1つ.ヤオモモの天然発言に巻き込まれた芦戸、界離でしかヌけなくなる
2つ.USJに敵連合が襲いかかる
3つ.お色気と必殺技を駆使して中央広場に戻った界離が見たのは、脳無によってボロボロにされた相澤先生たちだった
今話でリメイク前のエピソードを全て終えました。
午後にもう1話投稿します
界離たちが水難ゾーンから脱出した緑谷たちと合流した同時刻、広場では思わず息を呑む光景が広がっていた。
かなりの人数の
対オールマイト用員の怪人"脳無"により、相澤とエクトプラズムは頭部を鷲掴みされ地面に叩きつけられていた。
「複数の分身に個性を消せる個性、ブラックホールにコンクリートを操る・・・どれも素敵だけど、なんてことはないね。圧倒的な力の前では、どんな個性もただの無個性だもの」
死柄木の命を受けた脳無は、小枝を折るかの様に相澤の左腕とエクトプラズムの右腕を粉砕する。
これ以上はさせまいと両腕を捻じ曲げられていたセメントスがコンクリートを操り手枷を作るが、それも脳無が少し力を入れるだけであっさりと粉砕される。
「飯田ァ!走れって!!」
砂藤
「くそ!!」
飯田は己を恥じていた、何が『皆を置いていくなど委員長の風上にも』だ! ちっぽけな責任感を満たす為に、一人で助けを呼びに行く事を躊躇った結果、
(もう、これ以上の失敗は許されない!)
「待つべきはあくまでもオールマイト。他の教師を呼ばれては、こちらも大変ですので」
ワープゲートを駆使し13号を倒した黒霧が飯田の目前に広がる。
これに飲み込まれてはいけないとすぐに回避しようとするが、黒霧は左右に広がり逃げ道を塞いでしまう。
「うおっ!!」
「ここは任せて、早く!」
「すまない、結城君!」
その時界離が投げた刀が実体部に命中し、黒霧を吹き飛ばす。その一瞬をついて飯田は一直線にゲートへ走る。
「ちょこざいな・・・外には出させn!?」
しつこく飯田を狙う黒霧だったが、霧の中に隠した実体部を正確に攻撃され続けたせいで取り逃してしまう。
「応援を呼ばれる・・・ゲームオーバーだ」
「黒霧・・・お前・・・お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ!流石に何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。あーあ、今回はゲームオーバーだ。帰ろっか」
首元をガリガリと爪を立てて掻きむしりながら出た死柄木の言葉に緑谷たちと合流し、13号とセメントスを抱えて逃げる準備をしていた麗日たちは安堵する。
だが緑谷の内心は疑問で一杯だった。
(オールマイトを殺したいんじゃないのか!? ここで帰ったら雄英の危機感が上がるだけだぞ!! ゲームオーバー? 何だ、何考えているんだ、こいつら!!)
「けどもその前に・・・平和の象徴としての矜持を少しでもーーへし折って帰ろう」
死柄木はそう言うと一瞬で距離を詰め、脳無から相澤とエクトプラズムを奪還した界離に手を伸ばす。
「SMAAASH!!」
反射的にOFAを右腕に発動させた緑谷が死柄木に殴りかかる。振るった拳に手応えを感じながら、個性を発動した右腕が壊れていない事に安堵する。
(だいぶ慌ててたけど調整に失敗してない!これならアイツも)
拳が直撃した死柄木を見ると、そこに立っていたのは死柄木ではなく、脳無であった。
(いつの間に!?というか効いてない!?)
