貞操逆転世界のヒロアカー序ー   作:あかんヤー

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今回からリメイク前とは展開が変わっていきます。

新しい界離くんたちの物語を楽しんでもらえたら幸いです


原作前第二部:結城界離立志編
第8話:惜別の涙


助けて

1:貞操逆転ヒロアカ転生者

【Live実況モード・三人称視点で起動】

―武装した集団と、多数の一般人が拘束されている空港ロビー―

 

かなりまずいことになっちゃいました。

誰か知恵貸してください!

 

2:転生元トップレス

界離くん!? 一体何が起きたんだ!

 

3:男女比1:5世界の大学生

小六になって、秋に修学旅行って言ってたよね・・・まさかその最中?

 

4:貞操逆転ヒロアカ転生者

YES!

一泊二日の鹿児島旅行が終わって、空港で帰ろうとした瞬間にこれですよ!

 

5:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

よりによって帰り際って・・・運悪すぎ!

 

6:異世界森の民

ヒーローと警察は?

こういう時すぐ来るんじゃないの?

 

7:貞操逆転ヒロアカ転生者

セメントス先生みたいな個性の敵と、電気系の敵がいて出入り口も窓も全部ふさがれてます。

電波も乱されてて、外の状況が全く分かりません

多分、外も同じ。

 

8:異世界Dキッズ

なるほど・・・封鎖されてる上に、敵の数も配置も不明。

突入は難しいか・・・

 

9:貞操逆転ヒロアカ転生者

『お前・・・男か! 連れてけ』

『ヤダ!離して』

 

あっ!?同じクラスの(つとむ)君が連れてかれそうなので失礼します!

 

―界離が勉くんの代わりに自分が人質になると申し出て、驚く周囲をよそに葉隠透と共に三人まとめて連れていかれる―

10:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

おおい!全員連れてかれてんじゃねーか!?

 

11:迅雷風柱

見事なまでに『こんなはずでは・・・』て顔してんなァ・・・

 

12:国家元首なMS乗り

今すぐ全集中と波紋で大暴れって・・・訳にはいかんか

 

13:異世界森の民

連れてかれた先にいるのは・・・男か!?

ヒーローコスチュームっぽいの着てるけど

 

14:異世界Dキッズ

こいつ・・・ヴィジランテのNo.6に似てね?

 

15:キューピット岩柱

この前界離くん経由で見たニュースに鳴羽田の件があったから、本人ではないだろうが・・・

そっくりさんか、血縁か、そんなところか

 

16:貞操逆転ヒロアカ転生者

『おや、透明少女に俺と同じ男二人か・・・予定より良い“テーマ”になりそうだ』

『テーマって・・・何のことだ?』

 

ーNo.6に酷似した男と、女(ヴィラン)三人が縛られ跪かされた三人を見下すー

 

17:転生波紋使い

まさか・・・No.6と同じこと考えてるとかじゃないでしょうね

 

18:貞操逆転ヒロアカ転生者

『ヒーローとは物語を背負う存在。悲劇的なデビュー戦って、燃えると思わない?』

『何が言いたい』

『“少年少女が犠牲になり、二度とこんなことは繰り返させないと誓いを立てるヒーロー”。最高の導入でしょ? ツカミはバッチリ⭐︎』

 

見事にNo.6っぽいこと言ってましたよコイツ

 

19:男女比1:5世界の大学生

ああ・・・リサリサネキの不安が現実に・・・

 

20:転生元トップレス

ツカミとか言ってるけど、そもそも免許持ってんのか?

No.6は持ってたけど

 

21:男女比1:30世界のアイドルリーダ

あっ!?

界離くんが挑発したら、普通にヒーロー免許見せてきたぞコイツ!

 

22:異世界Dキッズ

なんで持ってんだよ!?

公安委員会しっかりしろ!

 

23:国家元首なMS乗り

AFOの影響か、異能解放軍のシンパか・・・

公安内部にいてもおかしくはない

 

24:貞操逆転ヒロアカ転生者

『薄っぺらい計画ですね。デビューしてもすぐ埋もれますよ』

『へぇ・・・言ってくれるじゃん』

 

―男が界離の顔を蹴り、無理やり立たせる―

 

25:男女比1:5世界の大学生

ああ!界離くんが蹴られ殴られた上に火責めに!?

大丈夫なの!?

