1つ.界離たちは雄英の入試本番を迎える。
2つ.休憩時間に、界離はお茶子と芦戸と耳郎と出会う。
3つ.実技試験で界離は、原作よりもOFAを使いこなした緑谷と共に0Pを撃破。
今回はかなり長くて時系列がとびとびになっちゃってます
「ひまだね・・・」
入試から二週間ほど経過した土曜日。正装に身を包んだ界離は雄英高校の来賓室で家族全員で待機させられていた。
「あんたたち、呼ばれた身とはいえ変なことすんじゃないよ。特にカイ・・・着慣れてない正装だからって襟広げてんじゃないよ」
「しょうがないじゃん姉ちゃん・・・首が圧迫されて息苦しいんだもん」
何故、俺たちが雄英高校に居るのか・・・それは一週間前まで遡る。
「推薦合格・・・やったじゃんヤオモモ」
試験から一週間ほど経ったある日の夜、ヤオモモからメールで合格したことを伝えられた俺たちは通話アプリでヤオモモの合格を祝っていた。
『ケロ、私の所にもさっき届いたわ・・・合格してたわ』
『私もデース!でも紙のLetterではなくVideo letterでしたのは驚かされマシター』
梅雨ちゃんとポニーの元にも届いたようであり、肩の荷を下ろせたおかげか画面越しでも感じられるほどポカポカした雰囲気が出ている。
「まだ結果が分からないのは俺と透だけか・・・』
『それなんだけどさ・・・今、私にも届いたんだ』
おずおずと懐から雄英の校章が刻まれた封蝋で封がされた封筒を取り出した透に皆の注目が集まる。
『これって・・・何かのスピーカー?』
震える手で封を切ったら手の平サイズの円盤型の端末と複数の書類が入っており、透が端末を手に取った瞬間、『私が投影された』の声と共にスーツ姿のオールマイト*1が投影される。
「(改めて見ると別人っぽいなぁ・・・)スッゲー、ホログラムか。皆もこんな感じだった?」
漫画やアニメでも見たあの光景を、4K超えの
「透も合格か~・・・結果が届いてないのh「お兄ちゃ~ん、雄英から手紙」来たか!!」
まだ届かない通知にもしかして不合格なのかと不安が募っていたが、ちょうど今届いたらしく部屋に入ってきた愛狸から封筒を受け取る。
緊張しながら封を切ると、一枚の書類しか入っておらずまさか不合格・・・と一瞬最悪の事態が脳裏をよぎるが、紙に記された内容で不合格という訳ではないと分かり安堵する。
『雄英に来てほしいなんて・・・一体何なのかしら?』
『分かりません・・・ですが結城さんの実力でしたら、不合格は考えられませんわ!』
雄英の意図について考える梅雨ちゃんと、励ましてくれるヤオモモ。結局この日はそのまま解散となり、姉と母に来週空けておいてほしいと連絡することになった。
~~~~
かれこれ一時間ほど時間が経ち、我慢の限界に達した界離がネクタイとボタンをはずして襟を広げた矢先ドアが開いて人が入って来る。
「私がぁ・・・来tぶべらぁ!?」
「オールマイトさん!?ちょっとカイ!早く襟正して!!」
アメコミ画風みたいな風貌で決め台詞と共に来賓室に入ってきたオールマイトだったが、界離の鎖骨が目に入り盛大に吐血してしまう。
事情を知らない*2姉たちはオールマイトの登場に驚きつつ慌てて界離の服装を正させる。
口だけでなく鼻からも血を流し始めたオールマイトの体から煙が漏れ出し、マッスルフォームを維持できなくなって来たオールマイトだったが慌ててやって来たエクトプラズムに連れられ来賓室から退出し代わりに彼らが入って来る。
界離の目は最初に入ってきたものに釘付けになる。右目の傷跡に、ツヤツヤの毛並み、ネズミにも犬にも見えるシルエット。
「根津校長先生!?」
「やぁ、みんな大好き小型哺乳類の校長さ!」
その声が、前世で見て聞いたモノと全く同じことに彼も男だと分かり思わず涙が流れる。
クロウラーもナックルダスターも、インゲニウムも全員女になっており、TSしてない原作キャラに会えたのは本当に久しぶりだった。
「ええと、動物アレルギーかな!?今防護服を着てくるから」
「いいえ、校長先生に会えたことが嬉しくてつい」
「そんなに僕と会いたかったのかい!?」
「はい!」
(僕のファンなんて久しぶりだなぁ)
(やっと原作男性キャラに会えた。しかも根津校長とは、やったぜ!)
