貞操逆転世界のヒロアカー序ー   作:あかんヤー

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貞操逆転世界のヒロアカ、前回の三つの出来事
1つ.派手な登場をした界離盛り上がったテンションのまま、第一種目が始まる
2つ.借り物の試練で、界離は麗日お茶子を選ぶ
3つ.愛狸の暴露で、会場の人々の嫉妬と憎悪がお茶子に注がれるのだった

今回はかなり難産になりました(主に表の作成やポイントの計算で)。


第27話:地獄の轟さん家

順位名前ポイント順位名前ポイント
1位麗日お茶子一千万22位芦戸三奈105
2位緑谷出久20523位口田彩華100
3位結城界離20024位耳郎響香95
4位爆豪勝巳19525位回原(つむじ)90
5位轟凍焦19026位円場成硬85
6位八百万百18527位上鳴電離80
7位蛙吹梅雨18028位凡戸固々(ここ)75
8位塩崎茨17529位柳レイ子70
9位骨抜柔子17030位心操人使65
10位飯田天流16531位拳藤一佳60
11位峰田実里16032位宍田獣身(けもみ)55
12位常闇影踏15533位黒色(ささえ)50
13位瀬呂範子15034位小大唯45
14位角取ポニー14535位鱗飛竜40
15位葉隠透14036位庄田二連35
16位切島鋭子13537位小森希乃子30
17位鉄哲徹子13038位鎌切針25
18位尾白鈿女12539位物間寧香20
19位泡瀬津子12040位取蔭切奈15
20位障子目白11541位吹出子未玖(こみく)10
21位砂藤理科子11042位発目明5

 

「一部の順位が変わってるが、大体は原作通りの順位だな」

 

 界離たちがチーム作りに精を出している間、VIPルームで不死川ニキたちは第一種目の順位表を眺めていた。

 

「界離が上位四十二位以内に入った関係で、青山が脱落しちまってるな。心操のメンバー選びにどう影響するんだろうか・・・てか、心操の性別原作通りじゃねえか!皆全然騒がないから忘れそうになってたぜ」

「ヒーロー科の皆にしたら、界離さんがいるから今更なんでしょうね。他の科の人からしても、入学早々上半身裸で校内を暴れ回ったインパクトが大きいのでしょうね」

 

 ラルクネキとユザレネキが分析してる間に、メンバー選定が終わったようであり騎馬戦が始まる。

 

「界離さんはB組の凡戸さんに、口田さんお茶子さんと組んだようだな。合計で1千万375ポイント・・・どう動くのかな」

「この世界じゃA組B組の合同授業が既に始まってるおかげか、チーム組分けが原作と変わってる奴らもいるな」

 

team1.麗日・界離・口田・凡戸(一千万375P)

team2.峰田・蛙吹・塩崎・障子(620P)

team3.葉隠・耳郎・鉄哲・骨抜(535P)

team4.緑谷・角取・常闇・発目(510P)

team5.爆豪・切島・瀬呂・芦戸(485P)

team6.轟・飯田・上鳴・八百万百(420P)

team7.物間・円場・回原・黒色(245P)

team8.心操・庄田・尾白(225P)

team9.鱗・砂藤・宍田(205P)

team10.拳藤・柳・取蔭・小森(190P)

team11.小大・吹出・鎌切(80P)

 

 開幕と同時に全十一チーム中、十チームが麗日チームに襲いかかる。

 爆走ターボで飛んで来た爆豪を界離が結界で生成した擬似腕で通せんぼし、反対側から轟が放った氷を凡戸の個性で生み出した液体を固めて作った壁で侵食を止める。

 

「すごいよ結城君・・・でも僕だって!」

 

 界離たちの攻防を観察していた緑谷が両脇から鞭状のエネルギーを身体の一部のように自在にふるい、お茶子の鉢巻を奪おうとする。

 たが鞭が界離の擬似腕と応戦している間に口田が個性で呼んだ鳥が緑谷の視界を塞いだため狙いがズレ、お茶子の背後から忍び寄っていた物間に命中して騎馬を崩させる。

 

「随分痛そうな当たり方になったな・・・この世界でも物間はA組に敵対心抱くのは避けられそうにないな」

 

 悲鳴嶼ニキの解説が現実になるのは確実だろうとスレ仲間たちが思ってる間も、お茶子を狙った残りのチームの大攻勢が行われてるが界離の指揮で逃げ続けている。

 

