星の翼 短編集   作:スクワイア

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Xにて投稿したモノの一気見版です。
https://x.com/squier_xzy/status/1973400457448935489

捏造妄想ギャグです。
団長入り


Rock inside Cammy

「団長〜…。あれ…?」

 

キャミィは団長に近づき、声をかけた。

が、返事がない。

 

団長は請け負った依頼をこなした帰路、その休憩中だ。

途中の道の駅にビークルをとめ、近くのベンチで携帯端末にイヤホンを繋げ、曲を聴きながら寝そべっていた。

 

キャミィは道の駅の品々を冷やかし終わり、団長の元に戻ってきてその姿を見たところだ。

 

道中の車内ではロックを流しながら運転させていた。大体の曲の歌詞は覚えているため、キャミィはずっと歌った。

言い換えれば、世界を轟かすロックプレイヤーの独占ライブだ。数多くのファンが羨むことだろう。

 

団長も、知ってる曲であれば一緒に歌った。

テンションを上げて歌いながらの長時間ドライブ、人間の団長は、流石に休憩が必要になった。

 

「む…」

 

音楽家の特性か、天使が持つ最高級センサーのイタズラか。

キャミィは団長の耳に刺さる有線イヤホンに意識を向けると、今流されてる曲が聞こえてきた。

 

ギターと男性ボーカル、BPMは80程度のローテンポ…。

アンニュイな歌詞…ブルース…。

 

常日頃ロックに触れている身からすれば、あくびが出てしまいそうな曲。

なるほどたしかに…ゆったりと頭を休めるにはいい曲だろう。

 

そうね…、団長はロックだけを愛する人じゃなかったし…。

最近は、私の為に色々ロックについて調べてくれてるみたいだし…

 

キャミィは団長の音楽感を否定することはしないし、ロックにも耳を向けてくれるその姿勢には好感をもつ。

 

しかし、────気に食わなかった。

 

「…えいっ!」

 

ポケットに差し込まれている携帯端末のジャックからプラグを引き抜いた。

イヤホンが抜けたことを感知した端末は、即座に再生を停止、ボリュームは0になり、音が外に流れることはなかった。

団長は軽い衝撃と音が消えたことに、びくりと体を強ばらせて目を開けた。

相手がキャミィと見るや、体を起こしながら片耳のイヤホンを外して抗議した。

 

キャミィはイヤホンのコードを分銅よろしくクルクル回して、口を尖らせながら言い返す。

 

「ロックハンターの前で、ロック以外を聞こうなんて生意気よ?…だったら、私の膝枕と子守唄にロックはいかが?」

 

団長は笑いながら、魅力的だが自分はまだその境地にいないといったニュアンスで回答した。

キャミィもつられて笑う。

 

「フフっ。次やったら、端末に入ってる曲、全部ロックアレンジに差し替えるから!」

 

そして脅迫を滲ませてくる。

わかったから。ごめんよ。と答え団長はイヤホンプラグを受けとろうと手を伸ばした。

 

「…。」

 

団長の伸ばした手を見て…素直に返すのも癪だな…とロック魂が抱える反骨精神のせいか、 またイタズラがしたくなった。

 

「…あむ」

 

イヤホンプラグを口の中に隠した。

団長はその行動に驚いたようで目を見開いた。半分はバッチいよ!?などの心配が含まれる。

 

フフフ、この後の流れは完璧!

キスでもして口を開けさせて見せろ。と言えば、実にロック!!

 

などとキャミィが考えていると、団長は驚いた表情のまま、まだ片耳に残っていたイヤホンを指で抑えた。

 

「ふぉひは?」

 

どした?─口に物を含んでいるせいで間抜けな声が出た。

そんなキャミィにイヤホンの片割れを指にツマミ、差し向ける。

耳に入れろ。と、目が言っている。

 

その指からイヤホンを取り、耳に入れれば──

 

 

「「ロックだ…」」

 

 

唖然とした2人の口から"ロック"という言葉が紡がれた。

口を開いてしまったのでプラグがキャミイの口から落ち、空中にぶら下がる。音が止まる。

 

「は!?」

 

ケーブルを手繰り寄せ、もう一度口に含む。

ロックミュージックが流れた。

 

聞いた事のないコードとテンポ…でも、自分好みで耳に馴染む曲!

 

キャミィの次の行動は早かった。

 

あ!?ちょ、まっ!!?!?

 

団長の静止も聞かず、キャミィは口からプラグを抜くと、鼻の穴に刺した。

 

「パンク」

 

次は耳の穴─

 

「デジタル」

 

ヘソ─

 

「ハード」

 

有名ミュージシャンが野外で見せるには幻滅されそうな光景だが、またとないロックな体験にキャミィにとっては人目など気にすることよりも優先された。

 

「ワッwwwザッwwwファーーー!??wwwwww」

 

大声と共に、キャミイはオーバーなリアクションをとった。

 

手頃な体の穴に突っ込めば、多彩なジャンルのロックが流れる。

自分の体の隠された秘密を知って、笑いが止まらない。

キャミィのハートに、とてつもない幸福感が湧いた。

 

己の身体は、ロックでできている。

ロックに生き、ロックに死ぬことを肯定されている様で、抱えていた使命だなんだと言う悩みが吹き飛ぶ。

 

キャミィは勢いのまま、ほかの穴も試そうと下に手を伸ばしたが、団長の渾身の力によりイヤホンが引きちぎられたことで未遂に終わる。

 

そこはちょっとロック過ぎる。

…はぁ、安物で良かった…。

と、団長はため息混じりに呟いた。

 




ぐれーぷアニキのファンアート見てたら思いついた代物。
FAはすばらしいよなぁまったく…。

さて、下の穴は3つある訳ですが…
どんなロックジャンルが流れるかは、各自妄想してくださいw
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