旧ミナト班集結回でお送りします。
うちはオビトが木ノ葉隠れの里に帰還して二日目の午後、黒髪隻眼の青年うちはオビトは、友人にして相棒の銀髪の少年はたけカカシと共に里内の団子屋へと向かっていた。
何故って待ち合わせをしているからである。元ミナト班最後の一人である、のはらリンと。
因みにカカシの嫌いな食べ物は天麩羅と甘いものだったりするので、カカシ本人は待ち合わせ場所が甘味処であることにあまり乗り気そうではないのだが、まあ仕方ないだろう。彼女に指定された待ち合わせ場所がそこなのだから。
とはいえ、カカシが面白くなさそうな顔をしている理由はもう一つあるのだが。
「あ、カカシ~、オビト~、こっちこっち~」
そういって、茶髪に両頬に紫のペイントをした少女がヒラヒラと明るい笑顔で手を振り呼んでいる。
そんな少女を見て、三年ぶりに思い人と再会となった青年オビトは……何故かカカシの服の裾を緊張気味に握り、「カ、カカシ」と震える声で親友の名を呟き、緊張にガチガチになりながら「どうしよう、生のリンだ。本物だ、可愛い……オレは天国にいる……やべえ心臓バクバクしすぎてて胸が痛い尊い……」とかカカシからしてみれば何をとち狂ってんの? と言いたくなる世迷い言をほざいた末に、ふっと目を細めて笑いながら「最初は、二人っきりじゃなくてガッカリしたけど、今はお前がいてくれて助かったぜ、ありがとうなカカシ」と何故か照れくさそうに頬を染めながら、意味不明な感謝まで始めた。
それを聞いた銀髪の少年は思った。
(このヘタレが!!)
まあ、元々の話に戻せば、昨日里に帰還したオビトは早速元チームメイトにして、思い人たるリンに会おうと思ったのだが、彼女は医療忍者としての任務で里を出ていることが判明し、会うことは叶わなかった。
任務でいないのは仕方ないよな、と少しガッカリしながらもオビトは手紙を彼女の家族に預けて昨日はそのまま帰宅し、着替えてうちはの会合に出席したわけであるが、今朝方、リンから伝書鳩を通して手紙が届いたのだ。
『久し振りだね、オビト。無事に帰ってきてくれて良かった。おかえりなさい。午前中は用事があるから無理だけど、午後からなら空いてるよ~。ミナト先生から聞いたけど、カカシも今日は空いてるんだよね? なら今日は三人で会おうよ。久し振りにミナト班集合だね。楽しみだなあ』
と、集合場所と時間の記載と共に都合が悪かったらまた連絡よろしくね、と締めくくられていた。
年頃の娘らしい少し丸くて可愛いらしくて、けれど読みやすくて彼女の人柄のよく伝わってくる文字だった。
三人でかぁ……やっぱりリンはカカシが好きだから、三人でって言ったのかなとオビトの胸がジクジクと痛んだが、まあでももしも、二人が付き合ってたら……そうだよな、オレが二人きりでリンと会うなんて許されないし……とかもだもだ考えすぎな事まで考えていたオビトであったが、いざ実際に会ってみればこれである。
三年ぶりに再会したのはらリンはタンポポのような素朴な愛くるしさのある少女にそのまま成長していた。
髪の長さや身体的な特徴はそのままに、第二次成長期によってすらりと手足が伸びて、体つきも女性らしさが加わり、綺麗になった。身長は160ほどだろうか? 昔よりは大きくなったが、それ以上に大きくなったオビトからしてみれば包み込めそうなサイズだ。可愛い。
肩周りも華奢だけれど、頬から子供らしい丸みのラインが少し取れてスッキリしている。パッチリとした釣り目がちの大きな瞳に、小さめの鼻もキュートだ。可愛い。柔らかそうな丸顔も最高だ。温かみのある優しい声でオレの名を呼んでいる、可愛い。
(生きてて良かったァ……!)