微妙に噛み合ってない会話が少し続いたが、根津校長と共に来ていた雄英教師の咳払いでようやく本題に入る。
「では改めまして、結城界離です。個性は"結界”・・・色んな事が出来る結界を生み出せます」
とその前に、
「はは初めまして香山睡31歳です!不束者ですが今後とも末永くアベシッ」
「香山先輩自重してください・・・そんじゃ、アタシは山田ひなこ。ピッチピチの30sアイタッ」
「セメントス改め、石山
「エクトプラズム。担当ハ数学ト個性強化訓練。掃除洗濯炊事ガ出来ル年下ノ彼sアベシッ」
「ハウンドドッグもとい犬井猟子。生活指導担当・・・唐突ですまないが、私のご主人様になってブベラッ」
「パワーローダー、埋島
「ブラドキング、管
「13号もとい、黒瀬亜南。災害救助訓練担当です・・・ところであなた、デートで博物館を選ぶ女の人ってオブロッ」
「八木
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「あ~・・・同僚がすまない。相澤
「・・・よろしくお願いします」
一見すると不審者としか思えないほどくたびれた姿に警戒心を抱く姉たちに対し、原作知識で彼女が歴としたヒーローであることを知っていた界離はそこまで警戒せずに接する事が出来た。
え?何故ちょっと警戒してるのかって?このくたびれた姿が、ぶちのめした誘拐未遂ババアとダブるからだよ。
「えっと・・・取り敢えず皆さん頭をあげてください。さっきの事は別に不快に感じた訳ではないので。俺・・・ちょっと普通の男性とは
「ほら、当の本人が許してるんだ。さっさと立ちな!こんな茶番にこれ以上結城君の時間を使わせるんじゃないよ!」
リカバリーガールの援護のおかげで、相澤先生の背後で仲良く土下座していた教師陣―オールマイトはまた退出させられました―に頭をあげてもらう事が出来た。
「初対面でこんだけ醜態晒しても笑顔で相手してくれるってことはさ、これワンチャン脈ありじゃなヘブシッ」
ミッドナイト先生たちがまたリカバリーガールのハリセンと相澤先生の捕縛布の餌食になる。まだ話が全然進んでないのに、祖母と母と姉と妹の雄英高校への警戒心がかなり高まってしまっており少しばかり不安を覚えるのだった。
「初めに君にこれを見てもらいたいのさ」
根津校長から渡された封筒を開けると見覚えのある円盤型の端末が入っており、『私が投影された』の声と共にスーツ姿のオールマイトが投影され雄英に勤めることになったことと、筆記試験が平均91点で突破という事を伝えられる。
俺としては平均95はいってるつもりだったから、ちょっとショックだ。
『そして気になる実技試験だが、敵ポイントはなんと78P!素晴らしい!しかし、見ていたのは敵ポイントだけにあらず!実は審査制の
『来いよ結城少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!』
(よっしゃやったぜ!)
合格を伝えられ、首の皮がつながったことへの安堵と梅雨ちゃんたちと共に高校生活を送れることへの嬉しさで自然と顔が綻ぶ。
と同時に疑問も浮かんでくる。合格を伝えるだけならわざわざ呼び出す必要なんてないはずである。
「皆?」
一方、難しい顔をしている母たち。匂いを嗅いでみると、どうやら雄英合格を快く思っていないことが分かる。
「ねえカイ・・・今更だけどやっぱり士傑に行かない?あそこ私の先輩の家族が勤めてるから口利きできるし、私の配置先にも近いよ」
「ちょっと姉ちゃん!?今更それはないでしょ!!」
この姉は未だに俺の雄英進学に納得していなかったようであり、おまけに愛狸や母さんたちも姉と同じ考えなようである。
「姉ちゃんいくら何でもしつこすぎるよ!俺は士傑じゃなくて雄英に行きたいの!」
「でもあんた、昨日だって保須警察署元職員の襲撃受けたでしょ。これで九回目よ!士傑だったら雄英と違って全寮制だから安全確保の面じゃ一番確実よ」
やはり、姉たちはあいつらの件を警戒してたようだ。だがその件については俺だって考えがある。
「その件については俺にだって考えはあるさ。まだ話してなかったけど、雄英合格したら梅雨ちゃん、透、ポニー、ヤオモモとルームシェアする計画立ててたんだ」
