1つ.界離はミルコに気に入られ、稽古を受けることになった
2つ.界離の個性はかなりのチート性能であることが発覚
3つ.前世の界離は病院生活が長いことが判明。そして、今後も大暴走していくと宣言した
【今】あれから一年近く【お暇かな?】
1:貞操逆転ヒロアカ転生者
あれから一年近くたち、俺も透も中一の秋。新しいクラスメイトたちと青春したり、ミルコさんに蹴飛ばされたり、公安の元で個性の特性を掴んだりと色々ありました・・・
皆さんはどうです?
2:男女比1:30世界のアイドルリーダー
こちらは何の変化もなし。
いつも通り、思い込み一つで人間を超えちゃう女たちにヒエッヒエな毎日を送ってるよ
3:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
俺たちの世界の女たち全員サイヤ人の因子がインストールされてるよ・・・絶対
4:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
つい昨日も、迫ってきたストーカーをかめはめ波っぽい何かで撃退したマネージャーには参ったよ・・・
5:男女比1:5世界の新社会人
とんでもないですね・・・俺の方はまだ、嫉妬で威圧感を出してくるくらいだからまだ平和なんだなぁ・・・
ついでに、大学卒業して就職しました
6:異世界森の民
それは本当に平和と言っていいのか?
7:異世界Dキッズ
本人が平和って言ってるから、平和なんだろ
8:国家元首なMS乗り
こっちは昨日ファウンデーションとの戦いが終わったばかりだ。キラとラクスが安らげるのはいいことだが・・・事後処理がな
9:転生元トップレス
皆んな大変だな。私の所はちょうど今ノノリリが帰ってきたところだ
10:貞操逆転ヒロアカ転生者
一人だけすっごい平和ですね。
俺の個性・・・今は『結界』と呼んでるんですけど、あれ無尽蔵に何でもできるようではなさそうなんです。
自分より強い相手だったり、死んだ人を復活とかだと体力を大きく消耗するし、逆に弱い相手だと対して消耗も無しに使い放題って具合で・・・
11:迅雷風柱
機動戦士ガンダム vs.シリーズのコストシステムみたいな感じかァ・・・なら乱戦状態だとかなりキツくなりそうだな
12:貞操逆転ヒロアカ転生者
そうなんですよ・・・だから悲鳴嶼ニキに頼んで柱稽古のあれをさせてもらってるんですけど、母さんと姉さんにバレないようにするのが難しくて難しくて・・・
13:転生波紋使い
あれを現代日本でバレないように・・・ってのはかなりの難易度ね
14:キューピット岩柱
だが、彼はよく頑張っている。
体も充分大きくなっている・・・おそらく三年後には充分体力も付くだろう
15:異世界Dキッズ
そういや界離君って、身長何センチなん?
お姉ちゃんもだいぶ背高そうだけど
16:貞操逆転ヒロアカ転生者
今ちょうど174センチです。贅沢言わないけど、あと7センチは欲しいかな・・・
姉ちゃんは今189センチ。ついでに俺が生まれた時(七歳)は161センチでした
17:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
デカ過ぎだろ!?もしかして愛狸ちゃんもかなりでかいのか?!
18:貞操逆転ヒロアカ転生者
愛狸(7歳)は今156センチです
19:転生元トップレス
貞操逆転世界ってのもあるのかもしれないが、全員背高いな・・・精子提供者か、曽祖父の血か?
20:貞操逆転ヒロアカ転生者
分かりません・・・曽祖父も曽祖母も普通の背丈だったみたいですし、俺も姉ちゃんも愛狸も皆んな別の提供者の精子から産まれてますから
21:転生元トップレス
そうか・・・ところで界離君は個性以外に何かなかったのか?
私たちとしてはそっちが気になるんだが
22:貞操逆転ヒロアカ転生者
別に大したことは・・・
『後輩く〜ん!腕章発注終わった!?』
『終わりました!今資材発注の書類を・・・できました!チェックお願いします』
23:男女比1:5世界の新社会人
忙しそうだね・・・もしかして、文化祭の準備中かい?
24:貞操逆転ヒロアカ転生者
はい!
ここラノベの高校みたいに生徒会の仕事が多い学校で、書記の俺も文化祭の準備で大忙しですよ
25:迅雷風柱
なァ界離・・・Liveモードにできるか?
26:貞操逆転ヒロアカ転生者
?分かりました
ー教室内で作業している界離たちの姿が映り、風柱ニキの頼みで生徒会長の姿を映すー
27:キューピット岩柱
聞き覚えのある声だと思ったが・・・やはり甘露寺だったか
28:迅雷風柱
正確には"界離のいるヒロアカ世界"の甘露寺だろうがなァ・・・
29:貞操逆転ヒロアカ転生者
お知り合いなんですか?
