トリニティ1年生男子!秋瀬リエトだぜ!   作:ぽてかま

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レッツ学園転覆!!

まだ日付が変わっていない頃。

 

リエト「………そろそろか」

 

押し寄せる眠気を

無視して俺は起き続けていた。

 

ゲームじゃ詳しい時間は分からなかったから、

微かな話し声がした事を頼りに部屋を出る。

大部屋を通り過ぎ、

先生の部屋の前で止まって……

 

アズサ「……リエトも、みんなに

   用事があるのか?」

 

リエト「ホワッッ⁉︎」

 

びっくりした。変な声出た。

 

リエト「……まあ、そんな所だ。」

 

 

カチャ

 

ハナコ「全く……どうやらナギサさんは

   本気で、私たちを退学にさせようと

   しているようですね……。」

 

ヒフミ「どうして、そこまで……。」

 

 

アズサ「……私のせいだ。」

 

 

ヒフミ「アズサちゃん!?それに、

   リエトくんまで……」

 

ハナコ「……。」

 

アズサ「みんな、聞いて。

   話したいことがある。」

 

ヒフミ「アズサちゃん……?」

 

アズサ「………っ…。」

 

コハル「アズサ……?ど、どうしたの?

   具合でも悪いの?」

 

 

ヒフミ「アズサちゃん、身体が震えて……?」

 

アズサ「……みんなにずっと、

   隠していた事があった。」

 

アズサ「でも、ここまで来たらもう

   これ以上隠しておけない……。」

 

 

……言うんだな。

 

 

アズサ「………

 

   ティーパーティーのナギサが探してる

   『トリニティの裏切り者』は、私だ。」

 

 

ヒフミ「……はい?」

 

コハル「……え?きゅ、急に何の話……?」

 

ハナコ「……。」

 

リエト「……アズサ………。」

 

 

アズサ「私はもともとアリウス分校の出身。

   今は書類上の身分を偽って、

   トリニティに潜入している。」

 

 

ヒフミ「あ、アリウス?潜入……?」

 

ハナコ「……。」

 

コハル「……。」

 

コハル「えっと……何それ?アリウス……?

   どういうこと?」

 

ハナコ「アリウス分校……かつてトリニティの

   連合に反対した、分派の学園です。」

 

リエト「その反発がトラブルに発展、

   その後はキヴォトスのどこかで

   身を潜めて過ごしてる、だったか。」

 

アズサ「そう。私はここに来るまで、

   ずっとアリウスの自治区にいた。」

 

アズサ「アリウスとしての任務を受けて、

   今はこうして

   この学園に潜入している……。」

 

アズサ「その任務というのは……

   ティーパーティーの桐藤ナギサ、

   彼女のヘイローを破壊すること。」

 

ヒフミ「……っ!?」

 

コハル「嘘でしょ!?

   そ、それってつまり……。」

 

リエト「暗殺、だな。」

 

アズサ「……。」

 

 

……アズサはこっちに寝返る。

そしてアリウスの襲撃を鎮め、

テストで合格してハッピーエンド……

 

リエト(で、終わる訳ないんだよな。)

 

まだ物語の序盤も良い所だ。

補習授業部に入った以上、

エデン条約編は俺の独断じゃ動けない。

 

……あれ?やらかしてね?

これ補習授業部に

入らない方が良かったのでは……?

 

というかそもそも、俺が接触しなければ

メインストーリーは(多分)解決する訳で。

俺が関わって、少し複雑になっている。

 

もしかして俺、

関わらない方が良かった……?

