貞操逆転世界のヒロアカー序ー   作:あかんヤー

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貞操逆転世界のヒロアカ、前回の三つの出来事
1つ.界離たちは、騎馬戦を一位で突破する
2つ.界離と緑谷は、轟から出生の秘密を聞かされる
3つ.峰田と上鳴の策略でチア服を着た界離、大暴れによりお茶子ちゃんの暴走が明らかになるのだった



第28話(改):決戦の行方wave.1〜wave.3

「約束の金だ・・・で、これが例の(ブツ)か?」

 

 人通りなど皆無の深夜の廃墟。

 ボロボロのコートを羽織り、髪も肌も不潔に荒れた女が金の入った封筒を()()()()()()()()()()()に差し出し、代わりに小箱を引ったくるように取る。

 

「効果は三時間ほどだが、当たれば即効だ。“分からせたい病人”を前にして、慌てて撃たないようにな」

 

 ペストマスクの女は淡々と告げると、踵を返して廃墟を去っていく。

 残されたコートの女は、小箱の中に入っていた()()()()()()()()()()()()()()()()()を手に取る。

 女の目がギラつく。

 狂気と憎悪が混ざり合い、もはや正気の色はどこにもない。

 

「これであいつに復讐できる。私たちを辱めたあの種馬に、目にもの見せてやれる」

 

 スマホの画面には、選手宣誓を行う界離の姿。

 女は画面に鋭利な刃物を突きつけ、嗤った。

 

「待っていろ結城界離ィ・・・! 明日がお前の命日だ。お前のせいでたくさんの人間が傷つき、命を落とす。種馬の分際で(人間)様に逆らった事を、あの世で詫び続けろォ」

 

 

◇◇◇◇

 

 

1:貞操逆転ヒロアカ転生者

激動の体育祭一日目が終わりました・・・気のせいかすっごい疲れた気がします

 

2:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

そうかそうか大変だったな〜・・・

八割がたお前のせいだがな!!

 

3:男女比1:30世界のアイドルリーダー

まあ界離君もわざとやったわけとちゃうし、お茶子ちゃんへのヘイトを逸らしたかったのは分かるねやけどねえ・・・

 

4:男女比1:5世界の新社会人

地雷を避けたと思ったら、避けた先にも地雷が埋まってる。

高難易度クエストにぶち当たったようなものだからね・・・

 

5:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

麗日の事は良いとして、レクリエーションの景品はどう考えてもわざとだろ

 

6:異世界森の民

手作りスイーツを“アーン”なんて・・・お茶子ちゃんへのヘイトが霞むかもしれない大暴挙。

よくやろうなんて思えたな本当に

 

7:貞操逆転ヒロアカ転生者

いや〜・・・例年のレクリエーションって、本戦出場できなかった雄英生の多くが仕方なくやってる感出ててぶっちゃけつまらなかったからさ・・・

それなら本気で取り組める景品用意しようって思って入学と同時に先生方に提案したんだよなあ〜

 

8:異世界Dキッズ

で、その結果があの地獄絵面なのかい・・・

 

9:貞操逆転ヒロアカ転生者

反省はしています。

でも後悔はしていません!!

 

10:転生波紋使い

少しは後悔しなさい!

SNSでお茶子ちゃんやヒーロー科クラスメイトたちへの罵詈雑言がとんでもない勢いで拡がっていたのよ!!

 

11:国家元首なMS乗り

峰田や上鳴は当然として、お茶子ちゃんが六百。

レクリエーション優勝者の障子に小森、小大が四百。

その他皆が三百くらい・・・

 

12:転生元トップレス

まだ仮免すら取ってないのにアンチスレが立つって前代未聞だろ・・・

ロランの時の爆豪でも、アンチスレが立ったのは神野事件以降だったんだぞ

 

13:雷門中のエアコンヒーロー

すげえよな・・・

Herotter*1のトレンドが十分単位で変わるなんて、俺の世界じゃ聞いた事もないぞ

 

14:転生ユザレ

ついでに、トレンド第一位は“麗日界離”だったわよ

 

15:迅雷風柱

取り敢えず、明日の本戦は大人しくしてくれよ。

変な事はすんなよ

 

16:貞操逆転ヒロアカ転生者

善処します・・・

ところで、春よ来たれ恋する乙女(トゥインクルスター)は変な事に該当します?

