【書籍化決定】かませ役♂に憑依転生した俺はTSを諦めない 作:不破ふわる
天上君……今回はその……モモトリスに関しては何と言ったら良いか……。
『瞬殺だったねぇ^^ 君、やる気あったの? 私達が最初期に戦った鹿の天使よりも弱かった気がするが』
『いえ、アレは確かに凄まじい力を持った天使でしたよ。私にはわかります。とち狂って身体能力に全振りしたのは意味がわかりませんが』
『だから言っただろう。余、間違った選定はしていないぞ。公平な選定を心がけているからこそ、対象の人類に相応しい天使を送っているんだ。銀の黄昏は本当に強くて優秀だ。おかげで、この人類の後に生まれた人類には博愛の銘は与えないことが決定した。あれ、たぶん選定バランス崩壊しちゃう。余、大失敗』
そんなソシャゲ運営みたいなノリで選定していたんだねぇ。
モモトリスは学者でひとひねりだったから、たぶん誰が戦ってもああなっていたかもね。
『だがモモトリスは仕事をしたぞ。既に第二の天使の用意は済んでいる。さて、銀の黄昏の諸君は無限に続く太ももの回廊、叡智とえっちの大迷宮――ムチリンスを抜け出せるかな!』
『名前終わってますね』
この太ももシリーズ最後まで続くんだ……。
『こいつ狂ってるねぇ^^ コンテンツ界隈に期待の新星爆誕だ』
『モモトリスの鳴き声は精神に作用する。誰も認識できない程に分散された魔力と、第二の天使の迷宮が化学反応を起こすことで、第二の試練は完成するのだ』
やってることはきちんと厄災なんだぁ。
『ついでに本来の厄災で降臨した最終個体も目覚めさせたぞ。モモトリスの鳴き声で天使は目覚めるのだ』
『えっそれってアトラスティア上空に浮いてるあのデカい鳥ですか!? あれに勝てなくて銀の黄昏は世界を停止させたんですよ!?』
『今は先導者がいるし勝てるだろう。それにあれには太ももはない。弱いぞ』
『基準が狂ってしまったのですね……』
『太もも先輩は時折、余を憐れんでいるように見えるのだが気のせいか?』
気のせいだよ。
だって君はこんなにも素晴らしく成長したのだから。
モモトリスに続きムチリンス……間違いなく俺達の中にはなかったコンテンツだ。
『あってたまるか^^』
『褒めて貰えて余は嬉しいぞ。ちなみにムチリンスでは精神異常が加速する度にムチッムチッという音が脳内に流れる。これで現在の自身の正気度を計れるぞ!』
『貴女狂ってます』
天上君、ちなみに正気度がゼロになるとどうなるの?
『ムチリンス内部に自身の望みが投影され、一生を仮初の幸せの牢獄に囚われる。それで魔力を吸収され、衰弱死して終了だ』
『やってることはえげつないですね……』
くっ、次の天使も一筋縄ではいかないって事か!
流石は天上の意思の厄災だ。あのソルシエラとトウラクが居ても突破できるかどうか……!
『変態の匙加減ですよ。気づいて下さい』
『私達の世界と同様、一歩間違えれば凄惨な未来が待っているようだねぇ。ムチリンス……その名を聞いただけで、不思議と体が震えあがってしまうよ』
『それ単純に気持ち悪いからですよ』
『あ、それはそれとして先導者にお願いがある』
どうしたんだい天上君。
『モモトリスを食べて欲しい』
『ひえ』
『とんだ上級プレイだ^^』
『違う、そうではない。モモトリスの肉体は純天上産。その肉は安心安全かつ美味しく頂ける。そしてなおかつ……食べた者の太ももの張りと艶が天上%上昇する!』
『毒物?』
『エッチな毒物?』
エッチでムッチな毒物?
