綺麗な羽蛾   作:伝説のゴキボール二世

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第3話

 

「さて…どうするか?」

 

 デュエルキングダムが開始して、しばらく経ったが、対戦相手が未だに見つからない羽蛾は思考する。

 

 このままでは、予選落ちも十分にあり得る。

 

 デュエルできそうな候補は、原作で出てきたネームドキャラと戦うか、この大会に潜んでいる運営側の人間、プレイヤーキラーを見つけて、デュエルするかのほぼほぼ2択になるか。

 

 とりあえず、海岸に行けば、あいつはきっといて、デュエルも受けてくれるはずだ。無論、リベンジもしたいと思うし。

 

 善は急げとすぐさま海岸に向かうと、ちょうど筋肉質にトゲトゲ頭の青年、梶木漁太がモリで突いた魚を持って、岸に戻ってきたところだった。

 

「お、羽蛾、全国大会ぶりじゃ」

 

「やぁ、梶木くん、君は相変わらず元気そうだね」

 

「おうよ、デュエリストは体力が命じゃ」

 

「確かにこう言うところでサバイバル生活をしながらデュエルを勝ち続けるには体力も必要不可欠だしね」

 

 体力がない状態だと、疲労などによって脳のパフォーマンス力が低下し、普通は正しい思考、判断力を持っている人でも、間違ったプレイをしかねない。そして、そのような状態で冷静な判断をすることができずに、ミスを取り返そうとする焦りが、落とし穴に落ちていくようにプレイミスを連発していき、最終的に相手にあのカードがなかったら…なんとかなると敗北に直結する致命的に甘い判断を誘発するのだ。

 

 このデュエリストキングダムでは、普通の大会では歴戦の猛者と言えるデュエリストでも、そのような状態になることが考えられる大会である。

 

 無論、羽蛾もそんなことでデュエルを、負けない為にも少し体を鍛えていた。

 

「ところで梶木くん、魚を獲った帰りで悪いけど早速やるかい?」

 

「当たり前じゃ。リベンジできないで強い海の男にはなれないぜよ。お前に勝って俺は絶対に夢を叶えてやるんじゃ!現れろデュエルリング!!」

 

 海の中から現れたデュエルをするための場所、デュエルリングに行くためのリフトに乗りながら、性格から全国大会に羽蛾に負けた雪辱を晴らす為、絶対にデュエルを受けてくれると考えていた羽蛾は、とりあえず、狙い通りデュエルを受け入れてくれたことにほっと胸を撫で下ろす。

 

 だが、一度勝ってはいるものの原作では、海コンボを使い遊戯や城之内を苦しめた強敵、決して油断してなんとかなるような相手ではないことは確かである。

 

 気を締めないとそのまま海の藻屑になってしまうかもしれない。

 

「スターチップは何個かけるんじゃー?」

 

「俺は持っている2個全部かけるよ」

 

「じゃあ、俺も2個かけるぜよ!でも、意外じゃー。羽蛾ならもっとスターチップをもっと稼いでいると思ったんじゃが…」

 

「あいにく誰もデュエルを受けてくれる相手がいなくてね。どうやら皆、最初はジャイアントキリングしたくなかったらしい」

 

「そうか、じゃあ羽蛾はまだ、ここでのデュエルはやったことがないということじゃな」

 

「そうだね。新ルールのことはある程度察しはついてるけどここでデュエルするのは初めてだ。お手柔らかに頼むよ」

 

「それなのに全部のスターチップをかけるんか。甘いのぉ羽蛾。じゃあ、俺がこの新ルールと海の恐ろしさ教えてやるぜよ」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

羽蛾 LP2000

 

梶木 LP2000

 

「ここは、海のフィールドが80%、荒野が20%、俺は海を選ぶが、羽蛾は荒野でいいか?」

 

「ああ、構わないよ」

 

「じゃあ、俺のターン。こいつを攻撃表示で召喚じゃ」

 

 

星?/?属/?族/攻撃力?/守備力?