「界離さんは、逃げに徹してるのか。まあ確実な手ではあるが・・・」

「あの顔は、ただ逃げてるだけじゃないわね。他の生徒たちの個性や戦い方を観察してるようね」

「合同特訓に参加できなかったハンデをここで埋めるつもりなのか・・・クソボケっぷりで忘れそうになるが、あいつも戦闘IQは高い方だな」

 

 焦凍君の予測を補足するユザレネキと、界離の意図を予測するカガリネキ。

 時間は過ぎていき、残り時間三分となったところで界離たちが動き出す。

 

「ここからはこっちの番だ」

 

 息の合ったスムーズな動きで拳藤、鱗チームから鉢巻を奪い取る麗日チーム。開幕当初のぎこちなさが嘘のような滑らかな動きに観客たちもお茶子へのブーイングを忘れ、目を奪われる。

 

『おおっとぉ!麗日チーム、ここに来て攻勢に出たぞ!!守りに徹して体力を温存していた甲斐があったかぁッ!?』

『それだけじゃないな・・・逃げに徹してる間に足並みの調整と、チームメイトの緊張の解きほぐしもしていたんだろう』

 

 スレ仲間たちと相澤先生が同じ考察をした時には、轟チームが麗日チームに最後の攻勢をしかけていた。

 

「トルクオーバー!レシプロバースト!!」

 

 飯田のふくらはぎの器官から青い炎が勢いよく噴射され、目にも止まらぬ速さで麗日チームと距離を詰め、抜き去る。

 

『何が起きた!? 速えええ!?飯田、そんな超加速があんなら第一種目で見せろよ!!』

 

 麗日チームから離れた所で停止した轟チームを見ながらプレゼント・マイクが興奮した様子で声を上げる。飯田のふくらはぎからは故障した車のエンジンのように黒い煙が出ており、しばらく動けそうにない。

 

「トルクと回転数を無理矢理上げ、爆発力を生んだんだ。反動でしばらくはエンストするけど・・・クラスメイトにはまだ見せていない秘伝の必殺技さ」

 

 驚きの表情を浮かべて飯田を見る轟と界離以外の両チームメイトたち。

 

「言っただろう?結城君、俺は緑谷さんだけでなく君にも挑戦すr」

 

 界離を見た飯田が言い切る前に、異変が起きる。

 試合終了のアナウンスと同時に騎手の轟がまるで糸の切れた人形の如く崩れ落ちたのだ。

 

「!?轟さん!?」

 

 地面に落下する寸前、間一髪のところで八百万と脳がショートした上鳴で轟を支える。

 

『どうした轟ぃ!?突然倒れたぞ!まさかあまりの超加速に気絶したのかー!?』

『・・・違う』

(オイオイオイ、マジかよ!?君の実力はそれ程までに凄まじいのか・・・結城少年!?)

(何をやっている焦凍!!)

「へ・・・随分派手な事やってんじゃねえか」

「界離の奴・・・やりやがったなァ」

「ああ、見事だったぞ」

 

 飯田たちだけでなく、実況のプレゼント・マイクや会場全体が轟の様子に困惑する。

 相澤先生、オールマイト、No.2ヒーローであり轟の母親のエンデヴァー、界離の師匠であるミルコ、不死川ニキや悲鳴嶼ニキ等戦いに身を置いていた者たちは、刹那の一瞬に何が起こったのか気づいていた。

 

『どういうこったよイレイザー!?お前何が起きたか分かるのか!?』

『・・・ほんの一瞬だ。飯田の加速によって急接近した轟が麗日の鉢巻に手を出そうとした瞬間、結城は身体をコマのように回しながら上段回し蹴りを轟の顎に当てた。顎に直撃した事で脳震盪を起こした・・・格闘技の試合でも稀に見られる現象だ』

『来た・・・来た来た来たあッ!!お兄ちゃんの必殺技、三日月旋蹴(ルナスピン)!!ミルコさんとの特訓で生み出した数少ないお兄ちゃんの()()()()必殺技。みなさ〜ん、目に刻むなら今のうちかもしれませんよ〜!今後見る機会が有るとしたら、(ヴィラン)になってお兄ちゃんに逮捕される時だけかもしれませんよ〜』

『どんな宣伝の仕方よ愛狸!』

「"数少ないまともな"ってなんだよ!?俺はまともな必殺技しか生み出した覚えはないぞ愛狸!」

『『黙らっしゃい!!』』

 

