1つ.結城、緑谷、爆豪の尽力により脳無R撃退。
2つ.界離と爆豪はオールマイトの秘密を知ってしまう
3つ.界離も爆豪をかっちゃん呼びしたがるが、断られるのだった
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第23話:祭典への挑戦状
「クソッ!クソッ!クソッ!」
界離たちが病院で安静にしていた同時刻。アジトに撤退した死柄木弔は悪態をつきながら椅子を蹴飛ばしたり、グラスを壁に叩きつけたりして暴れていた。
「脳無がやられた!手下も倒された!オールマイトに会えなかった!何もかも失敗だ!!」
「死柄木弔、落ち着いて下さい」
「落ち着いていられるか!!お前こそ何やってた!ガキの良いようにされやがって!!使えねぇッ!!」
『どうしたんだい弔?そんなに怒って、計画は失敗したのかい?』
隅に置かれたディスプレイから低い男の声がし、死柄木弔はディスプレイを睨む。
「そうだよ、失敗だ!オールマイトに会う事すら出来ずに撤退した!!」
『それは予想外だね。生徒がピンチだったのに彼は現れなかったのかい?』
「USJに居たプロヒーローは四名でしたが、そこにオールマイトは居ませんでした。全員一度は戦闘不能にしたのですが・・・噂の男子生徒の仕業で傷を完治させられ、結局二名に軽傷を負わせただけです」
『それなのに脳無がやられたと言うのか!?雄英のプロヒーローが勝つなどあり得んぞ!?ワシと先生の合作を倒せるのはオールマイトだけじゃ!!』
ディスプレイからはもう一人、男の老人の声も流れ、脳無が倒された事に驚愕していた。
「男子生徒の作戦で自爆させられ、逃れる為に切り札を投入しました。一度は男子生徒を追い詰めましたが、助太刀に入った雄英生の妨害もあり倒されました」
『なんじゃと!?子どもが倒したと言うのか!?』
『それで、回収は出来たのかい?』
「回収しようにも座標が判らないといくらワープゲートを開いても不可能です」
死柄木弔の代わりに黒霧がディスプレイ越しの二人に説明を始める。
『あり得ん!
『黒霧、その男子生徒の事を詳細に教えてくれるかい?個性はどんなだった?』
「個性はおそらく回復させる個性と増強系個性の複合型です。最初は脳無とほぼ互角の戦闘をしていましたが、途中でコスチュームを変えてからは見たことのない技を使用し形勢が逆転。他雄英生の援護を受け、撃破しました。戦闘中黄金色に輝いていましたが、おそらくその時に傷を治していたのでしょう・・・」
『脳無が互角に渡り合われたと言うのか!?生徒一人に!?』
「そうだよ!何が"オールマイトが最大戦力"だッ!!その対オールマイト用がガキ相手に俺たちの目の前でやられた!!あんな奴がいるなんて聞いてないぞ先生!!」
癇癪した子供そのものな死柄木弔の叫び声を聞いて、少し考えていたのか間が空く。
『ふむ・・・それはすまなかったね弔。そんな生徒が居るなんて、僕も計算違いだった』
『これは僕の責任だ。謝罪するよ・・・だが無駄ではなかった。寧ろこれは大きな収穫だ。戦力を削られたが情報も得られた』
『精鋭を集めるんだ。今の僕たちは自由に動く事が出来ない。だからこそ君みたいな
男は死柄木に激励の言葉を送る。
「分かってるよ、先生。悪いけどもう休む。頭が痛くて何もする気になれない」
『そうだったのかい。なら少し休息を摂ろう。黒霧、弔を部屋で休ませてくれ。引き続き彼のサポート頼むよ』
「はい」
黒霧は死柄木弔を担いで奥の部屋へ移動する。
『しかし、脳無を倒せる子どもが居たとは・・・これは計算違いにも程があるぞ。先生』
『ああ。しかし、その生徒に興味があるねえ、博士・・・僕は出来る事なら、その個性を貰いたいくらいだよ』
ーー
そう言って口角を上げる男に、なんとも先生らしいと老人も釣られてニヤりと嗤う。
悪意の歯車は、人知れず廻り始めた。
◇◇◇◇
【さっさと】暇だなぁ【退院したい】
1:貞操逆転ヒロアカ転生者
うわ・・・USJ襲撃の件もうニュースになってる。てか、俺が重傷な事もニュースになってるし
ースマホに写る雄英高校に
2:男女比1:5世界の新社会人
これも青山く・・・じゃなくて青山さんの情報を得たAFOの仕業なんだろうね
3:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
押し寄せる報道陣と校内の安全確認のため臨時休校、生徒は自宅待機・・・原作通りだな
4:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
まあ、お前と緑谷と爆豪は入院待ったなしだから休校はありがたいかもな・・・それに、来週月曜の休校明けには登校できるんだから大人しくしとくのがベストだな
5:男女比1:30世界のアイドルリーダー
にしても、ワシらが留守にしてる間にそんな大事件が起きとったとはなぁ・・・
6:転生波紋使い
ビースト・ザ・ワンみたいな姿に変異させた敵の
7:雷門中のエアコンヒーロー
だが、お前のあのガッツと仲間たちがいれば乗り越えられるはずだ!