30:国家元首なMS乗り
お前知らないのか!?
甘露寺蜜璃。鬼滅の刃の重要キャラクターの一人で恋柱だぞ!
31:貞操逆転ヒロアカ転生者
恋柱・・・あ、そういえばいましたね!でも髪の色が違うような・・・
32:転生元トップレス
黒く染めてた時期があったんだよ。
原作の彼女は初めてのお見合いで髪の毛や体質に罵詈雑言を浴びせられて以降結婚するために色々と無理していた時期がな
33:男女比1:5世界の大学生
じゃあ今の彼女は原作でいう無理していた時期の甘露寺蜜璃(貞操逆転ヒロアカ世界)ってことなのか?
34:男女比1:30世界のアイドルリーダー
まだそうと決まったわけやないで。
見た目や名前が同じだけの別人って可能性も充分あるから変に意識せぇへん方がええで
35:貞操逆転ヒロアカ転生者
俺みたいな感じって訳ですね・・・
メッセージ?誰から・・・って、ポニーちゃんか
『明日new open するスイーツバイキング店の半額ペアチケット get しました!界離さんも together しません?』・・・か
『週末空いてるから、是非』
送信っと
36:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
なあ界離・・・お前、恋人が出来たのか?
37:貞操逆転ヒロアカ転生者
ポニーちゃんはただの友達ですよ。
少し前にちょっと普通じゃないことがあって、その時の縁で仲良くなっただけです
38:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
ただの友達を"ポニーちゃん"呼びする奴がどこにいるってんだコノヤロー!!
蛙吹梅雨に葉隠透、レディ・ナガン、ミルコと原作キャラを好き放題魅了しといて全く知らない子を彼女にするとかふざけんじゃねー!!!
39:貞操逆転ヒロアカ転生者
彼女じゃないですって!
ポニーちゃん・・・じゃなくて角取ポニー。ちょっと前にできた友達なんです!
40:異世界Dキッズ
角取ポニーって、原作キャラじゃん!
この時期からもう日本にいたのか!?
41:異世界森の民
そんな名前の子いたっけ?
42:異世界Dキッズ
B組の子だから、影が薄いのは仕方ないさ。
物間と拳藤以外のB組連中って基本出番あんま無いし
43:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
なんだ原作キャラか・・・それならそうと早く言ってくれよ
聞いた限り日本に越してきたばかりといったとこか?
44:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
ついでに馴れ初めについてもプリーズ
45:貞操逆転ヒロアカ転生者
今名字を聞いたばかりなんですよ。初めて会った時は名前しか聞いてなかったので・・・あと日本に越してきたのは春頃のようです
ちょうど夏頃に、関東全域で超有名なスケバンに絡まれている子がいて助けたんですよ。
それがポニーちゃんだったんです
46:転生波紋使い
あなたの世界にもスケバンっていたのね・・・で、どう有名なのかしら?
47:貞操逆転ヒロアカ転生者
都立
全てが暴力で決まる正真正銘の魔窟で、盗んだバイクで走り出すのは序の口。違法薬物とか個性を使った犯罪にまで手を染めてる生徒しか居ないともっぱらの噂。
誰が呼んだか"ヴィラン
そしてポニーちゃんに因縁つけてたのは一年にして番長の地位に就いた特段危険な奴
48:男女比1:5世界の大学生
え・・・大丈夫だったのそれ?
聞く限り碌でも無い手を使ってでも君と角取さん潰そうとしたんじゃ?
49:貞操逆転ヒロアカ転生者
その通りです。
サッカーで勝負することになったんですが、靴に仕込んでた刃物で切りつけてきたり、鏡での目潰し、催涙ガス浴びせられそうになったりと散々でしたよ。
ポニーちゃんの
50:男女比1:30世界のアイドルリーダー
これはポニーちゃん・・・高確率で惚れとるやろうな〜。
慣れへん異国の地で、おとろしい連中につるまれとった所を颯爽と現れて助けてくれた男子・・・絶対手に入れるべく行動してるよこれ
51:貞操逆転ヒロアカ転生者
そっかぁ・・・でも後悔は有りません!
見捨ててたら、もっと後悔してましたから!
52:キューピット岩柱
それで良い・・・ヒーローを目指す者なら、困ってる人を助けて後悔することはないさ
53:転生波紋使い
ただし、女絡みで身を滅ぼさないようにね
54:貞操逆転ヒロアカ転生者
肝に銘じます!リサリサネキ!!