 相澤先生の解説に気を良くした愛狸が、スクリーンにキックの瞬間をスローモーションでリピートしてマスコミや観客に宣伝し、宣伝文句に狼愛は呆れる。

 愛狸の言葉にそんな事ないと界離は反論するが、そんな事あると狼愛と愛狸に同時に即切り捨てられる。

 

 余談ではあるが、界離のまともな必殺技しか生み出した覚えはない発言にヒーロー科クラスメイトと雄英教師陣、ミルコは「え!?」と愕然としていました。

 

「馬鹿な!?俺のレシプロはクラスの皆や先生方にも教えていない技だ!!そんな一瞬でカウンターを打つなんて」

「確かに、君のレシプロはかなり早かった。俺も初見だったら、多分止められなかった思う。でも一つだけ・・・君のお姉さんのほうが、まだ早かった!」

「姉?・・・そうか!君は姉さんと」

 

 レシプロを一発で見切られた事に驚く飯田だったが、界離の言葉でインゲニウム()のレシプロバーストを見た事があることに考えが至り、攻略された事に合点がいったようである。

 

『圧倒的だああ!! 結城界離、この男に死角は無いのかあ!?』

 

 麗日チーム獲得ポイント、一千万770P。不動の一位通過で騎馬戦を終えるのだった。

 


 

『1位.麗日チーム:1千万770P』

 

『2位.爆豪チーム:1105P』

 

『3位.緑谷チーム:755P』

 

『4位.轟チーム:725P』

 

『5位.葉隠チーム:535P』

 

「にしても、上位五チーム所属者による一対一のリーグ戦か・・・どうりで二日に分けられてるわけだ。レクリエーションの時間も考えれば、一日じゃどうあっても足りん」

 

 ミッドナイトによる順位発表と本戦の説明が行われ、VIPルームにいたスレ仲間たちは一年の部だけが二日に分けて開催されている理由に合点がいった。

 説明が終わり、お昼時を迎えた体育祭は昼休憩となり選手・観客一同はそれぞれの場所でお昼を取り始めていた。

 スレ仲間たちもお昼に行こうとした矢先、界離からスレ開設の通知が届き全員がスレに意識を向ける。

 

1:貞操逆転ヒロアカ転生者

『緑谷、結城さん。今良いか?』

『どうしたの轟さん?』

『少し話がしたい・・・時間くれないか?』

『俺は大丈夫だ。緑谷は?』

『僕も平気だよ』

 

2:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

このタイミングで轟からの話・・・十中八九あの話だな

 

3:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

地獄の轟くんもとい、地獄の轟さん家の始まりか・・・この世界じゃどんな地獄になるんだ?

 

4:異世界森の民

貞操逆転世界故の地獄じゃないのか?少なくとも、原作よりはマシってことは無いだろ。轟のガンギマリっぷりを見るに

 

5:異世界Dキッズ

皆、始まりそうだよ

 

6:貞操逆転ヒロアカ転生者

『悪いな二人とも。急に呼び出しちまって』

『ううん、大丈夫だよ轟さん』

『ところで話って?』

 

7:貞操逆転ヒロアカ転生者

『聞きてェ事があってな・・・まず緑谷』

『なに?』

『単刀直入に聞く。お前はオールマイトの隠し子か何かか?』

 

原作でも思ったけど、すごい勘違いだよな・・・

 

『ち、違うよ!僕がオールマイトの隠し子なんて』

 

出久・・・その動揺っぷりじゃ、ほぼ自白してるようなものだぞ

 

『そうか。お前の個性はオールマイトと似てたし、気に入られてるようだからそう思ってたが・・・勘違いだった、すまない』

『う・・・ううん』

『俺の母親が誰なのか・・・お前たちは知っているよな』

『・・・No.2ヒーローのエンデヴァーだよな』

 

ー勘違いしたことを緑谷に謝罪し、母親について問いかける轟

 

『そうだ。お袋が超えようと、倒そうとして辿りつけなかった存在・・・オールマイト。そのオールマイトと関係がある緑谷と、お袋に似た炎の技を持つ結城さん・・・そんなあなたたちだからこそ、話そうと思ったんだ』

『俺は・・・()()()()()()()()()()というお袋の野望の為に()()()()()()なんだ」

 

ー痣を撫で、少しの間目を閉じていた轟が語り始める

 

 

語られた轟凍焦の過去は、原作の轟焦凍にも劣らない・・・否、今後の展開を考えると轟焦凍よりも悲惨な内容だった。

 