 

17:キューピット岩柱

内容による・・・としか言えんな。

君の事だから過度にセンシティブな内容にするとは思ってないが、何がどう化学反応を起こすか分からないから内容選びは慎重にやるようになる

 

18:貞操逆転ヒロアカ転生者

分かりました!

 

 

◇◇◇◇

 

 

『リスナーの皆!!待たせたなッ! 気分はさながら初恋の相手とのデートで待ち合わせしてるみたいな感じかぁ!?』

『どんな例えだ? 独身男性経験なしアラサー』

『うるせえよっ!?お前もだろ! ンッンンッ!気を取り直して第一試合の対戦は――』

 

 体育祭二日目。

 延期になっていたガチバトルリーグ戦が、ついに幕を開けた。

 特別ゲストは愛狸とミルコ。

 姉は海自の仕事で不在だが、会場の熱気は昨日以上だ。

 

 ルールは原作とほぼ同じ。

 五分一本勝負、致命傷級の攻撃は禁止、場外アウトあり。

 セメントス先生が作った二つのバトルステージで、二試合同時進行。

 

 スクリーンに第一・第二試合の対戦カードが映し出される。

 

「飯田って貴方ですか?」

「む、如何にも俺が飯田だが?」

「ヒョー! よかった、実はですね!」

 

 第一試合は原作通り発目さんによるプレゼンテーションになり、第二試合の上鳴と塩崎の戦いも原作通りの結末となるのだった。

 

◇◇◇◇

 

 発目の棄権に伴い、全員にポイントが付与され第三・第四試合を終え、迎えた第五・第六試合。

 第五試合は界離と凡戸、第六試合は爆豪と麗日の試合となり、会場は先の三試合よりも盛り上がっていた。

 

『さあいよいよやって来たぞぉ! 今大会一の大目玉、結城界離の出番だぁ!! これまでかなりの大暴れっぷりを見せてくれたこの男、対人戦では一体どう暴れるのか、俺たちに見せてくれぇっ!!』

『お兄ちゃん、程々にね〜』

『カイ、思いっきり全力で行きな!』

 

 愛狸とミルコの真逆の激励を受け、試合開始。

 

 開始直後、凡戸は大量の接着剤を噴射し、界離の接近を阻む。

 

「接近戦を封じたつもりか・・・甘いよ!」

 

 界離は足腰に力を集中させ、フィールドを蹴り上げる。

 うさぎのように跳ね、戦車のように突進。

 迫り来る接着剤を足で切り払いながら距離を詰め──凡戸の目の前で、わざと足を止めた。

 

「――ッ! 今だ!」

 

 凡戸が大量の接着剤を放つ。

 だが界離はすでに高く跳躍していた。

 

「ミルコさんの言ってた通りだな・・・“咄嗟に遠距離技を放つ奴は、近距離が弱い”ってね」

 

 界離の踵が凡戸の頭頂部に吸い込まれるように落ち──ドンッ! と鈍い音が響いた。

 凡戸の身体が地面に沈み込み、そのまま動かない。

 主審を務めるミッドナイトが即座に判定を下す。

 

『勝者──結城界離!!』

 

 会場がどよめきに包まれた。

 あまりにも一瞬、あまりにも鮮やかすぎる決着。

 

『今の技・・・ミルコの 踵半月輪《ルナアーク》 かあ!? 踏み込み、跳躍、体幹の使い方・・・完全にミルコ仕込みの戦闘スタイルだぁ!! 結城界離、あのNo.8ヒーローの戦闘スタイルをここまで再現してやがるッ! これもう高校生の域じゃねえだろ!』

 

 プレゼント・マイクの興奮は止まらない。

 その実況を聞いたミルコは、腕を組みながらニヤリと笑った。

 

『――へっ。私の相棒《サイドキック》はどうだい。あたしが鍛えたら、そりゃこうなるに決まってんだろ』

 

 “結城界離はミルコの弟子であり、私の戦闘スタイルを継ぐ者。他のプロは手を出すな”という牽制がバチバチに込められている。

 

『まだあなたの相棒じゃないでしょミルコさん!!』

 

 愛狸が即座にツッコんだ。

 

『はぁ!?実質そうだろ! 私の蹴りをここまで使いこなせる奴、他にいないよ!』

『実質とか言わないの!! お兄ちゃんはまだ誰の相棒(サイドキック)でもないんだから!!』

 

 ミルコと愛狸が言い合いを始めた間にも、プレゼント・マイクは叫び続ける。

 

『いや〜〜これはヤバい!! ミルコ直伝の蹴り技をここまで再現できる高校生がいるか!? 結城界離、その実力はお墨付きだあ!!』

 