8:転生ユザレ
ええ。少し覗かせてもらったけど、良いヒーローになれるわ。あなたなら
9:異世界森の民
界離君が脳無に踏み潰されてた時に急に現れてたけど、あなたたちは一体どちら様?
10:転生元トップレス
紹介が遅れてたな。二人は、かつて私たちと一緒にロランの戦いを見届けていた者だ
11:国家元首なMS乗り
雷門中のエアコンヒーローは、ヒロアカの轟焦凍の容姿を持ってイナズマイレブンの世界に円堂守の幼馴染として転生した人。初期から"ファイアトルネード"と"エターナルブリザード"を使えて、ポジションはMFだ
12:迅雷風柱
転生ユザレは、ウルトラマンティガの方のユザレに転生した後イルマ・メグミに再度転生した女傑だァ・・・ついでに記憶を取り戻したのはごく最近だそうだ
13:キューピット岩柱
二人とももう大丈夫なのか?
ロラン最期の時、君たちの世界も大変な時期だったのが重なってかなり打ちひしがれていたが・・・
14:転生ユザレ
そうね・・・あの時はガタノゾーアも出ていてとても余裕が残ってなかったわ
15:雷門中のエアコンヒーロー
俺も、エイリア学園"ザ・ジェネシス"との戦いで心が折れかかってた時期だったからな
16:異世界Dキッズ
お二方かなりハードな時期じゃないっすか・・・そこにロランさんの最期はかなりキツかったでしょうね
17:転生ユザレ
でも私たちだっていつまでもウジウジしてる訳ではないわ・・・後輩たちが前を向いて動いてるって言うのに止まったままじゃあの子にも顔向けできないわ
18:雷門中のエアコンヒーロー
ああ!円堂だって立ち上がったんだ。幼馴染の俺だって、立ち上がってみせるさ
19:貞操逆転ヒロアカ転生者
よろしくお願いします、御二方!
あ、かっちゃん何読んでんの?
『かっちゃん言うな!』
いつか絶対かっちゃん呼びを認めさせてみせるさ
20:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
かっちゃん呼びより先にハニーって呼ぶ事になるかもしれないがなwww
21:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
界離をダーリン呼びする爆豪・・・絶対面白い事になりそうだww
22:異世界Dキッズ
キャラ崩壊どころじゃないっしょそれww
23:貞操逆転ヒロアカ転生者
かっちゃんに知られたら間違いなく爆破されてるでしょうn
『テメー今かっちゃん呼びしただろ頭の中で』
超能力に目覚めちゃってる?