「動きが違うな・・・お前。しかも"SMASH"ってオールマイトのフォロワーかな?まあ、良い。脳無」
命令を受けた脳無が緑谷の胴体を掴むーー瞬間、その巨体に電撃が流れ動きが止まる。
その隙を逃さず脳無から離れ、死柄木に関節技を決めている界離に合流しようとしたが、当の本人に相澤先生たちを連れて一旦離れろと言われる。
一人じゃ無茶だと緑谷は言うが、震えてる奴が強がり言うな、それに勝算なら有る。と返され後ろ髪を引かれる思いを抱えながら梅雨ちゃんたちと共に教員たちを連れていく。
「さっきの男か・・・お前のおかげで散々な目に遭ったからな。残ってくれて助かったよ・・・お前だけは殺したかったからな」
「やれるもんならやってみな・・・俺だって、伊達や酔狂でこいつに勝とうなんて思ってないから」
「あっそ・・・やれ、脳無」
一瞬だった。
死柄木のその一言の後、相澤たちを奪ってもろくに動かなかった脳無が一瞬で距離を詰めその剛腕を振り下ろしてきた。
◇◇◇◇
「結城君・・・」
避難中の緑谷たちが広場で激闘を繰り広げる界離の様子を心配そうに見つめていた。
左の
「残念!脳無には"ショック吸収"の個性があるから、打撃は一切通用しない」
「ならこれでどうだ!」
次の瞬間には風の呼吸で剛腕を切り払う。だが切り落としたはずの腕もすぐに再生し、何事もなかったように再び剛腕を振るってくる。
「ハハハハ、お前凄いな!でも無意味だ!こいつは対オールマイト用の
まるで玩具を自慢するかのように嘲笑う死柄木。一方の界離も不適な笑みを浮かべ木刀をしまう。
迫り来る脳無にグローブから滴る石鹸水を使ったシャボンカッターと、水分補給用の食塩水を使った波紋カッターを両脚と剛腕に這わせ肉を抉り取る。
ショック吸収じゃ無効化できなかったのか、動きが鈍るがすぐに復活し剛腕を振るってくる脳無。
「結城の奴・・・ホントに勝てるのか?」
「結城君が負けるって言うの!?」
ぶつぶつ考察していた緑谷だったが、峰田の呟きに意識が現実に引き戻され猛反論する。
「で、でもよ!あの化け物、斬っても殴ってもすぐに再生するんだぜ!キリがねぇよ!」
「だけど・・・」
思わず怒鳴る感じになった緑谷だが、峰田の言うことも一理あると冷静な部分が訴えてくる。
生半可な攻撃は無力化し、大ダメージを与えても無慈悲に再生する脳無に対して界離は傷を治す個性を有していない。結界を使えば話は変わるが、今は諸事情で使うことが出来ずにいる。故に、脳無のデタラメなパワー相手では掠めただけでも命取りになりかねない。
このまま状況が拮抗すれば界離の方が先に限界を迎えるのは火を見るより明らかだ。
「界離ちゃんなら大丈夫よ・・・二人とも」
「梅雨ちゃん・・・」
「界離ちゃんはね・・・今まで私に嘘ついた事がないの。だから、きっと大丈夫」
そう言いつつも、微かに震えている梅雨ちゃんに彼女も不安で仕方ないのだと気づいた二人は言い争うのを止め、界離から託された物を相澤たちに使う。
◇◇◇◇
「ハハハッ! 残念だったな! お前のチンケな攻撃じゃ脳無の超再生は破れない!」
「そうだね・・・確かに今の俺じゃこいつは倒せそうにないね」
死柄木の言葉に反論せず、むしろ肯定する界離。だがその目に諦めは無く、むしろ自信に満ちていた。
「でも別に君たちを倒すのに俺が頑張る必要って、あんまり無いんだよね」
「あぁ?一体どういu」
界離のコスチュームの右腕に装備されたブレスレットから発射された何かが死柄木の口にすっぽりと嵌る。
突然口を塞がれたことに驚いた死柄木が狼狽えるが、脳無がきちんと界離を襲い続けてることに安堵し相変わらず勝ち誇る。
「勝ち誇りたいんだろうけど、それはお終いにしてさっさと逃げ帰る準備しといた方が良いよ。なんたって・・・君の声はしっかりとコピーさせてもらったからな』
「モゴッ!?」
「何だと!?」
『止まれ脳無。お前が倒す相手は手をくっつけた男と霧の女だ。殺すなよ!』
