隻眼の木遁使い   作:EKAWARI

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ばんははろEKAWARIです。
今回で九尾事件(表編)は一旦完結です。


15.四象封印

 

 

 

「……間に合った……!」

 

 オビトが何故ミナトの所に飛雷神で現われたのか。

 話はほんの数分前……彼が警務部隊に所属している犬塚の男と里を走っていた時に遡る。

 九尾が里に現われ、里に住む老人達を助ける為に命令違反を犯してでも走り出したオビトであったが、そんな彼の脳裏には第二の師とも言える千手扉間がかつて語った言葉がグルグルと回っていた。

 木ノ葉隠れの里では尾獣を体内に封印された人間……人柱力という、の存在は秘匿されている。

 だから、九尾の人柱力であるクシナとも師を通して親交があったオビトであるが、彼女が九尾の人柱力であること、今日が出産予定の日であり、出産時にその封印が緩むこと……などの事実が知らされることもなく、だからこそこの日もいつも通りに過ごしていたのだ。

 彼にとってのクシナは九尾の人柱力ではなく、恩師の嫁で何故か自分にやたらと構ってくるちょっぴり苦手な人であり、快活で明るく暴力的な、でもとても愛情深く感情豊かな……ただの人だ。

 人柱力のことについてオビトは知らない。木ノ葉では人柱力という存在について知らされているのは上忍以上の忍びに限られたし、それがクシナであることは上層部の中でも極一部の人間にだけ知らされている秘匿情報であり、それを知る権限がいくら四代目の直弟子とはいえ、ただの中忍であるオビトには存在していなかったからだ。

 しかし、あくまでも秘匿されているのは人柱力についてのことだけである。

 九尾……及び、尾獣達についての知識は扉間との勉強会の際に出てきたことがあった。

 曰く、尾獣とは自我を持った巨大なチャクラの塊である、と。

 昔、扉間の兄である初代火影千手柱間と、オビト自身の曾祖父にあたるかのうちはマダラで全部で九体いる尾獣達を捕まえに行ったことがあり、当時の戦力バランスを保つ為に、各里に分配され管理されていること。

 そしてその際に、木遁忍術……特に兄が得意としたチャクラ吸収の性質を持つ木龍の術であれば、尾獣を押さえ込むことが容易であること。

 オビトが木遁の勉強をし始めてまだ一年にも満たない。

 木龍の術にしても印などは既に知っているが……実戦したことはないし、お年寄りの話で聞く初代様と御先祖様の怪獣大戦争の如き大規模な木遁など、オビトには使えない。

 だが、かつて扉間が勉強会の際語ったことが正しいのなら、尾獣に対抗するのなら木遁を使える自分がうってつけなのではないかと彼は考えた。

 人柱力については知らないオビトであるが、扉間の勉強会の結果、尾獣を分配したというのなら、きっと木ノ葉隠れの里でも尾獣を壺かなんかに封じて、その封印が解けるかなにかがした結果が今のこの現状なのではないかと考察した。

 ……まあ半分は当たっている。

 封じていた対象が物ではなく人の中に……であったという点を除けば。

 そして写輪眼で赤く染まったオビトの目はその瞬間を見た。

 師であり、四代目火影である波風ミナトだ。

 ミナトが里に現われた九尾ごと飛雷神の術で飛んで消えた瞬間をしっかりとオビトの隻眼は捉えていた。

 その際、九尾は最後の悪あがきのように尻尾のなぎ払いを放ち、瓦礫が散ったのを見て人々を助けるために木分身を四方八方に散らした。

 オビトは木ノ葉隠れの里60年の歴史上、三人目の単独で飛雷神の術を行使出来る人間だ。

 だからこそ、この術の事はよくわかっている。

 習得難易度こそ高いが、人一人飛ぶだけであればさほどチャクラを消耗することはない術である。だが、その消費チャクラ量は術への理解に、飛ぶ距離や、飛ばす対象の面積によって変化する。

