「Stairway to Paradise」 作:いつも活き活きと
あの異変から数日後、博麗神社では…
「いや〜今回の異変は本当にキツかったぜ。」
「本当よ、あの乱入がなければまだマシだったのに…」
「ごめんなさいね〜まさかあんなことになるとは思わなくて〜」
「それにしてもここは素晴らしいところだな…桜がこんなに咲いているとは……」
「確かに、私の所も桜が咲いてるけどここも同じくらい咲いてるわね。」
シュン……
「こんな所にいた。亡霊の姫」
「私?メイド風情がこんな所まで何の用?」
「あなたが、ひょんな所でのん気に花見してるうちに、巷は冥界から溢れた幽霊でいっぱいだわ。何を間違えたか家の近くまで来ていたから、あなたに文句を言うために探したのよ。」
「確かに最近幽霊がそこかしこにいるな…」
「私だって、ただひょんな所でお茶を濁しているだけじゃないわ。もうすでに、冥府の結界の修復は頼んであるわ。」
「ならなんで、ひょんな所でのんびりしてるんだ?帰れなくなるぜ?」
「ひょんなって何よ。」
そして、また一人、亡霊姫をたずねてくる者がいた。いや、一人ではなく、二分の一人かも知れないが。
「幽々子様!また、みょんな所に居て…それより大変です。」
「あなた、さっきの私達の会話聞いてたみたいね。」
「??とにかく、あの方に結界の修復を頼んだのに、まだ寝ているみたいなんですよ。」
「あいつは、冬は寝るからなぁ。でも、もうとっくに春になってる気がするけど。」
「春になったのは、地上ではまだ最近です。」
「あんたらの所為でな。」
「じきに起きて来るわ。毎年の事じゃない。」
「遅れる分にはいいんですけどね。」
「「「「あんまり良くない。」」」」
「ただ、代わりに変な奴が冥界に来ているんですあの方の、何でしたっけ?手下?使い魔?そんな様な奴が、好き勝手暴れてるんですよ。」
「そんなん、その刀ですぱっとしちゃえば?」
「まさか、滅相もございません。幽々子様の友人の使いだって言ってる者を、斬ることなんて出来ないですよ。」
「なら、私が懲らしめてあげようか?」
「なら、私がすぱっと。」
「すぱっと。」
「ビシュアァっと。」
「それなら、任しておきましょう。」
「良いんですか?友人の使いですよ?」
「友人の使いは友人ではないわ」
「みんなが冥界に行ってくれるなら、私は行かなくてもいいわね。」
「何言ってるのよ、私も忙しいの。」
「私も………ちょっと用事が。」
「私はかまわないけど、みんなの代わりに行く気は無いぜ。ここは一つ、ジャンケンで決めるってのはどうだ?」
「ありきたりね」
「ありきたりだわ」
「もう少しなんかひねりはないのか?」
「ジャンケンで、後出しをしなかった奴が行く。」
「それでいいわ。」
「いいわよ。」
「??意味あるのか?」
「「「ジャ~ンケ~ン・・・」」」
四人は、薄くなった冥界との境を行き来し、何故か冥界の秩序を保つ羽目になっていたのだ。四人が出かけている間も、亡霊の姫はここみょんな神社に居たり、いなかったりと、好きな様に生活していたのだ。
「それから、妖夢。使い魔じゃなくて、式神よ。似たようなもんだけどね。」
「幽々子様はなんでほったらかしにしてるんですか?」
「あら、庭の掃除は誰かに任せっきりですけど」
「みょん」
亡霊達はこの人間達に、本当の災妖は式神なんかでは無い事を喋らずに居た。一つの憂鬱である。
「結局私が行く羽目になるのか……」
「まぁまぁ、私も行きますから。」
プッチはあの後用事がないことがバレ、三人から『行きなさい』と言われてしまい仕方なく行くことになり、もう一人…妖夢はプッチに幽々子の友人の使いの者を会わせるために案内しに来ていた。
「この先にその使いの者がいるのか?」
「ええ。気をつけてくださいね…あの人強いですから……」
「油断せずに行くよ…」