戦闘機のパイロットが使ってそうな酸素マスクを付けた界離の声が死柄木の声に変わり、界離の声に反応した脳無が死柄木と黒霧に目標を切り替える。
脳無が敵に回るという想定外の事態に、さっきまでの余裕が無くなり必死こいて抵抗する死柄木と黒霧。
「死柄木弔!?クソ、こうなったrッ!?13号!?倒したはずでは・・・」
「やってくれたようだね!緑谷たち」
ワープゲートで脳無をどこかに転送しようとした矢先、復活した13号のブラックホールで霧を吸い尽くされつつ動きを封じられた所を脳無に実体部を掴まれ、そのまま地面に叩きつけられる。
「モガもご・・・もご!?」
『ナイスタイミングです!相澤先生」
個性で口を塞ぐ物体を破壊しようにも、13号と共に戻ってきた相澤の抹消で阻止され悔しさで地団駄を踏む死柄木。
次の瞬間には暴風ゾーンから戻って来たブラドキングに殴り飛ばされ、地面に叩きつけられた所を凝固された血と共にブラドキングによって拘束される。
『何でプロたちが!?・・・って思ったでしょ?俺の個性ってさ・・・"包まれてる間その身に起こった事は解くと全部無かった事になる"って特徴が有るんだ。だからあの黒霧が僕らを包んだ時、あらかじめ彼女らに結界を纏わせといたって訳さ・・・だからどんなに脳無で痛めつけても解いちまえば、一瞬でライフ回復って訳」
次々と合流してくるクラスメイトたちに安堵する緑谷たちを視界の端に捉え、界離自身も安堵しつつ死柄木の口に嵌めた物体を外し種明かしする。
死柄木の顔は人の手の装飾のおかげでよく見えないが、さっきまでの嘲笑や余裕は消え憎悪に満ちているのはなんとなく分かる。その証拠に彼の体は震え、装飾の隙間から覗く瞳は狂気に満ちていた。
「・・・・・・ざけん・・・な・・・ふざけんな!まだ
『止まれ脳無。そして、自爆しろ』
拘束から逃れようと我武者羅に暴れながら脳無に命令を下すが、即死柄木の声をコピーした界離に止められ、挙句に下された命令に従い自分に向かって拳を振るう。
少し離れていても吹き飛ばされそうになる程の風圧に顔を顰めながら、攻撃しても即再生する体に容赦なく攻撃していく脳無を見守る。最初こそ大したダメージになってなさそうだったが、三百発を超えたあたりで足がぐらつき、五百発目で遂に腕の動きが止まり完全に沈黙し仰向けに倒れた。
「スッゲェー・・・結城の奴ホントに勝ちやがった」
峰田の驚嘆の声を挙げると同時に、他の生徒たちも我が事のように歓声を上げる。
「う、嘘だろ!?あの脳無が・・・先生の最高傑作が、あんな餓鬼になんで負けんだよ!?クソぉ・・・巫山戯んな!離せ!離せよ!!」
脳無の負けと言う現実がよっぽど受け入れられないのか、子供のように喚き散らす死柄木。
界離は態度にこそ表してないが、最初の攻撃を防いだ時の反動がまだ左腕に残っておりかなりギリギリの勝利だったと肝を冷やしていた。
だが、見ての通り脳無は完全に沈黙。死柄木はブラドキングに囚われ、黒霧もセメントスの作ったコンクリートの枷を囚われている。
原作通りならそろそろ飯田がこちらに向かっているオールマイトと遭遇した頃合いだから、二人仲良く豚箱送りにーー
「オールマイトならともかく、まさか生徒に脳無が倒されるとは・・・夢にも思いませんでしたよ」
と考えていたら、喚き散らす死柄木と対照的に静かにしていた黒霧が突然喋りだす。
「しかも教師、生徒共に全員無事・・・此方の完全敗北と認めざるを得ない。故に手段は選んでられない」
「させるものか!」
「下手をすればこっちが危ないですが・・・背に腹は代えられない!」
セメントスの拘束を強引に抜け出した黒霧が澄んだ水色の液体が入った注射器を取り出し、ブラドキングとセメントスが取り上げるよりも先に脳無へ投げた。
自らではなく、再起不能になった脳無に使うという発想が無かった二人は止める事ができず、注射器は脳無に刺さり中の液体は体内に投与された。
ドクンッ!!