 

26:貞操逆転ヒロアカ転生者

『あああああッ!!』

『結城君!』

『やめて! 結城くんを離して!!』

『いいねいいね〜。美しい友情ってヤツ? じゃこいつ後回しにして、君から殺すか』

 

ー女ヴィラン二人に界離を甚振らせながら、葉隠透の首を締める男ー

 

27:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

透ちゃんまで危ない!

誰か並行世界に干渉できる転生者いないのかよ!

 

28:男女比1:30世界のアイドルリーダー

おったらロランちゃんの時に助けに行っとるわ!

 

29:貞操逆転ヒロアカ転生者

『やっぱ男の悲鳴は良いものだな。あたしらの趣味を理解しない愚図ばっかでイライラしてたが、こりゃいいサンドバッグが手に入ったぜ』

『あたしの個性ならこいつを仮死状態にできるし、持ち帰って後で楽しもうか』

『どうでも良いけど、さっさとしろよな。こっちはもうちょいで終わるからさ⭐︎』

 

30:異世界森の民

ゲスすぎる・・・!

 

31:貞操逆転ヒロアカ転生者

『やめて・・・もうやめて!』

『あぁ? うるさいっなぁ!』

『勉くん・・・!』

 

ー残った女(ヴィラン)が、勉くんを蹴飛ばすー

 

32:貞操逆転ヒロアカ転生者

『お願いします・・・もう二人を傷つけないでください・・・お願いします・・・』

『だる・・・』

 

ー土下座する勉君を女(ヴィラン)があくびしながら懐から出した銃で撃つー

 

33:貞操逆転ヒロアカ転生者

『おいおい勝手に殺すなって。後処理面倒なんだぞ♪』

『わりぃわりぃ。ちっとうざかったからさ』

『ハァッ・・・ハァッ・・・待て!!』

"ロックが外れます"

 

ー呑気に会話する(ヴィラン)たちへの怒りに呼応するように青白い光が一瞬走る、充血した界離の目から血が流れ出るー

 

34:貞操逆転ヒロアカ転生者

『失われた命は戻ってこない。怪我だって治癒系個性を使っても完全に治る保証なんてない・・・なのに何故奪う?何故命を踏み付けにする?』

『結城くん?』

『あ? 何言ってんだおま』

『答えろ!! 何が楽しい!? 何が面白い!?』

『命を・・・何だと思っているんだ!!』

 

ー拘束を破り、勉君を守りながら(ヴィラン)たちに怒りをぶつけるー

 

35:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

鎖ちぎった!?

ってか今一瞬あいつの体光ってたような?

 

36:転生元トップレス

界離君!

聞こえてるか界離君!?

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

(一体何が起きている?)

 

 突入の機会を伺っていたレディ・ナガンは、空港から押し出されるように現れた“光の立方体”に眉をひそめた。

 

「これも(ヴィラン)の仕業なのか?」

「電波が復旧しました! 内部は・・・えっ、どうなってんだ!?」

 

 訝しむヒーローたちのもとに、中の様子を探っていた警察官からの報告が届く。

 

「ほんじゃ、蹴りに行くか!」

(・・・本当に、面倒な奴だ)

 

 ラビットヒーロー・ミルコが迷いなく飛び出し、ナガンは舌打ちを飲み込んで追う。

 人質救出は大事だ。だが――

 彼女には別の目的があった。

 

 猪突猛進のミルコは、その目的にとってあまりにも邪魔だった。

 

(最悪、巻き込むしかないか・・・)

 

「誰か来る!」

 

 ミルコが耳を動かし、足を止めた瞬間――壁が破れ、二人の女(ヴィラン)ンが吹き飛ばされてきた。

 一人は右肩から左脇腹にかけてばっさり切り裂かれており、もう一人は頭から真っ二つとかなりスプラッターな状態であり、事前情報がなければ二人が(ヴィラン)だと気づけなかったかも知れない。

 

「ま、待ってくれ!頼む、許してくれ・・・許してください!!もう悪いことはしませんから」

 

 壁の向こうで、赤みがかった黒髪の少年が刀を構え、震えるヴィランを追い詰めていた。

 

「もういい! あとは私たちg」

「吹っ飛べや!」

 

 ナガンが止めるより早く、ミルコが跳びかかる。

 

「待ってヒーロー! 結城くんは(ヴィラン)じゃ――!」

「ミルコ、彼は最重要救助対象者だ!」

 

 葉隠透の叫びも間に合わず、ミルコの蹴りが界離の頭部へ――と思われた瞬間、界離の姿が霧のように消えた。

 

「なっ・・・!?」

 

 次の瞬間、逃げようとした(ヴィラン)の前に界離が現れ、脚を払って動きを封じる。

 