「・・・今なんて言った?るーむしぇあ?」
姉から漂う怒りの匂いが強くなってくる。一方で、雄英教師陣は俺の言ったことが理解できなかったのか困惑の匂いが漂ってくる。
「カイ、いくら一人暮らしは難しいにしても・・・知らない子たちとルームシェアって言うのはお母さんさすがに」
「知らない子じゃないよ母さん。皆仲の良い友達だから・・・それに、いきなり慣れない土地で慣れない一人暮らしをするよりは気の置けない友達と一緒の方が色々と便利だなって思うんだ。ヒーロー科ってすごくハードスケジュールらしいから」
やんわりと反対する母に、梅雨ちゃんたちを説き伏せた理屈を出す。教師陣はこの考えに感心しているようであり、母と愛狸も納得せざるを得なかったのか黙り込んでしまう。
「カイ・・・あんた馬鹿じゃないの!?年頃の男子が女と同棲とか本気で出来ると思ってんの!?」
予想通り、
「姉ちゃんは心配し過ぎなんだよ!俺だってミルコさんのおかげで保須の残党くらいなら余裕で返り討ちにできるし、梅雨ちゃんたちだってヒーロー目指して鍛えてたから腕っぷしだって立つし精神力だって充分信用に値するさ!」
「んな訳あるか!女ってのはね、皆心に獣を隠し持ってんのよ!」
話は平行線をたどり、俺の胸の内にもさすがに苛立ちが募っていく。
「もうッ!さっきから梅雨ちゃんたちの事も雄英に入る人たちのことも悪くばっか言って、姉ちゃんの分からず屋!!そんな姉ちゃんとなんか・・・姉ちゃんとなんか・・・一生、口きいてあげないんだから」
声小っさ!?
雄英教師陣の心の声が一つになった瞬間だった。
「だだ、だから何よ・・・あんたに口聞いてもらえなくったてべべ別に私は」
「いやお姉さんめっちゃ血流れてるよ!?口から耳から鼻から目から色んなとこから流れ出てますよ!?」
そっぽを向いてるからよく分からなかったが、雄英教職員たちの言葉を信じるならもう一押しっぽい。
「これ以上意地悪・・・言うなら、姉ちゃん・・・なんか、姉ちゃんなんか・・・・・・・・大っ嫌いになるんだから」
「・・・そんなまさか・・・死んでるよこの子」
罪悪感から動悸が激しくなり、眩暈にも襲われるがそれでも根性で姉に追い打ちをかける。それを聞いた姉が短い悲鳴と共に糸が切れた人形のように崩れ落ち、駆け寄ったリカバリーガールが心肺停止してると告知し教師陣と母たちにも混乱が広がる。
「お姉ちゃん!?お姉ちゃんしっかりして!」
「愛狸・・・お前だって、姉ちゃんの味方ばっかり。そんな愛狸だって・・・・・・大っ嫌いだか・・・ら・・・な」
「カヒュッ!?」
「愛狸!?界離!?二人ともしっかりして!?」
最後の力を込めて放った一撃で愛狸もショックで心肺停止し、界離自身も心臓発作で倒れてしまう。
大混乱の来賓室で、雄英教職員一同は考える。何故――どうして、こんなことになってしまったのかと。
結局三人の蘇生に二時間ほど掛かり、ショックで幼児退行していた姉をなんとか説き伏せて雄英に入学することは死守できた界離*3は根津校長から話を聞くことになる。
少し長引いたが、まとめると――
1つ.俺は男性保護のための標準遠隔授業サポートプログラム*4対象者なので、最悪すべての授業をオンラインで受けることが可能。
2つ.授業内容については、普通科目と特化科目を合計74単位以上修めれば卒業可能。科目ごとと全体での最低ラインを守っていればヒーロー科・サポート科・経営科の好きな授業に参加可能であること。*5*6
3つ.根津校長個人としては界離くんには彼自身の意思でヒーローになってほしい
4つ.ヒーローや教師である以前に一人の大人として君の意思を尊重し、守っていく所存であること。
5つ.安全確保の一環として、結城界離の住処は雄英敷地内に一軒家式の寮と、ヒーロー免許を有した護衛を複数雇うことが決定したこと。
という事だった。
「お心遣い感謝します。ですが安心してください・・・ヒーローになりたいのは、俺自身の意思ですから。俺は雄英に行って、ヒーローになります!オールマイトを超える、最高のヒーローに」