24:雷門中のエアコンヒーロー
早速面白い事になってるな・・・
25:転生ユザレ
見せてもらいましょう・・・あなたの旅路を
◇◇◇◇
この日はA組で過ごす日だったため緑谷、爆豪と共に病院からリムジンで雄英に送られた界離ーマスコミ対策であるーは一度寮とB組に顔を見せた後A組教室へ向かっていた。
「にしてもすんごい数のマスコミだったよなぁ・・・情報が欲しいのは分かるけど、被害者を慮って数を減らすとか、時間を決めるとかの分別はつけて欲しいよ」
「無理に決まってんだろ・・・加害者と被害者両方に男が関わっちまってんだからな」
「かっちゃん!?そんな言い方・・・」
イライラしている爆豪を
「っ!界離ちゃん!」
「「「結城君(さん)(サン)!!」」」
飛びついて来た梅雨ちゃんと透たちを皮切りに、クラスの皆んなが突撃してくる。
「結城君、緑谷君、爆豪君、体はもう大丈夫なのかい!?」
「めっちゃ心配したんやからね!特に結城君!」
「おい、ホントに大丈夫なのか!?」
「痛いとか辛いとかはない!?」
普段は落ち着かせる立場の飯田まで、皆んなと一緒に心配をしてくれている。それが界離には嬉しかった。
「心配させてごめん。俺はもう大丈夫だ!このとおrッ!?」
「結城君!?まだ激しく体を動かしちゃダメってリカバリーガールが言ってたじゃん!」
左腕を振り回して元気なのをアピールしようとしたが、痛みが走り悶える界離に緑谷がツッコミ、「馬鹿かお前」と爆豪に呆れられる。
そうこうしていると、扉を開けて相澤先生がやってきた。
「うるさいぞお前ら、もうホームルームの時間・・・ああ、爆豪と緑谷と結城か。怪我はもう良いのか?」
「激しい運動はまだできませんが、それ以外なら」
界離たちの身を心配し、緑谷から体の状態を聞いた相澤先生は「まだ戦いは終わっていない」と言い、着席を促す。
戦いは終わっていないと言う言葉に、クラスの皆に緊張が走る。峰田に至っては、また
だが界離は知っている。この後相澤先生がなんと言うのかを。
「雄英体育祭が迫っている!」
「「「クソ学校っぽいのキターーー!!」」」
学校イベントだった事に教室中から歓声が鳴り響く。
かつてスポーツの祭典と呼ばれ、全世界が熱狂した
そして日本において今『かつての
「知ってると思うが、うちの体育祭は日本の特大イベントの一つ。全国に生中継されるし出場するお前たちに当然注目が浴びる。しかし、体育祭にはもう一つの意味がある。プロヒーローからのスカウトだ」
「お前たちの活躍がプロヒーローたちの目に留まればプロデビューの近道にもなる。逆に言えば、半端な結果はスカウトの機会がなくなる事にも繋がる・・・年に一度、最大で3回きりのチャンス。時間は有限・・・焦れよ、お前等」
不敵な笑みを浮かべながら挑発するように言う相澤先生に、尾白と耳郎が手を挙げて例年通りに開催して大丈夫なのかと疑問を投げかける。
峰田に至っては、あんな事があったからこそ逆に延期にするべきじゃないのかと震えながら言う。
「例年通り行う事で雄英の危機管理が盤石である事をアピールする為でもある。今年はその点を警戒して例年の5倍で警備体制を敷く事になっている。OB・OG以外のプロヒーローにも警備依頼を要請した。学校側は勿論、OBにはNo.2ヒーローのエンデヴァーにも要請している」
「エンデヴァー!?」
「学校側にはオールマイトが居るし、日本のトップヒーロー2人が警備に参加するとか鬼に金棒だろ!!」
ビッグネームが挙げられた事に皆が歓喜していた中、轟の表情が
「HRは以上だ。それと結城、悪いが昼飯食べたら職員室に来てくれ」
「はい」
◇◇◇◇
45:貞操逆転ヒロアカ転生者
後はまあ皆さんも知ってる通り、お茶子ちゃんが麗日って感じじゃないくらい気合い入ってて昼休みにオールマイトから緑谷に試練が与えられたくらいですね。
あ、でも緑谷が原作と違ってやる気満々で爆豪も勝つのは俺だって挑戦状突き付けてましたね
46:雷門中のエアコンヒーロー
何言ってんだお前・・・もっと重要な事をやらかしてただろ
47:貞操逆転ヒロアカ転生者
なんかあったっけ?
