「Stairway to Paradise」   作:いつも活き活きと

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シリアス回は難しいですね。本当に小説を書くのが上手な人を尊敬します。


『それでも』

「そういえばプッチさん。最近地上の方で何か決闘のようなものとか流行っていませんか?」

 

「決闘?………ああ、そういえば最近『人気』を求めて宗教家を中心に争っているらしい。」

 

「そうなんですね…実は最近届いた新聞にこんな事が書いてあって………」

 

『謎の妖怪は地底からやってきた』

 

「それでお燐とかに調べてもらったらこの妖怪がこいしというのが分かったんですよ。」

 

「…………随分とやんちゃしているらしいな。」

 

「まぁ元々アグレッシブな子でしたから。それでお願いがあるんですけど…」

 

「どうした?」

 

「私を地上に連れて行ってくれませんか?その…こいしの活躍を見てみたいと思う反面やっぱり地上に行くのが怖いというのもありまして…………それで、プッチさんと一緒ならなんとか行けそうと思ったんですけど…ダメですかね?」

 

「……………ま、まぁ私は別に問題ないが。」

 

「本当ですか!!じゃあ早速準備してきますね!」

 

「(…………随分喜んでたな…悪い気はしないが……)」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「それじゃあ行きましょうか。」

 

「行き先はとりあえず人里でいいか?」

 

「はい。それにしてもプッチさんと出かけるのは初めてですね。」

 

「確かにそうだな。いつもは地霊殿で話すくらいだし。」

 

「でもそのお話のおかげでスタンドとかにはだいぶ詳しくなりましたよ。」

 

「その知識が必要になる場面に出くわさなければ良いんだがな…」

 

「まぁそうですけど……プッチさんとのお話は楽しいのでこれからもお願いしますね。」

 

「…分かった。」

 

「そういえばプッチさんってなんで沢山のスタンドの知識があるんですか?」

 

「……………さとり。」

 

「はい?」

 

「私の心を読んで過去を見たことはないのか?少なくとも私は何回か君の前で過去を振り返った事があるはずだ。」

 

「…………私の能力、『心を読む程度の能力』は意識して読もうと思わなければ断片的な情報しか入ってきません。だから、プッチさんの過去を詳しく見たことがありません。」

 

「なぜ……何故見ようとしなかった?明らかに私は『訳あり』の人間だ。見ようとすれば見れたのになぜ………」

 

「勝手に過去を見ることに私はあまり抵抗はありません。」

 

「ならッ」

 

「けど!プッチさんの過去だけはどうしても勝手に見たくなかった!!」

 

「!…………すまない。君に対して失礼だったな、この発言は。」

 

「謝らないでください。代わりにプッチさんの過去を教えてください。もちろん出来る限りで構いませんから。」

 

「…………………………」

 

「プッチさん…!」

 

「……まず最初に言っておかないといけないことがある。私は君が思っているほどキレイな人間ではない。殺人などを沢山犯した。だがそのことを目的のためなら仕方がないと割り切れる。そんな人間だ。それでも聞きたいか?」

 

「はい。」

 

「………………ある日、アメリカのとある病院で双子が生まれた。その日は死産してしまった母親もいた。その母親は絶望し、禁忌とも言える行為に手を染めた!双子の片方を自分の死産した赤子と入れ替えたんだ。それは誰にも気づかれることがなくその後も気づかれることはなかった。時は過ぎ双子が十六になった年、入れ替えられなかった方、私『エンリコ・プッチ』は聖職者を目指し教会の手伝いをしていた。その日は懺悔室の清掃をしていたんだがそうとも知らず中に入ってきた人がいた。私は注意したがその人は必死だったのか懺悔を始めてしまった。……今思えばここで私はさっさと出るべきだったんだ。それなのに私は懺悔を聞いてしまった。内容は『十六年前に自分の死産した赤子を同じ日に生まれた双子の赤子の片方と入れ替えた』という内容だった。」

 

「まさか!!」

 

「そのまさかだ。入れ替えた方の名前を聞くと『プッチ』と答えた。私は悩んだ。さとりは知らないと思うが私はキリスト教と呼ばれる宗教を信仰していた。その宗教のルールに懺悔室での懺悔内容は誰にも話してはいけないというものがあった。だからこの事実を親に伝えることが出来ず悩んでいた。そんな時だった、妹『ペルラ』に恋人ができたと伝えられた。本来なら素直に喜ぶことが出来た…………そう、出来たはずだった!あろうことかその恋人は片割れの双子、『ウェス』本名『ドメニコ・プッチ』だった!キリスト教では血縁関係のある者との交際は許されざること。だから私は悩んだ末に探偵に二人を分かれさせるように頼んだ。『妹はこれが初恋だ。それならこの恋は数年経てば懐かしい記憶になる。』このときの私はこんなふうに考えていた。」

 

「それで……どうなったんですか?」

 

「その探偵はいわゆる白人至上主義だった。」

 

「?それはどんな主義なんですか?」

 

「外の世界では人の皮膚の色で優劣をつけ、差別する風潮の時代があった。その名残で白色の皮膚以外の者たちを差別していた人だった。」

 