24:迅雷風柱

マジかよ・・・ほんとマジかよォ・・・

 

25:男女比1:30世界のアイドルリーダー

燈矢君関連や虐待に近い特訓を強いられてた事、左の痣関連の出来事は原作通りやったけど、燈矢君の事を凍焦ちゃんがハッキリ知っとるとはねえ

 

26:雷門中のエアコンヒーロー

それ以上に、凍焦ちゃんが人口子宮と遺伝子操作で産み落とされたって・・・どんなSFだよ

 

27:キューピット岩柱

界離君の世界は、超常発生に伴う社会的混乱が原作よりも六十年ほど短かった。その恩恵・・・いや、凍焦さんにとっては弊害か

 

28:国家元首なMS乗り

すまない・・・話聞いてる間、私は隠れた弟の事を思い出してしまったよ

 

29:転生波紋使い

キラ・ヤマトさんの事ね・・・

 

30:転生元トップレス

なあこれ・・・燈矢君の殺意原作より悪化してないか?

遺伝子操作や人口子宮に手を出してまで造った理想の個性と体質を持った子とか、凍焦ちゃんを殺して自分こそが母の願いを叶えられる子だって証明する事が生まれた理由とか拗らせてるだろ

 

31:男女比1:5世界の新社会人

なんか・・・ウルトラマンノアとダークザギみたいな関係だな。

向こうとは逆でオリジナル(燈矢)被造物(凍焦)に嫉妬してるけど

 

32:貞操逆転ヒロアカ転生者

『これが俺の過去で、相手が誰だろうと負けられない理由』

『俺の記憶の中の父は、いつも一人で苦しんでた。あの女のくだらない【夢】の為に、今も病院に居る。だから俺は、左は使わない。お父さんの力でNo.1になって、あいつを真っ向から否定する為に!!』

『轟さん・・・』

 

原作でも思ったけど、エンデヴァーが公安の抹殺対象リストに載らなかったのはひとえに、愚行に走ったのがNo.2ヒーローとして不動の地位を築いた後だったからなんだろうな・・・

 

33:国家元首なMS乗り

界離君・・・

 

34:転生波紋使い

複雑でしょうね・・・公安直属のあなたとしては

 

35:貞操逆転ヒロアカ転生者

『二人とも、時間取らせて悪かったな』

『・・・ねえ轟さん。君はどうして雄英高校(ここ)に来たの?』

『え?』

 

ー界離の質問に、立ち去ろうとしていた轟は足を止め振り向く。

 

『エンデヴァーの・・・母親の野望に逆らいたいなら、ヒーローなんて目指さなければ良い。雄英に進学せずに、ヒーロー科の無い普通の高校に行けば良かったんじゃない?そうすれば母親の野望から解放されたはずでしょ・・・何でそうしなかったの?』

『それは・・・』

 

ー界離の問いかけに、轟は返事に詰まる。

 

36:貞操逆転ヒロアカ転生者

『結城君!そんなこと言わなくても!?』

『そうしなかったって事はさ・・・母親の野望とは関係無く()()()()()()()()()って君自身が思ってたからじゃないかな?』

 

ー止めようとする緑谷を手で制し、言葉を続ける界離。

 

『どんなに辛くて苦しくても鍛錬を辞めなかったのも、雄英ヒーロー科に入ったのも、母親への復讐以外にヒーローになりたいって君自身がそう思った理由があるからじゃないの?』

『俺が・・・ヒーローになりたいと思った理由』

 

37:貞操逆転ヒロアカ転生者

『復讐を完遂するにしろ、ヒーローを目指すにしろ、今の君は一つの事に囚われて周りが見えなくなっている・・・君がヒーローになりたいと思った理由・・・それを思い出さないと、君は前に進めない。そんな気がする』

 

38:転生ユザレ

界離君・・・

 

39:貞操逆転ヒロアカ転生者

『それとさ、轟さんは今日の青空とても綺麗なのに気付いてた?』

『は?青空?』

 

ーいきなり何を言ってるんだって顔をして界離を見る轟と緑谷。

 

『まだ見てないなら後で見てみなよ・・・目に沁みそうなくらいすっごい綺麗な青空だよ。今日の警備にMt.レディとプッシーキャッツが居たのは知ってた?』

『あ!それは知ってるよ!!しかもデステゴロとシンリンカムイも居たよね!?』

『そうそう!ヘドロ事件だったっけ・・・あれ以来三人ってよく一緒の現場に居るよな!』

『うんうん!』

 