 本音を言えば師の事を信じたい。

 ミナト先生は誰よりも強くて、だから本当は自分なんかの助けなんていらないんじゃないかと心のどこかで思っている。同じ夢を見て、先にそれを叶えた先達とも言える理想の火影様だ。かっこよくて強くて大好きな先生だ。こんな凄い人が自分の師であり里長であることを心から誇りに思う。

 だが……先生の保有チャクラ量は、柱間細胞の義肢を持つオビトよりもずっとずっと少ない。

 あんな巨体ごと飛べば、先生のチャクラは枯渇してもおかしくない。

 知識があるからこそ、オビトは今自分の師が行った行為が如何に無茶な事なのか気付いてしまった。

 余計な心配かもしれない。

 だが、オビトの忍道はたとえ掟やルールを破ることになろうと、仲間を守ることだ。

 それに約束したのだ。

 先生に何かあれば飛んで助けに行くと、そう約束した。それにこの木遁があれば、敵が九尾……尾獣であるのなら、足手纏いになるなんてことはない筈だ。

 だから、たった一人で九尾と対峙しようとしているだろう四代目火影波風ミナトの前に、以前先生に贈った自分のマーキング入り手裏剣を頼りに、オビトは時空間を飛んできた。

 そして間一髪間に合った。

 九尾の爪が四代目夫婦へと迫る。

 それを背に庇うようにして、黒髪隻眼の少年は木遁忍術を発動する。

 印を組む暇はなかったから、右腕から直接樹を生やして、木遁・大樹林の術で爪を受け止める。

 そうして、初めて正面から九尾の姿を見て、オビトは気付いた。

 

(コイツ……幻術に、かかっている?)

 うちは一族の血継限界である写輪眼はチャクラの動きを見る目だ。他にも動体視力の向上に、催眠眼幻術眼など様々な効果があるが、オビトの目に映る九尾の姿は強力な幻術にかかったもののそれだ。

(ひょっとして暴れていた理由も幻術にかけられたからなのか……? なら……!)

 オビトは右目だけになった自分の写輪眼に瞳力をぐっと込める。

「ぅらあぁー!」

 要は、外から幻術を解いちまえば良いんだ。ならオレの写輪眼で上書きして消してやる、そんな気持ちでありったけの瞳力を込めた。

 パキン。

「ハァ……ハァ、やった……!」

 まるで硝子を割ったかのように異常は薄れ、九尾の目に正気と驚愕が戻ってくる。

 だが、戻ったはいいが、九尾にしてみればそもそも自分を操ったのはうちはの人間で、今目の前にいる少年もうちはの人間である。おまけに九尾は脅されて無理矢理マダラに口寄せ契約させられ、千手柱間なんていう人型化け物と戦わされたと思ったら、いつの間にかミトの中に封じられていた過去を持つ身だ。

 人間達に恨み辛みがあって当然なのである。

『小僧……!』

 故に、正気に戻った九尾は、正気に戻ったからこそこれまでの人間達への恨みものせて再び爪を振おうとした。

「……させない!」

 そんな声と共に、クシナが半死半生とは思えぬ力強いチャクラでうずまきの封印術たる金剛封鎖で強く強く九尾を締め付ける。

「……え?」

 まさかこの場にクシナがいるとは知らず、彼女の声と見知らぬ鎖に一瞬だけ吃驚した声を上げるオビトであったが、そんなことを考えている暇はないと思い直して印を組み、ぶっつけ本番の初めて使うその術を放った。