……結局、運ゲーは

俺にはどうにも出来ないし……

 

……いや、辞めだ。過ぎたことは考えない。

選択したのなら、

その選択なりにやってみよう。

 

 

ヒフミ「……リエトくん、大丈夫ですか……?」

 

リエト「ん……ああ、ちょっと

   考え事をしてただけだ。」

 

 

アズサ「明日の朝、アリウス分校の生徒たちが

   ナギサを狙ってトリニティに潜入する。」

 

アズサ「……私は、ナギサを

   守らなきゃいけない。」

 

ハナコ「……。」

 

ヒフミ「あ、明日……!?」

 

コハル「!?」

 

アズサ「うん、私はそれを

   どうにか阻止しないと。」

 

ハナコ「本館には戒厳令が出ている状態……

   最後の試験での

   ナギサさんの無茶もあって、

   正義実現委員会は

   本館に居ないタイミング……。」

 

ハナコ「なるほど、要人襲撃には

   最適な日ですね。

   アリウスもだいぶ頭は回るようです。」

 

ヒフミ「ハナコちゃん……。」

 

コハル「ま、待って!おかしくない!?」

 

コハル「アズサはティーパーティーを

   やっつけに来たんでしょ?

   なのに守るってどういうこと?

   話が合わないじゃん!」

 

アズサ「それは………。」

 

 

リエト「……アズサ自身は、

   初めからそのつもりで

   此処に来たんだろ?」

 

 

アズサ「………」

 

そうだ。アズサは、初めからこのつもりで

トリニティ総合学園に来ていたんだ。

 

リエト「初めからナギサを守る為に

   この任務に参加した……二重スパイ。」

 

リエト「向こうには問題ないと言い続け……

   本当は裏切る準備を進めていた。」

 

リエト「はぁ……毎晩毎晩抜け出してさぁ、

   違う部屋でも分かるぞ流石に。」

 

嘘。毎晩爆睡して足音はおろか

気配すら読み取れてないけど。

 

ハナコ「……どうして、ナギサさんを

   守ろうとするんですか?

   それは、誰の命令で?」

 

アズサ「……誰かに命令されたわけじゃない。

   私自身が選択したことだ。」

 

アズサ「桐藤ナギサがいなければ、

   エデン条約は取り消しになってしまう。

   あの平和条約が無くなればこの先、

   キヴォトスの混乱は

   さらに深まるだろう。」

 

アズサ「その時また、アリウスのような学園が

   生まれないとは思えない……。」

 

ハナコ「だから平和のために、

   ということですか?」

 

ハナコ「……甘い、夢みたいな話ですね。

   楽園という名に並ぶくらい、

   虚しい響きです。」

 

アズサ「……。」

 

ハナコ「アズサちゃんは嘘つきで、

   裏切り者だった……」

 

ハナコ「トリニティでは正体を隠し、

   アリウスでも本音を隠して……」

 

ハナコ「アズサちゃんの周辺には、

   アズサちゃんに騙された人たちしか

   いなかった、ずっと

   周りの全てを騙していた……

   そういうことで合ってますか?」

 

ヒフミ「ハナコちゃん……。」

 

アズサ「……いつか言った通りだ。

   私はみんなのことも、

   みんなの信頼も……みんなの心も、

   裏切ってしまうことになる、と。」

 

やべ、あの時考え事してたわ。

ボケが何してんだ俺は。

 

ヒフミ「アズサ、ちゃん………。」

 

アズサ「だから、『トリニティの裏切り者』は

   私。私のせいで補習授業部は、

   こんな危機に陥っている。」

 

アズサ「本当にごめん。

   私のことを恨んでほしい。」

 

アズサ「今のこの状況は全て、

   私がもたらしたことだから……」

 

"……それは違うよ。"

 

アズサ「……先生?」

 

"元々の原因はきっと、

『信じられなかったこと』の方。"

 

アズサ「……。」

 

"ナギサがもっとヒフミを、ハナコを、

アズサを、ハスミとコハルを、

リエトを信じていたら。"

 

"ミカがもっと、

ナギサのことを信じていたら。"

 

"お互いがお互いを、深く信じられていたら、

こんなことにはならなかった。"

 

ハナコ「………そうですね、

   そうかもしれません。」

 

リエト「今のナギサは暴走してる、

   誰も信じなくなった奴を

   変えるのは難しい。」

 

リエト「誰かを信じるってのは、

   元からかなり難しいからな。」

 

リエト「…でも、アズサは打ち解けてくれた。

   黙っていることだってできたのに、

   謝ってくれた。」

 