「それが君の意思なら、僕たちは歓迎するのさ。ようこそ結城界離くん、雄英高校へ!」
「はい!よろしくお願いします!!」
◇◇◇◇
話し合いが終わり、帰路に就いた界離たちを見送った雄英教職員たち。安堵の溜息を吐く彼女らの姿は、久しぶりの休日を噛みしめるサラリーマンとも、強力な
何故彼らがここまで疲れているのか。それはひとえに――
「まあ実力も胆力も申し分ないわね・・・本人のやる気も十分。問題なのは――」
「「「あの子、ドスケベが過ぎるだろ(でしょ)」」」
結城界離が原因であった。
「何よ何よ!あんな人懐っこい子犬みたいな無邪気な笑顔は!?誘ってるんだよな!?襲うぞ!?」
「青少年の健全な成長に極めて有害よ!」
「これ爆弾なんて生ぬるいもんじゃない案件では?」
あまたの少女たちだけでなく、プロヒーローまでもを虜にした界離の優しさに彼女らもどっぷりと浸かってしまい、溜まったフラストレーションを吐き出すように思い思いの事を叫んでいた。
「てかそもそもデート演習ってなんだよ!?こちとら三十路で彼氏居たことないのに
デート演習とは一体何なのか――時を少し巻き戻してみよう。
話はちょうど、界離の寮の設備説明と護衛の選定が終わった直後。無事マッスルフォームに戻れたオールマイトが来賓室に戻ってきたタイミングで界離が教師陣にある提案をしたのだ。
俺の必殺技完成と、実戦で男性
界離の提案に姉は幼児退行から一気に回復し、眼鏡や被り物をしていた教師陣の所持品に罅が入る。
頭痛に頭を悩ませながらどういう意図か聞き出した相澤先生に界離が答えた理由はつ。
1つ.男性慣れした女性が少なく、そのせいで喋る時に挙動不審になってしまう者が多数。それが男性が女性に嫌悪を抱く理由の一つであること。
2つ.上記の傾向は年を重ねるほどひどくなること。若いうちに少しでも男性と交流があれば改善がみられること。
3つ.俺自身が目指しているヒーロー像的に出来るだけ相手を傷つけずに無力化したい。
4つ.そのための必殺技も編み出したが、長年稽古をつけてくれたミルコさんには一切効き目が無かったため改良のためにも同世代の子たちがどんなシチュエーションに萌えるのか生の反応が知りたい。
とのことだった。
「(思ってたよりも合理的な理由が出たな)・・・その必殺技はどんなものなんだ?実物を見ない事には何とも言えん」
「ではやってみせます。僕の必殺技PART.1:
界離の体から結界が生じ、来賓室を包み込む。眩い光に誰もが目を閉ざした。
「いっけな~い!遅刻遅刻!!」
春の陽気に包まれた晴れの日。一人の少女(?)が、食パンを咥えながら全速力で走りだす。
「私、オールマイト!ついこの前ここに越してきて、今日から新しい高校に通うピッチピチの高校二年生!ついでに彼氏はまだいないわ!」
誰に話してるのか分からない個人情報を垂れ流しつつ、遅刻しないために全速力で通学路を駆け抜けるオールマイト。だが曲がり角から誰かが飛び出してき、ぶつかってしまう。
「いった~い」
「ったくどこ見てんだよ!目ん玉前に付いてんのかよ」
ぶつかった相手は一言悪態をついてこちらを気にすることなくさっさと走り去ってしまう。
「何よ・・・そりゃこっちが悪いでしょうけど、少しくらい心配してくれても良いじゃない」
食パンに付いた砂を叩き落としながら再び走り出し、食パンを食べ終わる。
「Hey Everybody!今日はこのクラスに転入生がやって来るぜ!Hey come on」
「ご紹介いただきました、転入生のオールマイトです!皆さんと新しい日々を楽しみにしています」
「ほんじゃあオールマイトさんは、結城の隣の席な」
担任のプレゼント・マイク先生*7に促され、自己紹介を終えたオールマイトが朝っぱらから居眠りしている人物の隣の席に着く。ご丁寧にヘッドホンまで外界の音を遮断する徹底っぷりに感心していたら、件の生徒が目を覚ましたのか顔をあげて背を伸ばす。
「ああっ!あんた今朝の」
「あ?・・・テメーッ、今朝の」
「お?お前ら知り合いか。なら結城、そいつの面倒見てやってくれ」
「「ええっ!?」
よりにもよって転入初日からやな奴と一緒になるなんて最悪。