三年ぶりに摂取した思い人の姿に、オビトは世の幸福を噛みしめていた。
因みに恋は盲目フィルターがかかっている為、オビトの目にはリンはこの世でもっとも素敵で魅力的な女の子に写っているが、別にリン自身は飛び抜けた美少女というわけではない。多分彼らの同年代で一番の美少女を選べと言われたら十人中八人は夕日紅を選ぶことだろう。
性格の良さや心根の優しさから実際よりもよく見えるタイプの、極普通の範囲で可愛らしい娘さんである。
だが、オビトにとってはどんな絶世の美女に裸で迫られるより、素朴な格好をしたリンの上目遣いのほうがクリティカルヒットして胸をズドンと打ち抜かれるので、彼女はとことんうちはオビト特効少女であった。
席につき、ニコニコと笑いながらリンが言う。
「ね、オビト。折角だし分け合いっこしようよォ」
その言葉と魅力にオビトが抗えるだろうか? いや、抗えるわけがない。
「オ、オウ!」
オビトは頬を真っ赤にしながら、とりあえず腹にたまらなさそうな水羊羹を注文した。どうやらリンはわらび餅にするようだ。甘いものを好まないカカシはため息を一つついで焼きたての塩煎餅を一つ注文した。
そして、分け合いっこという響きの甘さにメロメロに酔っていたオビトであるが、実際に席に届いた甘味とリンの行動を見て気付いた。
リンは取り皿を一つ追加でもらって、その皿にオビトの注文した水羊羹を四分の一に切り分けて載せて、八個ほど入って届いた自身のわらび餅から二つほど、見栄えが良いように、四分の一に切った水羊羹と同じ皿に綺麗にバランス良く並べて、笑顔で「はい」とオビトに渡した。残りはリンが頂くようだ。
……これは、食べ物を殆ど摂取出来ない青年への気遣いだ。
オビトの内臓のいくつかは柱間細胞産の疑似臓器に置き換わっている。その影響か、若い男子としてあるまじき事にオビトはあまり食事を摂取出来ない……否薄々気付いていたが、食べ物をほぼ必要としない体に変わっていた。
彼はおそらく一週間絶食したところで空腹を覚える事は無い。
そんな体だからか、甘いとか、しょっぱいとか、酸っぱい……などの味覚情報はわかるのだが、食べ物が美味しいとか不味いとかがよくわからなくなってしまった。
とはいえ、実のところオビトには元々食べ物の好き嫌いはなかったのだが。
両親は物心ついた時には既におらず、祖母に育てられたオビトであるが、小さな子供が苦手であることが多いピーマンや人参なんかも全然平気だった。ばあちゃんの作る料理はなんでも美味しいよと言って好き嫌いせず食べていた。すると、「オビトちゃんは良い子だねえ」と褒められて……それが嬉しくて余計に残さずなんでも食べた。
だが……昔からオビトをよく知っている人には、うちはオビトは甘党だと認識されているのも彼は知っていた。
原因は簡単である。
子供の頃から困っているジジババを助けるをモットーにしていたオビトは、色んな老人から助けて貰ったお礼としてよく飴玉などのお菓子を貰っていた。そして好意は無碍にしないタイプだ。だからオビトは老人に貰った飴をしょっちゅうなめていたし、その姿を目撃されることも多かった。よく食べるもの=好物と思われるのは当然のことだろう。
彼の性格の子供っぽさが余計に、甘いものが好きなんだなというイメージを助長した。
そしてそれをオビトは特に否定しなかった。
別に特別甘味が好きなわけでもなかったけれど、嫌いでもなかったからだ。
けれど、まあイメージというものはそう崩れないわけで……多分リンもオビトは甘いものが好きなんだなって認識していたのだろう。
オビトはあまり食べ物を受け付けない体になってしまったけれど、それでも全く食べられないわけじゃない。
久し振りの故郷なんだから。あまり食べれないにしても、せめて好きなものをほんの少しでも食べさせてあげたい。