「木遁・木龍の術……!!」

 今朝方オビトは、千手の館管理人夫妻に九尾が現われた年の武練祭のことについて聞いていた。

 曰く、柱間様が操る木龍は巨大な九尾の狐が子供に見えてしまうほどに大きかったという。

 だが、柱間細胞を使った義肢や疑似臓器を体の三分の一置き換えて、後天的に木遁使いとなったオビトにはそこまでの力はない。

 木龍も、なんとか九尾の手足に巻き付けるだけのサイズであり、九尾の手首ほどの太さだ。

 木遁は尾獣に対して特効が取れる唯一ともいえる属性であるが、それでもこの巨体が相手だ。キツい。

「ふぬぬぬ……!!」

 それでも木龍にはチャクラ吸収の性質があることもあり、クシナの放つ金剛封鎖と合わせればなんとか押さえ込むことが出来た。

 少年の額からは薄らと汗が流れる。そうして漸く後ろを振り向く余裕が出来て、オビトは「ミナトせ……四代目、クシナさん無事……!?」と、振り向いて驚きにオビトは息を飲み込んだ。

 そこにいた恩師は、チャクラ量が不足していることを覗けば問題は特にないだろう。

 だが、何か封印の用意みたいな台座の上で赤子が泣いていた。それに、クシナもチャクラの動きを見る写輪眼で通して見た所、体内の経絡がズタズタで滅茶苦茶だ。何故これで生きてて、おまけに封印術まで駆使出来たのかオビトにはさっぱりわからなかったくらいに、酷い。

 そんな風に言葉を失う愛弟子を前に、四代目火影たるミナトは敢えて冷静な口調で「オビト」と隻眼の少年の名を呼んで、それから少しだけ困ったように眉を寄せながら、淡々とした口調で言う。

「ん! 何故ここに来たのかとか、色々言いたい事はあるけど……先に言わせて貰うよ。オレとクシナを助けてくれてありがとう」

 御陰で今日が命日にならずに済んだ。

 そんな縁起でも無いことを呟く恩師にオビトは「そんな、何言ってんだよ」と震える声で返した。

 ミナトは左右に一度頭を振ると、すぐに気持ちを切り替えて「ここまで来たからにはオビトにも手伝って貰うよ」とそうさっぱりした口調で言う。

 感情がジェットコースターになっているオビトには悪いけど、時間がないんだとその青い目は雄弁に語っていた。故に、オビトも口を噤む。

「今から九尾をクシナとナルト……オレの息子に分けて封印する」

「……は?」

 オビトにはさっぱり意味が分からなかった。

 人柱力というものを知らないオビトにしてみれば、まさか九尾を人の中に封じ込もうとしているなど思ってもいなかったのだ。しかし、言われてみれば、赤子が設置されているのは封印の術式が書かれた台座の上だ。そして今ミナトは「オレの息子」といった、即ちあの赤子がミナトとクシナの四代目夫妻の子供なのだ。

 生まれたばかりの我が子の中に九尾を封じるとか正気かと、オビトは状況の意味わからなさに右目を大きく見開く。 

 それにミナトは淡々とした口調で簡素に説明を続ける。

「元々クシナは九尾の人柱力……九尾を封じていた存在なんだ。そして人柱力は尾獣を抜かれると死ぬ。彼女が即死しなかったのは、元々彼女の一族であるうずまき一族が生命力に長けた一族であることと、完全には抜かれず少しだけ九尾の欠片が体内に残っていたからに過ぎない。そのチャクラが尽きる前に戻さないと……クシナの命は無い」

 その言葉に驚愕に満ちた目でオビトは赤髪のくノ一を見つめる。

 いつだって快活で元気に満ちた彼女が、そんな重いものを背負っているなんて思ってもいなかったからだ。

「だが、九尾は尾獣の中でも最大のチャクラ量を誇る……彼女が九尾の器に選ばれたのは九尾のチャクラを押さえ込む力があったからだ。だけど、オビトその目があるならわかるだろう……? 今の彼女に完全体の九尾を抑える力はもうないんだよ……」

 だから、九尾の力を陰陽に分割して封印し直すのだと金髪碧眼の美丈夫は語る。

「せん……四代目はそれでいいんですか……?」

 恐る恐るといった声でオビトは恩師に問う。

 我が子にそんな業を背負わせるのかと。それに揺らぎもしない凛とした瞳と口調でミナトは言う。

「ん! オレ達は家族である前に忍びだからね。それに、オレは火影だ、そのオレの判断だよ」

 そう言われればもう何もオビトには言う事はない。

 ぎゅっと傷の入った下唇を噛みしめる黒髪隻眼の少年に師は苦笑する。

(優しい子だ……本当に)