目を閉じていた脳無の目が開き、体を脈動させながら見えない糸に引っ張られるように起き上がると叫びだす。
『グオォオオオオッ!ギャギッ!!ガァアアアアッ!!』
それを聞いた瞬間、全身に鳥肌が立つ。
地獄から這い出た亡者の絶叫とも、獲物を捕らえた猛獣の咆哮とも、肉食動物に息の根を止められる瞬間の断末魔の叫びにも感じられる叫びと共に脳無の体が青い光に包まれる。
それと同時に誘蛾灯に集まる虫のようにトカゲやヤモリが脳無の体に群がり始め、脳無の体がムチムチと音を立てて青い肉塊へと変わっていく。
その光景を俺は
ソイツの名前はーー
「ビースト・ザ・ワン・・・」
界離が呟くと同時に、青白い光と共に繭のような肉体を吹き飛ばして爬虫類じみた十メートル程の巨体に変身した姿はまさに、記憶の中にあるザ・ワン第二形態"レプティリア"そのものだった。
「ハハハハ!すげぇ!すげぇ!こんなの有るなら最初から使えよー!」
蘇った脳無に気をよくした死柄木が命令しようとした矢先、脳無は死柄木にその大きな尻尾を振るう。
想定外の事態に死柄木は呆気に取られ、そのまま潰されるかと思われたが、間一髪黒霧に助けられる。
「まだ試作段階なのであくまでも保険として所持していたので・・・やっぱりコントロールできないようです。このままでは我々も危ないのでもっと離れましょう」
「おい待て!?」
脳無を警戒しつつ、捕縛布で捕えようとした相澤だったが脳無に叫ばれ意識がそれた瞬間に逃げられてしまう。
界離も木刀を手に取り、自分から目を離さない脳無を警戒し続ける。
ーーヤハリ・・・ココニイタカ
「え?」
ーーオマエ・・・オレタチ、ウラギッタ。ダカラ・・・コロス!!
テレパシーに困惑する界離に、脳無は大きな腕を振るい襲いかかる。相澤をはじめ、教員だけでなく遠距離攻撃が可能な生徒とドラゴン態になったハスキーも脳無に攻撃するが、それら全て意に介することなく界離を狙い続ける。
(あのテレパシー・・・まさか脳無から?でも何で)
『グオォオオオオッ!!』
咆哮をあげながら右手で地面を抉りつつ迫ってくる脳無
混ぜこまれた砂が脳無Rの身体の表面を削り負傷させるが、怯むこと血走った眼で追いかけてくる化け物に冷や汗が流れる。
「危なッ!?」
迫る手から逃れ、風の呼吸の技を放とうとした矢先迫ってきた尻尾をスライディングで辛うじて避ける。
「結城!皆と逃げきれるか?」
「駄目です。あいつ俺のこと殺すって言ってましたから、逃げたら他の皆も巻き込んでしまいます」
「何だと!?」
相澤先生の様子から、さっきのテレパシーは自分だけに向けられたものだと確信した界離はシュトラール*3にアイコンタクトし、脳無Rに向けて木刀を投擲する。
飛んでくる武器を捌こうと左腕で殴りつけた瞬間、木刀に纏わせられてた結界に目を貫かれ、動きが鈍った瞬間を狙って潜り込んできたシュトラールの背負い投げで背中から地面に叩きつけられる脳無R。
間髪入れずに柔道の関節技の要領で尻尾ごと拘束するシュトラールだが、脳無Rはシュトラールごと無理矢理立ち上がり尻尾を千切ってまで拘束を振り解く。
『(この人形・・・かなりやる)皆様方、大技で仕留めますので足止めを』
お願いしますと言い終わる前に言葉が中断される。シュトラールを振り解いた脳無Rが自身の左腕を喰い千切ったからだ。
グチャグチャと音を立てながら自身の腕を咀嚼する異様な行動にある者は震え、またある者は次の行動を考え身構える。
「嘘だろ・・・勘弁してくれよー!!」
峰田の悲鳴が周辺に響き渡る。
気持ちは分かるが、少し静かにして欲しいと思った俺は決して悪くないだろう。何故なら、咀嚼して十の肉塊に変えた左腕が二メートルサイズの小型脳無に、千切れた尻尾は本体と同じサイズの脳無に変化して襲ってきたのだから。
「相澤先生!抹消は?」
「やっているが、全く効いていない!信じ難いが、これは個性によるものじゃない」