『毒物などではないぞ! 余、美味しく食べれるように調整したのだ。恐らくは、全ての世界で一番美味しいもも肉である。後、食べたら次の天使の精神攻撃に完全耐性がつく』
『とんでも効果じゃないですか!? そんな攻略に必須な恩恵を持っているのに、どうしてあんなに食欲がわかない見た目で作ったんですか!?』
『え、そうか……? 余から見ると、結構美味しそうに出来たんだが……』
『ああっ、人外の価値観』
あれ本気で良いと思ってデザインしてたんだ……。
敢えて気持ち悪くしようとかじゃなくて、本気で自分が良いと思えるものを作っていたんだね……。
『当たり前だ。余は手を抜いたりしない。常に太ももコンテンツには全力投球だ! だから味も保証するぞ! 余を信じて食べてくれ先導者!』
……それ、もしかして俺の太ももを改造しようとしている?
『改造ではない、改良だ。別に太くするわけではないぞ。ただ、張りと艶を与えるだけだ』
『こいつ危険思想ですよ』
『そんな事はないぞ! 造物先輩ならわかってくれるだろう!?』
『わかるねぇ^^』
『なら……!』
『だが、相棒は違うようだ』
『な、なんだって……!?』
確かに応えたいよ天上君。
あっちぃ想いも伝わった。
しかし、ここでソルシエラの太ももが急にツヤツヤになったらキャラ崩壊が激しい……!
そう言うのは後でしっかりとスピンオフコンテンツの土台を作ってから制作するべきだろう。
それに今のソルシエラは黒タイツだ。
折角なら生足魅惑のソルシエラにそのお肉を与えたくはないかい?
『成程、実に論理的な提案だな。流石は先導者』
『……私、衣装の制作があるので奥に引っ込みますね』
『また後で呼ぶよ^^』
『呼ばないでください! 太ももとコンテンツの話しかしてないじゃないですか!?』
だからこそ、精神攻撃にソルシエラだけ耐えることが出来たとか、その辺の理由づけをしてコンテンツを進行させよう。
大丈夫だ。
全てを乗り越えたソルシエラなら何をやったとしても「まあ、あいつなら可能か……」で済ませることが出来るからな!
『そうか……そうだな。わかった。先導者の案に乗ろう』
わかってくれたか、天上君。
『話がまとまったところで申し訳ないが、既に食いしん坊が一名食べてるよ^^』
えっ。
『あっ』
見ればトアちゃんが、モモトリスの肉を学者に切り分けられて口に運んでいる所であった。
正気かトアちゃん!?
くそっ美少女の輝きが多すぎて目が眩んでいる隙に、食いしん坊を一人自由にしてしまった!
『食べてしまったなら仕方ないな! 余、柔軟な対応をするぞ!』
『露骨に嬉しそうだねぇ』
くっ……あんなに美味しそうに食べられては、止めることが出来ない。
トアちゃんの食事を止めたら、俺はショック死してしまう!
『本当にしそうなのが怖いんだが』
『いっぱい食べて張りと艶を出すのだ! 』
あんなに口いっぱいにきっしょい肉を頬張って……!
いっぱい食べられてよかったねぇ。君が幸せなら俺はOKです。
『君、美少女の中でもトアには特に甘いねぇ。……なら、うっかりトアの食欲が性欲に変換されたとしたら……?』
都合の良い疑問を提示しないでくれ星詠みの杖君。
したら……? じゃないんだよ。するの君しかいないんだから、絶対に止めてよ。
『先導者、これは仕方が無い。仕方が無いので、フレキシブルにいこう。ここからはこの太ももの寵愛を受けた者をコンテンツの中心に据えるのだ……!』
天上君が生き生きしている……。
ちなみに、本当に毒性は無いんだよね? 神から見たら無害とか祝福とか、そういう認識の相違からくる悲劇とかはないんだよね?
『余は美少女と太ももの事を第一に考えている。安心してくれ先導者よ。余はまだ若輩者だが、その辺は間違えないぞ』
そうか、なら君を信じるよ天上君。
ではこれより、ムチリンス攻略に向けたコンテンツの下ごしらえをする。
各自、下味をつけてもみ込む準備をするように!
『『応ッ!』』