ばした

ほどの威力、まともに受ければ

がんじょうなノノミちゃんと言えどただでは

すまない!!

 

 

ブオオオオォォォォォ!!!

 

 

ホシノ「…え?」

 

私の後方から何かが、すごいスピードで

通り過ぎていった。

そして、それはあっという間に拳を

振り上げたメカの元に辿り着きーー

 

カタヘルメカ係「これで終わり……へ?」

 

 

ドッッッガアアアアアン!!!!

 

 

メカを……ACが巨大な足で蹴った。

 

カタヘルメカ係「うぎゃああああ!!!」

 

 

ドッゴーーーーーーーン!!!

 

 

そして、重量に対して、信じられないほどの

距離をメカは吹っ飛び、爆発四散した。

 

そんな……私たちがどんなに攻撃しても

ビクともしなかったメカを一撃で……

 

いや、それより、どうしてACがあんな素早い

動きで行動できている? ロニーはあのACを

上手く操縦出来ないんじゃなかったのか?

 

カタヘルメカ係「きゅう…」

 

カタヘルリーダー「は?な、何で…… 操縦

出来ないはずじゃ!?」

 

カタヘル副「いえ、それより……メカをたったの

蹴り1発で……!?」

 

 

シロコ「すごい…」

 

セリカ「え!?ロニーAC動かせないんじゃ

なかったの!?」

 

ノノミ「どうして……」

 

 

ウィィィィィ

 

 

ノノミ「……あら?……これは乗れって

ことですかね」

 

ノノミちゃんがそばに寄せられたACの手のひら

の上に飛び乗る。

 

 

ウィィィィィ

 

 

それを確認したロニーはACの手をハッチの

すぐ側まで近づけた。

 

 

ウィィィィィン……

 

 

そして、ハッチを開けてロニーは姿を現した。

 

ノノミ「……えーと、ロニーさん。説明して

くださるんですよね?」

 

ロニー:すっ

 

ノノミ「あら、聞かれるって分かっていたん

ですね。……"ホシノが吹っ飛ばされたあたりで

お前たちを咄嗟に助けなければと思った時

フラッシュバックが起きた。おかげで俺は

ACの操縦方法を全て思い出せたってわけさ"

 

……あら〜、私たちのピンチに心を痛めて

くれたんですか〜? うふふっ でも、ありがとう

ございます。おかげで助かりましたわ。」

 

ロニー:スラスラ、すっ

 

ノノミ「え〜…… これはあなたたちへ

向けた言葉ですね。」

 

カタヘルリーダー「えっ、アタシらに?」

 

ノノミ「うふふ、そうですよ〜。物騒な

事が書いてありますね〜。

"さて、お前たちにとってはすごく運の

悪いことに俺はコイツの動かし方を

思い出してしまったわけだが、ついさっきの

事でコイツがお前らが持ってきたメカなんぞ

とは比べようがないほど恐ろしいものだと

いう事は理解できたと思う……が、念のため

念入りにお前たちに教えておこうか"」

 

カタヘルリーダー「…へ?」

 

カタヘル副「い、一体何をするおつもりで

 

 

ドガアアアアアアアアン!!!

 

 

カタヘル団:ビクゥ!!!

 

 

聞き終わる前にACの拳が地面へと

めり込んでいた。その威力はカタヘル団が

持ってきたメカとは比較にならないという

事が簡単に分かる。

 

何故なら、殴った箇所に小さなクレーター

ができているのだから。

 

うん。脅しとしては十分すぎるだろうね

 

 

カタヘル団:ガタガタガタガタ!!!

 

 

見てて可哀想になってくるぐらい

カタヘルたちは震え上がっている。

まぁ、目の前で起きた事を自分たちに

やられたらって思うと、無理もない

けどね。

 

 

ウィィィィィン

 

 

ロニー:スラスラスラ、すっ

 

ノノミ「うふふふっ。なるほど。私をここに

連れてきたのは通訳兼護衛をさせたかった

からですね〜?

さて?またあなたたちへの警告ですよ〜?

 

"さて、まさかとは思うが、さっきので

こいつがお前ら全員をミンチにすること

ぐらい訳ないって事を理解出来ていないって

ことはないだろう。だから、とりあえずは

穏便に話をしてやる。

今すぐに、どこの誰が見ても分かるように

降伏を示せ。

こちらにちゃんと誠意が伝われば、お前たちに

残念な結末が迎える事はない。

さぁ、どうする?選ぶのはお前らだ。"

 

…うっふふ〜。おせっかいかもしれませんが

助言すると、素直に降参する方が賢明だと

思いますよ〜?」

 

カタヘル団「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

 

 

ガババババババァ!!

 

カタヘル団「「「「「「「すいませんでした

ああぁぁぁ!!!」」」」」」ドゲザ

 

 

ノノミ「あらあら〜?とっても綺麗にハモッた

土下座ですね〜。」

 

ロニー:スラスラ、クシャッ、ポイッ

 

ホシノ「ん…」

 

ロニーの方からくしゃりと丸められた紙が

飛んできた。

なるほど、私宛って事か。

 

パシッ!

 

ホシノ「………」 紙広げ広げ

 

 

【後は任せる】

 

 

ホシノ:チラ

 

視線を向けると既にノノミちゃんを下ろし、

コックピットを閉めて静かに佇んでいる。

シロコちゃん、セリカちゃん、ノノミちゃん

そして、AC…… 何だか軍隊のようにリーダー

の私を並んで待っている姿はなかなか見惚れそう

になってしまいそうじゃないか。

 

ホシノ「ふぅ〜〜〜〜…………

うへぇぇぇぇぇ〜〜〜、おじさんなんて

そんな大それた存在じゃないのにねぇ〜」

 

私は待ってくれている仲間たちの元に

向かう。まぁ、みんなの好意を無駄に

するわけにはいかないしねえ〜。

 

ノノミ「うっふふ〜、ロニーさんから

の手紙はなんて書いてあったんですか〜?」

 

ホシノ「うへえ、「任せる」だってさ〜」

 

セリカ「え?それだけ?じゃあノノミ先輩に

伝えたら…」

 

シロコ「ん、やっぱりセリカはバカ。こういう

決断をするのはリーダーのホシノ先輩。

ロニーは筋を通しただけ」

 

セリカ「うううぅぅぅぅぅ……///」

 

ホシノ「も〜、おじさんはそんな柄じゃ

ないのにね〜」

 

 

そして、私はカタヘルたちの眼前に立つ。

 

カタヘルリーダー「あの……慈悲を…

かけてはもらえないでしょうか…?」

 