 界離は観客の歓声を背に、静かに凡戸へ一礼した。

 一方の第六試合。爆豪と麗日の対決は、同性というのもあって爆豪が原作のような顰蹙を買うことはなかったものの、界離の応援――別に麗日だけに送ったわけではない――で昨日の存在しない記憶が蘇った麗日の奮闘によりかなりの大接戦になりましたとさ。

 

 


 

 

黒影(ダークシャドウ)!」

『アイヨッ!』

 

 二巡目・第四試合。

 開始の合図と同時に、界離は目にも止まらぬ俊足で右ストレートを叩き込む──が、黒影がその拳を受け止めた。

 そのまま黒影は怒涛の反撃を開始。

 界離は全てを紙一重で避けるが、距離を取らされる。

 

「上手いな。隙を見せない連続攻撃で界離を近づけない作戦か・・・恐らく 春よ来たれ恋する乙女(トゥインクルスター)を警戒してるんだろうな」

「だが界離君とて、対策されてるのは考えてるだろう・・・どう巻き返す?」

 

 ラルクネキと悲鳴嶼ニキが分析している間も、試合は常闇優勢で進んでいた。

 

「常闇さんやるね・・・間合いに近づけさせないのは 春よ来たれ恋する乙女(トゥインクルスター)対策といったところかな」

「ああ。お前の技は掠めただけでもアウトだ・・・故に、近づけさせん! 黒影(ダークシャドウ)!」

『アイヨッ!!』

 

 常闇の合図に合わせ、黒影(ダークシャドウ)が両腕を大きく伸ばし、薙ぎ払うように攻撃してくる。

 

(おいおい、もう黒き(かいな)暗々裏(あんあんり)を使えるのかよ。いや、常闇の表情的に必殺技って認識じゃなさそうだな)

「徹底的に俺を近づけさせないようだね・・・いい作戦だと言いたいところだけど、甘いよ!」

 

 界離は右手でピストルポーズを作り、Bang(バン)と小声で呟く。

 瞬間、黒影(ダークシャドウ)の右腕に何かが撃ち込まれた。

 

『コレハ!?』

「しまった!?」

 

 気づいた時には遅かった。

 右腕に顕現した結界が左腕を吸い寄せ、手錠のように拘束。そのまま結界が広がっていく。

 

「とくと御賞味あれ!春よ来たれ恋する乙女(トゥインクルスター)

 

◇◇◇◇

 

『我ノ名ハ黒影(ダークシャドウ)。四百五十年生キル吸血鬼デアル・・・今ハ訳アッテ銭湯デ働イテイル』

 

 銭湯の風呂場で掃除をしながら独白する黒影(ダークシャドウ)

 彼女がなぜここで働いているのか、その理由はただ一つ──

 

(シャドウ)さ〜ん♪」

 

 穢れを知らない純朴な笑顔を向ける少女、常闇影踏が居るからだ。

 

(シャドウ)さん・・・いつもありがとう」

(シャドウ)さんが、見守ってくれている気がして」

「おやすみなさい、(シャドウ)さん」

『ナントイウ穢レナキ魂・・・清ラカナ身体・・・今スグニデモ、影踏チャンヲ吸イ尽クシタイ』

 

 危険な発言だが、黒影は自称ではなく本物の吸血鬼である。

 

『アト三年デ影踏チャンモ齢十八・・・完璧ニ仕上ガッタ状態デ純潔ヲ頂ク。我ハソノタメニ十年、影踏ガ穢レナイヨウ見守リ、育テテ来タ!!』

 

 だが、純潔喪失の危機は唐突にやって来る。

 

「大変なんだ(シャドウ)さん!! 私、好きな人が出来たんだ!!」

 

『純潔ト非純潔デハ、A5ランク和牛ト輪ゴムホド圧倒的ナ味ノ差ガデキテシマウ! 純潔喪失――絶・対・阻・止!!

 

 こうして、黒影(ダークシャドウ)の“純潔喪失阻止作戦”が始まった。

 しかし、ここからが苦難の連続だった。

 

「さあ来なさい! 私の準備は万端よ! さあさあ噛みなさい! 思いっきり遠慮なくガブっと来なさい!!」

 

 やたら吸血されたがる変態バンパイアハンター*2

 

「俺、あなたに心奪われました! 結婚を前提に付き合ってください!!」

 

 何故か求婚して来る影踏が惚れた男子(悪い虫)*3

 

「姉御! どこまでも着いて行きまっせ!!」

 

 姉御と慕って来る女番長*4

 

 影踏が十八歳になるまであと三年。果たして黒影(ダークシャドウ)は純潔を守り通せるのか!?