~~~~
初日こそ最悪だったけど、あれ以降友達も増えて充実した高校生活を謳歌していた私。でも彼氏はまだ出来る気配がないのが不満なの。
「ん?あれって」
ある日の放課後、救急車が結城君を搬送しているのを見かけた。彼が少し荒れた生活を送っているのは知っていたけど、病院送りにされるほどの相手と喧嘩をしたのかと驚かされる。
「あああれ、チンピラに絡まれた運動部員を庇って無抵抗で殴られ続けたからみたいよ」
翌日、友達のミッドナイトちゃんと13号ちゃん*8校舎屋上で昼食を取りながら昨日見たものを話してたら、噂好きのミッドナイトちゃんがそう言う。
「なんでわざわざ?」
「大会控えてるみたいだから、暴力沙汰は避けたいって運動部員の子の思いを尊重したんじゃないのかしら?彼って、不良じみてるけど自分より弱い相手に手を出してるのを見たって人はいないようよ」
「そうなの・・・」
やな奴だと思った相手の良い面を知れてもう少しあいつの事を知りたいって思った帰り、私はチンピラ*9に絡まれてしまった。
「へへ、今日は上玉だな」
「んんーッ!?(いや!誰か助けて)」
口をふさがれた私の悲鳴に答えてくれるものなどおらず、そのまま衣服をひん剥かれる――
「何してる!さっさと逃げるぞ!?」
「結城君!?」
チンピラたちを鉄パイプで叩き潰した結城君に手を引かれ、私たちは逃げ出す。途中チンピラの仲間に見つかってしまうトラブルに見舞われたけど、何とか逃げきる事が出来た。
「助けてくれてありがとう・・・」
「別に。胸糞悪い相手を潰しただけさ」
町中の喧騒から離れた公園で私は彼と向かい合う。ぶっきらぼうに、無愛想に振舞う彼だけど、僅かな所作からにじみ出る優しさは確かなものだった。
思い返せば、初めてあった日にぶつかった時も彼は咄嗟に手をつかんで転ぶのを防いでくれたし、なんだかんだと学校を案内してもくれた。
そんな彼を、私は――
「待たんかい!!」
姉の拳で結界に穴が開き、夜の公園が来賓室に戻る。
「ちょっと姉ちゃん、今いい所だったのに・・・」
「何がいい所よ!?今明らかにチューしそうなだったじゃない。何なのよこれは」
「結界を使った即興劇だよ。これで落とせる
あ、もうちょい短い奴もありますよと自信満々に答える界離に、教師陣は戦慄する。こんな命知らずな必殺技*10を躊躇うことなく使う気満々の界離と、これを四年前から喰らい続けながらも理性を保ち続けているミルコに。
「結城君・・・君が本気なのは分かった。だが、デートの相手が同世代ばかりというのはデータに偏りが出るんじゃないか?」
変なことを言い出すブラドキングに相澤先生がお前何をと言おうとしたが、片手で制される。
「君の考えは非常に合理的だ。だが君の年齢じゃあ、対峙する
いや無理あるだろ。
教師陣の誰もがそう思った。こんな提案受ける馬鹿なんているわけ――
「それもそうですね!おったまげました」
ここに居た。ついでに妹の愛狸が教師陣たちに見なよ、あたしの兄を。と後方彼女面で自慢していました。
~~~~
結局、彼のデート演習に雄英のプロヒーロー免許を有した女性教師陣―イレイザーヘッド*11、リカバリーガール*12除く―も参加することが決まって界離の入学手続きは完全に終了した。
え?何で生徒たちを羨ましがってたかって?
世間の非難を避けるため教師陣とのデート演習時は結界で女体化することが決まったからと、高校時代に男子とデートという自分たちが遅れなかった薔薇色の青春を送れることへの嫉妬である。
「諸君・・・彼と接してみて分かったかもしれないけど、この一年は我々にとっても試練の年になるだろう。各々、彼と接するときは冷静さを忘れないように――それと相澤君。君は今年一年に限って教師としての裁量を制限されてるのを忘れないように。彼の願書をきちんと確認せずに破り捨てたペナルティだよ」
「分かっております」
「・・・それ、どういうことですか」
不穏な話を始める根津校長と相澤先生。そしてそれを聞いてしまった愛狸。
界離の雄英生活は一体どうなってしまうのか。
他の子たちの成績は次回あたりで出せたらいいなと思ってます
感想・高評価待ってます。