 他人の痛みを我が事のように感じられる。あまり忍びとしては良くは思われない資質だけれど、それは人としてはとても大事なことだとミナトはそう思っている。

「オビト」

 今度は愛弟子に対してではなく、部下に対しての声で若き火影は少年の名を呼ぶ。

「気付いているだろうが、オレのチャクラはもうそんなに残っていないんだ」

 それはそうだろうとオビトは思う。もしチャクラが潤沢に残っていれば、ミナト先生ならあんな風に死にかける事なんてなかったはずだと、師への信頼から少年は考える。

「クシナへの再封印はクシナ自身とオレの二人でする、だからオビト……」

 それでも次に言われた言葉はオビトにしてみれば、予想外だった。

「ナルトへは君がするんだ」

「……オレが?」

 オビトはこれまで封印術なんて碌に学んだことがない。今までの言動からしてこの封印が如何に大事なものなのかもよくわかる。それを自分に任せると、師は言うのだ。

 それは大切な息子の命を自分に預けると言ったも同然だ……齢14の少年にしてみれば、あまりにも重い。

「使うのは四象封印を二つ重ねた八卦封印の術式だ。一度やってみせるから覚えるんだ」

 それでも思わず怯えから震える弟子を前に、四代目火影を務める金髪碧眼の美丈夫は言う。

「オビト、大丈夫だ、君なら出来る」

 その信頼を滲ませた言葉に、オビトの震えが止まった。

「……はい! 四代目、やらせてください……!」

 今度は強い決意を秘めた赤い右目でしっかりと恩師を見上げるオビト。その顔は相変わらず幼さを感じさせる面立ちではあったが、その表情はもう一人前の一端の男のそれであった。

 まずは九尾のチャクラを分割し、元々の九尾の器であるクシナの中に半分を戻した。

「う……ぅう、ぐ……」

 一度経絡がズタズタになった身で再び九尾を受け入れるのは辛いのだろう。クシナは息も絶え絶えに苦しみ、それでも封印を実行した。顔は青白く汗が大量に噴き出ている。それを夫であるミナトはずっと、「大丈夫だ、クシナ、大丈夫」とそう声をかけ続け支えた。

 再封印が完了し、ふっとクシナが意識を失う。

「クシナさん!」

 それを好機とみたか、分割され半分となりながらも暴れようとする九尾を、オビトは木龍の術でもって押さえ込みながら、思わず心配気に視線をやるが、それに師はゆるゆると左右に頭を振り、「オビト、ナルトに四象封印を」と指示をした。

 おぎゃあおぎゃあと金髪の赤子が泣く。

 まだ臍の緒を切ったばかりの生まれたての赤ん坊だ。

 意識を失った妻の様子も気がかりだろうに、師はオビトの背にそっと寄り添いながら封印の指導をする。

「良いかい、四象封印の間から漏れるチャクラをこの子に還元するようにもう一つ四象封印を重ねる、それが八卦封印だ」

 その言葉にふっと今まで忘れていたいつか祖母と交わしたやりとりがオビトの脳裏によぎる。

「……陰の中の陰、陰の中の陽、陽の中の陰、陽の中の陽、これら併せて四象と為し、四象は八卦を生じさせる……?」

「……ん、よく知ってるね」

 ああ、そうだ。あれは子供の頃、祖母に連れられていった武練祭の後だ。

『オビトちゃん、オビトちゃん、お祖母ちゃんね……昔武練祭の舞姫だったのよ』

 そう祖母はとっておきの内緒話をするかのように幼いオビトに囁いた。

 そうして後日、オビトの前で武練祭の剣舞神楽を披露して、謡うように祖母は言った。

『白と黒、男と女、千手とうちは、右と左、上と下。太極から生じるは両義であり、陰の中の陰、陰の中の陽、陽の中の陰、陽の中の陽、これら併せて四象と為し、四象は八卦を生じさせる。之、宇宙也』

