「Stairway to Paradise」 作:いつも活き活きと
人里
ドォォォォン!!
「クッ………ここまで衝撃が…」
妖夢は魔理沙達と分かれ機械が暴れている区域へ向かっていた。
「いくら私の持っている剣に『斬ると災いが襲う能力』があると言ったって厳しいかも……いやッ!!弱気になっちゃダメです!しっかりしなきゃ。」
そうして妖夢は暴れている機械に近づく。
「はへ〜デカいですね……一応ここの住民は全員避難しているみたいですね。それならこの機械を遠慮無く斬ることが出来ます!!」
そこには四足歩行で前方に巨大な刃、肩に主砲があり奥には操縦室がある機械が暴れていた。
しかし妖夢が近づくと動きを止めコックピットから妖怪が出てきた。
「遅かったじゃあないか……だが悪くないタイミングだ。」
腕の時計を確認しながらコックピットから出てきたのは…………
「確か…『腕強 上院』。貴方は人里までそれを乗りに来たんですか?でも…それも終わりです。」
「何がだ?俺達の計画は半分ほど成功を収めた。幻想郷全体を見ろ、情報弱者め。」
(妖夢!)
「魔理沙さん!?けど姿が………」
突然妖夢の脳内に魔理沙の声が響く。
(これは通信魔法だ。時間がないから手短に言うがこの襲撃は各地で起こっているらしい!)
「そんな…!まさか白玉楼にも!」
(とにかく人里の問題を早く片付けて黒幕を叩くしか無い!通信を切るぞ。)
「こんなことをしてなにがしたいんですか!!」
「他のやつの目的なんぞは知らんが俺の目的は『排斥されてきた地底妖怪の名誉回復』だ!」
「これがその目的に繋がると?それにこんなことをしても地底の妖怪がついてくるわけ無いですよ!」
「必要なのは『機会』だけだ。地底は幻想郷のルールから外れた場所だ。そして俺達が地上を求めている。賢者達によって俺達は地底に追いやられたが、妖怪の本質*1は変わらん。」
「本質……」
「地底に落とされても妖怪としての本質は残った。彼らの本質は地底での生活にフィットした。地底での生活を認めれば自己研鑽は無用となり自らの欲望を満たせる。だがッ地上に出ることができれば欲を今以上に発散することが出来る。どうだ?素晴らしい目的だろう?」
「何を………」
「ひとたび私の演説を聞いた妖怪は私に賛成し、地底に考えを広めた。今頃私達を抑えようとしても無駄だ。今や地底の妖怪たちこそが……まさに『真の幻想郷の住民』なのだ!!」
「だが、ある日を機に地底の妖怪たちは再び堕落していった。彼らの本質を解放するために今こそ『機会』が必要だ!」
「そんなことをさせるとでも?」
「我々の勝利は地底妖怪の影響力を発生させる。」
「そのために関係のない人達を巻き込むんですか?」
「安心しろ、妖夢。これは対幻想郷の賢者達だ。一般の人妖を殺す気はない。敵は賢者達とその味方をする有象無象だけだ。」
「………………」
「だからお前には死んでもらう。ここにいられては作戦進行の邪魔だからな!」
そう言い残すと腕強は葉巻を捨てコックピットに戻り、妖夢は『楼観剣』と『白楼剣』を構える。
グォォォォォォォォ!!!!
腕強の機械、『エクセルサス』は咆哮のような音を出し妖夢に襲いかかるッ!!
エクセルサスはブレードを大きく振り上げ妖夢を斬ろうとする。
「隙だらけの攻撃ですね!」
「断命剣『冥想斬』!」
妖夢はエクセルサスの攻撃を軽やかに避けブレードの下に潜り込みスペルカードを放つ!
ガガガガガガガ!!
「(このまま叩き込む!!)」
「魂符『幽明の苦輪』」
妖夢は反対側のブレード部分に対してスペルカードを放つ!
しかしッそれを黙って受けるエクセルサスでは無い!!
「安直だぞ!」
エクセルサスは前進し妖夢の刀が当たるタイミングをずらしそのままブレードの刃が無い部分で妖夢を吹き飛ばした!
「グッ……!」
倒れた妖夢に真っ直ぐブレードを振り下ろすエクセルサスだが…
ガキンッ!
「なッ!」
「確かに一撃は重いですが…………鬼の一撃に比べると大したことありませんね!!」
「ハァァァァァ!!」
妖夢は『楼観剣』と『白楼剣』で攻撃を受け止めエクセルサスのブレードを押し返した!
「(………………チッ、これだから…)」
「面白い…想像以上だ、妖夢。」
上院はそう告げた後エクセルサスはブレードではなく脚による踏みつけを狙ってくる。
「そんなトロい攻撃に私は当たりませんよ!」
ドン!
エクセルサスが踏みつけをした後隙を狙い妖夢はスペルカードを使う!
「(装甲が硬いとしても関節部分は弱いはず!)」
「人符『現世斬』!」
キンキンキンキンキン!!
