綺麗な羽蛾   作:伝説のゴキボール二世

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第1話

 

 

⚪︎月⚪︎日

 

 唐突だが、今日から俺は日記をつけることにした。

 

 そのきっかけとなったのは、今日、この日にインダストリアル・イリュージョン社からデュエルモンスターズというカードゲームが発売されたのがきっかけだった。

 

 俺の苗字は羽蛾だし、大企業海馬コーポレーションもあったから、やっもしかしてとは思ったが、俺は『デュエルモンスターズ』の世界の虫野郎ことインセクター羽蛾に転生してしまったらしい。

 

 前世でもデュエルモンスターズが好きだったので、勿論、パックを買ったのだが、当たるカードはインセクター羽蛾の使用していた種族、昆虫族のモンスターばかり。

 

 まぁ、今日がたまたま、昆虫族がいっぱい当たる日だったことも考えられる…その可能性は1パーセントくらいはあるよな。

 

 昆虫族も嫌いなわけではないが、他にもカッコいいモンスターもあるわけであり、せめて転生先がダイナソー竜崎の方がよかったなとため息をついてしまう。

 

 でも、結局、どんなカードでも使っていたら愛着が湧いちゃうものなんだよな。

 

 じゃあ、よろしくな俺の最初のパートナーたち。

 

 

 PS よろしくの挨拶をした時、一瞬、『ゴキボール』のカードの目が光ったように見えたんだが、光の反射かな?

 

 

⚪︎月⚪︎△日

 

 

 やっぱりと言うべきか『デュエルモンスターズ』は全世界で爆発的に流行りだしていた。

 

 ゲームのルールは相手のLPを2000ポイント削り切れば勝ちという至って単純、かつ戦略的で、子供から大人まで…恐らくデュエルモンスターズを知らない者なんてこの世界にいないだろうと言えるぐらいの人気ぶりを見せている。

 

 勿論、俺の学校でもすごく流行っているのはいいのだが、カードの盗難やシャークトレード、つまり、カードの価値が分かっていない相手に不利なトレードを仕掛ける悪質なカード交換のことが一定数行われていたり、デュエルに勝った方が相手のカードを貰うアンティルールを強要してたりとか問題が横行していた。

 

 これが日常の社会でも横行しているというから尚更、質が悪いと言える。

 

 たかがカードゲームでそんな事を起こすなよと思ってしまうが、ここはそのカードゲームの勝敗が世界の破滅に繋がることからこの世界ではそんな事起こっても仕方ないことかもしれない。

 

 だが、そんな行為を一デュエリストして許せるはずもなく、見かけたら一人残らずデュエルで完膚なきまでボコボコにして、奪ったカードを元の持ち主に返したりしているけどね。

 

 ほんとこんなことをしている奴はなんかレアリティこそ全て、パワーが全てって言うやつばかりでなんも面白みもない。

 

 それで勝てるほど単純なゲームならこんな全世界で流行ったりしない。

 

 そんなことなんて少し考えれば分かることだろうに。 

 

 どんな弱いモンスターでもカードの組み合わせで強いモンスターを倒せたりするのがこのゲームの醍醐味とも言えるからね。

 

 でも、そんな事ばかりしていたら、同学年や一個上の先輩、挙げ句の果ては先生からこの町で最強のデュエリスト、『インセクター』羽蛾さんと尊敬されてしまって、少し困っている。

 

 PS そういえば最初の頃、遊戯王ってライフ2000ポイントルールで、属性相性だったり、魔法カードに攻撃ができたりと最初は少し困惑したけど、これはこれで面白いからありだな。

 

 

 

△月□日

 

 

 デュエルモンスターズが発売され、数ヶ月、大会は全世界で行われており、それに馬鹿高い賞金額も出ることからアメリカの大会では何回も優勝をもぎ取り、賞金稼ぎと呼ばれている凄腕のデュエリストもいるほどだ。

 

 日本でも多くの大会が開催されており、色々な強い人や面白いデッキと戦いたいから、俺もたまに出場しているのだが…今日、遂に社長こと海馬瀬人と当たってしまった。

 

 これから対戦するのでポーカーフェイスを貫いているが、初の主要キャラの遭遇に俺はレアカードが当てた時よりも興奮していた。

 

『ふっ、君がつかうのは昆虫族デッキか…』

 

 鼻で笑って、小馬鹿にした態度をとられるまではの話だが…

 

 そういえば、この頃の海馬は、まだ、カードの心すら考えたことなかったのを忘れていた。

 