予想できてはいたがいざ突き付けられるとくるものがあるなと冷や汗をかきながら木刀をかまえるが、小型脳無も尻尾が変化した脳無も界離を無視し他の皆を襲う。
「こりゃ、マジでオールマイトが来る前に片付けないといけないようだね」
"来い"と言うようにグルルルと唸り声をあげる脳無Rに、こんなことなら遺書書いとくんだったと軽く現実逃避しながら挑む界離だった。
◇◇◇◇
「界離ちゃん・・・」
爬虫類じみた外観の巨獣に変貌した脳無Rと戦う界離を少し離れた広場で梅雨ちゃんたちが、小型脳無と交戦しながら心配そうに見ていた。
脳無Rの周りを駆けながらシャボンカッターや風の呼吸で攻撃する界離だが、有効打にはなっておらず腕や尻尾を切り落としてもすぐ再生されてしまいジリ貧なのはどう見ても明らかだった。
「どうすればいい・・・どうすれば助けられる?あの再生する化け物を倒すのに有効な手は・・・」
「無茶だよ緑谷!結城だって自爆狙いで戦ってたのに、それが通じねえんじゃいくら首席でも勝ち目ねえって!!」
「でも!」
変身した脳無を倒す手段を考える緑谷に無理だと叫ぶ峰田。そうこうしてるうちに、更に状況が悪化する事態が発生する。
セメントスとエクトプラズムが噛まれてしまったのだ。だが幸いなことに、傷は浅かったのか即振り解き反撃したおかげで生徒たちの間に動揺はそこまで広がらなかったーーこの時点では。
そこまで傷が深くない二人に安堵した矢先、一体の小型脳無が口から煙を出したと思ったらそれが多数の小型脳無と化したのだ。
「まさか・・・個性をコピーした!?」
その観察眼で導き出した答えを肯定するかのように他の小型脳無たちが床のコンクリートを操り、生徒たちの逃げ道を塞いでいく。
「皆ッ!?」
小型脳無たちに気を取られた一瞬を突かれ、脳無Rの尻尾の薙ぎ払いで吹き飛ばされる。
漆ノ型
口から火を噴きだしながら、木刀に炎を纏わせた高速の二連撃をすれ違いざまに脳無Rに浴びせる。直撃を受けた脳無の両腕が肩ごとごっそり抉られ、再生が始まらない様子にクラスメイト達だけでなく教師たちも希望が見えてきたと内心安堵し始める。この後絶望させられるとも知らずに。
「オエッ!!」
希望に満ちた歓声の代わりに、緑谷たちの恐怖と絶望に満ちた悲鳴がUSJに響き渡る。脳無の両腕を切り飛ばした界離だったが代わりに鋭利な爪の斬撃を胸に喰らってしまっており、脳無Rの腕が再生しないのを緑谷たちが認識したと同時に血反吐を吐いて膝をついてしまう。
(やられた!肺を切られた・・・落ち着け、慌てるな。息を整えるんだ・・・波紋を使えば、傷ついた肺の再生だって)
痛みを堪えながら呼吸を整えようともがく界離を、脳無Rはその巨大な足で踏みつける。ヘルメットがひび割れ、吐血しながらも立ちあがろうとする界離を脳無Rは容赦なく、確実に息の根を止めるために何度も何度も踏み付ける。
助け出そうとシュトラールや相澤たちも必死になるが、分裂した脳無たちも行かせないと言わんばかりに彼らの邪魔をする。
「結城君ッ!!」
あまりに惨い光景に思わず息を呑み、目を背ける者も居る中、緑谷が助け出そうと飛び出したが小型脳無が操るコンクリートの壁が鳩尾に直撃し叩き落とされる。
「みど・・・りや・・・・・・」
血を流しながら緑谷の元に這う界離を、脳無Rは更に容赦なく踏み続ける。なんとか堪えていた界離だったが、限界を迎えたのか十四回目の踏み付けで動かなくなる。
ーーヨウヤク・・・コノトキガキタ。コレデ・・・オワリダ
ーーここまで・・・なのかな?これで、終わりなのか
薄れゆく意識の中、界離の頭の中を脳無Rのテレパシーが反芻し、視界が暗くなっていく。
繋がらなくなったスレからする初めて聞く声のおかげで意識を繋ぎ止めた界離の視界が、爆発の光で照らされた。
ザ・ワンの件での界離の独白は作者の実体験です
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