 つまり、巴を描くその動きと、神に奉じる神楽が示しているものは宇宙であり、一つの世界であると。

(世界……)

 一つの世界をここに、顕現させる。

 それは少年が意識してのものではない。無意識化の動きである。

 うちはオビトは時空間忍術において類い希なる資質を持ち合わせている。

 別の世界戦では神威という一つの空間の主だったのだから当然と言えば当然だった。

 一つの世界を捉え、感じ取ることに彼は特化していた。

 太極から両義が生じ、両義から四象が転じ、四象は八卦を生じさせる。それが示すは宇宙である。

 陰と陽。相反する二つからなる一つの要素。

 オビトの左半身を支えるうちはマダラ(インドラ)の血筋と、右半身を形成する千手柱間(アシュラ)の細胞。(うちは)(千手)どちらもオビトの体を形成している。

 その異なる二つのチャクラを混ぜ合わせ、調和させ、二つを一つに……封印式を完成させる。

 二つの四象封印が重なり、それは八卦封印となる。

「……オビト?」

 術を完成させる……その時、オビトの精神は気付けば一つの檻の前にいた。

 檻の片側には金髪の生まれたばかりの赤子、檻の向こうでは九尾の狐が唸り声を上げながら座り込んでいる。

(……ああ、そうか)

 それは里にとって危険な存在だったから、そんな心の余裕がなかったからよく見ていなかった。

 その獣は、傷ついた顔をしていた。寂しい顔をしていた。そんな自分を隠している顔をしていた。

 強がってばかりで、そのくせ臆病でどうしようもない本当の自分に……オビトに似ていた。

 里にとって必要なことはわかっている。師は正しい判断をしたんだろうと少年は思う。

 だけど、人間側の勝手な都合でこんな寂しいところに閉じ込めて……可哀想な事をしたと隻眼の少年は思った。

 そして檻を挟んで泣いている赤子を見る。

 師はナルトと呼んでいた。

 その赤子を腕に抱く。温かくて小さく柔らかい命だ。

 波風ナルト。

 恩師の息子だ。あやすように抱きかかえると泣き声は止み、不思議そうにナルトはオビトの顔を見つめて、皺のような傷跡だらけの右頬に触れる。

 オビトはジジババとばかり付き合いが多いので、赤ん坊と接する機会はそこまで多くないけれど、ああなんか可愛いなと少し思った。

 その子を抱きかかえながら、九尾の狐の元へ一歩一歩近寄る。

『……小僧、なんのつもりだ?』

 グルグルと喉を鳴らして威嚇する九尾を前に、オビトは「なぁ九尾」と声をかけ、彼の尾獣にとっては予想外の言葉を吐いた。

「この子を頼むな」

 

 * * *

 

「……ト、オビト」

 ハッと、次に気付けば外だった。

 一瞬訳が分からず隻眼の少年は呆ける。そんな愛弟子の肩を揺すりながら話しかけていたのは、現役火影であり師でもある爽やか金髪イケメンの波風ミナトだ。

「ハッ! ……ミナトせんせ、じゃなかった、四代目封印は!?」

 我に返り慌てて言うと、恩師はほっとしたのか、柔らかい笑みを浮かべて「ん! 大丈夫だ」と返し、臍に九尾を封印した赤子をオビトに見せた。

「完璧に出来ている。よくやってくれた、ありがとうオビト」

 その言葉に安堵のあまりオビトは放心し、やがて照れたように耳を赤くして笑った。

 

 かくて、九尾が木ノ葉隠れの里に現われて四半刻と掛からず、九尾事件は収束する。

 だがその裏で失ったものがなんなのか、まだ彼らは知らなかった。

 

 続く




九尾事件(表編)は完結ですが九尾事件(裏編)は続く
次回「マダラの眼」!
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