48:転生ユザレ
お茶子ちゃんをこれ以上ないくらい魅了してたじゃない!
"君のような優しい、自分じゃない誰かの為に必死になれる人こそ一番のヒーローだよ"とか、"君のような優しい子を持てて君のお母さんは幸せ者だね"とか、滅茶苦茶言ってたじゃない!
49:男女比1:30世界のアイドルリーダー
諦めな二人とも・・・界離君はこないな子や。
最近色々学習してきとるけど、基本は超が付くほど鈍感クソボケ坊やや
50:転生元トップレス
小・中時代のクラスメイトは基本。甘露寺の先輩に通りかかった人、はたまた雄英の教師陣まで魅了し尽くしてるさ
51:転生波紋使い
彼に魅了されてない女なんて、枯れてるか彼を知らない人くらいよ・・・後者は体育祭を機に居なくなるでしょうけど
52:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
にしても、原作じゃ緑谷しか居なかったオールマイトとの昼食会に爆豪と界離も参加か・・・今更ながら原作崩壊も凄まじいな
53:男女比1:30世界のアイドルメンバー4
緑谷自身も原作じゃ今の環境に満足してたのが、オールマイトからの試練とも言える頼みにかなり積極的だったよな
54:異世界森の民
界離君の戦いっぷりを見て触発されたのかもな
55:貞操逆転ヒロアカ転生者
だったら良いな。
それにしてもオールマイト・・・忙しかった頃ならまだしも、今は昔よりはだいぶマシになったんだから歴代OFA継承者について調べてみるとかしても良かっただろうに・・・
56:男女比1:5世界の新社会人
緑谷さんから黒鞭が出た件を歴代継承者が関係してるんじゃって考察したって体で歴代継承者について聞いてみたけど、何も知らないって返答にすごい目してたよね界離君
57:異世界Dキッズ
竈門炭治郎が初めて我妻善逸と遭遇した時の"別の生き物を見る目"その物だったな
58:迅雷風柱
全容を把握しきれてない力を見ず知らずの他人に受け継がせて、挙句に鍛えようって・・・本気で言ってるんですか貴方?って口撃も一緒にな
59:キューピット岩柱
物凄く凹んでいたな・・・平和の象徴
60:国家元首なMS乗り
まあ原作でもデク君に継承する時、人の往来が有り得る住宅街でOFAの秘密を喋るくらい危機管理能力が低い人だったからな・・・むしろそれを指摘する人が居なかったのがヤバい方だろ
61:貞操逆転ヒロアカ転生者
まあおかげで早めに歴代継承者の調査が始まったからヨシとするべきかな・・・死柄木弔の正体を知るのが先かもしれないけど
62:男女比1:5世界の新社会人
確かUSJで脳無を自爆させた時、シリコン印象材を死柄木の口に埋め込んだんだよね。
あれは教師陣も警察も驚いてたよね・・・親玉の歯形を取るなんてちょっと前まで中学生だった子供の発想力じゃ無いって
63:異世界Dキッズ
その点含めて鍛えられましたって誤魔化したのは無理あるだろって皆でツッコんだよな
64:貞操逆転ヒロアカ転生者
なんとか誤魔化せたからヨシ!
65:男女比1:30世界のアイドルメンバー5
何を見てヨシと言ったんですか?
