貞操逆転世界のヒロアカー序ー   作:あかんヤー

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タイトルで察せる人もいるかもしれませんが、今回の主役は職場体験編でキーマンになったあの子です




第45話:水色のランドセル

 期末試験を来週に控えた月曜日。

 雄英高校一年ヒーロー科の空気は、いつも以上に熱を帯びていた。

 

 授業、個性訓練、自主練。

 誰もが焦りと向上心を抱えながら、今日も今日とて切磋琢磨している。

 

 そんな中でも、結城界離はいつも通り――いや、いつも以上に周囲の中心にいた。

 

「結城君、今日の放課後トレーニングどうする?」

「俺はかっちゃんと組むから、出久は轟とやってみたら?」

「はぁ!? なんで俺がてめぇと――」

「昨日“結城とやると効率いい”って言ってなかったか?」

「言ってねぇ!!・・・いや言ったけどよ!!」

 

 爆豪のツッコミに周囲がどっと笑う。

 その光景に、クラスの空気が少しだけ軽くなった。

 ――その時だった。

 

「結城界離君。少し時間をもらえるかい? 午前の授業が終わったら校長室まで来てほしいのさ」

 

 根津校長が教室の前に姿を見せ、界離を呼んだ。

 

「・・・俺ですか?」

「うん。大事な話があるのさ」

 

 界離は首を傾げた。A組の面々も同じく首を傾げる。

 

「結城が校長に呼ばれるって・・・何したんだ?」

「悪いことはしてないと思うけど・・・」

「いや、結城なら“良いことしすぎて呼ばれた”の可能性もあるわね」

「それはそれで怖いデース」

 

 界離本人も心当たりがなく、ただ苦笑いするしかなかった。

 

 午前の授業が終わり、界離は校長室の前に立った。

 

「失礼します」

 

 軽くノックし、返事を待ってから扉を開ける。

 その瞬間――界離は思わず足を止めた。

 

 根津校長だけではない。

 黒いコートに身を包んだ、鋭い眼差しと影を背負った女――レディ・ナガン。

 そして、その隣に寄り添うように立つ小さな影。

 

「! 界離お兄さん・・・!」

「壊理ちゃん」

 

 界離の声が自然と柔らかくなる。

 壊理はにぱっと笑い駆け寄ろうとしたが、ナガンがそっと肩に手を置いた。

 

「落ち着け。まずは話を聞こう」

 

 壊理はこくりと頷いたが、その指先は界離の方へ伸びそうになっては引っ込む。

 その小さな仕草に、界離の胸がきゅっと締めつけられた。

 

「さて、結城君。驚かせてしまったね」

 

 根津校長が穏やかに口を開く。

 

「死穢八斎會の取り調べが終わり、壊理ちゃんの身柄について正式に決定が下ったんだ」

「身柄・・・?」

 

 界離は壊理の頭を優しく撫でながら聞いた。

 壊理は撫でられるたびに安心したように目を細める。

 

「壊理ちゃんは、レディ・ナガンが引き取ることになった」

 

 界離は一瞬、安堵したように微笑んだ。

 だが次の瞬間、ナガンが静かに首を振った。

 

「・・・引き取る“だけ”だ。育てるのは無理だ」

「・・・理由を聞いても?」

 

 ナガンは言葉を選ぶように、ほんの一瞬だけ視線を逸らした。

 

「私は・・・仕事が不規則だ。長期間家を空けることも多い。幼い子どもに必要な時間を、私は与えられない」

 

 界離はその言葉の裏にある“本当の意味”を察した。

 

 ――表のヒーローとしての任務。

 ――そして、裏の“公安の仕事”。

 

 ナガンがそれを口にしないのは、壊理の前だからだ。

 界離は静かに頷いた。

 

(・・・そういうことか)

 

 壊理は不安そうに界離の袖を掴む。

 その小さな手が震えているのを、界離は見逃さなかった。

 

「それに――」

 

 ナガンは続けた。

 