そんなリンの気遣いを感じた。
小さな皿に水羊羹とわらび餅をオビトでも食べれるように少量、綺麗に並べたのもオビトにも目でも楽しめるようにだ。
自分を想ってしてくれた行動がジンと染みた。
別に本当は甘味好きでもなんでもないけど、そんなリンの気持ちこそが嬉しかった。だからオビトは余計誤解が深まることになるとわかっていても、笑って「ありがとうな、リン」と心からの感謝の意を伝えた。
それから小一時間ほど久し振りに三人で談笑する。
大体は、オビトが三年間でまわった旅先の話で、「それでそこはどういうところだったの?」とリンが話を向けて、それにオビトが答えて、それをカカシは彼にしては穏やかな目で相槌を打ちながら見守り、所々で質問をたまに挟むといった感じで、とても平和で和やかな時間だった。
とくに二人が興味を示したのは仙人蛙たちの暮らす妙木山の話だ。
基本的に暮らしているのは口寄せの蛙たちで人間がいないので、そこで出される食べ物は虫料理であった事を話すとリンは驚きに目を大きくさせていたし、カカシも嫌そうに眉を寄せていた。
「いやぁ……あの時ははじめて、自分の体質に感謝したぜ……」
そもそも碌に食えないし、食べ物の美味い不味いがあまりわからなかったから問題なかっただけで、普通の人間があの虫料理の数々を食わされるとなると、トラウマになりかねないのではないかとオビトは思う。
そう考えると、女湯覗きの変態の犯罪者であることだけが玉に瑕だが、やっぱ自来也師匠はすげーやと思うオビトであった。
そうして店が混雑し始める頃にリンが言った。
「そろそろ出ようか」
それに同意して席を立つ、最初はリンに見栄を張りたいオビトが「オレが出す」といったのだが、「オビトの帰還祝いなんだから私が出すよォ」とリンも穏やかな笑顔のまま譲らず、最終的にカカシの「割り勘でいいんじゃない」という言葉で収まってしまったので、結局見栄を張ることに失敗して内心オビトはガッカリした。
それから三人で里を歩く。
三年ぶりなのだ、話題は尽きない。それを穏やかな声と相槌で聞きながらリンは、話が一段落した時に言った。
「ねえ、オビト、カカシもこの後まだ時間空いてる?」
「お、オウ! 当然だぜ」
「まあ、特に用事はないけど」
現時点で午後三時だ。まだまだ夕飯の買い出しにも早い時間である。
「なら、折角オビトが帰ってきてくれたんだもの。みんなでクシナさんに会いに行こうよォ」
そうリンはほんの少しだけ悲しそうな顔を一瞬だけ見せた後に言った。
* * *
波風クシナ。
旧姓をうずまきクシナという、赤い長い髪の美人で、封印術と生命力に長けた一族出身の女性であり、九尾を宿す人柱力の女性にして師波風ミナトの最愛の妻である。
彼女とオビトが最後に会ったのは三年前……あの九尾襲撃の夜だ。
出産で弱った体で体内から九尾を八割引きずり出され、半死半生になっていた。
そこから九尾を陰陽にわけて、恩師と共に彼女と、波風夫婦の息子である産まれたばかりの赤子……ナルトの中に封じたあの日の事をオビトが忘れる事はないだろう。
波風クシナとはそれ以来会っていない。
彼女がどうなったのかも、ナルトに自身が施した封印が問題なかったのかも気にはなっていたけれど、その事件の一週間後にはオビトは里を出されることになったのだから。
それでも、あれだけ愛妻家の師が何も言わないのなら、問題はなかったのだろうとそう思っていた。否正確ではない。そう思いたかった。
「リン、おい……」
カツカツと白い木ノ葉病院の廊下を、茶髪に紫の頬のペイントをした少女を先頭に三人で歩く。
彼女が向かっている先は本来関係者以外立ち入り禁止の隔離病棟だ。
「クシナに会うんだよな? なんでこんな所に……クシナさんは、どこか悪いのか?」