うへぇ、なーにが慈悲をかけてもらえない

でしょうかだ。こいつら、本当に自分たちが

何をしたのか分かっていないようだねぇ。

本当にすぐに調子に乗るなあ。

私が怒りを抑えこんでやったのは先生の

ためだってのにさ。

 

ホシノ「はあ〜ぁ。本当は骨の10本でも

折ってやりたいところだけど、今のカタヘル

たちにそれをしたらおじさんたちも同じに

なってしまうからね〜」

 

それにそんな事は先生も望まないだろうし。

何より、ここまでしでかしたこいつらでも

怪我をしなかったことを喜んでいるはず

だもんねえ。

 

ホシノ「大体、こういうリーダーっぽいこと

するのはおじさん柄じゃないんだよ〜。

 

ーーーということで、後は任せるよ。

先生。」

 

私は既に渡り廊下からこちらに向かって

きていた先生に向けて声をかけた。

 

先生「うん、皆、それとロニー、無傷で

この子達を捕らえてくれて、感謝しても

しきれない。心からありがとう。」

 

 

〜〜先生視点〜〜

 

 

私はカタヘルたちの眼前へと立つ。

ホシノたちが、ロニーがこの子たちに

怪我をさせずに捕らえてくれた。

本当は拳の1発でも殴ってやりたかった

だろうに、本当によく出来た子たちだ。

そしてロニーも、本当に人間の出来た

男だよ。

 

本当に…皆、よくやってくれた。

だからここからは私の、先生としての…

いや、大人としての仕事だ。

 

這いつくばるリーダーの目線に合わせ

私は屈んで、声をかける。

 

先生「……そうだね、君はリーダー…

いいや、実行犯だから、メグミ、君に

言おうか」

 

カタヘルリーダー(メグミ)

「せ、せんせぇ……この通り、反省したから

あんまし、お説教とかは……」ニヘr

 

バヂィン!!!

 

ホシノ「うへっ!」目逸らし

 

ノノミ「っ…」目逸らし

 

シロコ「んっ」目逸らし

 

アヤネ「あぅっ」目逸らし

(先生について来た)

 

セリカ「………」初めからそっぽ向き

 

校舎の庭に、乾いた音が響き渡る。

 

 

カタヘルリーダー「………え?せん

せい……?」ぼーぜん

 

先生「何を笑っているんだ」

 

カタヘルリーダー「え、あ…の……」じわっ

 

バヂィン!!!

 

私は、容赦なく2発目の張り手を彼女に与えた。

うん、報告されたら私は1発で辞めさせられる

だろうな。

だが、例えそうなろうとも私はやめない。

やめてはいけないと思っているからだ。

教師として、いいや、大人として、私は

彼女を正しく教えなければならない。

 

道を踏み外してしまう前に。

 

先生「何で君が泣くんだ?」

 

カタヘルリーダー「だ、だって……先生が……」

 

先生「私がぶつから? うん、じゃあ何で

私は君に暴力を振るうのだと思う?」

 

カタヘルリーダー「分かり、ません…」うるうる

 

先生「君は、何をしてしまったのだと思う?」

 

カタヘルリーダー「ごめんなさい。分から

ない、です……」

 

バヂィン!!!

 

3発目のビンタ。彼女はもう滝のように涙を

流している。

 

先生「何で泣くんだ? 泣けば許されると

思っているのか? 私だって、こんなことは

したくない。 私に、こんなことをさせる

ほどのことをしてしまったと自覚はないのか。」

 

カタヘルリーダー「ごめんなさい、先生を

大変不快な目にさせてしまいました。

許して、ください…… お願いします。」ブルブル

 

先生「そうじゃないよ。」

 

バヂィン!!!

 

カタヘルリーダー「………」ボタボタ

 

カタヘル副「………」ポロポロ

 

 

対策委員会's:ビクビク

 

 

先生「はぁ…」

 

 

カタヘルリーダー:ビクゥ!!

 

対策委員会's:ビクゥ!!

 

 

カタヘルリーダー「う、ううぅぅぅ……

ごめんなさい、ごめんなさい! グスッ…

許してください…… ひっく……私が、何も

かも悪かったです…… もうしないので……

許してください…… どうか、見捨てない

でぇ…」ボトボトボト

 

 

ホシノ「せ、先生!さすがに、もういいん

じゃないかなぁ? おじさんも、ちょっと

やりすぎかなって思うよ?」

 

ノノミ「ほら?彼女たちもすごく反省

してる事でしょうし…… もう許してあげ

てください……」

 

シロコ「先生、彼女たちはそりゃ悪いこと

したけど…… 許してあげよっ?」

 

アヤネ「私たちの腹の虫はもう治ってますし…

というか、見てられないと言いますか……

どうか、寛大な心を見せてあげてくださら

ないですか?」

 

セリカ「先生!かわいそうだよ!!許して

あげてよぉ!!」

 

 

先生「……今、君は辛いよね?悲しいよね?

何で自分が辛いのか、悲しいのかは、分かる?」

 

カタヘルリーダー「…それ……は……先生に

ぶたれるからで……」

 

先生「それだけ?」

 

カタヘルリーダー「えっと、その……私たち

とっくに降伏してるのに…… 先生がぶつから…」

 

先生「うん、そうだね。理不尽だよね。

【無抵抗】なのに暴力を振るわれたら

そりゃ辛いよね。」

 

カタヘルリーダー「それは……そうです……」

 

先生「でも、君はもっと最低な事をした。暴力を

振るうことよりも、おぞましい事だ。

君は、あのロボットに乗ってる人に何をした?」

 

カタヘルリーダー「………あ」

 

先生「セリカの話を聞いて、君はどう思ったの?」

 

カタヘルリーダー「……ロボットに乗ってる

だけの、何も出来ない無力な人間だと思いました。」

 

先生「それなのに、君が撃った前からあの人が

ロボットで君たちに害を及ぼすことが出来ると

思ったのかい?」

 

カタヘルリーダー「思っていませんでした…」

 

先生「彼の姿を見てどう思った?」

 

カタヘルリーダー「……ヘイローがないどころか

全身ボロボロで……障害もありそうで…… 弱そう

だなと思いました。」

 

先生「うん、ちゃんと障害のある、君より遥かに

力のない弱者だと認識できていた訳だね。

だけど、君はそんな彼を撃った。しかも

バズーカだ。確実に命を奪ってしまうものを

撃ったんだ。」

 

カタヘルリーダー「はい… 撃ちましたぁ……!」

ポロポロ

 

先生「うん、君は、【抵抗する意思のない、武器も

所持していない、君より遥かに力の劣る無力な

障害者を殺そうとした。】そういう認識は

持ってるかい?」

 

カタヘルリーダー「はい…はい……!! 

