ブルーアーカイブ:〜ACⅥ Fires of Kivototh編〜 作:とある渓流にいるかわうそ
〜〜10:00〜〜.
俺は、その物を見た時、心臓の鼓動が止まった
ように感じた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は、その音声を聞いた時、自分の時が止まった
ように感じた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レッド「それ……は…………」
ハスミ「?どうしました?大丈夫ですか?」
ハスミと名乗る女の心配の声も俺の耳に届かない。
動悸がする。自らの言葉が俺の首を絞めて
窒息させようとしているみたいに……
トリニティモブ「え?何この人……」
周りの声が聞こえない。
しかし、次に放った部下の言葉が泥沼に入った
俺の思考を現実へと引き戻す。
レッドの老部下「隊長。間違いありません。
それは、昔ルビコンで使われていた『コーラル』で
作られた【麻薬】です。」
レッド「………そうか。絶対なのか?」
俺は伝聞と写真で見ただけで実物を見たことは
ない。その【紅い麻薬】は俺のその伝聞と、写真を
見た記憶と完全に一致してはいたが、すがるような
気持ちで、確認をする。
いや、答えなど分かりきっているだろうに。
そうでなければ、『コーラル』成分検知器を
取り出し、自ら確認している事だろう。
だからこそ、そいつが入っているズボンの
ポケットに手を入れられず、ただただ右手を
震わせているのだ。
こいつでその【紅い麻薬】を調べれば、自分が
『どういう事をしなければならないか、
分かっているからだ。』
レッドの部下「……………」カチッ
COM:ピピーッ!!『コーラル』成分を検知
しました!目標物を発見しました!
耳障りな機械音声が俺の耳につんざく。
聞きたくはない言葉が、俺に現実を思い知らせる。
ハスミ「……レッド、あなた。まさか【それ】を
知っていたのですか? それに、『コーラル』を
発見したと、その機械は知らせているよう
ですが?」
ハスミの声が嫌疑的なものへと変わっていく。
俺たちへの疑いが一気に高まっていっている。
何を、俺は、ショックを受けているのだ?
俺たちは…俺は……元々そのつもりで来た
んじゃないか。
何故に今更罪悪感で押しつぶされそうに
なっているんだ俺は?
そんな資格など、ないと言うのにーーー
レッド「……あぁ、知っている。何せ数分前までの
俺が探していた物だからな。」
せめてもの抵抗のつもりか?
への?
そんな発言をして、何になる。そんな事で
この俺の愚かしさが消えるとでも思っている
のか?
ほんの数分前まで、レッドガンを誇りに思って、
『侵略行為』について深く考えていなかった
俺の浅ましさが。
ハスミという女のように、本当に正義に満ちた
善良な人々を【虐殺】しようとしていた
自らの愚かしさが許されるとでも?
あぁ、俺は本当に未熟で馬鹿な若輩者だ。
こんなこと、少し考えたら、分かること
だと言うのに。
この女へ抱いているもののように、情など
持ったら苦しいだけだという事をーーー
ハスミ「……ふふ、そうですか。ではあなたも
このふざけたものを取り締まろうとーー
レッド「しゃべるな。」
ハスミ「…!?」ビクッ!?
お願いだから、俺を善良な人間のような目で、
声音で、しゃべらないでくれ……
これ以上、俺の心を、抉らないでくれ……
レッド「今から、上司と話す。話しかけないで
くれ。」
ハスミ「あ、あぁ…そういうことでしたか…」
俺は震える手で、ミシガン総長に連絡をする。
レッド「任務中、失礼いたします。G6、レッド
です。総長、『コーラル』を見つけました。
……はい、ルビコンで使われていた【麻薬】
です。検知も反応しているので、まず間違い
ないと思われます。
……はい、…………はい……。とう、しょの……
予定どおりに……ですか………
あ…の…… 別に、よろしいのでは……
ないでしょうか?………
これだけで、本当に『コーラル』があると
断定など出来ないと思いますが……
不確かな、事実で……… 善良な人々を……」
俺は、普段なら絶対に言わないはずの、
ミシガン総長への命令に対する、意見を
申してしまう。
レッド「………はい、………はい…………。
いいえ、総長の言う通りです………。
自分は、そのように言いました……。
自分の、認識が…甘かったです……。
………いえ、やります。先輩がたも、同じで
あります。
自分だけ逃げるわけには、いきません。
……はい、………はい。お心遣い、ありがとう
ございます……。
では、失礼いたします。総長。」ガチャ
叱責を、されてしまったな。失望をさせて
しまったか?