ハナコ「……ごめんなさい、先ほどのは

   何と言いますか、どうしても

   意地悪したくなってしまったんです。

   アズサちゃんの真っ直ぐな顔を

   見ていると、何だか心が

   落ち着かなくなってしまって。」

 

アズサ「……。」

 

ハナコ「補習授業部はちょっと変わった

   意味で、ある種の舞台装置のように

   注目を浴びる存在として生まれました。」

 

ハナコ「本来ならアズサちゃんのような

   『スパイ』は、こんな注目される所に

   長くいてはいけないはずです。」

 

ハナコ「誰にも気づかれないように消える……

   そういう手段やタイミングは、

   今までいくらでもあったはず。」

 

ハナコ「……しかしアズサちゃんは、

   そうしませんでした。」

 

アズサ「……。」

 

ハナコ「その理由は私も、

   リエトくんも知っています。」

 

リエト「……アズサ。」

 

 

リエト「楽しかったんだろ?ここでの時間が。」

 

アズサ「……!」

 

ハナコ「みんなで一緒に勉強をしたり、

   ご飯を食べたり、お洗濯をしたり、

   お掃除をしたり……何をしても

   楽しいことばかりだったから。」

 

ハナコ「だから、この楽しい時間を

   壊したくなかった……」

 

ハナコ「目標に向かって努力すること……

   そして、みんなで知らなかったことを

   学んでいくことが、楽しかったから……」

 

ハナコ「違いますか、アズサちゃん?」

 

アズサ「………それは……私は……。」

 

 

アズサ「………いや、うん。」

 

アズサの口元が緩む。

 

アズサ「……そうかもしれないな。」

 

アズサ「何かを学ぶということ、

   みんなで何かをするということ……。」

 

アズサ「その楽しい時間は、

   私には手放せなかった……。」

 

アズサ「……まだまだ知りたいことが、

   たくさんある。」

 

アズサ「海とか、お祭りとか遊園地とか……

   行きたいところも、知りたいことも

   まだまだたくさんあって……。」

 

ヒフミ「アズサちゃん……。」

 

ハナコ「……。」

 

ハナコ「何だか知ったような

   口をきいてしまいましたが……

   分かるんです、その気持ち。

   同じように思った人が、いたんです。」

 

アズサ「……?」

 

ハナコ「なぜか要領が良くて、何をしても

   周りからおだてられてしまうような

   タイプで……。」

 

ハナコ「その人にとって

   トリニティ総合学園は、

   嘘と偽りで飾り立てられた、

   欺瞞に満ちた空間でした。」

 

ハナコ「誰にも本心を話すことができず、

   誰にも本当の姿を

   見せることができないまま……。」

 

ハナコ「その人にとって、全てのことは

   無意味で……学校を、

   辞めようとしていたんです。」

 

ハナコ「何せそのままの生活を続けることは、

   監獄にいるのと同じでしたから。」

 

ハナコ「でも、そんな時に……」

 

ハナコ「その人は、ある人と出会ったんです。」

 

ハナコ「急に騒ぎ立てて、追いかけっこに

   発展して、挙げ句の果てに

   周りの人まで巻き込んで。」

 

ハナコ「急で、予想もつかないことでした。」

 

ハナコ「けれど、その一瞬は……」

 

ハナコ「素直に『楽しい』と思えた。」

 

……俺だよな、これ。

確かに初対面の時あったけど、

そんなこと思ってたのか。

 

ハナコ「アズサちゃんがいつも

   口癖のように言っていた通り、

   全ては虚しいもののはずなのに。」

 

ハナコ「ですが同時に……アズサちゃんは

   その後ろに、いつも言葉を

   付け加えていました。」

 

ハナコ「諦めるべきじゃない。」

 

ハナコ「最善を尽くさない理由にはならない。」

 

ハナコ「そうして……ようやく、

   その人も気づいたんです。」

 

ハナコ「……学園生活の、楽しさに。」

 