私……なんて事を……!! 最低でした……

私たち……私、とんでもなく恐ろしい事を

してしまいました…! 先生に……見捨て

られても…仕方のない事…しましたぁ……

!!」ウワーン!

 

カタヘル副「ごめんなさぁい!!」びえええん!!

 

カタヘル団「ごめんなさいいいい!!」うえーん!

 

 

ぽん

 

 

先生「見捨てないよ。」

 

カタヘルリーダー「…へ?」

 

先生「私は君たちの先生だから。ちゃんと

立派な大人になれるように導かないといけ

ないから。見捨てたりなんてしないよ。

その言葉が聞けて、良かった。

ちゃんと涙し、反省してくれて良かった。

君は、まだまだやり直せるんだ。

だから、今、いっぱい失敗して、間違えなさい。

取り返しがつかなくなってしまう前に、その時

が訪れるたびに、私が導いてあげるから。

君たちは私の大切な生徒たちだから。

 

だから、これからも過ごしなさい---

 

ーーー君たちの、青春の物語を!」

 

 

カタヘルリーダー「う、うううぅぅぅぅ!!!

ぜんぜええええええ!!!!」

 

カタヘル副「すいませんでしたああぁぁぁぁ!!」

 

カタヘル団「「「すいません

でしたああぁぁ!!」」」

 

 

ホシノ「うへぇ、一件落着かな」

 

ノノミ「うっふふ、何とか綺麗におさまり

ましたね。」

 

セリカ「あーーーーっ!!怖かった!!

先生マジギレしすぎてて一時はどうなる

事かと思ったよ!!」

 

シロコ「ん、でもさすが先生。ちゃんと

導いてくれた。」

 

アヤネ「そうですね♪」

 

 

カタヘルリーダー「あの、ロニーさん

でしたっけ…」

 

カタヘル副「あの、その……」

 

カタヘル団:もじもじ……

 

 

カタヘル団「バズーカを撃ったりして!

すみませんでした!!この償いは、必ず

します!!」

 

 

うん、私が言わずともちゃんとロニーにも

謝ってくれたね。

あぁは言えど、根は良い子たちだからね。

何とかまとまってくれたかな。

 

カタヘルリーダー「あ、それと先生、これ……」

 

カタヘル副「私たちも……」

 

先生「ん? ………………」

 

彼女たちがしおらしく私に渡してきたのは

例の【麻薬】だった。

 

 

AC:キュイイイイ カメラを【麻薬】部分に拡大

 

 

〜〜コアコックピット内〜〜

 

com:『○○○○』成分を検出しました。目標物を

発見。

 

ーー!ーー

 

 

 

カタヘルリーダー「私たち、こんなものを吸ってた

から、多分思考力が落ちてしまったんだと思います。

いや、これだけのせいにする訳じゃないですけど…

それでも、全く関係はないって事もないだろうし

どのみちいけないものだとは分かってるので

もうこんなもの吸うのはやめます。」

 

カタヘル副「なので、カイザーから取り寄せるのも

もうやめることにします。」

 

カタヘルリーダー「だから、私たちが今持ってる

もの全部、先生に預けます。 こんなもの吸って

本当にごめんなさい!」

 

先生「うん、自分たちからそれを言い出して

くれて、先生は嬉しいよ。

よく決断してくれたね。」

 

カタヘルリーダー「あーと、その…ご迷惑をおかけ

しました! じゃあ!アタシらはここいらでお暇

しますんで!! さよなら!!///」ピュー!

 

カタヘル団「あっ!待ってくださいよ!!

リーダぁぁぁぁ!!!!」ピュー!

 

普段は荒々しい子たちだ。さっきまで随分と

しおらしくしてしまったのが恥ずかしくなって

しまったのかな?

 

 

あぁ、ロニーの件ですっかり忘れてしまってた

けれど、いずれ必ず【この件(麻薬)】でも

カイザーと決着をつけなければならない。

今度は、【大人】同士の話し合いだ。

奴らとは今回のように穏便にとはいかないだろう。

 

先生「……ん?」

 

と、巨大な何かに見つめられている気配が

したので、振り返ってみたら、ACの頭の部分が

私の方に向いていた。

目の部分にカメラか何かがあるのだろうか?

しかし、私の方を見て一体何を……

 

先生「……あぁ、これか…」

 

考える時もなく、私はすぐに結論に達した。

なるほど、ロニーは善良な大人だ。

さっきの会話と、これを見たら心を

痛めるのは無理もないか……

 

先生「……ロニー、これが気になるかい?

……そうだろうね。いやはや、恥ずかしい

限りだよ。高校生の彼女たちに、こんなもの(麻薬なんか)

を蔓延させてる……

全く、純粋な彼女たちに対し、私たち大人

は何をしているんだろうね…」

 

これをばら撒いたのはカイザーだが、ここまで

広まるまで取り締まれなかった自分の不甲斐なさ

にも情けなさを感じ、私は自分も責めるような

口調になってしまう。

 

それが、ロニーに聞こえているのかいないのか

わからないけれど、ACは変わらずそこに佇み

続けている---

 

 

〜〜数時間後 対策委員会部屋内にて〜〜

 

アヤネ「ですから!私はいけない子なんです!」

 

先生「アヤネさん?」

 

アヤネ「夜遅くまで起きて、休日はベッドに

ずっとくるまっているようなだらしない生活を

送ってしまっている、自堕落な生徒なんです! 

先生のご指導が必要かと思いますが!?」

 

先生「いや、まぁ確かにそれはちょっと

気になるかもだけど、別に休日の過ごし方は

人それぞれなんじゃないかな……」

 

アヤネ「いえいえ!こんな悪い生徒には

厳しい指導が必要です! ご指導お願いします!

先生!! …で、出来ればなるべく厳しい

お声をかけてくださると…// あ、あとほっぺたも

叩いてもらったりしてくれたら……//」

 

先生「うん、あの時はよほどのことだったから

辞職も厭わずだったけど、体罰したら先生クビに

なっちゃうからね?無理だよ?」

 

ホシノ「そうだよ〜。アヤネちゃん。それに

自堕落なのはおじさんの方かなって思うな〜。

リーダーなのにだらしないとか、おじさんって

リーダーとしての意識が足りてないと思うんだ?

 

これはおじさんにリーダーとしての責任感と

自覚を持たせるためにも、一度先生に厳しく

指導してもらわないとと思うんだ〜」

 

先生「いや、ホシノは皆のまとめ役として

しっかりしてくれてるよ。指導するところ

なんて何処にもないよ。」

 

セリカ「そうよ!それより私の方よ!

私ってば、学力が低いでしょ!?それって

真面目に勉強してないせいなのよ!

勉強なんてどうでもいいって言うか!