 

(シャドウ)さん・・・応援してくれるって言ってたのに・・・・・・嘘つき!!」

 

 果たして、すれ違ってしまった二人は仲直りできるのか!?

 

バ◯ン◯バン◯ンバンパイアーー八月十日、全国公開。

 

◇◇◇◇

 

『何ダコレ?』

 

 結界が解け、世界が会場に戻る。

 黒影(ダークシャドウ)は訳の分からない光景に首を傾げた。。

 

「戻れ・・・黒影(ダークシャドウ)

『影踏?』

 

 残り時間は二分を切っている。

 黒影(ダークシャドウ)は追撃しようとするが、常闇に呼ばれ攻撃を中止する。

 

「何故邪魔をするんだ黒影(ダークシャドウ)!? やはりお前も惚れているのか黒影(ダークシャドウ)!?」

『影踏ィッ!?」

 

 何という事でしょう――完全に術中に嵌ってしまった常闇は、黒影(ダークシャドウ)に敵意をむき出しにしているではないか。

 

『待テ、落チ着ケ影踏! アレハフィクションダ。全テマヤカシダ!』

「そうやって誤魔化して、抜け駆けするつもりだろ!? 夏祭りの時、キスしようとしてたようにな!!」

『ウソーン!? 完ッ全ニ術ニハマッテルヨコノ子!?』

「御二方・・・はい、退場」

 

「『あ』」

「常闇影踏、場外!勝者、結城界離!」

 

 界離は仲違いしている二人を軽々と持ち上げ、白線の外へ置いた。

 ミッドナイトの無慈悲な宣告で第五試合は幕を閉じた。

 

『お兄ちゃんどうしたんだろう?いつもの春よ来たれ恋する乙女(トゥインクルスター)と比べてとっても大人しくなってる』

『確かに、俺らに見せてくれたもんに比べちゃ結構地味だな・・・調子でも悪りいのか?』

 

 観客は盛り上がっているが、妹とプレゼント・マイクの反応は微妙。

 界離自身も、どこか消化不良の表情だった。

 

 


 

 二巡目が終わり、三巡目へ。

 界離はA組用の観戦室で、クラスメイトたちと第一・第二試合を眺めていた。

 

 第一試合──緑谷 vs 麗日。

 第二試合──轟 vs 瀬呂。

 

 どちらも白熱した試合だったが、界離の表情はどこか不満げだった。

 

1:迅雷風柱

不満げだな界離・・・

常闇に喰らわせたトゥインクルスターに納得いってないようだな

 

2:貞操逆転ヒロアカ転生者

不死川ニキ・・・いえ、そのような事は

 

3:転生元トップレス

顔に出まくりだぞ・・・

 

4:貞操逆転ヒロアカ転生者

そうでしたか・・・。

いや、皆が全力出して戦ってるのに俺だけ手を抜いてる・・・そんな風に思えちゃってつい

 

5:キューピット岩柱

気持ちは分かるが、君が下手に派手な事したら皆の将来に変なダメージを残す事になる。

だから抑えるしかないんだ

 

6:貞操逆転ヒロアカ転生者

それは分かってます・・・分かってますけど

 

7:貞操逆転ヒロアカ転生者

『どうしたの結城?顔色悪いけど』

『何でもないよ・・・ちょっと気分が悪いだけ』

 

ー心配して声をかけてきた耳郎に何でもないと答え、トイレに行こうと立ち上がり部屋を出ようとする界離。瞬間、階段の段差が消滅し足を踏み外した界離が盛大にズッコケるー

 

8:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

おおい!?大丈夫か界離!!

 

9:男女比1:30世界のアイドルメンバー4

完全に気を失ってるみたいだ・・・こりゃ医務室送り待ったなしだな

 

10:貞操逆転ヒロアカ転生者

()った〜・・・あれ? 何で俺掲示板に?

 

11:カミなるモノ

僕が君を呼び寄せたからだよ

 

12:異世界森の民

どちら様!?

 

13:異世界Dキッズ

このオーラ・・・まさか!?

 

14:貞操逆転ヒロアカ転生者

もしかして十五年前に!?

 

15:カミなるモノ

そ。君をこの世界に転生させた者だよ

 

16:男女比1:30世界のアイドルリーダー

貴方様ほどの御方が、こないな掲示板にいったいどないな御用で?