「……」
リンは答えない。
やがて、一つの病室の前に辿り着いて彼女は言った。
「ついたよ」
そしてガラリと戸が開けられる。
そこに彼女……波風クシナはいた。
真っ白な病室の真ん中にある真っ白なベットで、赤い長い髪だけが鮮やかに世界に彩りを加えている。全体的に白い部屋であるが、床には封印式の術式が大きく書かれており、それは彼女を守っているようにも閉じ込めているようにも見えた。
青白い顔は長く日に当たることがなかったのか陶器のようで、昏々と眠る姿も相俟って、あんなにコロコロ表情の変わる人だったのに作り物のように現実感がない。
いつかどこかで見た童話の眠り姫のようにコンコンと眠る女性に、のはらリンは出来るだけ明るい声を作りながら「クシナさん、こんにちは! 今日はオビトとカカシも来てくれたんだよ」とそんな声をかけて、近くの机におかれた花の水を手慣れた動きで入れ替えた。
あっけにとられるオビトに対し、カカシは気まずそうに居心地悪そうに視線を斜めに落としている。それは彼も波風クシナのこの状態を知っていた事を雄弁に語っていた。
そんな動揺する幼馴染みに対し、ぽつりぽつりとした声でリンは言う。
「クシナさんね、目覚めないの」
あの、三年前の九尾事件の日から。
その言葉にオビトははっとした。
気丈な女性だった。瀕死の状態でどこにそんな力があったのか、九尾相手に封印術を駆使して自分を助け守ってくれた。苦しみながら、九尾をその身に戻した。強い女性だった。
「先生によると、クシナさんはずっと何かと戦って対話している、らしいんだけど……ね。クシナさんは、オビトがお気に入りだったから、会ったら何か反応してくれるんじゃないかなって思ったんだけど……やっぱり上手くいかないね」
そう少し落ち込んだような声で少女は呟いた。
自分が波風クシナのお気に入りだったといわれて、オビトは居心地悪そうに肩を縮める。
お気に入りだったと言われれば、同性で素直で明るいリンのほうこそ気に入って可愛がっているようにオビトには見えたからだ。
そんな風に気まずげに佇んでいると、新たな足音と気配がこの病室に近づいてきて、オビトはカカシと共に端に寄った。
「あれ?」
そんな声と共にちょこちょこと短い手足を出して現れたのは、金髪碧眼のふくふくとした幼児であった。後ろには付き添いらしき中年のくノ一らしい女性がついている。
そんな幼い少年に視線を合わせるようにしゃがみながら、柔らかい声でリンが言う。
「こんにちは、ナルトくん。今日もお見舞い?」
「こんちは! リンねえちゃん、そっちのにいちゃんふたりはだれだってばよ?」
ナルト。オビトもよく覚えている名だ。
あの日、九尾の半分を自分が封じた恩師夫婦の息子。
最後に見て、会った姿の波風ナルトは小さく柔い生まれたての赤ん坊だった。もう、こんな風に自分で動いて喋れるくらい大きくなったんだな、と感慨深くオビトは思う。
「あ、この二人。この二人のおにいさんはリンおねえさんのお友達で、こっちの銀髪のほうがカカシ、黒髪のほうがオビトだよ。ナルトくんもよろしくしてあげてね」
「カカシにいちゃんと……オビト?」
そういって首を傾げながらナルトは大きな碧い瞳でオビトを見上げた。どこか不思議そうにしている。
それにオビトは、「おいこらまて、なんでカカシはにいちゃんなのにオレは呼び捨てなんだよ」と不服そうな声を漏らすが、ナルトがじーとオビトの顔を見ながら「オビト……オビト!」と呟くので、「……どうしたんだよ」と幼子に視線を合わすようにしゃがみ込み、彼の反応を待った。
すると、ナルトはちょこちょこと短い手足を振りながらオビトに近寄ってきて、スンスンと匂いを嗅ぎ始める。
「え……」