ー大好きなヒーローの話に凄い勢いで反応する緑谷。

 

40:貞操逆転ヒロアカ転生者

『なあ、さっきから何を言ってんだ?』

 

質問の意図が分からず轟は訊く。

 

『目標に向かってがむしゃらに進むのも良いけど、偶には歩みを止めて周りを見るのも悪くないんじゃないかって話。そうしたら、昨日まで気付けなかった事、知らなかったものが見えるかもしれないよ』

『今日の青空や観客の人たちみたいにね・・・それに、今ある物は今しか見る事ができない。取りこぼし続けちゃうなんて・・・なんか、勿体無いじゃん。せっかく生きてるんだからさ』

 

ーじゃあまた後でと言い残し、界離はその場を離れる。

 

41:迅雷風柱

界離・・・最後の言葉は

 

42:貞操逆転ヒロアカ転生者

深い意味はありませんよ・・・思った事を口にしただけですから

 

43:転生元トップレス

やっぱり考えてたんじゃねーか・・・もしも公安に目を付けられる事なく、F-15のパイロットを目指し続けられていたらって

 

44:貞操逆転ヒロアカ転生者

後悔はしてませんよ。

それに戦闘機のパイロットになるって夢なら、プロヒーローになってI・アイランドとコネ作って、戦闘機風のサポートアイテムを作ってもらって叶えますよ

 

45:転生波紋使い

前向きね・・・まあ後ろ向きのまま生きるよりは格段に良いわね

 

46:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

あれ?

あれ愛狸ちゃんじゃ・・・

 

47:貞操逆転ヒロアカ転生者

『どうしたんだ愛狸?』

『お兄ちゃん・・・エンデヴァーとオールマイトが』

 

48:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

そういや、オールマイトの無自覚煽り(本人にとっては切実な頼み)とエンデヴァーの衝突が起こってたのって今だったな

 

49:転生ユザレ

あの時のガンギマリエンデヴァーを見ちゃったのね・・・お気の毒に

 

50:貞操逆転ヒロアカ転生者

あの加齢臭ババア・・・

ダビダンス後覚えとけよ

 

51:男女比1:30世界のアイドルリーダー

君までガンギマリにならのうてええんだよ界離君!?

 

52:国家元首なMS乗り

ホント余計な事してくれたなあのおばさん

 

 

〜〜〜〜

 

 昼休憩が終わり、午後の部が始まる。

 

『さあ昼休憩が終わり、ここからは最終種目の時間だぁ!!本場アメリカからチアリーディングも来てくれて会場の盛り上がりも最高潮!!・・・なんだが、一つだけ突っ込ませてくれ』

 

 会場を盛り上げていたプレゼント・マイクだったが、フィールドのど真ん中にある奇天烈な光景に言葉に詰まっている。

 

『どーーした結城界離選手!?』

 

 何故なら、チアガール衣装を纏った界離が恥ずかしがる様子もなくウォーミングアップしていたからだ。

 サイズが小さいせいか、激しく動いたらへそが丸見えになりそうであり、おまけに下はスカートなため太ももも丸出し状態である。

 VIPルームでは、あいつがこのポジションに収まってたかと忘れていた事を思い出したスレ仲間たちが頭を抱えている。

 

『おい結城!ふざけるのも大概にしとけ』

「ふざけるって何ですか相澤先生!?あなたがやれって言ったんじゃないですか!」

 

 相澤先生のお叱りを、界離は会場の外にすら聞こえそうなほどの大声で反論する。

 界離の言葉で、会場にいるほとんどの者の疑念の目が実況室にいる相澤先生に集まる。

 身に覚えのない界離の言い分に何を言ってるんだと口にしようとした矢先に、何者かに頭を鷲掴みされ持ち上げられる。

 

『おいゾンビ教師・・・どういう事か説明してもらおうか?言葉には気をつけなよ・・・変な事口にしようものなら首と胴体が永遠にお別れよ』

『待て待てっ!俺は何も知らな』

『言い訳なんて聞きたくないんだけど・・・アタシたちが聞きたいのは真実と謝罪だけなんだけど』

 

 獣人態になった狼愛の握力は時間と共に増していき、相澤先生の耳には聞きたくない音が聞こえてくる。弁明しようとした矢先に、いつ用意したのか愛狸が熱した鉄棒を右目付近に突きつけ逃げ道を完全に塞いでいる。