「逃げられると思ったのか?」

「結城くん!?」

「お前、なかなかやるじゃねぇか! 今のは個性か?」

 

 ナガンはその視力で“界離の消失の正体”を見抜き、ミルコに彼を連れてくるよう指示する。

 葉隠透は驚きながらも、ナガンに引っ張られ勉少年を背負って救護班の元へ走る。

 だがその直後、残った四人の(ヴィラン)が襲いかかってくる。

 界離が刀を構えた瞬間、刀身に淡い光が走る。

 

ヒノカミ神楽 日暈(にちうん)(りゅう)頭舞(かぶりま)

 

 舞うような動きで界離は(ヴィラン)たちの攻撃をかわし、次々と一刀両断していく。

 

その動きは、誰かが思わず呟くほどに――美しかった。

 

 レディ・ナガンも葉隠透も、心の中で同意した。

 ミルコは目を輝かせ、前のめりになっていた。

 

 四人を切り捨てた界離は刀を納めると同時に力尽きたように倒れ、空港を包んでいた光も消える。

 

倒れていたヴィランたちは、界離の力の影響か、全員が()()()()()で意識を取り戻した。

 

「・・・どうなっている?」

 

ナガンは呟くが、答える者はいない。

 ただ淡々と、事後処理が進んでいくのだった。

 

〜〜〜〜

 

 深夜の裏路地。

 界離に計画を否定された男が、肩を押さえながら逃げていた。

 

「くそ・・・なんでだ・・・上手くいくはずだったのに・・・!」

 

 昼間の光景が脳裏をよぎる。

 界離の力が暴走した瞬間、手下たちは一瞬で戦闘不能になり、自分も“死んだ”と思った。

 だが気づけば生きていた。

 手下は全員捕まり、口封じのために用意した手段も使えず逃げるしかなかった。

 

「そうだあいつだ・・・全部あいつのせいだ・・・あいつが大人しく死んでいればこんなことにはなってなかったんだ。俺が惨めな目に遭っているのも、こんな風にコソコソ逃げ回るハメになってるのも全部あいつのせいだ。」

 

 男は、目をぎらつかせながら呪詛の言葉を吐き続ける。

 

「どこに隠れようが見つけ出してやる・・・あいつもあいつの家族も友人も近所の人間も皆んな殺してやる。全部あいつのせいさ、あいつが大人しく死んでいればこんなことにはならなかったんだからな」

 

 だが、その願いは叶うことはない。

 

「悪いが、お前はここで終わりだ」

「ま、待て! 待ってくれ――!」

 

 紫の影が一閃し、男は倒れた。

 死神はため息をつき、闇に消えた。

 


 

 まぶたを開けた瞬間、白い天井が視界に広がった。

 

「・・・ここ、病院・・・?」

 

 喉が乾いて声が掠れる。

 体を起こそうとすると、すぐ横から慌てた声が飛んできた。

 

「結城くん! 起きたの・・・!? 本当に・・・よかった・・・!」

 

涙を浮かべた葉隠透が、透明化を解いた姿でベッドに駆け寄ってくる。

 その顔を見て、界離はようやく自分が生きていることを実感した。

 

「・・・透。勉は・・・?」

「無事だよ。結城くんが止血してくれたおかげで・・・命に別状はないって」

 

 胸の奥がじんわりと温かくなる。

 だが同時に、あの光景が脳裏に蘇る。

 怒りで視界が白く染まり、自分の中の何かが外れた瞬間。

 

(・・・あれは、何だったんだ)

 

 考えようとしたその時――コン、コンと病室のドアがノックされた。

 

「入ってもよろしいかな?」

 

 透が振り返った瞬間、息を呑む。

 

「ひ、ヒーロー公安委員会会長さん・・・!? どうしてここに・・・!」

 

 ドアが開き、スーツ姿の二人の女性が入ってきた。

 一人は柔らかい笑みを浮かべた中年女性。

 もう一人は無表情で、鋭い目をした若い女性。

 

 界離は直感した。

 

(・・・この人たち、普通じゃない)

 

 匂いが教えてくる。

 優しさの皮を被った、冷たい金属のような匂い。

 

「おや、私たちを知っているようだね。すまないが、少し席を外してもらえるかな? 葉隠透さん」

 

 透は一瞬ためらったが、界離を心配そうに見つめながら病室を出た。

 扉が閉まる音が、やけに重く響いた。

 

「まずは、目覚めてくれてよかった。君の活躍は、我々も確認しているよ」

 