「壊理の個性はまだ不安定だ。暴走すれば、彼女自身も周囲も危険に晒される」

 

 界離は壊理の肩に手を置き、優しく寄り添う。

 

「だから私は、壊理の心と体の安全を最優先に考えた。そして・・・彼女が暴走しそうになった時、止められる人間が必要だ」

 

 ナガンの視線が界離に向けられる。

 

「界離。お前なら、壊理を守れる。そして・・・壊理が暴走しても、止められる」

 

 界離は迷わなかった。

 

「・・・分かりました。壊理ちゃんは、俺が預かります」

 

 壊理の顔がぱっと明るくなる。

 その目には、涙がうっすらと浮かんでいた。

 

「ほんと・・・? お兄さんと、一緒にいられるの・・・?」

「もちろんだよ。壊理ちゃんのこと、ちゃんと守るから」

 

 ぎゅっと抱きつく壊理を抱き上げながら、界離は答えた。

 壊理の小さな腕が界離の首に回される。その力は弱いのに、必死だった。

 

 壊理が相澤先生やミッドナイト先生に挨拶している間、界離は小声でナガンに尋ねた。

 

「・・・壊理ちゃんの生活費、どうなってるんですか?・・・言っちゃなんですけど、子供の養育費って結構かかるはずですし」

「心配無用だ。アテがある」

「そのアテって?」

「死穢八斎會の組長から分捕った金だ。壊理への償いとして、本人も納得している」

「・・・なるほど」

 

 界離は苦笑した。

 ヤクザの金というのは多少引っかかるが、壊理のために使われるならそれでいいと不満を飲み込んだ。

 

「そういえば壊理ちゃん。苗字は・・・」

「つつみだよ!」

 

 壊理は胸を張って答えた。

 

「筒美壊理。ナガンお姉ちゃんと同じ!」

 

 界離は目を瞬かせた。

 

(・・・もう決めてきたんだな)

 

 ナガンは軽く肩をすくめた。

 

「雄英に来る前に、戸籍の手続きは済ませてある。壊理は“結城”を名乗りたがったが・・・」

「ナガンお姉ちゃんがね・・・“お兄さんとけっこんできなくなるぞ”って・・・」

「・・・」

 

 界離は眩暈に襲われた気がして眉間に皺が寄る。

 

「壊理ちゃん、それは・・・」

「けっこんってなに?」

「・・・うん、今は知らなくていいよ」

 