◇◇◇◇
時は流れて放課後。退院した界離の様子を見に来たB組の皆と共に、教室で体育祭について意見を出し合っていた。
「うぉぉぉ・・・何事だあ!?」
そんな時、麗日の声に視線を送ってみると他クラスの連中が押し寄せて来ていた。 大部分は普通科のようだけど、サポート科や経営科の列にいた者も居る。目的は、言うまでもないだろう。
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
「敵情視察に決まってるだろ。
「あんたらが爆豪勝巳に緑谷出久、結城界離か?」
「あぁ?」
「え?」
「お?」
文句を言う峰田に、いつも通り平常運転な爆豪。「知らない人をとりあえずモブって呼ぶの止めたまえ」とツッコむ飯田もスルーして教室を出ようとする爆豪の元に、人ごみを押し退け気だるげな顔つきの生徒が出てくる。
「(心操じゃん・・・それも男やんけ)そうだけど?」
「へぇ、アンタらがか・・・この前の襲撃でも大活躍だったそうじゃんか。皆噂してるぜ、優勝候補だって・・・さぞ気持ちが良いんだろうな?」
あからさまな挑発。周りの連中からも嫉妬のこもった視線を向けられる。
立ち上がり何か言おうとした梅雨ちゃんたちを制する。言いたい奴には言わせておけば良い。
ただしーー
「言葉には気をつけとけよ。吐いたツバは飲み込めないからな」
釘を刺すことは忘れないけどな。
突然柔らかい表情から人を殺せそうなほど鋭い目つきに、ドスの効いた声に変わった界離にビビったのかかき分けるように人が下がり道が開く。
「白黒つけるのは、体育祭の本戦まで取っといてやる。ぜいぜい無様な結果にならないよう頑張っとけや」
「言ってくれんじゃねーかよ」
あわあわしている緑谷たちを尻目に、界離と心操の睨み合いは数分に渡った。
界離の宣戦布告を受け取った心操が去っていくのに合わせるように他の生徒たちも去って行くのを見届け、帰ろうとした矢先透に呼び止められる。
「皆・・・いいかな?体育祭までの2週間、皆で特訓しない?」
A組B組全員の注目を集めた透の提案。それに皆大なり小なり反応を示す。
「USJの時・・・私たちは何もできなかった。先生たちは慰めてくれたけど、皆納得してないでしょ?今は私達は“
透の言葉に反論の声は上がらない。誰もが透の言ってる事を理解して受け入れている。
「・・・・・・俺は葉隠の意見に賛成だ!あんな悔しい思いして何も変わらないなんて・・・俺はそんなダセェ事をする為に雄英に来たんじゃねぇ!」
「切島の言う通りだ!!俺は乗ったぜ葉隠!」
そんな中、いの一番に口を開いたのは切島だ。それに鉄哲も続き、他の皆も次々に賛成の意思を示してくれる。
「話は聞かせてもらった!!」
「「ブラド先生!?」」
「相澤先生も」
教室のドアが勢いよく開き、ブラドキング先生と相澤先生が現れる。
「お前達の思いはよく分かった!!体育館を使える様に俺が申請を出そう!」
「いいんですか!?」
「生徒が悩みながらも前に進もうとしているんだ・・・それを見守り手助けするのも教師の仕事だ。遠慮する事はない」
「ブラドキング先生、相澤先生・・・ありがとうございます!」
こうして話は纏まった。
USJ襲撃は確かに大きな爪痕を俺たちに残した。だが、それはマイナスばかりじゃない。
あの英雄の言葉を借りるなら、まさにこの言葉こそが相応しいだろうり
「
時は流れて翌日の放課後。相澤先生とブラドキング先生に指示され校庭に集まった俺たち一年ヒーロー科
「個性を伸ばす?」
「そうだ、筋繊維は酷使する事により壊れ、強く太くなる。“個性”も同じだ。使い続ければ強くなり、でなければ衰える!」
「昨日葉隠も言っていた通り、
「そのチャンスをものにする為にも、限界突破だ!」と熱く語るブラドキング先生に切島や鉄哲を含めた何人かが男泣きしてる。
「先生・・・俺達の為に!ありがとうございます!!」
少し大袈裟かもしれないが、こうして生徒たちのために尽力してくれる彼らは教師の鑑と言っても過言ではないだろう。
相澤先生に関しては、ゾンビみたいな身だしなみを整えて欲しいものだが。