ハナコ「下着姿でプール掃除をしたり、

   みんな水着で夜の散歩をしたり、

   裸で色々なことを打ち明け合ったり……

   自分をさらけ出せる人たちと、

   そういったよくあることを

   全力でするというのが、

   こんなにも楽しかったんだと。」

 

アズサ「うん……いや、

   裸ではなかったけど……。」

 

ヒフミ「さ、散歩も水着では

   ありませんでしたよ……!?」

 

コハル「え、やっぱりあれ下着だったの!?」

 

リエト「存在しない記憶やめれ」

 

ハナコ「ふふっ♡」

 

ハナコ「……アズサちゃんの言っていた

   通りです。虚しいことだとしても、

   最後まで抵抗をやめてはいけませんね。」

 

アズサ「ハナコ……。」

 

ハナコ「アズサちゃん、

   もっと学びたいんでしょう?

   もっと知りたいんでしょう?」

 

ハナコ「みんなで色んなことを

   やってみたいって、あの時

   話したじゃないですか。

   海に遊びに行くとか、

   ドリンクバーで粘って夜更かしとか。」

 

ハナコ「それを、諦めてしまうんですか?」

 

ハナコ「……何も諦める必要はありません。」

 

 

 

ハナコ「桐藤ナギサさん……彼女を、

   アリウスの襲撃から守りましょう。」

 

リエト「そんで俺らは俺らで、

   試験を受けて合格する。」

 

ハナコ「後からどんな文句も言えないように、

   かけておいた罠はそのままに……。」

 

ハナコ「それでも試験会場に辿り着き、

   みんなで90点以上を取って、

   堂々と合格するんです。」

 

リエト「それが今の俺たちの、

   たった一つにして……

 

   最高の答えだ。」

 

アズサ「……でも、そんなことは

   物理的に不可能なはず……。」

 

アズサ「試験は9時から。アリウスの

   作戦開始時刻もまた、

   同じ時間に予定されてる。」

 

ヒフミ「ほ、他の方たちに

   助けを求めるとか……?」

 

リエト「まあ、それもあるけど、

   それじゃ足りない。」

 

リエト「9時はテスト開始と、

   『アリウスの』作戦開始時刻だ。」

 

ハナコ「……まずは、

   私たちの方から動きましょう。」

 

リエト「今まで散々遊ばれてきたんだ、

   今度は俺たちが仕掛ける側だぜ。」

 

 

 

てなわけで。

大声、でも外には漏れないように。

 

 

 

リエト「イカれたメンバーを紹介するぜ!」

 

リエト以外「!?」

 

 

リエト「正義実現委員会、押収品管理室担当!

   下江コハル!!!」

 

コハル「び、びっくりしたぁ…!」

 

 

リエト「ゲリラ戦の達人、実力は折り紙付き!

   白洲アズサ!!!」

 

アズサ「うん、頑張る。」

 

 

リエト「モモフレンズのペロロを愛する

   自称平凡!阿慈谷ヒフミ!!!」

 

ヒフミ「自称って何ですか!?」

 

 

リエト「トリニティのほぼ全てに精通した

   露出狂!浦和ハナコ!!!」

 

ハナコ「あら、ふふっ♡」

 

 

リエト「超法規的機関、シャーレ所属!

   通称変な人!先生!!!」

 

"変な人って何!?"

 

 

リエト「そして最後に勢いとノリの塊!

   口が悪い!秋瀬リエト!!!」

 

 

リエト「……これだけいれば、

   トリニティなんて半日で転覆できる。」

 

ハナコ「ええ、そうですね。」

 

ヒフミ「……はい!?」

 

コハル「えっ、どういうこと!?

   何をする気!?」

 

アズサ「……。」

 

ハナコ「何をするも何も、

   試験を受けて合格するだけです♡」

 

ハナコ「作戦内容は一旦、

   私にお任せください。」

 

リエト「よし、準備はいいな!!!」

 

"えっと……と、とりあえず頑張ろう!"

一話あたりどうするべき?

  • 今のままでいいよ
  • 一つ一つをもうちょっと長くしてほしい!
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