 会長は柔らかく微笑み、本題に入る。

 

「君の力は素晴らしい」

「社会のために使うべきだ」

「我々は君をスカウトしたい」

 

 その声は柔らかく、優しく、まるで“救いの手”のようだった。

 だが界離には分かってしまった。

 

(・・・この人、何も感じていない)

 

 匂いが教えてくる。

 この人は、罪悪感も後悔も持っていない。

 人の人生を変えることに、何の痛みも覚えていない。

 

「そうやって・・・レディ・ナガンさんも引き込んだんですか?終わりの見えない人を殺す任務の日々に」

 

 その瞬間、病室の空気が凍りついた。

 会長は一瞬だけ目を見開いた。

 驚きではない。

 怒りでもない。

 

「・・・よく知っているね」

 

 その声は、まるで“子供が少し賢いことを言った”程度の反応だった。

 その目は――完全に無機質だった。

 

 温度がない。

 罪悪感もない。

 後悔もない。

 

 ただ、『国家のために必要なら、何をしても構わない』という確信だけが宿っていた。

 だが――副官の女性は違った。

 

 肩がビクリと震え、目を伏せ、唇を噛みしめ、何かを言いかけて――

 会長の横顔を見た途端、喉が詰まったように黙り込む。

 界離はその様子で悟った。

 

(・・・この人、知ってるんだ。ナガンさんが()()()()()()()()()を)

 

 会長は淡々と、まるで事務処理のように続ける。

 

「彼女は優秀だったよ。任務を遂行するために必要な判断を、迷わず下せる人間だった」

 

 その言葉に、界離の背筋が冷たくなる。

 

(迷わず・・・? 人を撃つことを・・・?)

「だが、心が弱かった。()()()()()()()()()()()を、いつしか()だと錯覚してしまった」

 

 副官の指先が震えた。

 後悔・恐怖・罪悪感が混ざった濁った匂いがする。

 

 界離は確信した。

 公安のために、社会のために、“正義のために必要な汚れ仕事”を押しつけられ続け――

 心が摩耗し、壊れ、最後には会長に銃口を向けるほど追い詰められた。

 

 会長はそれを“弱さ”と切り捨てた。

 

「彼女は・・・正義に耐えられなかっただけだよ」

 

 淡々と締めくくるその言葉は、ナガンを“ただの失敗例”として処理する音に聞こえた。

 

(この人は酔っている・・・正義という悪酒に、どうしようもないくらい酔ってる)

 

 界離は拳を握りしめる。

 

「・・・一つだけ聞かせてください。あなたは、どんな社会を目指しているんですか?」

 

 界離は賭けに出た。

 もし会長に“明確な未来”があるなら、そのために力を貸す覚悟もあった。

 だが返ってきたのは――

 

「君の妹、愛狸ちゃん。小学二年生で友人も多いようだね。君の姉は防衛大学に入ったばかりで・・・海自を目指してるようだね」

 

 界離の呼吸が止まった。

 

「君が知っているのは、国家の安全に関わる重大な機密だ。君がこちらに来ないのなら・・・相応の対処をせざるを得ない」

 

 その声は優しい。

 だが内容は――脅迫そのものだった。

 副官は小さく震え、会長の袖を掴みかけて――

 結局、掴めなかった。

 

(・・・俺の夢は、もう叶わない)

(空を飛びたかった。母さんみたいに、イーグルに乗りたかっただけなのに)

(どうして・・・どうして家族まで巻き込むんだよ)

 

 胸が潰れそうになった。

 航空学生になるために積み上げてきた努力。

 毎朝のランニング。

 視力維持のための訓練。

 母の背中を追いかけた日々。

 

 全部――公安委員会の一言で消えた。

 

(俺の夢も、人生も、家族も・・・“正義のためならどうでもいい”って顔してる)

(こんな人間が・・・ヒーローを管理してるのか)

 

 界離の心が音を立てて崩れていく。

 

「・・・分かりました。その話、引き受けます」

 

 満足のいく返事を受け取った会長はゆっくりと、ドアへ視線を向けた。

 

「・・・盗み聞きは良くないね。葉隠透さん」

 

 界離の心臓が跳ね、恐怖と焦りで背筋が凍りつく匂いがする。

 

「君が知ったことは、国家の安全に関わる重大な機密だ。結城界離君だけでなく・・・君と、君のご家族にも関わる問題になる」

 

(透まで・・・巻き込まれた・・・?)

(俺だけじゃなく・・・透の家族まで・・・?)