 界離は優しく頭を撫でながら、ジト目でナガンを睨む。

 ナガンは不敵な笑みを返した。

 

~~~~

 

 昼休み終了間際、界離は壊理を連れてA組・B組の教室へ向かった。

 

「皆、紹介するよ。今日からしばらく俺の家で預かることになった――壊理ちゃんだ」

 

 壊理は緊張しながらも、ぺこりと頭を下げた。

 

「・・・お、お世話になります・・・!」

「かわいい!!」

「界離ちゃん・・・この子ってもしかして」

「そうだよ梅雨ちゃん。職場体験の時の子だよ」

 

 界離や緑谷たち、そしてニュースで死穢八斎會掃討作戦を知っていたヒーロー科の皆は、壊理の事情を察したのか深く追及せず、優しく迎え入れた。

 

「じゃあ俺はこれから壊理ちゃんの転校手続きがあるから、もう行くね」

 

 界離と壊理は教室を後にした。

 

「しっかし結城もすごいよな~・・・いきなり指定(ヴィラン)団体の若頭に捕らわれた子を助けちゃうんだし」

「・・・確かに奴は正しい事をしたのかもしれんが、あれは無謀と紙一重だ」

 

 界離の職場体験での功績で盛り上がっていたA組B組の耳を、相澤先生の厳しい声が貫く。

 

「相手が指定(ヴィラン)団体だとして、令状もなしに保護するなど本来なら違法行為もいい所だ。結城の場合は個性で判別できるから例外だが、合理性の観点で言えば推奨できん」

 

 どこまでも冷徹で合理主義の相澤先生らしい評価だった。

 


 

 甘露寺先輩たちにも挨拶を済ませた界離と壊理は寮へ戻り、メイドたちにも紹介を終えた。

 寮の空いている一室が壊理の新しい部屋となり、界離はラドリーとナサリーに壊理の相手を任せつつ、必要な家具の確認を始めた。

 

「勉強机とか、ベッドとか・・・インテリアも色々あるんだな~・・・」

「界離っち、迷うのもいいけど、あんまり時間はないみたいだよ~」

 

 パルラがおどけた声で言い、界離は苦笑する。

 

「八斎會に壊理様が使っていた家具は残っていないのですか?」

 

 ハスキーの問いに、界離は一瞬だけ表情を曇らせた。

 

「あいつ・・・治崎の奴が学校に行かせてなかったんだよ。おまけに実験台だからか、部屋も殺風景で碌な物がない環境でね・・・」

 

 その言葉に、メイドたちの表情が一瞬だけ険しくなる。

 

「でしたら、私たち皆で見に行きましょう。そのほうが壊理様にとっても、かけがえのない思い出になるはずです」

 

 チェイムの提案に、界離の表情が明るくなった。

 

「・・・そうだな。皆で選んだ方が、壊理ちゃんも喜ぶよ」

 

 放課後、界離たちは大型ショッピングセンターを回り、家具を選んでいった。

 

「壊理ちゃん、ランドセルは何色がほしい?」

「・・・これがいい!」

 

 壊理が指差したのは淡い水色のランドセル。

 

「水色でいいのかい?」

「うん! これ、ヒーローになったお兄さんとおんなじ色だから」

 

 界離たちは一瞬首を傾げたが――ロビンのFight Rabbitの鬣が水色っぽいのを思い出し、納得した。

 

「壊理様、素敵な選択です。とてもお似合いになると思います」

 

 ラドリーが純粋な笑顔で言うと、壊理は照れたように笑った。

 

 それから数日が経った。

 注文していた家具や生活用品が次々と届き、壊理の部屋は日に日に“子どもらしい温かさ”を帯びていった。

 

「わぁ・・・!」

 

 ベットと一体型の勉強机。

 大きな本棚。

 柔らかいラグに、可愛いカーテン。

 

 壊理にとってはどれも“初めて見るもの”ばかりで、そのたびに小さな体が弾むように喜びを表す。

 

「ここ、ひみつきちみたい・・・!」

 

 ベッドに登ったり、机の下に潜ったり、壊理は部屋中を探検していた。

 

(・・・全部揃えた甲斐があったな)

 

 界離は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

 

 そしてある日の昼休み。

 界離が食堂でA組の面々と昼食を取っていると――

 

「お兄さん!!」

 

 勢いよく駆けてくる小さな影。

 その後ろには、ハスキーとラティス、そしてラドリーが静かに歩調を合わせて付いてきていた。

 

「壊理ちゃん? どうしたの――」

「みて!!」

 

 壊理はくるりと背中を向け、新品のランドセルを誇らしげに見せつけた。

 淡い水色のランドセル。

 壊理の小さな背中にぴったりで、まるで絵本の一ページのようだった。

 

「・・・似合ってるよ。すごく」

 

 界離が頭を撫でると、壊理は嬉しさを隠しきれず頬を赤くした。

 

「えへへ・・・!」

「かわいい!!」

「結城君、保護者の顔してる・・・!」

 

 A組だけでなく他クラスの生徒たちも一斉に悶絶する。

 その横でラドリーが穏やかに微笑んだ。

 

「壊理様、とても嬉しそうですね。・・・良かった」

 

 その純粋な言葉に、界離も自然と笑みを返した。

 

~~~~

 

 そして迎えた月曜日。

 界離たちは期末試験(筆記)に挑んでいた。

 教室には緊張と焦りが渦巻き、鉛筆の音だけが響く。

 