「そんな考えが……」

 

「話を戻そう。私はとにかくペルラが傷つくことがあってはいけないと思い、行動していた。だがッ!!この話は最悪な結果で終わってしまった。探偵はその時のウェスの親の血筋を調べ、黒人の血が入っていることを知り必要以上の暴行、その後家に火を放ちウェスは気絶してしまった。……その後は……………その後は……」

 

「プッチさん…無理しないでください。今はここまででも良いですから。」

 

「…いや、今言わないとこれから先も言えないはずだ……………その後はペルラはウェスが死んだと勘違いして崖に身を投げてしまった。」

 

「!!」

 

「私はその連絡を受けたとき絶望した!!『何故ペルラがこんな目に合わなければならない!!』『裁きを受けるべきは私だ!!』そんなとき、スタンドの矢が私に突き刺さりスタンドが発現した。その時だった。私はある男の事を思い出した。その男は一年ほど前に教会で会い、私に『矢』と『人の出会い』について話してくれたんだが妙なカリスマがあった。名前を『DIO』と言った。後に分かったが彼は吸血鬼だった。」

 

「『DIO』……ていうか外の世界にも吸血鬼っていたんですね。」

 

「いや、DIOは『ある道具』で吸血鬼になったと言っていたな。」

 

「そんな道具が………」

 

「話を戻すと、私はDIOに会う前に弟のウェスと決着をつけることにした。」

 

「なんでですか?」

 

「スタンドが発現すると血縁にも発現することがある。私達は双子だったこともあったからウェスにもスタンドが発現した。その後ウェスは『天候を操る能力』で街中に虹を振りまいた。」

 

「『虹』ですか?あんまり危険じゃないような気もしますけど…」

 

「危険なんてものじゃあない。その虹にはサブリミナル効果が使われていた。そのせいで虹を見たものをカタツムリだと自覚させて本当にカタツムリにしてしまう効果があった。私はすぐにこの事に気づいたおかげで対策することが出来た。そして私はウェスと対峙した。勝負は一瞬だった。私は自分がお前の兄だと告げ、そのことに動揺した隙に記憶を『DISC』にして奪った。」

 

「……………」

 

「その後は『DIO』と親交を深めていった。そして私はDIOから『天国』についての話を聞いた。」

 

「『天国』?」

 

「死後の世界を指しているんじゃあない。ここでの『天国』っていうのは人類の行き着く果てみたいな精神の話だ。その世界について聞いた私はDIOに賛同し、協力していた。だが、DIOは昔からの因縁だった『ジョースター家』に殺されてしまい『天国へ行く方法』の書かれてあった本も『空条承太郎』に燃やされてしまった。しかし、私には『ホワイトスネイク』があった。能力を使えば本の内容が分かる!と思った私は確実に記憶を取れるために入念に準備した。」

 

「…………」

 

「そして時は流れ、私が三十九歳になった頃私は遂に計画を実行した。承太郎の娘に冤罪を被せ私が教誨士をしている刑務所に収監させた。その後私の予想通りに娘を助けに来た承太郎から記憶と能力のDISCを抜き取り『天国』へ行くために必要なことを実行した。そういえば能力と記憶の両方のDISCを奪われたときどうなるか話していなかったな。」

 

「どうなるんですか?」

 

「何もできなくなる。呼吸も動くことも話すことも。」

 

「そうなんですか…………そういえば『天国』に行く方法ってどんな方法だったんですか?」

 

「私のやった方法になるが……必要なものは、自分のスタンド、信頼できる友、極罪を犯した36名以上の魂、14の言葉、スタンドを捨て去る勇気、北緯28度24分西経80度36分、新月の時。まずDIOの骨に極罪を犯した36名以上の魂を吸収させる。DIOの骨は生前DIOから渡されていた。これが信頼できる友だ。ちなみに極罪を犯していなければならない理由はその魂には強い精神力があるからだ。その後吸収したことで生まれてきたものに14の言葉を唱えながら近づく。14の言葉は『らせん階段』、『カブト虫』、『廃墟の街』、『イチジクのタルト』、『カブト虫』、『ドロローサへの道』、『カブト虫』、『特異点』、『ジョット』、『天使(エンジェル)』、」『紫陽花』、『カブト虫』、『特異点』、『秘密の皇帝』だ。そして生まれてきたものと私は融合し北緯28度24分西経80度36分の場所に向かった。だがその途中承太郎の娘『空条徐倫』とその仲間たちが私を追ってきていた。しかもその中には『ウェス』がいた。」

 

「それでどうなったんですか?」

 