やっても無意味でしょ!だからわざと

勉強サボってるの!!」

 

先生「ふふ……私は知ってるよ。本当は

やりたくても、みんなのために一生懸命

頑張ってるんだもんね。」ニコ

 

セリカ「ふえぇ//ち、ちがっ!!別に借金

返すためにバイトとか頑張ってたりしてないん

だから!!」

 

先生「そうだね…。でも、セリカの学力は確かに

ちょっと不安だね。…セリカは頑張り屋

だから、これからは出来るだけ毎日セリカの

ところに行って、先生が勉強を教えてあげるよ。

セリカだけ、特別だからね?」

 

セリカ「え、うそ!?毎日!?来てくれるの!?」

 

先生「うん。指切りげんまんだ。」

 

セリカ「……!!!!!」

(やったあああぁぁぁぁぁ!!!!)

 

ノノミ「うっふふ〜、先生?私も最近

ショッピングのしすぎで勉強サボり

がちで〜 ちょっと勉強についていけて

ないんです〜。 私にも先生からお勉強

教えていただけませんか〜。」

 

先生「いや、ノノミは成績優秀じゃないか……

というか、前より成績上がってたよね?

 

まぁ、ノノミは他のみんなに教えてもらったら

一度わからなくなっても十分勉強について

いけるよ。

それに、セリカはバイトで頑張ってる分、特別に

だよ。

他の人にも同じことをやり過ぎたりしたら

特別じゃなくなってしまうでしょ?

だから、ノノミは他のみんなに勉強を教えて

もらいなさい?」

 

セリカ「そうそう!私はバカだから先生に

教えてもらわないと勉強分からないし!

私は先生と【2人っきり】で教えてもらう

からノノミ先輩はホシノ先輩にでもっ!?」

 

先生「ファッ!?」

 

ノノミ「そうですか、じゃあセリカちゃん。

私と脳みそを変えましょう?

これでセリカちゃんの勉強不足も解決ですね♪」

(ハイライトオフ)

 

ホシノ「うん、セリカ。喧嘩売りたいんなら

私が全力で相手してあげる。というか、

無理矢理でも相手になってやる。」

(ハイライトオフ)

 

アヤネ「ふふ……セリカちゃん。大丈夫です。

私が毎日10時間以上勉強を教えてあげるので

先生との勉強会を譲ってください。」

(ハイライトオフ)

 

セリカ「そんな顔したって!先生は渡さないよ!」

 

いやいやいや!?アビドスの皆って何でこんなに

情緒不安定なの!?何で時々メンバーを親の仇でも

見るかのような顔をする時あるの!?

 

って、あれ?シロコはさっきからゴソゴソして

何しようとしてるんだろう……

 

と思って注視したらありったけのダイナマイトを

準備しててギョッとしてしまう!

え、何この子!?何か吹っ飛ばすつもりなの!?

 

先生「シロコ!?どうしたの!?こんな量の

ダイナマイトを用意して!?」

 

シロコ「ん、私実は定期的にアビドス高校を

破壊したくてたまらなくなる時ある。

だからシロコはアビドスの借金を増やし

続けている極悪人っ。」

 

先生「いや嘘だよね!? そんなこと

初めて聞いたよ!?」

 

シロコ「だから私は先生の【本気】の指導が

必要な極悪不良生徒っ。

ということで、体育館吹っ飛ばしてくるね。

帰ってきたら、おしりぺんぺんを所望する」

 

ホシノ「シロコちゃんいいねぇ〜!おじさんも

協力するよ〜!」

 

ノノミ「このマシンガンで何もかも吹っ飛ば

して差し上げます〜」

 

アヤネ「せ!先生!私もこれから行くので

戻ってきたら私にもおしりぺんぺんして

ください!!」

 

 

先生「………………………」

 

 

仗先生助「承太ロニさあああああん!!!!!

無敵のアーマードコアで何とかしてくだ

さいよおおおおおお!!!」

 

 

ぽんっ

 

 

私がどっかの東方みたいにロニーに助けを

求めたら、それに呼応するように丸まった

紙が飛んできた。

 

先生「ほへ?「こう言え」……?

何々……………………」

 

 

……………………………………

………………………これ、大丈夫だろうか?

これ、下手をしたらシロコたちテラー化とか

しないよね……?

まぁ、やるだけやってみるか…?

 

深呼吸して

 

先生「はぁ…」

 

対策委員会:ビクゥ!!

 

先生「やれやれ、シロコたちがそんなん

だったとは…… カタヘルたちの方がよっぽど

可愛かったなぁ?」

 

シロコ「ぅえ…?せん…せい……?」

 

ホシノ「あの、おじさんたちそういう

わけじゃ…」

 

先生「あの子たちはまだ悪気がなかった

からこそ、導いてあげられたけど、お前たち

のように、薄汚い欲望のために先生が嫌がる

ことをしようだなんてなぁ?」

 

対策委員会「「「「ギクリ!」」」」

 

先生(いや、こんなこと言って大丈夫かなぁ…)

 

先生「そんなお前たちなんか先生からは何も

いうことはない。指導する価値もない。

まぁ、自分たちのやりたいことをやれば

いいんじゃないか?

私は、もうお前たちなんて心底どうでもーー」

 

ガガガガシィッ!!!!

 

先生「い、へ?」

 

ホシノ「ごめんなさい先生ごめんなさい先生

私は悪い子ですどうしようもない子です

でもそれだけは見捨てるのだけはやめて

ください悪いところは全部直しますのでどうか」

ブツブツブツ

 

シロコ「ごめんなさぁい先生!!もう先生に

わざと怒られたいなんて思わないからぁ!

見捨てないでぇ!!」

 

ノノミ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

ごめんなさい」ブツブツブツ

 

アヤネ「見捨てないでください見捨てないでください

見捨てないでください」ブツブツブツ

 

セリカ(やばいやばいやばいやばい!!!)

 

うおおおおおお!!??

いや、過去最高にやばい事になってるやん!?

ハイライトオフってるだけやない!!

あかん!!4人ともテラー化しかけてる

やないかい!!

あかんて工藤!! こんなしょーもない事で

アビドス並びにキヴォトス崩壊RTA始まるとか

間抜けすぎて目も当てられまへん!!

 

先生「な、な〜んてね!?先生は皆を見捨てたり

しないよ!! もちろん!皆もわざと先生を困ら

せたりするような生徒じゃないってことも分かっ

てるからね!?」

 

テラー化寸前委員会「「「「………」」」」

 

シュン

 

ホシノ「うん!もちろんだよぉ!先生!」ホッ

 

ノノミ「私たちが先生が嫌がることをするはず

ありませんよね?」ホッ

 

シロコ「ん、もう二度とわざと先生を悲しませる

ようなことしないっ」フンスッ

 

アヤネ「うええええぇぇぇぇ!!!先生!