 なら、海馬のメインモンスターでもあるあのカードとも出会ってすらいないだろうし、海馬は俺のことを完全に舐め切っている。

 

 未来の海馬には敵わないとしても、今の海馬になら勝てそうな気がした。

 

 …とは言え流石は未来のデュエルキングのライバル、カード捌きは大したものだった。

 

 勝負を分けたのは運がよかったのと想いの強さに違いなかった。

 

PS 勝負の最中にカードがまた、光ってたけど、照明の光の反射強かったなぁ。

 

 

 

 

 

□月☆日

 

 

 今日はデュエリストの日本一を決める全国大会に、俺は出場していた。

 

 原作では羽蛾が勝ったが、その結果のままになるとは必ずしも限らない。

 

 どんなに勝てる勝負だろうとも、カードとライフが尽きない限り逆転の可能性が残っている。

 

 油断をして、もし、思わぬことが起きた時に、動揺し、プレイングミスをして、負けてしまったら今まで頑張ってきたカードたちに申し訳ない。

 

 そう思いながら全力で大会に望んでいた。

 

 やはり、海馬と遊戯と言う最強のデュエリストたちは出場していなかったのは残念だったが、流石は日本一を決める大会と言うべきか多くの猛者たちと闘えたのはとても白熱して、楽しかった。

 

 結果は原作通りに優勝して、日本一になり、デュエルモンスターズの生みの親であるペガサス会長から日本一のトロフィーを貰った時に感極まって泣きそうになったのはナイショの話だ。

 

 その後、俺と準優勝者であるダイナソー竜崎が、ペガサス会長に別室に呼ばれて、インダストリアル・イリュージョン社がデュエルモンスターズデュエルキングダムを開くことを聞き、その大会の招待権を貰った。

 

 その後、大会に関わるデュエルルールを特別に教えてくれるという話になったが、その話を申し訳ないと思いながらも俺は断った。

 

 そのルールは大体知っているが、デュエルしたフィールドによってどのモンスターがそのパワーアップや弱体化などのルールまで詳しく教えてもらったら、明らかにフェアではないし、そのフィールド有利を知り、利用していて、ペガサス会長、遊戯、海馬、まだ原作に登場してない強者たちに勝てるようになるはずもない。

 

 この好きなデュエルモンスターズの世界に転生したからには勿論、目指すは世界最強だし、原作が変わろうが、気にする気はないからだ。

 

 俺はフェアではないからと伝えると、最初はペガサス会長は驚いたような顔をしていたが、すぐにフッと笑みを溢した。

 

「なら、その代わりとして『青眼の白龍』ぐらいのクラスになってくると不可能ですが、なんでも一枚欲しいカードを差し上げまショウ」

 

 え?まじ。そっちの方がめっちゃ嬉しいんだけど。えーっと、俺が今欲しいカードは…。

 

 PS その後、退室し、ふと冷静になって、マインド・スキャンされて、読み取られたらまずい記憶ばっかあることに気づいて冷や汗をかいてしまった。

 

 …読まれてないよな記憶。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「日本の全国大会、遊戯ボーイや海馬ボーイが参加せずに少し退屈になると思いましたが…」

 

 ペガサスは自室で優雅にワインを飲みながら、思い出すのは全国優勝者である特徴的な昆虫がデザインされた眼鏡に、オカッパ頭の少し目付きが悪い少年、インセクター羽蛾のデュエルだった。

 

 魔法カードやトラップカードを使い、昆虫族モンスターをうまくサポートしながら対戦相手を圧倒する姿は、あの海馬瀬人に勝ったのは決してマグレではないと感じられる腕前だった。

 

 それに特別ルールを聞くのを断り、『それはフェアじゃないし、何よりそれで勝っても俺は嬉しくありません』と真っ直ぐに言う姿に思わず彼とデュエルをしてみたいとその時、思ってしまった。

 

「遊戯ボーイ、海馬ボーイに続いて羽蛾ボーイと言うデュエリストの金の卵と会えるとは…これはデュエルキングダムも楽しみになってきましたね。まぁ、私のマインド・スキャンと最強の『トゥーン』モンスターたちに勝てるとは思いませんが…」

 

 ペガサスは血のように真っ赤なワインが入ったグラスをゆらしながら不敵な笑みを浮かべる。

 

「それにしても彼が欲しいカードは魔法を打ち消す結界だとは…奇しくも私が使っているカードデース」

 

 

 

 

 

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