「私もDIOの息子たちを差し向け妨害した。だが、途中で追いつかれてしまい最後のDIOの息子と戦わせたんだが………裏切られてウェスの記憶のDISCを奪われてしまった。まぁ裏切られたのは恐らく、いや確実に私の態度のせいなんだが…………だがそのせいで街には『虹』が降り注いでしまい、私はウェスと再び戦うことになった。途中までは私が有利だったんだが…………ウェスの覚悟とやらだろうな…私は殺される一歩手前まで追い込まれた。その時に奴はわたしにこう言った、『お前は自分が悪だと気づいていない、最もドス黒い悪だ!』と。その時は特に何も思わなかったが……………今になって思えば的確な表現だったな。その証拠に私は『天国』に到達するためにはどんな犠牲もしょうがないと割り切れた。………話が逸れたな…その後徐倫達が乱入してくれたおかげでなんとか脱出することができた。その後は目的地まで行き新月の時を待つことにした。その時私のスタンドが『ホワイトスネイク』から『C-MOON』になり能力も『重力を逆転させる』になっていた。その能力で様々な妨害をしたり直接戦闘したんだがギリギリのところで負けてしまった。だが!私は新月を待たなくても『天国』に到達する方法を見つけた。そのおかげで遂に私は『天国』に到達することが出来た。」

 

「……………プッチさんはなんで『天国』に行きたかったんですか?」

 

「人類の幸福のためだ。私は世界を加速させ一度世界を滅ぼし新しく世界を造ろうとした。」

 

「なんでそれが人類の幸福に?」

 

「まず新しい世界は元の世界と同じ歴史を辿ることになる。そして前の世界の人達は前の世界の出来事を覚えている。つまり、自分が誰を恋し、恨み、憎まれるのかが分かり、いつ病気になるのか寿命を迎えるのかが分かっている。そしてその状態は絶望かもしれない……だがッ!その出来事を知り覚悟することも出来る!そしてッそれこそが幸福だ!!と思っていたんだ。」

 

「……今は違うんですか?」

 

「幻想郷に来た時はこの考えだったんだが…………色々な人物に関わっていくうちに疑問を持つようになった。そもそもDIOはこの世界を造るときに自分の運命は好きに変えられるという効果を重視していたらしい。そのことを知ってからはもう『天国』に執着することは無くなった。」

 

「そうなんですか。安心しました…」

 

「話を戻すと、私のスタンドは『メイド・イン・ヘブン』になり能力である『時の加速』を使って世界の一巡とジョースターとの決着をつけることにした。結果としては一人を残し全員殺すことができた。だが私は満足できなかった。目的であった『天国の創造』よりも自分の保身に走ってしまったのだ。その報いだろうな。残った一人はウェスから授かった『ウェザーリポート』の能力を使い私は殺された。これが私の過去だ。」

 

「………つまり前に話していた事故死というのは…」

 

「すまない、全くのデタラメだ。………………分かっただろう、さとり。目の前にいるのはただのスタンド使いじゃあない。神様気取りをしていただけの…………ただの狂った人間だ。」

 

「ッ!そんな事ありません!!プッチさんはしっかりと過去を振り返って反省できてるじゃないですか!」

 

「勘違いしているな…私は過去を振り返ることは出来るが反省なんてものはできていない。実際未だに心の奥底では『天国』に間違いはなかったと思っている。」

 

「ならなんで!!貴方は自分の過去を『誇らしく』語らないんですか!?そんな風に考えているなら言葉の節々に滲み出てきます。けどッ貴方にはそれがなかった!忘れたんですか?私は『心を読む程度の能力』を持っているんですよ。貴方は反省していないといいましたが心の中は後悔と懺悔でいっぱいでしたよ!それに今まで過去を隠してきたのも隠すべきものだと判断したからでしょう?」

 

「違う!!私は………私はその方が都合がいいと思ったからだ!!決してそんな高尚な考えの下で過去を隠していたんじゃあない!!そもそも私はこんな幸せを享受していい存在じゃあない!本来なら君とこんなにお茶会をすることもしてはいけなかった!だが……私は甘えてしまった。君と話している時はどこか解放された気分になれたんだ。多分心を読まれるなら隠し事をする意味がないと理解していたからだろう。けど…この話をして改めて理解した。私は君とこれ以上関わっていい人間じゃあない。」

 

「そんな事ありません!!プッチさん!貴方はすでに元の世界で殺されたんですよね?それならもう罰は受けたはずです!!」

 

「そんなことで許される罪なわけ無いだろう!!」

 

「貴方は十分苦しんだ!それに今は皆に役に立つためにスタンド絡みの問題を解決しているじゃあないですか。」

 

「だが……」

 

「関係ありません!!プッチさん、貴方の過去を聞きましたが………それでも!私はプッチさんと一緒にお茶会をしたいんですよ!!」

 

「…………………」

 

「プッチさん。ここは『楽園』なんですよ……私のような嫌われ者でも安心して暮らせる『楽園』なんですよ。それなら過去に訳ありな人にとっても『楽園』のはずです。実際幻想郷には訳アリの人もいますからね。」

 

「………私は……………わたしは……ここにいていいのか?」

 

「良いんですよ……これからもお茶会をしましょう?」

 

「また…道を外すかもしれない。」

 

「それなら…………私が止めてあげますよ。」

 

「!………………ありがとう、さとり。私の話を聞いてくれて…」

 

「感謝なんかしないでください。私は聞きたいから聞いただけですよ。」

 

「……そうか…なら……………行くか、人里に。」

 

「はい!」




そろそろスタンド使いを増やしている黒幕と戦います。
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