だが、そんな事はどうでもいい。
今は、心を殺すことだけを考えろーーー
レッドの部下「隊長……」
レッド「分かっている。【準備しろ。】」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
聞きたくは、なかった。見たくは、なかった。
彼女たちの言う【紅い麻薬】に、考えを向け
たくはなかった。
ヒナ「……?……あぁ、さっき没収したものが
溢れちゃった…。 全く、数ばっかり多いん
だから……。」
ヒナ君がしゃべっているのも私はどこか
上の空だ。
私の期待など、この非情な現実は簡単に
砕いてくれるようだ。
ペイター「…第五隊長殿、私からスネイル閣下に
連絡しましょうか?」
ホーキンス「…すまないね。頼めるかい?」
ペイター「承知しました…」
全く、年をとったおっさんというものは
涙脆くていけないね。
悲しいのは、辛いのは、ペイター君も
同じだというのに。本来私がやらなければ
ならない事を、若者に任せてしまう自分が
不甲斐ないよ。
けど、その不甲斐なさを持ってしても、私の
右手の震えを止める事は出来そうにないんだ。
ハルナ「ホーキンスさん?」
アカリ「どうしたんですかぁ?」
イズミ「食べ過ぎでお腹痛い?」
ジュンコ「ペイターさんも何してるんですか?」
ヒナ「…どうしたの?早くこっちに来て。」
口々に私たちに言葉をかけてくるが、今と
なっては応じるわけにはいかなくなった。
ペイター「スネイル閣下に連絡が取れました。
すぐに【占領】を開始しろとのことです。」
ホーキンス「……そうか。」
ハルナ「え?」
アカリ「ん〜?」
イズミ「せんりょ〜?」
ジュンコ「…え?何のことですか……?」
ヒナ「……申し訳ないけど、私の聞き間違いで
なかったら、あなたたちさっき【占領】を
開始すると言わなかったかしら?」
ヒナ君の瞳孔が鋭くなる。なるほど、彼女は
私たちのことも……いや、もしかしたら実は
私たちの方こそを警戒していたのかもしれ
ないね。
それで、私たちの提案に乗ったのかも
しれない。
まぁ、もう何もかもが遅いのだけれどーーー
ホーキンス「ハルナ君。」
ハルナ「はい?」
ホーキンス「本当に、すまない。ここにいつか
また来るという約束も、この後の約束も、
君たちと交わした約束のそのどちらも果たせそう
にない。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハスミ「どうしたんですか……?レッド?
さっきから様子がおかしいですよ……?」
胸騒ぎがする。あの【紅い麻薬】を見た時から
レッドの様子がどうにもおかしい。
何故か、私は不安が抑えきれずにいる。
レッド「なぁ、貴様。やはりここからすぐに
逃げろ。」
いつの間にかレッドの部下たちが散り散りに
散開している。その様子からも、私は何か
不安で仕方がなくなってくる。
ハスミ「何を言ってるんですか?あなた、
私の手伝いをしてくれるんでしょう?」
いつもなら、とっくに銃を抜いて
「何を企んでるんです?」とでも威圧して
いたのでしょう。いや、数分前の私なら
間違いなくそうしていました。
今は……この男への友情で、それが出来ない。
だから、私が出来る事はこの不安への否定
だけです。
レッド「その予定ならキャンセルだ。こいつらを
連行するなら、このトリニティの外にでも
連行しろ。」
ハスミ「そんな事は出来ません。私は、正義
実現委員会です。街の警護を放って外に行く
事など出来ません。」
すると、あの、高圧的なレッドが、その面影など
消え失せ、今にも泣き出しそうな面持ちで
懇願をしてきたーーー
レッド「頼む、逃げてくれ…… 今なら、まだ間に
合う……… 貴様だけなら、お前だけなら……
きっと無事でいれる。」
……あぁ、私は悟ってしまいました。
ーーー答えは決まっています。
ハスミ「出来ませんね。私は、私たちは正義実現
委員会。街の平和を守るより、善良な皆さんの
盾となる存在。
そんな私が、他の、ツルギさんやイチカ、皆さん、
ーーートリニティを置いて逃げるなど許され
ません。」ガチャ!!