「個性の特訓は本来ならば精神や技術面を成長させた後に行うが、先の襲撃でお前達は現実を知り悔しさを抱いた。だかそれは恥ずべき事じゃない。大事なのはその悔しさから何をするかだ・・・最初に言っておく、地獄のように辛い!だが悔しさをバネに
「「ハイ!」」
相澤先生とブラドキング先生の激励を受けた界離たちが返事をしたタイミングで、所々猫っぽい派手な服装を身に纏う女性三人と男性一人が現れる。
「今回協力してくださるプロヒーロー、プッシーキャッツの皆さんだ」
「連盟事務所を構える四人一チームのヒーロー集団!山岳救助などを得意とするベテランチームだよ!キャリアは今年で十二年にもなr」
相澤先生の説明と同時に、雄英一年ヒーロー科屈指のヒーローオタクである緑谷が反応して饒舌に語り出すと、金髪の女性が鬼気迫る表情をしながら緑谷の口を塞ぐ。
「心は十八!!・・・心は?」
「十八ッ!!」
((必死かよ・・・))
(別に年齢なんて気にしなくていいだろうに・・・美人なんだし」
「そしてもう一人・・・」
「へ、随分と派手に暴れたようだな・・・界離」
「お久しぶりです、ミルコさん」
界離の背に飛び乗り、胸を後頭部に押し当てるミルコに緑谷だけでなく皆も驚きの声を上げる。
やはりヒーロービルボードチャートJPNo.8ヒーローだけあって知名度も高いのだろう。
「管轄を持たず、サイドキックも持たない日本中を飛び回る新しいスタイルのヒーロー!こんな凄い人にまで見てもらえるなんて・・・でも結城君の頭に胸を当てるのはセクハラなんじゃ」
「気にしなくて良いわ緑谷ちゃん・・・いつもの事よ」
小声で何か言っている緑谷に、梅雨ちゃんが気にしなくて良いと答える。えっ!と驚く緑谷たちに対し、相槌を打つ透たちに一旦質問するのを止めてプッシーキャッツたちの説明を受ける。
プッシーキャッツとミルコ監修の特訓内容は、原作の夏合宿を先取りした内容だった。
ラグドールの"サーチ"で皆の個性の情報を見て、ピクシーボブの"土流"で特訓にあった地形を作り、マンダレイの"テレパス"でアドバイス。増強型個性の者は虎さん考案の"我ーズブートキャンプ"に加え殴る蹴るで鍛え上げるという内容だ。
ミルコさんは何をするのかって?
特訓中に乱入組み手orひと段落ついた者と組み手をしながら必殺技の習得補助担当だ。
「いきなり必殺技完成までやるんですか・・・」
「無理に完成させろとは言わん。だが、今後
「そういや界離、お前まだ変な必殺技磨いてるそうだな」
まだ入学してほとんど経ってないのに必殺技習得まで視野に入れている特訓に驚く界離だが、
そしてミルコの挑発に、界離の戦闘スイッチが入る。
「え!?結城君もう必殺技を持ってるの!?」
「ああ・・・これまでも不意打ちでミルコさんに喰らわせたんだけど、一度も効いた事なくてね。見てみるかい?」
界離の問いに是非と興味津々に答える皆*1に、「ではお見せしよう」と結界を展開する界離。
皆の視界が眩い光に包まれる。
「俺の必殺技PART.1:
「遅いわよ流子!」
「ゴメーン!目覚まし止まっててさ」
あたし、土川流子。家にメイドがいるってこと以外はどこにでも居る普通の女子高生。今日は目覚ましが止まっちゃってて遅刻ギリギリ。
「ねえ、二人とも知ってる!?今日あちきらのクラスに転入生が来るって!」
緑色の髪をした彼女は
「こんな時期に来るなんて・・・何か事情があるのかしら?」
赤が似合う彼女は
転入生について話しながら、遅刻しないように全速力で走り続ける流子たち。おしゃべりに夢中になっていた彼女たちは、曲がり角の向こう側から駆け出してくる人影に気づくのが遅れてしまい流子が曲がり角から飛び出してきた人と正面衝突してしまった。
「いたたた・・・ごめん、立てるかい?」
「いてて・・・平気平気。大したことじゃおおお男の人ぉおお!!」
腰を抜かしてしまった流子を引っ張り立ち上がらせた青年は一言謝った後、先急いでるからと言い残して走り去って行く。
完全に惚けていた流子は、遅刻しちゃうよと叫ぶ知子と信乃の言葉で現実に帰り大急ぎで学校に向かうのだった。
〜〜〜〜
「ギリギリセーフ・・・もう絶対寝坊とかしない」
「全員席に着け!