「(『スタンド使いはスタンド使いに引かれ合う』言わば、『引力』……最近実感しかわかないな……まさか今回も『スタンド』が絡んでるんじゃあないよな……)」
プッチはここ最近スタンド使いとの戦闘で警戒心が強まっていた。
「あッ!あそこにいる人ですよ!!プッチさん。」
「あれが……」
そこには黄金の毛並みの尻尾を九本持っている人……式神が佇んでいた。
「おお?これは珍しい。こういう人間もこんなところにいるんだ。」
「こういうとは?」
「神を敬愛している人間。」
「……まぁそうだな…………」
「それでなんのようだ?わざわざこんな所まで来て。」
「ああ、それは…」
「早く結界を修復するように貴方の主人に伝えてください!!」
「お前までいたのか。前も言った通りご主人様はまだお休み中だ。」
「なら、起こせばいいだろう…」
「ただ寝ているんじゃなくて冬眠中なんだ。しかも起こすと機嫌が悪くなる…」
「随分と自分勝手なやつだな。」
「…?お前は知ってるはずだが……まぁ良いか、もう一度いうがまだ結界の修復は出来ない。もう少し待っていろ。」
「地上は幽霊で溢れている。このまま帰るわけにはいかない………そうだな…お前を再起不能(リタイヤ)にすれば出てくるか?」
「プ…プッチさん!?」
「ほう…ただの人間風情が………良いだろう……その自信!根本から綺麗さっぱり消し去ってやる!!」
「式神『前鬼後鬼の守護』!」
プッチと妖夢に黄色と緑色の弾幕が襲いかかる。
「…随分と優しい弾幕だな。この程度なら簡単に避けられるぞ。」
「プッチさん!?さっきから相手のことを煽りすぎですよ〜」
「ほほう、ならこれならどうだ!!」
「式神『十二神将の宴』ッ!!」
スペルカードを唱えると魔法陣が十二個出現し、それぞれが弾幕を放ってきた。
「ッ!少し避けるのが難しくなってきたな……」
「幻符『スネークストマック』」
「消えた?いや、これは…幻覚か。だがッ!私に対してそれは悪手だな。………そこ!!」
式神が弾幕を放つとなにかにかする音が聞こえプッチの姿が現れた。
「なにッ!何故バレた!?」
「私は九尾の狐だからな…その程度の幻術など見破るのに苦労しない。」
「私もいますよ!!」
「人符『現世斬』」
妖夢は式神に突進しながら斬撃を叩き込んだ!
「ッ!やるな。ならば!!」
「式神『橙』ッ!!」
突然っ!!猫と人を合わせたような人妖が出現し弾幕をばら撒きながら突進してくる!
「こっちも使うか」
「顕符『透明なドッペルゲンガー』ッ!」
「『ホワイトスネイク』ッ!!あの飛び回っているやつを撃ち落とせッ!」
『ウオシャアアアアアッ!!』
「橙ッ!よくも私の式を!!」
「いや、貴方が放ってきましたよね……」
「許さんぞ……これならどうだ!」
「『狐狗狸さんの契約』」
式神の姿は消え、プッチと妖夢の周りにレーザーが囲うように配置され、四方八方から規則正しく弾幕が飛んでくる。
「私がなんとかします!!」
「断命剣『冥想斬』ッ!」
一気に弾幕を斬り、弾幕に隙間を開けそこから安全な場所に移動した。
「これで終わりにしてやろう!!」
「幻神『飯綱権現降臨』ッ!!」
「ふん…最後にしては随分楽だな。」
「今だけだ…そんなことを言えるのは……」
ババババババッ!ピュンピュン!
「(これは………時間経過で難しくなるやつか!)」
「わッ!」
「ッ大丈夫か!?」
「はい…にしてもこの弾幕大分辛いですね……」
「だが、そろそろ終わるはずだ。それまで耐えるんだ。」
「フフフ…そんなにもつかな?大分辛そうだが……」
「ッ!もう少しだ……もう少しで終わるはず……」
「(……クソ……案外粘るな………もう残り五秒しか無い…一気にけりをつけるッ!!)」
「これならどうだ!」
叫ぶと同時に大玉をプッチめがけ発射するが……
スパッ
「させませんよ!!」
「クッ!!」
そして…
パァァァァン!