私は、レッドに銃を向ける。
レッド「……いっそ、今ここで貴様が俺を
撃ってくれたら、楽になれたのにな…」
ハスミ「そんな事は出来ません。武装も
していない相手に、一方的に銃を撃つなど
出来ますか。
そんな事を言うなら……投降してください。」
私の心からの願いだ。私と、正義実現委員会と
同じ志を持つこの男を、私は撃ちたくはない。
だが、その願いは虚しく、レッドは分かりきった
答えを言う。
レッド「……それは出来ないな。それだけは、
俺の誇りとするレッドガンのためにも、出来る
はずがない。
ーーーならば、しょうがないな。ーーーーーーーー
ーーーーーーーー来い、ハーミット。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハルナ「……え?いきなり、何を言って……」
私の頭は混乱する。何故か、とてつもなく
嫌な予感がする。
ーーーよりによって、この優しいホーキンス
さんからーーー
ホーキンス「すまない、ハルナ君、アカリ君、
イズミ君、ジュンコ君…… ここから、この
ゲヘナから…… どうか逃げてくれ。」
アカリ「……え?」
イズミ「……なんか、怖いよ?ホーキンスさん?」
ジュンコ「どうして、そんな悲しそうな顔を
してるんですか……?」
遠くで、ヒナが銃に手をかけようとしている
のが見える。
だけど、それが私たちに向けられるもので
ない事は少なくとも理解できます。
いいえ、理解など、したくはないーーー
ホーキンス「来てくれ、リコンフィグ。」
ペイター「来てください、デュアルネイチャー。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドオオオオオオオン!!!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドドオオオオオオオン!!!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レッドが何かの名前を呼ぶと、空から
何か大きな鉄の塊が降ってきました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ホーキンスさんとペイター君が何かの
名前を呼びました。
そしたら、空からよくわからない2つの
鉄の塊が降ってきました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スチャッ、ウイイイン、ガチャン!
突然の出来事に呆気に取られていると、
レッドはロボットのような巨人の開いた
胴体部分に乗り込み、胴の部分が
しまっていきます。
そして、レッドが機械音が混じった音声で
しゃべります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スチャスチャッ、ウイイウイイインイイン、
ガチャンガチャン!
脳が理解を拒みそうな出来事に驚く
暇も許してくれず、2人はロボットの
ような物体の、コックピットのような
場所に乗り込み、胴のハッチが閉まり
ました。
そして、ホーキンスさんとペイター君が
ロボットの中から機械が混じったような
音声で私たちに語りかけてきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レッド:本当にすまない。許してくれなくていい。
ただ、謝らせてくれ。:
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ホーキンス:……どうか、私を一生呪ってくれて
いい。……死なないでくれ。:
ペイター:……すみません、皆さん。食事、
楽しかったです。……どうか生きてくれ。:
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ビカァ!!
そう言った直後、そのロボットの瞳が
眩く光り、今度は完全な機械音声で
ロボットが発音しました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ビカァ!! ビカァ!!
そう2人が言った直後、そのロボットたちの
瞳が妖しく光り、今度は完全な機械音声で
ロボットたちが発音しました。
------------------
【【【メインシステム、戦闘モード、起動】】】
いよいよです…… まずはトリニティから
書いていきますが、ネームドキャラからは
死人は出しませんが…… モブキャラは大量に
死にます………
うっ、吐き気が………