◇◇◇◇
「♪〜♪〜♪♪〜♪」
角取ポニーは鼻歌を口ずさみながら歩を進めていた。その微笑みと足取りから上機嫌なのは一目瞭然であり、見かけた周りの人たちは何かいいことあったのかしらと口々に話題にしていた。
「結城サ〜ン、お待たせシマシタ!」
事前に聞いたマンションのインターホンを鳴らし、彼が出てくるのを待つ。しばらくするとドアの向こう側からドタバタと慌ただしい音がし、徐々に近づいてくる。
「はい、どちら様ですか?」
「結城サンの older sister の狼愛さんデスネ。私、界離サンの friend の角取ポニーと申しマス!今日は一緒に遊びに行く約束をシテマシタノデ迎え二来マシタ!」
しかめっ面をした大柄な女性がチェーンをかけ、少しだけ開いたドアの隙間からこちらを見下ろす。
少し恐怖を覚えたが、界離から聞いていた特徴からこの女性が姉の狼愛さんだと分かり少しでも良い印象を抱いてもらうべく、笑顔で元気良く答える。
「そう・・・悪いけど、界離は今日急用ができt「ごめんお待たせ!」・・・カイ!?」
「ごめんお姉ちゃん!足止め失敗しちゃった!」
どったんバッタン大騒ぎしながら、髪が乱れた界離と服が乱れた妹の愛狸がワープゲート*1からポニーの後ろに出てくる。
「じゃ行こっか」
「待ちなさいカイ!まだ話は終わってないわよ!!」
狼愛が驚いてる隙をついて逃げ出そうとしたが、すかさず腕を掴まれ逃げられなくなる界離とポニー。
愛狸も分身を出して通せんぼし一部の隙もない完璧な布陣が敷かれたかに思われたが、界離のお色気攻撃*2で愛狸が行動不能になり、思考停止した狼愛の腕を振り払った界離がポニーをお姫様抱っこして大ジャンプで一気に家から逃げ出す。
「・・・ッ!待たんかい、バカ弟!!』
人狼姿に変身した狼愛が格段に強化された身体能力を駆使して追いかけてくるのを、界離も全集中・常中と波紋の呼吸で強化した身体能力を駆使して振りきろうとあの手この手で縦横無尽に駆け回る。
十分ほど続いた追跡劇の果てに、逃げきった界離たちは乱れた服装を整え目的地でスイーツを楽しんでいた。
「界離サンのお姉サン・・・聞いてた以上にパワフルデスネ」
「ごめんねつn「ポニーでイイデ〜ス」・・・ポニーちゃん。最近俺の周りで変なことが多くなったから、姉ちゃんも愛狸も母さんも婆ちゃんもピリピリしてるんだ」
「ソレッテ、例の脅迫文デスカ?」
「うん・・・例の脅迫文」
周囲に聞かれないよう、ヒソヒソと会話を続ける。
それは春のーー中学入学から一週間経ったあたりにまで遡る。学校の全学年、全クラス、全生徒に変な手紙が置かれ始めた。
最初は学校も界離も、誰一人としてイタズラだと深刻に捉えてなかったが、毎日のように届き続けた手紙は月日が経つに連れて内容も脅迫状じみた物に変わり、ついには界離のクラスにだけ届くようになった。
学校がこれを異常事態だと認識し始め、警察に届け出たのが界離が角取ポニーと出会う一週間前。成果はーー無い。
「脅迫文にはナンテ書イテアッタンデス?」
「『蓮くんに近づくな。これ以上無視するならお前たちを殺す』・・・だってさ。最近クラスメイトの周辺で不審者の目撃情報も多数寄せられるようになって・・・皆んな口には出さないけど不安になってるよ」
付け加えとくと、蓮なる人物は界離のクラスだけでなくあの学校には一人もいない。本名でもニックネームでもネット上で使ったハンドルネームでもだ。
そう話す界離自身も、笑顔が陰っており精神的に参っているのが伺える。
「ナラ私モ力を貸シマス。界離サンに助ケテモラッタ恩を返ス時デス!」
「悪いよポニーちゃん。俺たちの問題に君を巻き込むなんてd『やっと見つけたよバカ弟』って姉ちゃん!?なんで分かったの!?」
背後から腕を回され、胸ぐらを掴まれた界離が驚きながら持ち上げられる。
なんだなんだとざわつく周囲をよそに、額にデコピンされた
「分かるに決まってるでしょ・・・何年アンタの姉やってると思ってるのよ」
「わたしだって、もう八年はお兄ちゃんの妹やってるんだから!」