 

『あー、結城・・・ホントにイレイザーが言ってたのか?』

「峰田さんと上鳴さんがそう言ってたって言ってたんだけど」

「それこいつらか?」

 

 絶体絶命の相澤先生の代わりに問いかけたプレゼント・マイクに界離が答えると同時に、峰田と上鳴を縛り上げたミルコがフィールドに降り立つ。

 

「ミルコさん!?え・・・てか何で二人とも縛られてる!?」

「こいつらが『チョーイーネ!』とか『サイコー!』とか怪しい会話してたから取り敢えず縛っといた・・・そしたらお前が変な事やってたから合点がついたってやつだ」

 

 ミルコの証言で界離も自分が騙されてた事を悟ったようである。そして観客たちはー楽しく鑑賞してたのを棚に上げてー峰田と上鳴にブーイングを浴びせる。

 

「ヒィッ!?い、良いじゃねえかよ!体育祭と言ったら男子の華やかなダンスは必須だろうが!!」

「いや、まず騙した時点でアウトだろ」

「流石にダメでしょ・・・人として」

「峰田さん!上鳴さん!男性を騙すなんてヒーロー科の風上にも置けない行為ですわ!!」

「で、どうすんだ?被害者はお前だ。煮るなり焼くなり、お前が決めろ・・・かまわないよな!お義姉(ねえ)さんがた!」

 

 クラスメイトにも非難される峰田と上鳴を尻目にミルコは界離に二人をどうするか問いかけ、その決定に異議は無いよなと狼愛たちに念押しする。

 

「ん〜・・・じゃあ二人とも、俺と一緒に踊ってくれない?」

 

 審判を求められた界離は少し考え、峰田と上鳴に提案する。

 その言葉を聞いて、一部*1を除いた全員が「えっ?」と界離を見る。

 

「ちょっとこれ着て踊ろうと思ってたダンスがあったんだけど、あれ一人でやるより三人でやった方が盛り上がるからさ。あとは二人とも俺と同じ衣装を着ることと、体育祭終了後に反省文百八枚書くことで不問とします・・・かまいませんよね相澤先生?」

『お前がそれで納得してるならかまわないが・・・』

 

 隣の狼愛と愛狸をチラ見して確認を取るが、二人は仕方ないなと界離の決定を受け入れたようである。

 

「良かったら、A組とB組の皆も一緒におd 「「是非ご一緒させていただきます!!」」

 

 界離が言い終わる前にフィールドに三十八人が集まり答え、峰田と上鳴は二人揃って、「神様仏様結城様〜」と許しを得たことに感激し拝んでいた。

 観客たちはこれで良いのか分からずざわついていたが、愛狸が兄は面白い事が好きでこれを面白い事になると判断したから許したんだと解説した事で納得はできないが、受け入れる事にしたようだ。

 

「にしても、界離は何を踊るつもりなんだ?」

 

 振り付けの指導をしてるのであろう界離を眺めながらの楽郎の問いに、皆も首を傾げた所で準備が終わったのか音楽に合わせて界離*2と峰田*3と上鳴*4が踊り始める。

 

「・・・ってこれ『ウルトラ・BOOTCAMP!』じゃねえか!?なんでこれチョイスしたんだあいつ!」

「たしか、トリガー第十五話でリブットと踊ってた奴だったよね・・・ほんとどうしてこれをチョイスしたんだ界離君」

 

 界離のチョイスに総ツッコミするスレ仲間たち。だが肝心の界離たちはやりきったという雰囲気を出しており口にするのは野暮なのだろうと思う事にするのだった。

 


 

 『身構えている時には、死神は来ないものだ』とは、いったい誰の言葉だったけ。

 

 会場のど真ん中でかれこれ一時間ほど生身で泣き喚きながらドリフトしている愛狸と、そんな彼女を必死で止めようと奮闘している界離と狼愛を眺めながらスレ仲間たちは現実逃避に勤しんでいた。

 何故こんな事になったのかーーそれは界離たちがウルトラ・BOOTCAMP!を踊り終えた直後にまで遡る。

 

〜〜〜〜

 

 事件は、界離たちが踊り終えたと同時に起きた。

 サイズの問題か、はたまた別の問題か、界離のトップスが破れてしまい上半身を晒し出してしまったのだ。

 

「あ、破けちゃった」

 