 

界離の胸が締め付けられる。

 

◇◇◇◇

 

 葉隠透は震えていた。

 結城くんの声。

 公安委員会会長の声。

 そのやり取りが、耳に焼き付いて離れない。

 

(・・・嘘、でしょ)

 

 結城くんは男の子だ。

 この社会では“守られる側”の存在だ。

 女子である自分たちが守るべき、大切な存在。

 

 なのに――

 

(どうして・・・結城くんが“脅されてる”の・・・?)

 

 ヒーローは守る側。

 公安委員会はヒーローを支える側。

 ずっとそう信じてきた。

 

 でも今、透の耳に届いたのは――

 

「君がこちらに来ないのなら・・・相応の対処をせざるを得ない」

 

 優しい声で告げられる、冷たい脅し。

 

(ヒーローの組織が・・・男の子を脅してる・・・? そんなの・・・そんなの、間違ってるよ・・・!)

 

 世界が、音を立てて崩れていく。

 透はヒーローが大好きだった。

 憧れていた。

 いつか自分も、誰かを救える存在になりたいと思っていた。

 でも今――

 

(ヒーローって・・・こんなに・・・怖いものだったの?)

 

 結城くんの夢は、航空自衛官。

 空を飛ぶこと。

 母の背中を追うこと。

 

 その夢が――

 公安委員会の一言で、踏みにじられた。

 

(どうして・・・どうして結城くんの夢まで奪うの・・・?)

 

 胸が痛くて、息が苦しくて、涙がこぼれそうだった。

 

(私が・・・聞いてしまったから・・・)

(結城くんは、私を守るために・・・あんな重いものを背負わされて・・・)

 

 透は自分を責めた。

 結城くんは優しい。

 自分のことより他人を優先する。

 だからこそ――

 

(私が聞いてるってバレたから・・・結城くんは、断れなかったんだ・・・)

 

 罪悪感が胸を締めつける。

 

(私・・・何もできなかった)

 

 結城くんが痛めつけられていた時。

 自分は震えることしかできなかった。

 

(梅雨ちゃんだったら・・・どうしてたんだろう。もっと強くて・・・もっと・・・)

 

 脳裏に浮かぶ、蛙吹梅雨の姿。

 界離と並んで戦う未来。

 

(そんなの・・・嫌だ)

(私だって・・・一番でいたい)

 

 でも今の自分は――

 透明化しかできない。

 結城くんを守れない。

 結城くんの代わりになれない。

 

(強くならなきゃ・・・結城くんを守れるくらいに)

 

(彼の隣に立てるくらいに)

(彼の代わりになれるくらいに)

 

 涙を拭い、透は立ち上がった。

 向かう先は――結城紘美。

 界離の祖母であり、界離を育てた“強さ”を知る人。

 

「お願いします・・・私を鍛えてください!」

 

 葉隠透は、絶望の中で初めて“戦う覚悟”を持った。

 

 

◇◇◇◇

 

 

1:貞操逆転ヒロアカ転生者

お久しぶりです。皆さん

 

2:男女比1:5世界の大学生

うん・・・久しぶり

 

3:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

あれからさらに一週間か。

姉ちゃんと妹ちゃんの説得、大変だったろ

 

4:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

可愛い弟であり大好きな兄があんな目に遭ったんだ。

そりゃ家族も心配するさ

 

5:貞操逆転ヒロアカ転生者

>>4

正直、今回ばかりは学校行くの無理かもって思ってました。

・・・姉ちゃんたちには感謝しかありません

 

6:異世界森の民

生後三日で誘拐未遂、小六で人質事件。

界離くんの経歴、原作主人公レベルで波乱すぎる

 

7:異世界Dキッズ

ほんとそれ

 

8:キューピット岩柱

で、本題ってのは・・・?

 

9:迅雷風柱

まぁ大体察してるがなァ

 

10:貞操逆転ヒロアカ転生者

風柱ニキの予想通りです。

岩柱ニキ、風柱ニキ、リサリサネキ。

俺を鍛え直してください!

柱稽古やジョジョの特訓よりハードでお願いします!!

 

11:男女比1:30世界のアイドルリーダー

界離くん・・・本気で公安所属のヒーローになるつもりなんだな

 

12:貞操逆転ヒロアカ転生者

はい!

困難な未来になると思いますけど、それで家族と透の家族が守れるなら悔いはありません!