ごめんなさあああぁぁぁい!!!」ポロポロ

 

先生(あっぶねえええええええ!!!!)

セリカ(あっぶなあああああああ!!!!)

 

はー!良かった!ホントに良かった!!

危うく先生がキヴォトス崩壊の原因に

なるところだったよ!!

 

 

ぽすっ

 

 

先生「ん?」

 

先生「………………」紙広げる。

 

 

 

【な?何とかなっただろ?】

 

 

 

先生:バッ!

 

ロニー:………………………

 

先生:………ニコ。カキカキカキ、ポイッ!

 

ロニー:パシッ

 

ロニー:………………………

 

 

 

【く☆た☆ば☆れ!!】

 

 

 

 

セリカ「あっ!!皆!!あれ見てよ!!」

 

先生「ん?……おおおおおぉぉぉぉ!!!」

 

ホシノ「うっへぇ〜!すっごいねえ〜!!

流れ星がたくさん!」

 

ノノミ「流星群ってやつかしら〜!」

 

シロコ「んっ、今日は流れ星がたくさんだね。

ロニーも流れ星と共に来てくれたし、お星様が

幸運をもたらしてくれるのは本当」

 

セリカ「まさかあれ全部ここに落ちてきたり

しないわよね!?」

 

アヤネ「あはは…まっさかぁ〜。あ、ほら!

消えていってますよ!!」

 

 

アビドスの夜に煌めく紅い星々。

あの、綺麗な流星を今頃キヴォトスの皆は

それぞれに想いを馳せて見ているのだろうか。

 

先生「大変なことや、……滅びてしまい

そうなこともあったけれど、あの煌めく

流れ星のように生徒たちの未来に希望と

青春をもたらしてくれたらいいな…」

 

 

ロニーの来訪。それは私にあの流れ星に

この先の明るい未来を想起させるのには

十分だった。

 

 

しかし、この時の私はまだ知らない。

あの流れ星が、降り注いだ日から

私たちが、生徒たちが、キヴォトスが、

人間の醜い欲望に塗れた地獄へと変貌

することを。

 

あの流れ星は私の想像するものとは真逆の

絶望と、憎悪が渦巻く冷たい【鉄】の世界

へと染める【鉄錆の凶星】などとは、思いも

しなかったのだーー

 

 

 

セリカ(私と先生との勉強会、どさくさで

追求されずに済んでラッキー♪)

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

???「総員!のどかな昼寝は済んだか!?

なら、明日に備え!もう一度幸せなお昼寝に

各自戻れ!役立たずども!!」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

???「ヴェスパー部隊各位、状況を報告

しなさい。報告と準備が済み次第、明日に

備え身体を休めるように。」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

〜〜アビドス砂漠 深夜〜〜

 

俺は、ある場所へとやって来ていた。

お気楽どもが、俺を奴らの拠点となる

場所への案内の道中に、全く運命的と

しか言えない代物を発見したのだ。

俺は、平時でも常にACのスキャンを

行う癖がある。

いや、俺だけではなく、騙し、騙される、

この冷たい鉄の世界で生きて来た独立傭兵

なら誰でも身につくことだ。

俺もクソほど騙されてきたし、更にもっと

クソを漏らすほどに騙し…いいや

『裏切ってきた』。

 

何はともあれだ、周囲警戒のためのスキャンが

全く奇跡としか思えない今の砂に埋もれた

『故郷』と再会を果たさせてくれたわけだ。

 

ーーしかし、今の俺は声を出せないどころか

身体を動かすことさえできない。

砂に埋もれた【こいつ】の網膜認証のある

ところまでACで掘ったとしても、俺の目を

認証システムの機械があるところまで運ぶ

事が出来ない。ーー

 

そういえば、人が入る時の認証方法として

まだもう一つあるのだったか。

この方法はACかそれと同じ脳波抽出装置が

必要な上、網膜スキャンの方が圧倒的に楽

だったので、使った試しはないが、今

試してみるか。

これでダメなら、諦めざるを得ないだろう。

そうなると、『彼』との連絡方法がなくなる

わけだが…… また途方に暮れねばならないか。

 

俺はACに接続されている脳神経接続デバイス

を弄る。

 

ACCOM:オーダー了承。脳波増幅、および

伝達を開始します。

 

俺たち旧世代の強化人間はACからの脳神経

無線接続ネットワークのシステムを更に

強化するために、手術で脳に直接『そのための

装置を埋め込まれている』。

【人体とACを直接繋ぐ】と表現すべき狂った

脳神経無線ネットワークへの接続により、正常な、

普通の人間では到底なし得ない、ACとの一体感、

まさにACそのものになる事ができるのだ。

 

そして、俺たち旧世代の強化人間に埋め込まれた

『装置』にはその人間自身の脳神経と混ざり、

それぞれほんのちょっとずつだけ脳波が違う。

言うなれば、テレビやパソコンやらの型式と

いうやつだ。

ACの部品でしかない俺たち旧世代の強化人間に

とってはおあつらえ様ってやつだな。

 

話を戻すが、つまりは強化人間から発せられる

脳波はそのままそいつの身分証明書にもなる

わけだ。

 

要は『コイツ』にもそれを認識する装置が

備わっていたはずだが、果たしてどうだ…

 

 

ピロロン♪

 

 

『???』:マスター・レイヴンの脳波を受信

しました。要求により、【レイヴンズネスト】、

再起動します。

 

 

よし、成功だ。

 

 

ズズウウウウウウウウ!

 

 

ゴウウゥゥゥゥゥゥゥゥン……

 

 

埋もれた砂を巻き上げ、重苦しい動作音と

共に20機ものブースターを噴出させながら

その全容を現す、俺の【故郷】というべき

場所であり、【宙飛ぶ工房】、

【レイヴンズネスト】と再会を果たした。

 

レイヴンズネストCOM:おかえりなさい、

マスターレイヴン。機動型AC支援工房。

【レイヴンズネスト】へようこそ!

 

【レイヴンズネスト】への扉が開く。

当然だが、ACのための施設なのだから

扉もACが出入り出来るほどにでかい。

 

よし、やったぞ。『あの時』、最後の力で

コイツを何処かに飛ばしたが、ここに

流れ着いていたのは今の俺にとってあまりに

幸運と言えるだろう。

こいつは『彼』への多大なる力となる

はずだ。

俺もこのクールじゃないACからやっと

降りられるというわけだ。

 

俺はACのままで中に入り、【ACアセンブル

ブース】へとやってきた。

そこには、以前の俺が組み立てる途中の

ACが、コアごとそのままで存在している。

 

カタカタカタカタ。

 

俺はこのACのコアユニットに備え付けられて

いる、メッセージ機能を使いネストへの命令を

作文していく。

通信機能はやられてしまっていても、メッセージ

機能は無事のままのはずだ。

 

:俺を、このコアからそこのサブコアへと移せ。:

 

ネストCOM:マスターレイヴンからの指令を

承りました。これより、移行作業を開始します。

 

俺はコアユニットのハッチを開ける。

そして、ネストは俺を掴み、組み立て中の

ACコアユニットへと移行した。

 

ネストCOM:移行完了。警告、マスター

レイヴンへ。現在、移行したこのコア

ユニットはまだパイロットリンク及び

機体登録が未遂のため、機能しません。

 

パイロットリンク作業を開始しますか?