妖夢はエクセルサスの脚の関節部分を狙い斬撃を大量に放つ!
ドォォォン!!
エクセルサスの斬りつけられた場所は妖夢が離れるとともに大きな爆発を起こし機能を停止した。
「これを繰り返していけば……!」
「小娘が…調子に乗るなよ!!」
だがッ妖夢は止まること無く次の関節部分に行き次々と斬り伏せていく!
「人鬼『未来永劫斬』!!」
スパ……… ドォォォン!!
「クッ……ブレードで対応しなくては…!」
上院は動かすことの出来るブレードで妖夢を攻撃する!
「断迷剣『迷津慈航斬』!!」
妖夢はそれに対抗すべく自身のスペルカードによって『あざ丸』に妖力を纏わせることで巨大な刃に変化させた!
「ハァァァァァ!!」
妖夢はブレードを刀で受け止める!
「クッ…………ハァァァァァ!」
鍔迫り合いのなか妖夢は力を振り絞りエクセルサスの刃を押し返した!!
その反動によりエクセルサスは妖夢にとって余りにも致命的な隙を晒してしまう!!!
「これで終わりです!!」
「奥義『西行春風斬』!」
エクセルサスに妖夢の斬撃が押し寄せ………………
ボガァァァァァァァァァン!!!
バン!
妖夢はエクセルサスの上に飛び乗り上院を迎え撃とうとしていた。
「ハァハァ……」
「(危なかった……あの押し合いはギリギリだった…)」
するとコックピットから上院が出てくる。
ピーー………プシューーー
「ゴホゴホ………すばしこい奴め。俺が直接ぶちのめしてやる。」
上院はネクタイを緩めながら降りてきた。
「(え…降参しない?それに『直接ぶちのめす』?どういうこと………)」
すると…上院は突然四股を始めた!!
「ウオォォォォォォォォ!!」
「なッ……!」
上院の周りにエクセルサスのエネルギーが集まり上院に吸収されていく。
「ハァァァァァァァ………!!」
上院はエクセルサスのエネルギーを全て吸収し………
「行くぞ!」
「武器を持たないで………」
しかし妖夢は突然突進してきた上院に対応することが出来ない。
ドン!!
「キャッ!」
妖夢は突き飛ばされ地面を転がる。直ぐに起き上がろうとするが、
「俺のタックルはどうだ?」
上院は妖夢のすぐ目の前に来ており妖夢を蹴った!
「グッ!」
「貴方…ただの地底妖怪なんじゃ……」
妖夢の問いかけを途中で遮るように上院は妖夢の肩を殴る。
だが、妖夢も負けじと『楼観剣』と『白楼剣』で対応しようとするが全て上院は弾き飛ばしてくる。
「あッ!!」
そして上院は妖夢の伸び切った腕を掴み殴りかかるがなんとか全て回避に成功する。しかし、上院はそのまま妖夢の首を掴み持ち上げた。
「ガハッ…………」
「俺は『スタンド使い』だ。そこらの妖怪とは鍛え方が違う。一緒にされちゃ困るな。俺がその気になればどんな能力持ちだろうとぶっ飛ばせる!!」
言い終わると同時に妖夢を空中に投げ…………
「スタンド使いを舐めんじゃねえ!!」
タイミングよく殴りコックピット付近まで吹き飛ばした!!
ガン!!
「グアッ………」
妖夢はフラフラになりながら『楼観剣』と『白楼剣』を構える。
「何者なんですか………貴方…?」
「フッフッフッ、驚くのはこれからだ。」
上院は妖夢に助走をつけて殴りかかってくる!
「ハッ!」
ガキンッ
妖夢は刀を交差させることでその攻撃をガードする。
「吹っ飛べ!!」
上院は少し力を溜め薙ぎ払いをする。すると上院の近くで風圧が発生し妖夢は少し吹き飛ばされる!
「クッ!」
「(このまま逃げててもダメだ!)」
妖夢は『楼観剣』で上院を斬ろうと突撃する。
だがッ!
ギリギリギリギリ……
「嘘ッ!?」
なんと刀身をそのまま掴み………
「ナマクラがッ!!」
パキ…………
そのまま『楼観剣』を折ってしまった!!
「そ……そんな…」
妖夢は動揺するが上院はそのままアッパーで追撃する。
「ッ!」
妖夢はなんとか気づきバックステップで距離を取る。
「(ホッ…………)」
しかし妖夢が攻撃を避けたと油断したところに上院の拳が当たる!
「キャァァァァァ!!」
ドカーーン!
妖夢は吹き飛ばされエクセルサスの端まで行ってしまった。
「ハァハァ…」
妖夢は迫ってくる上院に対して『白楼剣』で斬ろうとするが上院は『白楼剣』を横からの打撃により破壊する!
妖夢はもう一組の『村正』と『あざ丸』を取り出そうとするが………
「させるか!!」
妖夢の刀を奪い取りエクセルサスの足場付近に投げ飛ばす。
「(相手は刀を失った。攻めるならここだ!)」
「フン!!」
バシッ!