 

 

 何かを海に召喚したようだが、何故かモンスターのデータがフィールドに表示されない。

 

「ん?モンスターのデータが表示されないんだけど。バグかな?」

 

「いいや、これが正常じゃ。海に隠れたカードのデータは相手には見えないんじゃ!これが海のフィールド効果じゃ!!驚いたか羽蛾?」

 

「なるほど、察していたけどこれが新ルールか。出たモンスターのデータが見えない。確かに厄介だね」  

 

 攻撃力、守備力が見えないなら攻撃したところで相手のペースに持っていかれるのが関の山だ。

 

「そうじゃ。俺の得意な海フィールドで戦ったのが運の尽きぜよ。このシーステルス戦法を破らない限り俺は無敵じゃ!!」

 

 不敵な笑みを浮かべる梶木に、羽蛾は思わず独特なひょひょひょと高笑いを始める。

 

「どうした羽蛾?どうしようもない状況に笑うことしかできなくなったか?」

 

「いや、わくわくしてきたんだよ」

 

「わくわくしてきただと?」

 

「だって、楽しいじゃないか?相手の戦術をどうやって崩すか考えるのもデュエルの醍醐味だ。壁が高ければ高いほど燃えるものじゃないかい?このデュエルモンスターズってやつは…」

 

 ずっと勝てる俺TUEEEEEE状態になったゲームはやっていたって途中で飽きてくる。こう言う不利なところから大逆転って言うのが達成感もあるし、デュエルモンスターズで楽しいところなんだ。

 

「そうか…こんな不利な状況でも笑えるか。やっぱり羽蛾、流石お前は俺を倒して、日本一になった男じゃ。だから、俺が夢を叶える為にもお前を超えてみせる!!俺はターンエンドじゃ」

 

「俺のターンドロー。俺は『キラー・ビー』を攻撃表示で召喚」

 

《キラー・ビー》

通常モンスター

星4/風属性/昆虫族/攻1200/守1000

大きなハチ。

意外に強い攻撃をする。

群で襲われると大変。

 

 現れたのは大型の蜂のモンスター、群れで襲われると大変と書いてあるが、デュエルモンスターズでは一生群れになることができない悲しいモンスターだ。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

「攻撃はしてこないのか?随分と慎重じゃ。きた、切り札。じゃあ、こちらは切り札を出すぜよ。現れろ海竜神(リバイアサン)!!」

 

《海竜神》

効果モンスター

星5/水属性/海竜族/攻1800/守1500

攻撃時に海のフィールドがあれば、フィールドの海のエリアを広げることができる。

 

 現れたのは海の神の名を欲しいままにする津波を起こし、全てを海に帰すことができる海のドラゴン、あいつのデータは表示されないが、攻撃力、守備力の数値は覚えているし、効果も海を広げることができるような効果だったはずだ。

 

「海のフィールドが広がり、全部の領域が海になれば、羽蛾は海に適応できるモンスター以外は出すことができなくなる。あと2回の攻撃で終わりじゃ。海竜神でキラー・ビーに攻撃じゃ!!海のフィールド効果によって海竜神に攻撃力、守備力が30%あがり、攻撃力が2340じゃ!!」

 

海竜神 攻撃力1800→2340

 

「トラップ発動、『DNA改造手術』を発動!」

 

DNA改造手術

永続罠

種族を1つ宣言して発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した種族になる。

 

「俺は昆虫族を宣言して、フィールドにいるモンスターはすべて昆虫族になる」

 

「じゃが、海竜神の方が攻撃力が上じゃ。薙ぎ払え海竜神!!」

 

 海竜神が起こす波に飲み込まれ、キラー・ビーは呆気なく破壊された。

 

羽蛾 LP2000→860

 

「海のフィールドが広がり、荒野のフィールドの残りは10%、次のターンの攻撃で終わりじゃ!!そんなことをしても無駄な小細工じゃ」

 

「そんなことはないさ。よく見てみなよ君のフィールドのデビル・クラーケンと海竜神を…」

 

「なんでお前、俺がデビル・クラーケンを出してるって…ああっ!!」

 

梶木が見たのは、昆虫族になって水面近くに現れたデビル・クラーケンと海竜神の姿だった。

 

《デビル・クラーケン》

通常モンスター

星4/水属性/水族→昆虫族/攻1200/守1400

海に潜む巨大イカ。

海中から突然あらわれ攻撃をする。

 

《海竜神》

海竜族→昆虫族

 

「これは…なんでじゃ…?」

 

「昆虫族になったせいだよ」

 

 一部のトンボのヤゴのような幼虫は、えら呼吸をすることができるが、それは体が小さいからであり、大きくなればなるほど必要な酸素の量が増えてくるのが基本だ。

 

 そもそも、それは昆虫が進化の末に辿り着いた構造であり、体が水に適応できる昆虫はそのように進化してきたからだった。

 

 その適応した体を強制的に昆虫に変えたらどうなるか?