 

カタカタカタカタカタ

 

:あぁ、パイロットは俺で、パイロット名は

レイヴンで登録だ:

 

ネストCOM:『メインコア1』、『メインコア2』と

パイロット名が同じです。

パイロット名の流用は混乱を招く恐れがあるため

非推奨です。 本当にパイロット名をレイヴンに

しますか?

 

:かまわん。:

 

ネストCOM:了承。これより、パイロットリンクと

パイロット名登録を行います。……完了、この

コアのパイロットはレイヴンで認証されました。

 

続けて、機体登録は必須ではないですが、行った

方が独立傭兵として

 

:分かったから、さっさと機体登録をしてくれ。

機体名は……そうだな、【Fadecrow】だ。:

 

ネストCOM:了承。コアユニットへの機体登録、

【Fadecrow】で登録しました。

コアユニット機能可能です。:

 

:では、アセンブルだ。フレームパーツ、インナー

パーツともに【機体データ Raven prototype】で

アセンブルだ。色はつけなくていい。予備は

まだあるはずだろう。:

 

ネストCOM:了承。アセンブルに問題ありません。

ユニット構成はどうしますか?:

 

:右腕からCURTIS、BUTTA、FASAN、PO5

MLT-10だ。:

 

ネストCOM:了承。

 

R-ARM UNIT

LR-036 CURTIIS

 

L-ARM UNIT

HI-32: BU-TT/A

 

R-BACK UNIT

FASAN/60E

 

L-BACK UNIT

BML-G2/PO5MLT-10

 

HEAD

HC-2000/BC SHADE EYE

 

CORE

EL-TC-10 FIRMEZA

 

ARMS

LAMMERGEIER/46F

 

LEGS

VP-422

 

BOOSTER

FLUEGEL/21Z

 

FCS

FC-008 TALBOT

 

GENERATOR

VP-20D

 

EXPANSION

PULSE ARMOR

 

これでアセンブルを開始します。:

 

すると、慌ただしくクレーンが動き、

ACのパーツの換装作業を

行い始める。

 

まぁ、見慣れた光景というやつだ。

5分も経たずして、ACのアセンブルを

終えるだろう。

 

ウィィィィィ……ガチャン

 

ネストCOM:アセンブル完了しました。

続けてこちらの機体名を【Raven-prototype】に

変更しますか?:

 

ったく、また聞いてきやがる。

保存データを用いてアセンするたびにだ。

まぁ、機械だから仕方のない事なのかも

知れないが。

 

:しない。:

 

ネストCOM:了承。では、ACのアセンブル

作業を終了します。

他にご用件はありますか?:

 

:星間通信をしたい。相手はここだ。

そして、俺の強化人間としての脳波も

一緒に通信先に流してくれ。:

 

ネストCOM:了承。通信コード確認しました。

[ハンドラー・ウォルター]への通信を

行います。……マスターレイヴンへ報告。

対象、ハンドラー・ウォルターは地名:

キヴォトスの大気圏付近の宇宙空間にいる

ようです。そのため、星内通信でも

通信が可能と報告します。:

 

なに?普段の通信で可能なところにまで

来ているというのか。

なるほど、俺との連絡が取れなくなって

相当に焦っていると見えるな。

 

:という事は、ACコアユニットに標準搭載

されている通信設備で通信できるという

事か。:

 

ネストCOM:そうです。ACの通信設備から

でも、脳波の通信は可能です。:

 

:いや、面倒だ。星内通信でいいからお前が

そのまま通信の仲介をしてくれ。:

 

ネストCOM:了承。では、[ハンドラー・

ウォルター]へと繋ぎます。:

 

 

プルルルルルルル、ガチャ

 

 

ハンドラー・ウォルター:…何者だ。貴様は。どう

やってこのコードを知った。:

 

ひどく不機嫌な声だ。それに随分と憔悴している

ようだな。確かに、『PCA』どもにひどい撃ち

落とされ方をされたからな。

察するに、俺との通信が出来なくて、俺の生存を

内心諦めてしまっていると言ったところか。

 

:ひどく憔悴しているようだな。脳波の電信にも

気づけないか? それか、まさかと思うがあの

売人から俺の脳波パターンのデータをもらって

ないとかか?:

 

ウォルター:なに?……!!お前は、621なのか…:

 

621:あぁ、そうだ。久しぶりに声が聞けて嬉しいよ。

ご主人様?:

 

ウォルター:そうか…無事だったか……:

 

声音が不機嫌だったものから安堵の声へと

変わっていくのが分かる。

まぁ、出鼻で作戦が頓挫させられたと

思ったんだから、無理もないか。

 

ウォルター:…話に戻ろう。無事に…とは

言えないが、何とか【キヴォトス】に

着いたようだな。

この不明の連絡先から察するに、コンテナと

ACの通信機能がやられてしまったと推察

するが、よく別の通信設備を見つけたな。

そこのキヴォトスの文化レベルも相当な

ものらしいな。:

 

流石に切り替えが早い。もう普段通りと

なった。

 

621:それは違う。これまたたまげるほどの

幸運なのだが、俺が元独立傭兵だったことは

少し話したな?