人狼形態から人間の姿に戻った狼愛と、背からひょっこりと顔を出した愛狸が呆れながら同じことを言う。
「あれ・・・後輩くん?」
「甘露寺先輩。先輩も来てたんですか」
正体がバレた界離に擦り寄ろうとする周囲の女たちを姉と妹が追い払っていると、以前ー掲示板でー話題になった先輩も来ていたようであり、界離の希望もあって仕方なく招き入れる事になる。
「カイ、悪いけど全員分のジュースとってきて」
「え?自分で取りに・・・分かりました。行ってきます」
「・・・これくらい離れれば聴こえないはず単刀直入に聞くわ。甘露寺蜜璃さんに、角取ポニーさん。あんたら、ウチのバカ弟のこと好きなの?」
自分で取りに行かないのかと尋ねようとした界離を睨んで席から離し、充分離れたのを耳で確認した狼愛は甘露寺と角取の取り調べを始める。
「えッ!?私は・・・別に、その」
「私、界離サンのこと・・・好きデス!!」
あからさまに顔を真っ赤にして否定する甘露寺に対し、ポニーは顔を真っ赤にしつつ、好きだと答える。
「へぇ・・・姉を前にしてはっきり答えるなんて、度胸があr「私はお義姉さんになってもらえるなら甘露寺さんがいいかなぁ・・・パンケーキとっても美味しかったし」・・・愛狸・・・お口チャック」
下手な
出だしを挫かれる格好になりつつ、気を持ち直し何故かと問いかける狼愛にポニーは界離と出会った日のことを語りだす。
(コレが伝説ノ"今日は厄日だわ!"デスカ〜)
「あー!テメー、なに無視してんだコラー」
角取ポニーは天を仰ぎながら現実逃避にふけっていた。
日本に引っ越してきてからはや数ヶ月。なかなか慣れない日本語に苦戦しつつ何とかクラスに馴染んでいく日々。久しぶりに一人で遊びに行こうと決意した矢先に靴紐が切れたり、烏のフンが直撃したり、野良犬の尾を踏んでしまい追いかけ回されたりと散々な目に遭い続けた。
犬から逃げる内に全く知らない場所に来てしまい、おまけにスマホもバッテリー切れ。
取り敢えず喉を潤そうと目に入った自販機からコーラを買った矢先に、ヤンキーに絡まれた。
「何無視してんだコラ!こっち見ろ♡」
ボサボサな金色の髪をツインテールにしたヤンキーが、有無を言わさず殴りかかってくる。現実逃避から抜け出したポニーだったが、ヤンキーの拳は目と鼻の先まで迫っており避けられないと諦めた。
「はい!ちょっとお待ち」
瞬間、同世代にしては少し低めの声がしたと同時にヤンキーの体がコマのように空中で一回転して地に倒れ伏す。
何事かと驚いたポニーの瞳に映ったのは、赤みがかった黒い髪を風になびかせた同世代の男の子の背中だった。
「何だテメェ!ウチらのボスになにしやがる!」
「それはこっちの台詞だよ。無抵抗な相手に五対一で一方的に因縁つけといて暴力沙汰とか、ヒーローを目指している身としては見て見ぬ振りはできないね」
「ヒーロー目指してるダァ?男は黙って家帰ってママのおっぱい吸ってりゃいいんだよ」
「あいにく、もうそんな歳じゃなくてね。君たちこそ、家に帰ってパパにヨシヨシしてもらった方が良いんじゃない」
ヤンキーたちの挑発を軽く受け流しながら、警戒と挑発を怠らない男の子を気に入ったのか先程倒されたヤンキーがサッカーで相手してやると言い出し男の子もその話に乗った。
十五分の内に点数を多く取れた方の勝ちというルールで、最初こそはツインテールのヤンキーと男の子の一対一の勝負だったが、男の子が先制点を取った途端に取り巻きのヤンキーたちまで参戦して一対五。更にはシューズに仕込んでいた刃物や催涙ガス、個性を使った攻撃まで仕掛けてきて最早サッカーとは言えない有り様に。
男の子は風やら炎を纏いながらヤンキーたちの攻撃を避け、一点を死守しているが、ヤンキーの一人が近くにいた野良猫を人質に取り降伏を迫る。
「ホラホラ!ヒーロー目指してるってんなら人間じゃないからって見捨てらr「ヒーロー目指してるノハ、私モ同じデース!」
怒涛の展開の山にフリーズしていたポニーも我に帰り、個性:
「ウルトラマンゼロみたいだねえ君!その角貸して、考えがある!」