まさか、匂いをかがれると思ってなかったオビトは困惑した。そのまま、我関せずの姿勢で腕を組んだまま窓辺に立っていたカカシのほうに視線をやり、目線だけで「オレ、臭い?」と尋ねると、「いや、そんなことないけど」とカカシも目線で返す。カカシは鼻が良い。そのカカシが問題ないと判断したなら自分は別に臭くはないはず、じゃあなんで匂いかがれてんの? と益々オビトは困惑した。
そんな風にオビトを困惑の坩堝に落としたお子様は、不思議な感覚にフワフワした気持ちを言語化出来ず、ただ「オビト」とまた青年の名前を呼んだ。
「オウ、どうした、ナルト」
その困りながらも優しい黒い瞳に、また胸の奥からぐっとフワフワした気持ちが湧いてきて、思わずナルトは目の前の青年に抱きつく。
「え」
ナルトはつい二週間ほど前に三歳の誕生日を迎えたばかりのお子様であり、語彙力もしれている。だから、これがあと二年ほど先であったなら、それを示す言葉を知っていただろう。
彼の胸を占める感情、それは「懐かしさ」だ。
ナルトの腹には九尾の半分を封印されている。その封印の術式を施したのはオビトだった。その際オビトのチャクラもナルトの中には封じられた。また、赤ん坊の頃の記憶故朧気ながら、彼の体は精神世界の中でオビトに抱かれた時の温かさを覚えていた。
人の記憶で一番残るのは匂いだと言われている。
だから、ずっと子供の頃から一緒だった気配の持ち主の匂いを嗅いで、ナルトの中に生じた感情は安心感と強烈な懐かしさだった。
(あったかいってばよ……)
そのままぎゅっとオビトの左胸の上に耳を押しつける。すると、トクントクンと心臓の音が伝わってきて、それが酷く心地よくて、気付けば5分と経たないうちにナルトはオビトの腕の中でグッスリと眠ってしまった。
「り、リン」
これどうしたらいいんだよ、とオロオロしながら……そのくせ抱き方は完璧で、小さな子に対するパーフェクトな抱え方でナルトを優しく抱きかかえ、涙目で縋る黒髪隻眼の青年に、リンは「フフ……きっとナルトくんは安心したんだよ。オビトさえよければだけど、もう暫く寝させてあげて」と微笑んだ。
「一見人懐っこそうに見えるんだけどね……ナルトくんがこんな初対面で懐くなんて、そうないんだよ。凄いね、オビト」
そういって優しい顔で、リンはオビトの腕の中で眠るナルトの髪を撫でる。
「物心つく前からお母さんはずっと眠っていて、お父さんは火影だから、出来るだけ気にかけていてもどうしてもナルトくんの側にはそんなにはいれなくて……寂しい子なんだよ」
オビトならわかるでしょう、とリンは言う。
確かにそれはオビトにもわかる感覚だ。確かにオビトには祖母はいたが、それでも物心ついた時には父母はどちらもいなくて、寂しくて、老人達に優しく親切にしていたのだって、その寂しさの埋め合わせだった部分もあった。
波風ナルト。
波風ミナトと波風クシナの一人息子。
髪色や瞳の色なんかは師ミナトとよく似ているが、ナルトはやんちゃそうな顔をしていて、爽やかイケメンである師とは印象はあまり似ていない。多分、顔立ちはどっちかというと母親であるクシナに似たのだろう。
けれど、目元には幼さに似合わぬ隈のようなものが少しだけ浮いていた。
しがみついている柔らかくて温かく小さな生き物。
ツンツンと跳ねるオビトの髪質にも似て見える髪は幼さ故か、見た目よりずっと柔らかく、トントンと昔オビトが不安になった時祖母がしてくれたようにリズムをつけて背を叩く。
すると、尚更安心したようにしがみついてくる子供に「寂しいんだな」と少し胸が締め付けられた。
この子は昔のオビトだ。
「ナルト」
だから、気付けば言祝ぎの言葉が口をついて出た。
「産まれてきてくれて、ありがとうな」
続く
次回は原作で人気のあのキャラついに登場(?)