……その頃に拠点兼仕事道具として使って

いたものが流れ着いていたらしい。:

 

ウォルター:あぁ、お前が少し言っていた

【レイヴンズネスト】か。

だが、何故そんなものがそこにある。:

 

621:推測にしかならないが、こうなる前に

俺は最後の力でコイツを他の誰にも奪わせ

ないために宇宙のどこかに闇雲に送り出した。

その闇雲の配達先がたまたまここだったと

言うことだろう。

だから幸運だと言っているのさ。たまげるとも

言っただろう? 何せコイツに関しては

俺ももう会う事はないと諦めていたぐらい

だからな。

そして、コイツが見つかった事はあんたに

とっても特級の幸運って奴だ。

良かったな? これだけでも俺を買った

お釣りが返ってくるほどだぞ。:

 

ウォルター:621、お前は御託が長いな。

映像を繋げる事はできるか?:

 

621:あぁ。ネスト、映像を繋げてやれ:

 

ネストCOM:了承。マスターレイヴンの

権限により、レイヴンズネスト内のカメラ

データをハンドラー・ウォルターへ転送

します。:

 

ウォルター:!!……………:

 

621:どうだ?素晴らしい設備だろう:

 

ウォルター:……正直、驚きを隠せん。

こんなものは軍が…いや、軍でもこれほどの

設備はそう簡単には手に入れられまい。

621、お前は一体…… いや、そんな事は

どうでもいいことだな。

映像を見るに、ACのパーツも随分と揃って

いるようだな。

なるほど、そこのACへと乗り換えてこちらと

通信を繋げられたわけか。:

 

621:いいや、それもネストが行なっている。

俺は怠惰でな。:

 

ウォルター:何だと?そんなことまでそいつは

出来るというのか…:

 

621:軽いオペレータールームも備わって

いるぞ? まぁ、俺は独りだったし、誰も

ここに入れなかったから一度も使った事は

ないがな。:

 

ウォルター:お前の話が本当ならそいつは

特定の施設でしか出来ない、コアユニットの

リンクを行う事が出来、こちらの要求で

自動で機体アセンブルを行い、ACトレーニング

施設を備え、その上オペレータールームを

おまけにつけた通信設備すらも整っている、

空はもちろん、星間すら自由に行き来出来る

拠点というわけか。

拠点としては、十二分過ぎるほどの施設だな。

そっちで本拠点を構える準備はせずに

済みそうだな。:

 

621:そういうことだ。あんたもこちらに来るん

だろう? 位置情報を送っておく。着いたら

あんたもこいつの機能を十全に使えるように

マスター権限をこいつに登録しよう。:

 

ウォルター:助かる。…本題に戻るぞ。

そこの【キヴォトス】の様子はどうだ?

何か分かった事はあるか?:

 

621:あぁ、人は住んでいる。それなりの

文化レベルはあるようだ。しかもこちらの

言葉が通じる。文字も俺たちが使うものと

一緒だ。:

 

ウォルター:言葉と文章が通じるのか。驚きだな。

だが接触がしやすいというのは悪くない情報だ。

それなりの文化レベルと言ったが、お前の目から

見てどの程度に位置する?所感でいい。:

 

621:そうだな。軍事力に限って言えばACに向けて

銃を構えるようなレベルだったよ。:

 

ウォルター……そうか、それはそこに住む彼らは

これから苦しい結末を迎えるだろうな。:

 

621:そうだな。天体観測したところ、『企業』

どももこの地にやって来たようだな。:

 

ウォルター:『ベイラム』と『アーキバス』だな。

こっちでも確認した。奴らのおかげで俺も

『惑星封鎖機構』から逃れる事が出来たからな。

…改めて、すまなかったな621。

奴らがここをとっくに嗅ぎつけていたとは

思わなかった。だがこれで……:

 

621:あんたが考えている事実の信憑性を

上げてやろう。この地の奴ら、『コーラル』

成分を含んだブツを使っていた。

【ルビコン】で使われていた奴だ。

その上、どこで手に入れたかは知らないが

MTまで使用してきやがった。

まあ、操縦は武器ユニットの使い方どころか

ブースターの吹かし方すら知らない、物理的に

殴ってくるようなお粗末さだったがな。:

 

ウォルター:そうか。そこまで分かっている

ならやはり情報は本当だろう。

『あの大火』で、ルビコンにあったものごと、

『コーラル』がそのキヴォトスに転移した

という話は。

だが、お前のMTの操縦の話を聞くに、彼らは

『コーラル』の存在さえ知らないだろう。:

 

621:間違いなくな。……このレイヴンズネスト

以外にももう一つ朗報がある。俺はここに

不時着した時、たまたまそこに居合わせた

この【キヴォトスの重要人物】と考えられる

人間と接触した。

そいつからキヴォトスのことについて

色々聞き出す事が出来た。:

 

ウォルター:……全て報告しろ。詳細まで含めてな:

 

俺はウォルターに全て話した。

 

俺が奴らと初めて邂逅した時、奴らから情報を

取るために、圧倒的優位に立っていながら

信用を得るためにあえて投降したこと。

俺の障害だらけの無防備な姿まで晒す賭け

までやって、見事奴らの信用を得られたこと。

もちろん肝心な事は記憶を失っているフリを

して、何も話をしていないことも。

 

そして、【先生】と呼ばれていた奴から聞いた、

このキヴォトスに住む天使の輪っかをつけた奴らが

異常な身体能力と頑丈さを持っているらしいこと。

それこそ、銃弾をうけても肉や骨はおろか、

血すら飛び散らないほどのものであり、日常的に

銃撃戦をやっているらしいことも。

しかもどうやら、先生っていうやつの方が珍しい

部類で奴らの天使の輪っかがついているのが

標準装備らしいことも。

 

キヴォトスの地についても話した。

俺が今いる【アビドス】の他に【トリニティ】、

【ゲヘナ】、【ミレニアム】、キヴォトスの中央

管理施設と言える重要拠点【連邦生徒会】と

超法規的適用施設【シャーレ】。俺にそのことを

話した先生ってのがそこの所属ということを。

 

そして、奴らの戦闘能力を計るためあえて

カタヘルとかと呼ばれていた奴らとの戦闘に

手を出さずに観察させてもらったこと。

その結果は、やはり奴らは2脚MTにすら

満足に傷をつけらないぐらいの武器と兵装

しか所持していないだろうということを。

 

 

そう、何もかもが俺の計算通りだ。

 

冷たい鉄の世界で独立傭兵として培ってきた、

嘘と演技でしかない。

 

シャーレの先生とやらは、いいや、アビドス校

の女5人どもも会って間もない俺にここまで

話すなんてとんだ大間抜けどもだ。

俺の住んでいる鉄の世界では指を指して

大笑いされるほどにな。

 

621(まぁ、普段銃撃戦をしているとは言え

戦争なんてものを知りはしないのだろう)

 

奴らの住む世界を例えるとするなら

【太陽と青空】とでも表現するべきか?

心が透き通っていて、人を疑うことを

知らない熱を持った世界にあいつらは

住んでいる。

 

唯一の誤算と言えるのは、カタヘルの

ボスらしいやつに俺へのロケット弾を

許してしまったことだ。

普通なら俺はアレでお陀仏だったろう。

まぁ、それはホシノっていうガキが

助けてくれたから命があるが、普通

ならば敵の前でACのハッチを開けて

いるなど、大間抜けを通り越した愚か者だ。

くそったれが… この俺が、奴らの住む

太陽の熱が存外に心地良かったらしい。

醜態を晒してしまった。

その後の奴らの態度にも笑ってしまう

ものばかりだ。

無抵抗な人間だと? ACに乗っている人間を?