 一方その頃――壊理は新しい学校の校門をくぐっていた。

 

「だいじょうぶですよ壊理様。私たちがついております」

「・・・うん」

 

 ハスキーの落ち着いた声に、壊理は小さく頷く。

 さらにその影には――

 界離の頼みで学校に“忍び込み”、壊理の様子を観察するラドリーとラティスの姿があった。

 

「ラティス、壊理様・・・とても頑張っています。あの表情、すごく真剣です」

「ええ。界離様の妹分ですもの。誇らしいですわ」

 

 ふたりは窓の外や廊下の陰から、壊理の様子をこっそり見守る。

 

「じゃあ、新しいお友達を紹介します。筒美さん、どうぞ」

 

 担任に促され教室に入った壊理は、ぎゅっとランドセルの肩紐を握りしめた。

 

「・・・つ、つつみ・・・えりです。よろしくおねがいします・・・!」

 

 小さな声だったが、しっかりと言えた。

 教室が拍手に包まれる。

 

「壊理様・・・素晴らしいです。立派でした」

「ラドリー、声を抑えなさい。・・・でも、本当にその通りですわ」

 

 窓の外で見ていたラドリーが静かに拳を握りしめ、ラティスも満足げに頷いた。

 

 その後の授業も、壊理は真剣に取り組んでいた。

 ひらがな練習、簡単な算数、読み聞かせ。

 どれも初めての経験だが、壊理は一生懸命ついていく。

 

「壊理様、集中していますね・・・。本当に偉いです」

「ええ。界離様もきっとお喜びになりますわ」

 

 ラドリーとラティスは、壊理の成長に目を細めた。

 

(・・・これなら、きっと大丈夫)

 

 ふたりは心からそう思った。

 

 昼休みになると、壊理の机の周りにクラスメイトが集まった。

 

「壊理ちゃん、好きなヒーローいる?」

「テレビ見てる?」

「今年の雄英体育祭見た?」

 

 突然の質問攻めに、壊理は少し怯んだ。

 

「え、えっと・・・」

 

 だが、ふと窓の外を見ると――ラドリーが静かに手を振り、ラティスが落ち着いた笑みで頷いていた。

 壊理の表情がふっと和らぐ。

 

「・・・すきなヒーローは・・・ロビンとミルコと、レディ・ナガン!」

「わかるー!!」

「ミルコかっこいいよね!」

「どの姿のロビンが一番好きなの?」

 

 教室が一気に明るくなり、壊理は安心して笑った。

 

 放課後。

 

「壊理ちゃん、一緒に帰ろ?」

 

 クラスメイトの一人が声をかけてくれた。

 その子の友人二人も加わり、四人で帰ることになった。

 

「・・・いいの?」

「もちろん!」

「ランドセルかわいいね!」

「明日も一緒に遊ぼ!」

 

 壊理は嬉しそうに頷いた。

 その後ろを、ラドリーとラティスが距離を保ちながらついていく。

 

「壊理様・・・とても楽しそうです。良かった」

「ええ。界離様もきっと安心なさいますわ」

 

 壊理の小さな背中は、ほんの少しだけ大きく見えた。

 

 夕方。

 壊理が寮に戻ると、界離はちょうど期末試験を終えて帰ってきたところだった。

 

「お兄さん!! きょうね、えり・・・!」

「おかえり。どうだった?」

 

 壊理は今日あったことを一生懸命話し始める。

 界離はその全部を嬉しそうに聞いていた。

 その時、界離のスマホが震えた。

 

「・・・あ、ミルコさんからだ」

 

 画面には短いメッセージ。

 

『壊理、学校どうだった? なんかあったらすぐ言えよ。あと界離、ちゃんと保護者やれてんだろうな?』

「・・・ミルコさん、心配してくれてるんだね」

「みるこさん・・・!」

 

 壊理は嬉しそうに笑った。

 

 

◇◇◇◇

 

 