スペルブレイクした。
「はぁはぁ、さぁ私達が勝ったんだ。お前の主人とやらを呼んでもらおうか……」
「観念してください!」
「だから…『ここにいるわ』ッ!!」
ウォン………
「な…お前は…………『八雲紫』ッ!!」
「プッチ、久しぶりね……」
「ゆ…紫様!?どうしてここに?」
「藍……貴方いつ私が戦闘を許可したの?」
「ッ申し訳ございません……」
「私からの命令に背いた状態だと強化されないのよ?」
「それでもこの者たちを退けるには十分かと…」
「それでこのザマと………」
「面目ありません……」
「まぁいいわ。下がってなさい。」
「はい。」
「紫、その式神は遠隔操作型なのか?」
「いえ、どちらかと言うなら自動操縦型ね。」
「そうか。そういえば結界の話なんだが早く修復してくれないか?地上が幽霊で溢れているんだ。」
「ええ〜面倒くさいわね……そうだ!あの『西行妖』を倒した実力………私にも見せてくださらない?」
「つまり弾幕ごっこということだな…」
「そうゆうことよ。」
「妖夢……ここは私に任せてくれないか?」
「何でですか?二人でやったほうが確実なのに……」
「紫は『私の』実力を見せてほしいと言った。つまり二人で倒しても意味がない。」
「ちゃんと理解してくれたのね。」
「……分かりました。頑張って下さいね!」
「ああ。」
「それじゃあ始めましょう……貴方には見えるかしら?蜘蛛の糸より細く、蜘蛛の糸より複雑な道でも。」
「塩基配列よりは簡単だろう……」
「行くわよ!!」
「結界『夢と現の呪』」
「なるほど…ランダムでばらまかれている弾幕で動きを制限している所に自機狙いの弾幕か。だが!この程度なら簡単に避けられるぞ。」
「あら、上手いわね…それならこれはどうかしら!?」
「結界『動と静の均衡』」
大玉がプッチを狙い、ワンテンポ遅れてプッチの近くに配置された使い魔から時計回りで弾幕が展開される。
「ッ少し辛いな…こちらも使うとするか。」
「顕符『透明なドッペルゲンガー』」
バシバシバシバシ!!
『ホワイトスネイク』はそのまま弾幕を弾きながら紫に迫り………
「喰らえッ!八雲紫ッ!!」
拳が繰り出され………
スカッ
当たることはなかった………
「なッ!?今のを避けるのか!?いやそもそも視線が私ではなく少し横を見ていた…ま…まさかッ!紫!!お前もスタンド使いか!?」
「いいえ、スタンド使いでは無いわ。ただ『可視と不可視の境界』をイジって私だけスタンドが見えるようにしたのよ………それにしても貴方のスタンドってこんな感じだったのね……まるで怪我人のようね。」
「クッ!『ホワイトスネイク』!そのまま攻撃を続けろー!!」
『ウオシャアアアアアッ!!』
「無駄よ、そんな見え透いた攻撃。当たるわけがないわ。」
「やはり駄目か……」
「次のスペルカードよ。」
「結界『光と闇の網目』」
赤と青のレーザーが交錯しプッチに襲いかかる。
「(どうする……スタンドが見える状態ということは強奪『アビリティ&メモリー』は効果がない……新しく一枚作ってはあるが…………今回はそれが要になりそうだな…)」
「なかなか厳しい弾幕だがまだまだ余裕だぞ……」
「…ならこれならどう!」
「罔両『ストレートとカーブの無郷』」
「この弾幕は………」
「(なかなか難しいな…だが相手はまだまだスペルカードを使ってくる!もう少しスペルカードは温存しておこう…)」
「あら…地力で耐えるなんて……それなら…………」
「罔両『八雲紫の神隠し』」
紫はテレポートしながら弾幕を放つ!
「(まだ避けていられるな…確実に決められる時に仕掛ける…………)」
「どうした…さっきの弾幕より簡単だぞ。」
「ここからよ…」
「罔両『禅寺に棲む妖蝶』ッ!」
「この弾幕は……フランの弾幕と避け方はほぼ同じだな…だが密度はこっちのほうが上だ。」
「そろそろ使ってくれても良いんじゃないかしら?」
「魍魎『二重黒死蝶』ッ!!」
「(ッ!この弾幕は先程までの弾幕よりレベルが段違いだ!こっちも使わざる得ない…)」
「幻符『スネークストマック』ッ!!」
プッチの姿は紫の視界から消え去り位置を捕捉することさえも許さない!