机に突っ伏して安堵する流子の耳に担任(演者:虎)の声が届き、疲れた体を起き上がらせる。
「もうすでに知っている者もいると思うが、今日このクラスに転入生が来る。皆、仲良くしてやってくれ・・・では、自己紹介を」
「ご紹介に預かりました、転入生の結城界離です。まだこの地には不慣れな身ではありますが、御学友として皆様とこの学舎で共に過ごせていけたら嬉しい所存です」
担任に促され、入って来た男子生徒が手短に自己紹介を済ませる。その人物に、流子は驚きの声をあげる。
「ああ!?今朝の男子!」
「君は今朝の」
「なんだお前たち知り合いか?ならちょうど良い土川、結城の面倒を見てやれ」
担任の一存で、転入生の面倒を見ることになった土川流子。クラスメイトからの嫉妬に満ちた視線には少し困ったが、彼の人当たりの良さにかなり助けられた。
その夜、更に驚かされることが起こった。
「ええっ!メイド長お休みになるんですか!?」
「申し訳ございませんお嬢様・・・代わりと言ってはなんですが、私の息子を就かせます。まだ見習いですが、執事としてのイロハは叩き込んでいます。カイ・・・お嬢様にご挨拶を」
メイド長(演者:ハスキー)に紹介された新しい執事は何と転入生の結城君だった。
執事服に身を包み、一歩引いた姿勢で支える姿は見習いと言えど立派な執事。学校で見た時とはまた異なる姿に流子の胸がときめいたのはここだけの話だ。
そして話は急転直下、怒涛の展開を迎える。
「どきな!そいつは私の獲物だ」
彼のご主人を自称するウサ耳不良娘(演者:ミルコ)。
「お兄様!お風呂入りましょう♪」
妹の立場を悪用する新人メイド(演者:ラドリー)。
「その少年を渡してもらおうか」
彼の貞操を狙う謎の軍団。
果たして、流子のときめきはどうなるのか!
結城界離はどうなってしまうのか!?
「このような感情、執事が抱いて良い物ではありません。ですが・・・お嬢様、いえ、流子さん。俺は、結城界離はあなたをお慕いしております」
雪の降る夜、ネオンの光を背景に界離の唇が流子の唇に近づいていきついにーー
爆豪の爆破により結界が砕け散り、景色が現実に戻った。
「ちょっとかっちゃん!今から良いシーンになるところだったのに」
「かっちゃん呼ぶなや!てか、何だ今のは!?」
「結界を使った即興劇さ!女子の胸をくすぐるシチュエーションを体験させて落とす悩殺技だよ♪」
カルシウム不足なのか苛ついている爆豪と、惚けているクラスメイトたちに説明する界離。
どこか自慢げな界離に相澤先生は頭が痛むのか眉間に指を当てている。
「なあ結城!次は俺にさっきの技かけてくれねーか!?できれば幼馴染設定で!」
「抜け駆けとか汚いぞ切島!先に俺にかけてくれ結城!」
一足先に正気に戻った切島を皮切りに、クラスメイトたちが勇者ヨシヒコみたいに自分にもかけて欲しいと界離に押し寄せて来る。
ブラドキング先生の注意も耳に届かず騒がしくなるが、相澤先生の抹消込みの睨みで大人しくなる。
「ったく変な技ばっか磨きやがって・・・脳無って奴に喰らわせた技を使ってみろよ!」
「あれらは
言い合いを始めた界離とミルコを尻目に、相澤先生の号令で合同特訓が始まる。
体育祭までの限られた時間を、Plus Ultraの精神で皆が走り出すのだった。
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