男子に促されるまま角砲を渡すと、男子は両手でそれぞれ逆向きに持ち両腕を目一杯伸ばす。
「今だ!思いっきり飛ばして」
角をフルパワーで動かし、それに合わせて男子もコマのように回り始める。あまりの回転の速さに、ヤンキーたちの攻撃も全て弾かれる。
「風の呼吸 伍ノ型
瞬間、爆弾が爆発したかのような重い音と共に振動が周囲を揺らす。木々や草花は揺れ、驚いた鳥たちが一斉に飛び立つ。
そしてサッカー(もどき)が行われていたフィールドの芝は跡形もなく抉れており、畑のように様変わりしていた。
ポニーは知る由がなかったが、界離自身の回転にポニーの角の推進力が加わったことで、通常じゃありえないほどの回転力を得たおかげで威力が桁外れに上がったのだ。
そして肝心のヤンキーたちだが、全員衝撃波と風の刃にやられたのか切り傷だらけで動けそうにない。
「お前・・・そんな外人なんか助けて何の意味があんのさ・・・知り合いでもないだろうに」
「あるよ。俺も彼女も・・・さっき同じ自販機で同じ飲み物を買った仲だからね」
ヤンキーたちの問いに答えながらしれっとボールをゴールポストに入れた男子は、『俺の勝ち』と書いたメモを金髪ツインテールのおでこに貼り付けポニーと共にその場から走り去るのだった。
〜〜〜〜
「sorryね・・・私ノ面倒ごとに巻き込んじゃっテ」
「君が気にすることはないよ。‟袖振り合うも他生の縁"ってやつさ」
その後、男の子に案内されてポニーは家まで戻ることができた。
道中、男の子との会話は弾みに弾んだ。カエルの個性を持つ幼馴染に、透明な幼馴染。凛々しく大きな体を持つ憧れの姉と、愛嬌たっぷりの可愛い妹。
話している間、ポニーは不思議でたまらなかった。何故彼は、女である自分とここまで楽しそうに会話ができるのか―何故彼はそこまで女と仲良くいられるのか。
「俺・・・生後三日目に誘拐されかけたんだけど、その時姉ちゃんと祖母ちゃんに助けられたんだ。だから、多分その時の二人の温もりを今でも覚えているから・・・かな」
少し照れたように頬を赤くしながら答える青年にポニーの心は密かに脈打った。この人の事をもっと知りたい。彼と仲良くなりたい。そしてあわよくば――
「あなたノ名前・・・なんていうんデスカ?」
「俺は界離・・・結城界離だよ。君の名前は?」
その穏やかな笑みに、ポニーの心は魅入られるのだった。
~~~~
「そっかぁ・・・後輩くんらしいね」
ポニーの話を聞き終えた甘露寺の感想は、狼愛と愛狸が抱いたのと同じだった。
「全くあの弟は・・・いくつになってもお節介焼きでバカなんだから」
「でもそんなお兄ちゃんがわたし好きだよ。お姉ちゃんもだよね」
愛理の言葉にうるさいと小声で答えながらそっぽを向く狼愛を、素直じゃない人だな~と微笑ましく思う甘露寺とポニー。そしてタイミングよく界離が戻ってくる――蛙吹梅雨と葉隠透を連れて。
「・・・・・・・・・・・・なんでアンタラがここに居るのよ」
「ジュース取りに行ったらたまたま見かけたから誘ったんだ。美味しいものは皆で食べればもっと美味しくなるからね」
「界離ちゃんの厚意に甘えさせてもらう事にしたわ」
「梅雨ちゃんに同じく」
全くこの弟は・・・と次々と女を引き寄せる界離に呆れつつも、自分も引き寄せられた女の一人だと認め小言は後にして今はスイーツを楽しむことにした狼愛であった。
◇◇◇◇
「近づくなって・・・言ったのに・・・蓮君に近づくなって」
とある廃墟の暗い部屋に明かりが灯っていた。
高原であるタブレット端末の画面には和気藹々とスイーツを堪能している界離たちの姿が映し出されており、画面を眺めていた少し老いている女は親指の爪を噛みながら呪詛を吐いていた。
「おうおうやってるな。これなら充分使えそうだ」
「本当にこいつで大丈夫なのお姉さま?別に反対はしないけど」
そしてそんな女を少し離れた場から眺める金髪で山羊のような巻き角が生えている女と、紫の髪でおでこから小さい角が二本生えている女がいた。
彼女らは一体何者なのか?界離たちの身に何が起ころうとしているのか・・・それはまだ誰も知らない。
感想・高評価待ってます