 

17:カミなるモノ

畏まる必要はないよ。今日はちょっと野暮用で来ただけだからね

 

18:国家元首なMS乗り

その野暮用とは一体?

 

19:カミなるモノ

単刀直入に言うけど、結城界離君・・・

君、だいぶ退屈な事になってるね。

次平凡で退屈な人生送ったら地獄送りって警告したの、忘れた?

 

20:雷門中のエアコンヒーロー

あれマジだったのかよ!?

 

21:転生ユザレ

お言葉ですが、彼は何も考えなしに動いてるわけでは

 

22:カミなるモノ

誰が喋って良いって言ったかい?

まだ僕が話してる途中なんだけど

 

23:カミなるモノ

で、話は戻るけど・・・常闇ちゃんとの勝負で見せたあれは何?

いつもの君だったらもっと子宮とか、視床下部を刺激する内容になってた筈じゃない?

 

24:貞操逆転ヒロアカ転生者

あれは・・・

 

25:男女比1:5世界の新社会人

発言をお許しください。

あれは、昨日のようなバッシングの嵐にクラスメイトを晒させないための配慮でありまして

 

26:カミなるモノ

配慮?

君たち、何様のつもりなんだい?

 

27:迅雷風柱

何様だァ?

どういう意味だ!

 

28:カミなるモノ

言葉通りの意味だよ。

君たち、彼女らがあの程度のバッシングでヒーローになるのを諦めるとでも・・・

歩みを止めると本気で思ってるのかい?

あの日、OFA継承者としての使命に殉じようとしてオールマイトの手すら跳ね除けたデク君を連れ戻した彼らが、この程度で根を上げると本気で思ってるのかい?

漫画のキャラだからって、見下すのも程々にしなよ

 

29:カミなるモノ

性別が変わったって、世界が違ったって彼らは彼らだ。

君たち転生者なんかとは、覚悟が違う・・・それを忘れない事だね

 

30:貞操逆転ヒロアカ転生者

随分好き放題言ってくれますね・・・

 

31:男女比1:30世界のアイドルメンバー5

界離?

まさかと思うが、真に受けてるわけじゃあ・・・

 

32:貞操逆転ヒロアカ転生者

そんなに言うんでしたら、見せてあげますよ!

俺の全力全開フルスロットルの春よ来たれ恋する乙女(トゥインクルスター)を!

俺のポリシー『TAKE ME HIGHER(もっと高く)』に恥じない暴れっぷりを!!

 

33:男女比1:30世界のアイドルリーダー

ちょいちょいちょいストップストップ界離君!!

乗せられちゃいかんよ!

この神さん絶対トラブル起きるのを見てゲラゲラ大笑いするタイプの愉悦神やで

 

34:貞操逆転ヒロアカ転生者

上等じゃないですか!!

度肝を抜くようなモノ見せてびっくり仰天させてやりますよ!!

 

ー目を覚まし、心配するクラスメイトに大丈夫と一言告げ試合会場へ走り去る界離ー

 

35:転生ユザレ

なんてことなの・・・完全に火がついちゃってるわ

 

36:迅雷風柱

何で余計なことすんだクソ神ィ・・・

 

37:カミなるモノ

これで良いのさ・・・

彼にはもっと強くなって、彼女ら新世代(ニュージェネレーション)ヒーローズのリーダー格になってもらわないと困るからね。

それに、君たちにももっと強くなってもらわないとね

 

38:キューピット岩柱

どう言う意味だ?

 

39:カミなるモノ

今はまだ知る時じゃないよ・・・()()()

 

40:転生元トップレス

あいつ・・・スレから消えやがったか

 

41:転生波紋使い

何か起こってるのかしら・・・私たちの知らない所で

 

 

〜〜〜〜

 

「結城君!? 頭を打ったって聞いたが、大丈夫なのかい!?」

「心配かけたね・・・でもご覧の通り平気さ。それより飯田さん」

 

 心配している飯田に問題ないと答えた界離は、好戦的な笑みを浮かべてファイティングポーズを取る。

 

「本気で行くから、君も本気で来てよね」

「勿論だ!」

 

『レディ・・・スタート!!』

 

 ミッドナイトの合図と同時に、飯田が最高速度で走り出す。

 界離の周囲を円を描くように高速で回り、一撃離脱戦法 を仕掛けてくる。

 

「なるほど・・・高速撹乱からの小ダメージ蓄積戦法か」

 