「そのスペルカード……思ってたよりも厄介ね。炙り出すとしましょう…」
「式神『八雲藍』」
「藍ッ!プッチの居場所を突き止めなさい。」
「はい!」
藍は辺りを縦横無尽に駆け回り、軌道を変えるたびに全方位に弾幕を展開する!!
「うおおぉぉぉぉぉ!!」
「(不味い!私のスペルカードの効果時間が切れた……だがこの弾幕は紫が簡単な弾幕しか出してこないから余裕だな。)」
「出てきたわね……さぁそろそろ終わりにしてあげるわ!」
「『人間と妖怪の境界』!」
「(この弾幕は………藍の『狐狗狸さんの契約』と類似している!だが…難易度はこちらのほうが遥かに上だ。しかしこの弾幕は見たばかり…避けきってみせる!)」
「さっきも似たようなものを見たばかりだぞ、紫。」
「…なかなかしぶといわね。これならどう!!」
「結界『生と死の境界』」
紫は小さい弾幕を展開し始め、徐々に弾幕を追加していく。
「ッ!!不味い…!」
「(さっきから藍が出していたスペルカードを強化していたようなものだったがこれは本当に強くなっているな…)」
「グッ!まだか!?まだ終わらないのか?」
パァァァァン!
「あら耐えきったのね…プッチ!これが最後の弾幕よ!!」
「紫奥義『弾幕結界』ッ!!」
「!!ならばこちらも!」
「(ここからは戦局で言う所の…『一手』だな…。『一手』見誤った者の敗北ということか…)」
「命符『ヘブンズディスク』ッ!!」
紫は最後のスペルカードを使い、プッチも自身の温存していたスペルカードを放つ!
「お前に命令するッ!『今すぐスペルカードを中止しろ』!!」
「無駄よ!!私には『スキマ』があるわ!」
ウォン
「クッ!なにか手は………」
「(よし…それで良い………それがベストッ!!)」
「強奪『アビリティ&メモリー』!」
「その技は意味がないわよ!!私には貴方のスタンドが見えてると言ったでしょう?」
プッチはスペルカードを発動したと同時に無理やり紫に接近した!!
「うぉぉぉぉぉぉ!!『ホワイトスネイク』ッ!!コイツから『DISC』を奪い取れッー!!」
しかしプッチの背中からは既に弾幕が迫ってきていた!!そして……………
スカッ…………
「これで終わりよ………」
プッチは『DISC』を奪うことに失敗した………………
「………溶解『ボディ&スピリット』ッ!!!」
「なにッ!?」
なんとッ!!プッチが唱えると同時に『ホワイトスネイク』から手で圧縮された液体が凄まじい速度で紫に迫る!!さらにッ!!その間にある弾幕は全て『溶けて』いく!!
「これで………!相打ちだぞ!!八雲紫ッ!!」
「この人間がぁ!!!」
バァァァァァーーーーン!!!!!
「……チさん!…ッチさん!、プッチさん!」
「…ウゥ……ここは…………?」
「白玉楼です。大丈夫ですか?紫様と戦ったのは覚えてますか?」
「……ああ。そうだ!!あの後どうなったんだ?」
「あの後、紫様とプッチさんはどちらも気絶してしまったので引き分けという形で終わり、その後ここに私が運びました。その後少ししてから紫様が『結界の件は引き受けるわ。それとプッチに素晴らしい弾幕ごっこだったわ、と伝えて頂戴。』と言われて帰りました。プッチさんはその後……まぁ大体一時間後に目を覚ました、という感じです。」
「………そうか。ありがとう、私をここまで運んでくれて。」
「いえ、当然のことをしたまでですよ。」
「とりあえず一件落着ということだな。」
「プッチさんはとりあえずもう少し休んでてくださいね!体力を消耗しているはずですから。」
「分かった。お言葉に甘えるよ。」
結局、紫が直すと言った結界はその後あやふやになったとか………だが!この戦いは無意味ではない。特にこの男……プッチにとっては……………
第二章 東方妖桜夢 〜完〜
溶解『ボディ&スピリット』…プッチのスペルカード。
効果:『ホワイトスネイク』が出すことの出来る身体を溶かす液体を手を合わせて極限まで圧縮して放つ技。
これで第二章は終わりです。まだまだ物語は続くので楽しみにしていてください!!
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