生きているかのように…否、実際生きているその赤いスライム…エボルトはプルプルと躍動しながら地面を滑るように進む。
ブラッドスタークとしてグランドジオウに倒されたのは彼の計画のうち。
そのため誰かの身体に侵入、寄生するまでの間はエボルへの変身が出来なかったのだ。
ーどこかにいい身体は無いものか。
そう思いながら進むエボルトはふと、いい人物を発見、早速その人物の身体に入り込む。
……疑問を抱く時間すら、悲鳴をあげる時間すらなかった。
水色の髪の少女…否、彼女に寄生したエボルトは紺色の目を…一瞬だけ赤く光らせれば口角を不気味に歪めつつ上機嫌な様子でその場を歩き去っていった。
すいせい「おはまち〜!」
そら「おはよう、すいちゃん♪」
翌朝、事務所へと出てきた星街すいせい。
先輩のときのそらやロボ子、同僚のAZKiといった同僚の面々にも挨拶した彼女は
すいせい「みーこち、おーはよ♪」
みこ「あ!おはようすいちゃん!」
ニコッと笑顔を向けて返す彼女を見てにまぁと口角が上がるすいせい。
そんな彼女にときのそらが尋ねる。
そら「すいちゃん、今日収録だっけ?」
すいせい「ううん。最近ショッカーも強くなってきたからさ、みんな無事かなって確認に来ただけ〜」
他のみんなも確認してくると言った彼女は鼻歌混じりに部屋を出て……さくらみこがその後を着いていく。
すいせい「…どうしたの?みこち。」
みこ「お前、誰だ?」
ドアを出て少しと歩かないうちに立ち止まって尋ねるすいせいに普段とは明らかに違う…睨みつけるような視線を向けるみこ。
すいせい「やだなあ、みこち。同期のこと、忘れちゃったの?」
みこ「そういうことじゃねぇよ。…確かにみこの目はすいちゃんはすいちゃんだと言ってるにぇ……けど、みこの心がそれを否定してんだよ!答えろ!!てめぇ、誰だ!!」
すいせい「……いつから気付いてた?」
普段のすいせいと同じ声。…しかしゾッとするような冷たい声。
肌を突き刺すような殺気にゾクリと脅えつつも震える声でさくらみこは答える。
みこ「さ…最初っからだにぇ…」
すいせい「まじかぁ〜…
ため息混じりに言ったすいせい。ふと喉に手を当てて声出しをしては咳払いをすると、その声はとても彼女から出ているとは思えないような声になった。
すいせい「あまりにも此奴の声が気に入ったからなぁ〜…ついうっかり、そのまま喋っちまってたぜ。」
今にもこちらを飲み込まんとするような声。
戦慄するさくらみこへと視線を向ければ「そういえば…」とすいせい…否、エボルトは答える。
みこ「地球外生命体……うちゅーじんってとこか……?」
エボルト「…まあ、そうとも言うな。」
フンと鼻を鳴らしながら答えたエボルトはさてと…と片手に分身体を集めて
ときのそら「やっぱり何か変だと思ってたんだよね……」
楽屋を出て走ってきては、さくらみこを庇うように彼女の前に出たときのそらとAZKi。
「いつから気づいていたんだ?」というエボルトの問いに身構えながら「最初から」と答えたAZKi。
2人は互いに頷き合うとエボルトと向き合う。
ときのそら「0期生の絆を舐めるなよ!」
AZKi「すいちゃんを返して…ッ!」
仮面ライダークウガ、仮面ライダーアギトへとそれぞれ変身を遂げた二人を見て自身もまた赤黒いドライバー…『エボルドライバー』を腰に巻いてはニヤリと口角をゆがめ、ボトルを挿入。そのままドライバのレバーを回転させれば彼の前後に黄金の歯車とビルドの装甲を形成するようなファクトリーが生成される。
すればそのファクトリーがエボルトを包み込むと同時に黄金色の歯車が新たに出現。
エボルトの周りを回りながら回転つつ彼の姿を仮面ライダーのそれへと変身させる。
事務所の窓を全て割るどころが全体を揺るがし、外壁にも罅を入れるほどの衝撃波と共に星座盤のような意匠が組み込まれた赤と金の仮面ライダー、『仮面ライダーエボル』への変身を遂げたエボルト。
衝撃波をなんとか耐え抜いたクウガとアギトの2人は互いに頷き合うとエボルトへと走り出す。
エボル「まあいい…準備運動の代わりにはなるか……。」
ふたりの放った拳を両手で抑えれば、不気味に複眼を光らせたエボルトはそのまま衝撃波を放ち彼女達を吹っ飛ばしそれぞれの胸部に拳を殴打し地に伏せさせる。
アギト「きゃああぁぁ!?」
クウガ「つ…強い……!」
エボル「この程度か…?まだまだ行くぞ…!」
そのまま二人の身体を掴んで事務所の外へと運び出せばさらに激しく戦い始めるエボルト。
そのまま二人を地面経て転がせば「さて…」と首をポキポキとならして戦い始める。
クウガ「はああああぁぁぁぁぁッッ!!!」
そのまま走ってくるクウガの拳を身体を捻って躱せばそのまま勢いをつけてアギトへと蹴りを放ち反動でさらに強まった蹴りでクウガをキック。