 

あぁ、奴らはACに目を輝かせ、かっこいい

ロボットなどと勘違いをしていたのだったか。

 

まぁ、かっこいいというのは否定はしないが

どうやらACのことを玩具のように捉えている

らしいな。

 

ならば、あいつらはこの後の連中(企業)がもたらす

鉄錆の臭いで溢れる世界で思い知るだろう。

 

ACがただ破壊と殺戮だけを目的とした恐ろしい

兵器であることをな。

 

その世界を経験すれば、ACを見る目も、ACに

乗る人間への対応も変わることだろう。

 

少なくとも、戦闘中にACの中から姿を現している

大間抜けを率先して狙うことがいかに正しい行動

かを理解するだろう。

咎めることも間違いなくやらなくなる。

 

ウォルター:……そうか、ただの女子生徒たちが

銃撃戦をか……:

 

……まぁ、言いたい事は分かる。俺たちの世界

でも学生にまでドンパチさせるほどには治安は

悪くはなかったからな。

だが、敵地においてそんなことを気にし、心を

痛めるか。

この男もつくづく甘い男だ。

 

ウォルター:しかし、にわかには信じられんな。

天使の輪をつけた人間が日常的に銃撃戦を

していて、しかも銃弾を受けても大した怪我を

負わないなどとはな:

 

621:あぁ、だがさっきも話した通り残念だが

そいつは立証済みだ。ホシノっていうやつは

MTの殴打の直撃を盾を構えるだけで

吹っ飛ぶだけで済みやがった。:

 

ウォルター:普通ならば盾は無事としても

生身の方はグチャグチャの即死は免れない

はずだがな。

彼女らと生身でやり合うのは絶望的だな。

自殺行為と言っていいほどだ。

 

…だが、だからと言って俺たちの脅威には

なり得はしない。2脚MTに、有効な兵装を

持ち合わせていないようではな。:

 

その通りだ。これから始まるACとの戦いで

は奴らはかすり傷すらつけることは決して

出来はしない。MTとACでは『仕組みそのもの

が違う』のだから。

ACはMTなどとは比べ物にならない頑健さを

誇る。

 

ウォルター:なるほど、大体の事情は把握した。

彼らの信用を得たというのを利用しない手は

ない。今の俺たちはその地に『コーラル』が

あるという確証を得ただけで、まだその在処

が分からない。もっと情報を得なければ。

彼らの味方である立場を保っておくにこした

事はない。:

 

621:では、俺は引き続き奴らの元でスパイ

活動をするというわけか:

 

ウォルター:いや、その必要はない。お前の

代わりに俺に情報をくれた『協力者』を

よこす。既にそいつにそこの位置情報を

送った。お前はそいつが来たら情報を共有

しておけ。:

 

621:ほう、協力者か。この地にいたとはな。

だが、大丈夫か?口調などでバレる可能性が

あるのでは?:

 

ウォルター:問題ない。まぁ来れば分かる。

当面は、キヴォトスの連中にとっての味方側と

敵側の双方から情報集めに専念する。:

 

621:と、いうと?:

 

ウォルター:企業どもも、この地に来て少し

経ったら独立傭兵向けへの公募依頼を

出すはずだ。 621、お前には企業の

依頼をこなしつつ、金銭の調達と企業側から

キヴォトスの奴らの情報収集をしてもらう。

俺の勘だが、『コーラル』の在処が分かる

ところとしたらキヴォトスのブラックボックス(最重要秘匿事項)

だろう。

そこに辿り着くには敵側として、奪いに

行かなければならないだろう。流石の

彼らも他所者に簡単には口を滑らせる

ことはしまい。

 

彼らの味方側でそのブラックボックスの在処を

探り、彼らの敵として俺たちでそいつを奪いに

行く。:

 

621:いいね。あいつらの敵というのは。

いい加減奴らの生ぬるさに嫌気がさしてきた

ところだった。:

 

ウォルター:しばらく身体を休めておけ、621。

動く時に動けるようにな。

 

では、また後にそこで合流しよう。切るぞ。:

 

621:あぁ、ここで歓迎の祝杯をあげると

しよう。 

 

待ってるよ。ハンドラー・ウォルター。:

 

 

 

ブツリ---------------

 

 

 

 

----------------------

 

 

 

 

プロローグ:流れ落ちる鉄の星々は蒼き楽園を

戦火で赤く染め上げる---完。

 

 

次章ーー鉄錆に侵略されゆくキヴォトス

 

 

 

 

 

 




この621、よく喋るな!!と思ったのは
書いている私だけではないはず。
だけど、ごすとの通信も声が出ないので
キーボードでカタカタ打って文字起こしてた
のですけどね。
621の時も::でやってしまっているので
混同させてしまったかもしれませんね。
すみません。
でも、次621出てくる時にはタイピング
した内容を機械しゃべらせる機能をつける
ので、次からはちゃんと声を発してるように
します!(621は相変わらず声出さないけどな!)

……投稿が少し遅れてしまいましたね。
いやはやまさか25000文字を超えるとは……
2話分ぐらいを一気に書き切った感触です。
この前はちょうど連休でしたので、投稿も
早く済ませられましたが、筆者は基本週休
一日なので、基本的にこのぐらいのペースに
なるかと思います。

それにしても、やっぱりごすとの会話を書く
のが1番楽しいです。

やはり私はごすの忠実なワンちゃんなのさ…

ここで色々設定をば。

・ACのコアについて
コックピット部分だけ取り出して色々組むって
言うようなイメージです。
更に言えば、コアパーツにコックピット部分を
はめ込む感じを想像してください。
また、防犯機能としてコア自身にパイロットの
生体情報そのものをリンクさせる設定をねじ
こんでいるので、敵側はACを奪うと言うような
事はできません。MTは出来ます。

また、リンクしているので腕デバイスとかを
通じて「来い!"機体名"!!」とかすれば
ACが無人で駆けつけてくる事もしてくれます。
というか、させます。(かっこいいので)

621たち、ついに拠点ゲットですね。
名前はACファンなら知ってると思う
アレです。 まぁ筆者は初代未プレイですが。

物語の中で色々言ってましたが要はネスト関連
以外のゲーム本編の拠点でできることができる&
そっからごすがオペレートしてくるんだなって
考えておいてください。


追記 あっ!!そう言えばALBAシリーズって
ラスティさんの新型機じゃん!!(今更)
今、出てくるのはおかしいのか!
で、でもALBAシリーズかっこいいし……
私の搭乗機(特にコアは)なので、無理矢理設定
改変してレイヴンに乗せちゃいます!!
だってかっこいいんだもん
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