 界離がそう口にしたと同時に、興奮した観客の一部が観客席から会場に飛び込んで界離に襲いかかる。

 たが飛び込んだ観客は警備のプロヒーローとA組B組の生徒たちによって全員制圧され、界離の上半身はお茶子から借りた体操服の上着で隠されたため一先ず事態は収束するのだった。

 

「ありがと麗日さん・・・俺の上着、控え室に置いてたから」

「気にしなくて良いんよ。でも、そんな易々と裸を見せちゃいかんよ。もうあなただけの体じゃないんやし、珠美も見てるんだから」

 

 この時、界離と繋がっていたスレ仲間たちーー特にアイドルニキたちはお茶子の言葉に引っ掛かりを覚えた。

 まるで自分の都合の良い妄想の中に入った貞操逆転世界の女特有の引っ掛かりを。

 

(おい界離、変なこと口にするなよ!口にしたら洒落にならん事が起こる!)

「(分かりました。)ところで麗日さん、珠美さんって誰?君の妹さん?」

((おいいいいっ!?口にするなって言っただろがい!!))

 

 スレ仲間たちの忠告虚しく、界離は迂闊な事を口にしてしまう。

 だが嘆いてももう遅い。賽は投げられた。

 もはや彼らは、運命という名の濁流に呑まれた憐れな子羊に過ぎないのだ。

 

「もう界離君・・・可愛い娘にそれは良くない冗談やよ。今日は珠美の運動会で、珠美もお父さんにかっこいいとこ見せるってはりきってるんだよ」

「?・・・娘?」

 

 この会話に界離は首を傾げ、周りのクラスメイトたちは呆然となる。

 観客たちにも聞こえていたようで、ざわつきが嘘のように静まりかえっている。

 

「ちょっとごめんね〜・・・麗日さん、今西暦何年?」

「え・・・2130年じゃないの?」

「何故二十二年も未来に?」

 

 ヒーロー科生徒たちを押しのけ、界離とお茶子の元に来た愛狸がお茶子に一つ問いかける。

 お茶子の答えを聞いて納得した様子を見せた愛狸はちゃんと見ててねとお茶子に一言告げ、人差し指に狸火を灯してお茶子の目と鼻の先で固定する。

 

「この火は、君が見た現実・・・ほら、火の中にだんだん姿が浮かんできた」

「あれ? 珠美・・・伴・・・梅・・・泉莉(せんり)・・・宝路(たかみち)?」

「見えたようだね。じゃあ絶対に目を逸らさないで・・・Trois(トロワ)Deux(ドゥー)Une(アン)!」

 

 言い切ったところで狸火を消し、指をパッチンと鳴らす。

 

「うん・・・あれ、なんで私雄英に!? 珠美は!? 伴は!?」

「いいですか、落ち着いて聞いてくださいいm・・・麗日さん。「今芋女って言いかけてたよな愛狸」お兄ちゃんお口チャック。あなたが言ってる人たちは存在しません・・・全部あなたの錯覚なんです。存在しない記憶って奴です」

「ええっ!?嘘でしょ!?」

 

 驚くお茶子に、愛狸は容赦なく続ける。

 

「嘘じゃありません・・・本当の事です。お兄ちゃんに優しくされた人たちがたまに陥るんです。ついでに雄英卒業三年後に結婚して、女の子三人男の子二人、ペットに犬三匹猫二匹て・・・だいぶ凄い生活してますね」

「ええ!?なんで分かったの!?」

「何人も見てきましたから、顔を見ればどんな生活送ってたか検討つきますよ」

 

 やれやれと言わんばかりにお手上げ状態の仕草を取る愛狸に、先ほどまで見ていた幸せな光景が全部まやかしだと突きつけられ崩れ落ちるお茶子。

 観客の中には騎馬戦の時みたいにざまあみろと言わんばかりにクスクスと嗤い始める者がちらほら出始め、それが変な妄想を垂れ流した恥ずかしさも相まってお茶子を更に萎縮させる。

 

「麗日さんしっかり・・・結城君どうしよう」

 

 なんとかお茶子を元気づけようとする緑谷だが、どうすれば良いか分からず界離を見る。

 

「しっかりしなお茶子。ゴール間際で転んじゃったくらいで母親がしょげてたら、子供たちに格好がつかないぞ」

 

「「・・・・・・え!?」」

 