「確かに強いですね……」
妖夢は上院の拳を両手で掴みガードすることが出来た。
「けど…それだけです。」
「なんだと!?」
上院は力を入れるが妖夢は引き下がらない。
「何が『妖怪の本質』ですか……何が『地底妖怪の解放』ですか。」
妖夢は上院の拳を弾く。
「地底の妖怪が地底に行ったのは『賢者達』のせいではない。」
上院は妖夢に蹴りを放つが軽くいなし拳によるカウンターを放つ。
「貴方達が自主的に地底に行ったからでしょう!」
「貴方の目的は結局暴れることです!それから八つ当たり!!」
妖夢は上院に蹴りやパンチを放ち上院を吹き飛ばす!
「貴方などなんの信念もない………自己中心的な迷惑妖怪です!!」
「…ほう?言うじゃねえか。」
「ならば良いことを教えてやる。」
そう言い放ちゆっくりと立ち上がる。
「確かに暴れたい。八つ当たりなのかもしれない。だがな………」
「俺には『夢』がある!!」
「夢…?」
「確かに妖怪の本質も地底の妖怪の解放もくだらねえ。」
「俺が目指すのは『真の自由』だ!」
「力を行使する自由……『スペルカードルール』など必要はない。」
「もちろん誰もが力を行使すれば闘争が生じる。」
「だがそれでいい。それが俺の目指す『楽園』だ。」
「真の闘争の世界だ!!」
上院は妖夢に近づき取っ組み合う。妖夢はパワーが足りず徐々に押され殴られてしまう。
「グアッ!」
「この俺がぬるま湯に浸かった幻想郷住民の目を覚まさせてやる!」
そのまま崩れた妖夢に上院は拳による殴打を行う!
「何が『妖怪の本質』だッ!!」
「何が『地底の妖怪の解放』だッ!!」
「そんなもんは犬に食わせろ!!」
体勢の崩れた妖夢に上から殴り地面に頭を擦らせ再び立ち上がらせる。
「ゥゥ………」
そして大きく腕を振り上げ………
「気に入らない奴はぶん殴る!!!!」
妖夢に強烈な一撃をお見舞いする!
「ガハッ…!」
「それが俺の目指す幻想郷だ!!」
上院はふらついている妖夢に蹴りを放つ。
妖夢はそのまま地面を転がり倒れる。
「グッ……!」
「この計画が成功したら腐った幻想郷をぶっ潰してやる!!」
「幻想郷の安全を守っている博麗の巫女だの、魔法使いだの異変と称し茶番を演じる妖怪たちだの。」
「わけの分からん奴らを全員ぶん殴ってやるッ!!!」
立ち上がろうとする妖夢に上院は再び上から殴り地面に沈ませる。
「弱者は駆逐される!強者だけが残る!」
「ハァハァ。」
上院は妖夢を踏みつけ起き上がれないように地面に固定する。
「俺は平安時代の混沌を古き良き幻想郷を妖怪が本来あるべき姿を取り戻すってわけだ!!」
「ど…………どう…やって…………そ……んな…」
「奴らの『スペルカードルール』だか知らんが幻想郷の妖怪は腐り果てた!」
倒れている妖夢を蹴り妖夢は苦痛の声を漏らす。
「ガハッ………」
「今や妖怪による殺しは全て茶番だ!」
妖夢は立ち上がろうとするが疲労により身体が言うことを聞かない。
「だが…そんな時代も今日で終わりだ。」
「俺がこのくだらねえ『スペルカードルール』を娯楽となった暴力を解体してやる!!」
上院は妖夢を蹴り続けながら話を続ける。
「拳で語り合う個人の闘争を取り戻す!!」
「ガハッ…!!」
上院はポケットから葉巻を取り出し吸い始めた。
「どうだ俺の政策は?」
「貴方…………本…………当……に………幻想郷の………住民……ですか……」
「俺の演説に感動したか?」
上院は妖夢のそばを離れ背を向けて話し続けた。
「お前たちも『スペルカードルール』や『異変』では無く己の理想のために戦う日が来る。」
後ろで妖夢はなんとか立ち上がろうとしていた。
「私は……貴方を誤解していたようです………」
すると上院はとてもうれしそうに振り返り妖夢を見つめた。
「分かってくれたのか?」
すかさず立ち上がろうとしている妖夢に近づき身体を支え服の汚れを払って慎重に立たせてくれる。
「私もつまらない幻想郷を変えたいんだ。」
そして上院は妖夢の前に手を差し出し握手を交わそうとする。
「よく分かりました………」
そして妖夢は上院の手を取った。
上院は真の仲間を見つけたかのように嬉しそうな顔になり妖夢を自分の方に引き寄せた。
To be continued…?
To be continued…
妖夢が痛々しくてとても心が痛くなりました………そもそも美少女に暴力をふるえる精神がよく分かんないですね。…………まぁそんな描写を書いているのは自分ですけど。今回は長くなりそうだったので二話構成になります。次回もお楽しみに!!