 

 もう海に潜ることができないただの水に浮かんでいるだけのアメンボのような生物に成り下がってしまった。

 

水属性は変わってないので、一応、海に存在することはできるが、その攻撃力アップ効果も適応されず、昆虫族になってしまったモンスターはもう海に潜ることができない。

 

 顔を出さない攻撃時しか、このトラップが効かない可能性があると思い、攻撃時に発動したが、ちゃんと水に潜っているモンスターにも効いてたのでいらない心配だったらしい。

 

「これで君のシーステルス戦法は封じたよ」

 

「まだじゃ。俺がそのトラップカードを破壊するカードを引けたら、シーステルス戦法は復活する。その時がしまいじゃ。ターンエンドじゃ」

 

「ああ、だから、反撃の機会も奪うんだ。俺のターン、ドロー。こっちも切り札を出させてもらう。全てを喰らい、奪い尽くせ。『ブレイン・クラッシャー』を攻撃表示で召喚」

 

《ブレイン・クラッシャー》

効果モンスター

星7/闇属性/昆虫族/攻2400/守1500

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合、

破壊したモンスター1体をそのターンのエンドフェイズ時に墓地から特殊召喚する事ができる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 現れたのは巨大な青と赤色が混じった禍々しく感じる甲殻を持った巨大な4つの鉤爪と6本足と4枚の翅を持ったナナフシのようなモンスターが残った荒野に降り立って、金切り声のような咆哮をあげる。

 

「なんて恐ろしい見た目のモンスターじゃ…」

 

「ああ、もし、昆虫が巨大化するように進化していたらこんなふうになるんだろうね」

 

 もし、そうなっていたら頑丈な鎧のような甲殻に、全てを破壊し尽くす大顎や鉤爪、角、毒針を持ち、翅で大空を自由に舞うことができる昆虫たちが陸上の食物連鎖の頂点に立っていたに違いない。

 

「じゃあ、いくよ。ブレイン・クラッシャーで海竜神に攻撃だ!ブレインクラッシュ!!」

 

 翅で大空を舞うように飛んで、海竜神を獲物と見るや巨大な鉤爪で逃げられないように掴み、獲物の頭に顎を当てて、捕食していく。

 

梶木 LP2000→1960

 

「俺の海竜神が…」

 

「項垂れるにはまだ早いよ。ブレインクラッシャーは俺のターンエンド時に1度モンスターを戦闘破壊していると、そのモンスターを墓地から特殊召喚することができる。俺のフィールドに現れろ海竜神」

 

いつの間にかブレイン・クラッシャーが産んでいた巨大な卵から海竜神が産まれる。

 

「なんだと!?海竜神が、羽蛾のフィールドに!?」

 

「ああ、これで仮にDNA改造手術が破壊されたとしても、俺の場には水属性モンスターが残ると言うことになる。君の海竜神も、墓地にはいないから死者蘇生で蘇生させることもできない。それに俺のフィールドが海に侵食された影響で海竜神の攻撃力アップも顕在さ。さて、海竜神を失った君に俺の手駒となった海竜神を倒す術はあるのかな?」

 

 最強の戦術の要になっていた強力な切り札と言うべきモンスターが相手に奪われたら、心が折れる。大体の人はそうだろう。だが、目の前の相手、まだ、心は折れずに前を向いている梶木漁太に思わず笑みが溢れる。

 

「まだじゃ。これは俺が越えるべき試練なんじゃ。ここで逃げてたら親父に顔向けなんてできないんじゃ!!」

 

「ふっ、梶木くん、君はやっぱり最高のデュエリストだよ。だからこそ、本気で倒しにいく」

 

 その後、梶木は健闘したが、ブレイン・クラッシャーと敵に回った海竜神を倒すことはできず、デュエルに勝ったのは羽蛾だった。

 

 

 

 

 




デュエリストキングダムののデュエルを書くの難しいですね。何度も調べながら書きましたが、なんか変な矛盾点が出ていたらごめんなさい。
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