 界離は二、三発の攻撃を受けるが、その目は飯田の動きを完全に捉えていた。

 

「――もらった!!」

 

 チャンスと見た飯田が蹴りを叩き込もうと飛び出す。その脚はたしかに界離の顎に当たったーーはずだった

 

What!?結城界離の体が蜃気楼のようにぼやけたぞ! 一体何が起こったんだ!?』

『あれは幻日虹(げんにちこう)・・・体の捻りと回転で生み出した残像で相手を撹乱する、回避特化のあいつの技だ』

 

 ミルコが即座に解説する。

 その間に界離は飯田の脚を掴み、地面に叩きつけて結界を発動させた。

 

「これが俺の新技・・・目覚めよ、その魂(ウィニング・ザ・ソウル)

 

◇◇◇◇

 

 季節は春を迎えたとはいえ、日の出直後はまだまだ寒い土曜日。

 目覚まし時計のアラームが起床時間を伝えており、いつもなら起き上がる所だが、布団を退かした時に感じた部屋の寒さが僕を布団の中に閉じ込め二度寝へと誘う。

 

「もう少し寝るか・・・」

 

 いつも頑張ってるからこそ、今日くらいは良いかなと言い訳し僕は再び眠りにつく。

 それがいけなかったのだろう。

 窓が開く音と共に、誰かが部屋に入ってくる音がする。足音の主は、僕の布団を揺すり起床を促してくるがそれを無視して僕は目を閉じ続ける。

 

「ふ〜ん・・・起きないんだ。だったら」

 

 次の瞬間、耳に生暖かい風が吹いてくる。いや、この感じは風ではなくーー

 

ひゃいん!?ちょっと、耳に息吹きかけて起こすのはやめてくれって言ってるじゃないか界離君!!」

 

 飛び起きた僕に、「さっさと起きない君が悪いんだよ〜」とイタズラが成功した子供みたいに笑う幼馴染。

 男なのに、異性の部屋に入る事にも招く事にも躊躇いのないーー僕の初恋の相手だ。

 

〜〜〜〜

 

「ごめんね界離君。また天流の面倒任せちゃって」

「良いんですよ天舞さん。幼馴染ですから」

 

 姉と仲良く話す幼馴染をジト目で眺めながら、僕は幼馴染が焼いたトーストを齧る。

 幼少期から姉弟のように一緒に過ごした彼との腐れ縁もかれこれ十五年。彼の一挙一動にドギマギしている僕の気も知らないで、彼は姉や僕のクラスメイトとも仲良く毎日を暮らしている。

 いい加減、この曖昧な関係を精算しないといけないとは思いつつも、この関係が終わってしまうと思うと一歩踏み出すことができないーー我ながら、自分のヘタレっぷりが嫌になる。

 

「あ、そろそろ時間だ。行ってきます!」

 

 そろそろ登校しないと、朝練に間に合わなくなる事に気づいた僕はトーストを咥えながら通学路を駆け抜ける。

 だが間の悪いことに、途中で靴紐がちぎれてしまい走れなくなってしまう。

 

「そんなことだろうと思いましたよ〜・・・ほら、乗りな」

 

 自転車で後を追ってきた幼馴染が、後ろに乗れと促してくる。

 二人乗りなんてそんな危ない事ーーと躊躇う僕の手を引っ張り、彼は僕を後ろに乗せて自転車のペダルを漕ぎ始める。

 同じはずだったのに、今では僕より大きくなった背中に身を預ける僕の顔は、きっと人前に出すことはできない顔になっていたことだ

 

もう充分でしょッ!!何この展開!

 

 愛狸の悲鳴じみたツッコミで結界は破壊され、世界は現実に戻る。

 

「ちょっと愛狸! いい所だったのに邪魔しないでよ!」

『邪魔するに決まってるでしょ!? 幼馴染だからって、ベランダ越しに部屋に入るとか耳に息吹きかけて起こすとかあり得ないでしょ!?』

「あり得ないなんてことはないだろ!世界中探してみればこんな幼馴染がいても不思議じゃないだろ!!」

((いや居ねーよ))

 

 クラスメイト全員の心が一つになった瞬間だった。

 結局、飯田は幻覚から戻れず、界離の勝利で第四試合は終了。

 なお、内容が内容だったため、飯田には嫉妬した観客から大ブーイングが寄せられた。

*1
この世界のTw◯tter

*2
演者:ミッドナイト

*3
演者:結城界離

*4
演者:ミルコ

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