 界離の発言に、会場がシンと静まりかえる。VIPルームでは、そう来たかぁ〜と界離の策を見抜けた者たちが感心すると同時に、どう叱れば良いか分からず途方に暮れる。

 

「あの・・・結城君?君は一体何を」

「もう十六年経ったんだから、そろそろ慣れてくれても良いんじゃない緑谷?今の俺の苗字は麗日だぞ」

 

 真顔でとんでもない事を宣う界離に緑谷は言葉が喉に引っかかったのか、口をパクパク動かすだけで何も喋らない。

 

「・・・な〜んちゃって☆ ちょっと悪ノリしました♪」

 

 界離言葉に全員がずっこけつつ、安堵の吐息を漏らす。

 

「ところで結城君・・・何故君は麗日君の苗字を?」

 

 おいバカやめろと、クラスメイト全員が目で訴えるが、飯田は気づく事なく気になった事を界離に尋ねる。

 その問いを待ってましたと言わんばかりにほっこりとした雰囲気を醸し出した界離が、嬉々として答える。

 

「麗日さんが言ってた名前を聞いて考えたんだ・・・どっちの苗字がいいかなって。俺の中じゃ麗日珠美の方がいいって思って・・・それで娘の苗字が麗日なら、俺がお茶子さんの家に婿入りして麗日界離になるのかって」

「えっと・・・結城君は嫌じゃないの?変な妄想を聞かされて」

「全然・・・むしろ有りだなって思ったけど。皆も経験ない?気になるクラスメイトと将来結婚して、どっちかと同じ苗字になるのを想像した事」

 

 とんでもない事を暴露する界離に、皆言葉を失う。お茶子は麗日姓になった界離の姿を想像したのか、顔がまた赤くなっている。

 

「カイ・・・世迷言を口にするのも程々にしなよ。ついでにそろそろ愛狸が爆発しそうよ」

 

 俺は世迷言なんて言ってないと反論しようとした界離だったが、愛狸が爆発するという姉の発言に後ろを振り返る。

 そこには、両目に大粒の涙をためながらプルプル震えている愛狸がいた。

 

ヤダ・・・ヤダ・・・ヤダ・・・ヤダヤダヤダヤダあああ!!お兄ちゃんが他の女のものになるなんて絶対(ぜぇったい)ヤダあああ!!!

 

 滝のように涙を流しながら、堰を切ったように泣き出す愛狸。

 

「落ち着くんだ愛狸!どのみち俺は三年後に十八になる。男性保護法もあるから、許嫁とか結婚相手を選ばないといけないんだ・・・いつまでも独り身ってわけにはいかないんだ!」

「そんなもの知らないもん!それに、結婚相手ならアタシとお姉ちゃんでいいじゃん!」

「血の繋がった姉妹は相手として認められてないんだよ・・・そりゃ、姉ちゃんや愛狸みたいな人が相手ならとても良いんだけど。愛狸、甘露寺先輩なら良いって言ってたじゃないか」

「そんなものリップサービスに決まってるじゃん!!本当は誰にもお兄ちゃんを渡す気なんて無いんだから!」

「頼むから分かってくれ愛狸。こればっかりは男に生まれたいじょう逃れようがないんだ」

 

 愛狸を宥めようと必死になる界離だったが、奮闘虚しく愛狸は泣き続ける。

 

「待つんだ愛狸!生身でドリフトするんじゃない!!会場内を縦横無尽に転がるんじゃない!!」

 

 縦横無尽に暴れ回る妹を止めようと西へ東へ北へ南へ駆け回る界離と狼愛。結局愛狸の暴走ドリフトを止めるのに二時間ほどかかり、時間も押していたことも相まって最終種目のガチバトルリーグは翌日に延期となり一日目はレクリエーションで締めとなるのだった。

 

 余談ではあるが、レクリエーションの内容は本戦出場選手参加禁止の早食い対決と大玉転がしと三角ベースと競技自体はありきたりなものだったが、優勝者への景品(界離特製手作りイチゴのショートケーキをアーンしてもらえる権利)を巡って楽しいレクリエーションが血で血を洗う殺試合へ変貌したのはここだけの話だ。

*1
ミルコ、梅雨ちゃん、透、ポニー、ヤオモモ、狼愛、愛狸

*2
チアガール衣装で先頭

*3
チアガール衣装で後方右側

*4
チアガール衣装で後方左側




筆が乗りまくって、気がついたら何かタイトル詐欺っぽくなっちゃった。冨岡義勇が腹を切ってお詫びします。

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