 その頃、別の場所。

 レディ・ナガンは、界離から届いたメッセージを静かに見つめていた。

 

『壊理ちゃん、無事に初日終わりました。友達もできたみたいです。今日は安心して休んでください』

 

 短い文だが、壊理の様子がよく伝わる内容だった。

 

 ナガンはスマホを胸元に押し当て、ほんの少しだけ、息を吐いた。

 

「・・・そうか。なら・・・よかった」

 

 その声は、誰にも聞かれないほど小さく、しかし確かに“安堵”が滲んでいた。

 

 彼女の表情はいつもの冷たい仮面ではなく、ほんのわずかに柔らかかった。

 


 

 深夜――大抵の人間が寝静まっている時間帯。

 界離はふと目が覚め、喉の渇きを覚えて部屋を出た。

 トイレと水分補給を済ませ、戻ろうとしたその時――小さな、震えるような声が耳に触れた。

 

「・・・や・・・だ・・・やめて・・・」

 

 壊理の部屋からだった。

 界離の胸がざわりと揺れる。

 足音を立てないようにそっと部屋に入ると、壊理が布団をぎゅっと握りしめ、身体を小さく丸めていた。

 

 額には汗。

 呼吸は浅く、肩が震えている。

 

 悪夢だ。

 

 界離は迷わず壊理の枕元に身を乗り出す。

 

「壊理ちゃん・・・」

 

 そっと、壊理の頭に手を置く。

 小さな頭は熱を帯び、震えが伝わってきた。

 

「・・・っ、や・・・だ・・・こわ・・・いや・・・」

 

 壊理の眉が苦しそうに寄る。

 

「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・いたいの・・・やだ・・・」

 

 胸が締めつけられるような寝言だった。

 界離は、壊れ物を扱うように優しく髪を撫でた。

 

「大丈夫だよ」

 

 声は囁くように、けれど確かに届くように。

 

「もう怖くない。僕たちがここにいるから」

 

 撫でる手に合わせて、壊理の呼吸が少しずつ落ち着いていく。

 ぎゅっと握られていた布団の端が、ゆるりとほどけた。

 

「・・・おに・・・さん・・・?」

 

 夢の中で界離を探すように、壊理の指先が空を掴む。

 界離はその手をそっと包んだ。

 

「うん。ここにいるよ。ずっと」

 

 壊理の震えが、ゆっくりと止まっていく。

 

「・・・いかないで・・・おいていかないで・・・」

「置いていかないよ。壊理ちゃんをひとりにしたりしない」

 

 界離の声は、夜の静けさに溶けるように柔らかかった。

 

「・・・ほんと・・・?」

「ほんとだよ」

 

 その瞬間、壊理の表情から苦しみがすっと消えた。

 代わりに、安心しきった子どもの顔になる。

 

「・・・おにい・・・さん・・・すき・・・」

 

 界離の胸が一瞬だけ熱くなる。

 

「・・・ありがとう。僕も壊理ちゃんが大事だよ」

 

 壊理は界離の手を握ったまま、すやすやと寝息を立て始めた。

 まるで悪夢が霧のように消えたかのように。

 

 界離はしばらくその寝顔を見つめていた。

 壊理の胸が規則正しく上下し、頬がほんのり赤い。

 

(・・・よかった)

 

 胸の奥がじんわりと温かくなる。

 そっと手を離し、布団をかけ直す。

 壊理は小さく身じろぎし、幸せそうに微笑んだ。

 

「・・・おにい・・・さん・・・いっしょ・・・」

 

 寝言のように呟かれたその声に、起こしちゃったかと界離の心臓が少しだけ跳ねた。

 

「・・・おやすみ、壊理ちゃん」

 

 界離は静かに立ち上がり、部屋の扉を閉める。

 廊下に戻ると、ほんの少しだけ胸を張って歩いた。

 

 守るべきものが、確かにここにある。

 そんな実感が、界離の背中をそっと押していた。




深夜テンション気味だからか文章が変になってるかも・・・
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