トップヒーローになれば、公安も建前並べて“表向き安全な仕事”を回してくれるでしょうし・・・

 

13:国家元首なMS乗り

界離くん・・・無理しなくていいんだぞ

 

14:貞操逆転ヒロアカ転生者

・・・何の話です?

 

15:転生元トップレス

辛い時は辛いって言っていいんだぞ。

ここなら公安にもバレない

 

16:貞操逆転ヒロアカ転生者

ラルクネキ・・・皆さん・・・

ちょっと、胸を借ります。

 

 

(※界離くん、しばらく泣く)

 

27:貞操逆転ヒロアカ転生者

お見苦しいところをお見せしました・・・

 

28:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

かまわんさ♪

俺らだって公安にはムカついてんだぜ

 

29:男女比1:5世界の大学生

にしても、炭治郎の姿であの毒舌は新鮮だったな。

原作でもたまに刺すけど、泣きながらは無かった

 

30:貞操逆転ヒロアカ転生者

言わないでください・・・恥ずかしいです

 

31:異世界Dキッズ

恥ずかしがるなよ。

転生者だって人間だ。

辛いことも悲しいこともあるさ

 

32:転生元トップレス

で、高校は・・・やっぱ雄英か?

 

33:貞操逆転ヒロアカ転生者

そのつもりです。

公安も雄英なら文句つけられないでしょうし、オールマイトを(ヴィラン)扱いは流石に無理でしょうし

 

34:男女比1:30世界のアイドルリーダー

となると相当キツい道やな。

入試倍率300倍、A組入ったら相澤先生の除籍地獄、敵連合イベントも目白押しや

 

35:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

A組前提なんですかリーダー

 

36:男女比1:30世界のアイドルリーダー

界離くんを転生させた神の性格的に、『イベント薄めのB組』は無いと思うんよ

 

37:異世界森の民

これまでの界離くんの経歴的に、原作イベントの難易度も上がってたりしてなww

 

38:転生波紋使い

あなた・・・それフラグよ

 

39:貞操逆転ヒロアカ転生者

その時は森の民ニキが腹を切ってお詫びします

 

40:異世界森の民

ちょッ!?

勝手に殺すな!

 

41:迅雷風柱

話戻すが、バトルモードじゃ限界がある。

本当の特訓は公安やミルコとの実戦形式になるが・・・構わねェか?

 

42:貞操逆転ヒロアカ転生者

構いません。

でも・・・なんでミルコさんが特訓に付き合ってくれるんでしょう?

知り合いってわけでもないのに・・・

 

43:転生元トップレス

それはなぁ・・・

 

44:キューピット岩柱

ミルコは“ヒノカミ神楽を使った君”に魅入られたのさ。

彼女の好みは、自分より強い男。

貞操逆転世界でも、そこは変わらん可能性が高い

 

45:貞操逆転ヒロアカ転生者

それじゃあ俺は対象外のはずじゃ・・・

 

46:国家元首なMS乗り

多分、君の世界じゃ原作より恋愛に積極的なんだろう。

“見込みある奴は自分で育てる”って方針かもしれん

 

47:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

逆光源氏かよ・・・

 

48:貞操逆転ヒロアカ転生者

俺としてはミルコさんよりレディ・ナガンさんが気になります。

本来なら誰にも利用されずに済んだのに、俺のファンレターのせいで長く苦しめることになってしまったから・・・

謝りたいです

 

49:転生波紋使い

それはあなたが気に病む必要はないわ。

むしろあなたのおかげで、彼女は“踏みとどまれた”のよ

だから――

あなたはファンレター通りに強くなって、彼女を安心させてあげなさい

 

50:貞操逆転ヒロアカ転生者

リサリサネキ・・・分かりました!

あとラブレターじゃなくてファンレターです!

 

51:男女比1:5世界の大学生

まだ言ってるのか君は・・・

 

52:転生元トップレス

『初めてテレビで見た時から僕は貴方の虜です十年以上先の話になりますが、僕は貴方が背中を預けてもいいと思ってもらえるほど立派な男になってみせます。もしなれたら、貴方の残りの時間を僕にくれませんか』

 

一部抜粋したがこれを貞操観念逆転世界でラブレターじゃないは無理あるだろ

 

53:貞操逆転ヒロアカ転生者

なんで知ってるんですか!?

プライバシーの侵害ですよ!

 

54:転生波紋使い

梅雨ちゃんに透ちゃん・・・

そしてこれから出会う乙女たち全員、苦労しそうね

 

55:キューピット岩柱

取りあえず、まず君はミルコに“美味しく頂かれないように”気をつけろ。

いいな、界離くん

 

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