アギト「きゃああッ」
クウガ「AZKiちゃん!きゃあ!?」
エボル「おいおい、これじゃあ準備運動にもならないぞ?」
猛攻にタジタジになる二人を見回せばエボルドライバーのレバーに手を伸ばすエボル。
するとエボルトの足元に星座盤が現れて右足に収束。
そのまま必殺の破壊エネルギーを纏わせた回し蹴りを2人目掛けて放つ。
クウガ/アギト「きゃああああああぁぁぁぁぁぁッッ!?!?!?」
エボル「フン……ッ」
必殺技を受けて変身解除とともに倒れた2人を見れば「つまらない」と言いたげに鼻を鳴らすエボル。
あまりにも呆気なく終わった戦いにどうしようかと考えていると、彼の足を掴む者がいた。
エボル「うん……?」
ときのそら「まだ……まだ終わらない……!」
エボル「…………邪魔だ。」
足を掴んでこちらを睨みつけてくるときのそらにため息をつくとその身体へと手を伸ばして猛毒を打ち込んだエボル。
ときのそら「あ………が………ッ…」
AZKi「そらちゃん!!」
泡を吹きながら猛毒に悶えるときのそらを見て悲痛な声をあげるAZKi。
そんな彼女に目を向けたエボルは高笑いしながら彼女へと近づく。
エボル「安心しろ。お前もすぐに同じ目に遭わせて……」
エボル「何……ッ!?」
しかし突然、彼目掛けて仮面ライダーゴーストグレイトフル魂と仮面ライダー鎧武極みアームズのキックが放たれる。
攻撃をまともに受けて吹き飛んだ彼が目にしたのは先日自身を圧倒した黄金の仮面ライダー、グランドジオウ。
エボル「またお前かぁ……ッ!」
ジオウ「エボルト…今度こそは決着をつけます!」
意気込みとともに走り出した彼女のパンチを高速で背後に周り回避したエボルトの反撃を咄嗟に召喚したビートクローザーで防御すればグリップエンドスターターを3回引いて必殺斬撃「メガヒット」を発動。
そのままエネルギー波と共にエボルを斬撃した。
エボル「うおおおぉぉ!?!?」
ジオウ「まだまだ行きます!」
手元にサイキョウギレードを召喚。さらにジカンギレードを召喚してサイキョウジカンギレードへと変形させればそのままエボル目掛けて走り出し……
エボル「フブキ……助けて……ッ」
ジオウ「え…フブちゃん…?」
エボル「隙ありぃ!!」
しかし、突然目の前の仮面ライダーから友人の一人、星街すいせいの声がしたので困惑のあまり思わず足を止めてしまうフブキ。その隙を逃さんとレバーを回したエボルは取り出したトランスチームガンから強力なエネルギー砲を放った。
ジオウ「しま……きゃあッ!!」
見事に直撃を受けて後方へと吹っ飛んだグランドジオウ。
転がりつつもすぐに身体を起こしてエボルをきっと睨みつけるものの、横からときのそらの苦しそうなうめき声が聞こえてくる。
AZKi「フブちゃん!そらちゃんがあいつに…毒を盛られて……ッ」
エボル「そうそう。俺なんかに構っている暇なんてあるのか…?」
ジオウ「そらちゃん……ッく……ッ」
苦しむときのそらと勝ち誇ったようにこちらを見てくるエボルを見た上でそらへと近づくフブキ。
その様子をみとどけたエボルは「Ciao」と心底愉快そうに彼女へと声をかければそのまま去っていった。
ジャガーマン「止まれ!」
ガニコウモル「何者だ!」
エボルト「どうもー!彗星のごとく現れたスターの原石!バーチャルアイドルの星街すいせいでーす。すいちゃんは~…今日も小さ〜い!」
大ショッカーのアジトにすいせいに寄生したまま帰還したエボルトを引き止めるジャガーマンとガニコウモル。
そんなふたりに冗談めかして挨拶をすれば、そこへ剣聖ビルベニアがやってくる。
ビルゲニア「お前達!どうした……貴様!どうやってここに入ってきた!」
エボルト「どうやってって…普通に帰ってきただけだよ〜。」
ケラケラと笑う彼に何者だと尋ねてくるビルゲニアに嗚呼と呟き返しては軽く咳払いをして声を調節し話し出す。
エボルト「オレだよオレオレ。エボルトだ。」
ビルゲニア「エボルト様!?何故かようなお姿に?」
今までとは似ても似つかないどころが敵対組織のメンバーの一人、「ホロライブ」の人物となっているエボルトを前にして困惑するビルゲニアに事の顛末を話し出したエボルト。
その話に目を見開いたビルゲニアは「ということは…」とやや焦ったような声で話し出す。
ビルゲニア「敵の本拠地はお分かりということですか!?ならば早速乗り込みましょう!」
エボルト「まあまあ、落ち着け。…その作戦も考えてる。」
不敵な笑みを浮かべながら答えるエボルト。
その瞳には彼自身の狂気と残酷さが宿っていた。
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