「Stairway to Paradise」 作:いつも活き活きと
「………それで寿命が伸びたと。」
「ああ、そうだ。」
プッチは紅魔館の自分の部屋でデートの最終確認をしている時に訪問(スキマ)してきた紫に穴での出来事を教えた。
「貴方知らないの?ここでは人間が妖怪になるのはご法度………博麗の巫女に退治されるのよ。」
「私はあくまで寿命を伸ばしただけだ。妖怪化したわけじゃあない。それに……『外来人』にそのルールは適用されるのか?」
「どういう意味かしら?」
「ここの妖怪は人里の人間は襲ってはいけないが『外来人』は例外だ………つまり『外来人』は幻想郷の掟から外れる場合がある。」
「………………」
「そもそも人里の人間が妖怪化してはいけないのは人間がいなくならないためだろう?それなら私は問題ないと思うが……」
プッチは紫を見ながらスタンドを構える。
「フフ………冗談よ冗談。」
「は?」
「ちょっと驚かそうとしただけよ。それじゃあデート頑張って頂戴!」
ウォン
そう言い残すと紫はスキマでプッチの前から消えた。
「………何だったんだ。」
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紅魔館のとある一室に三人の影があった。
「で、どうだった?プッチの様子は。」
「結構のんびりしてたわね。けどちょっと敏感になってたわよ。」
「なるほどなるほど………デート前は少し緊張していると…」
そこには魔理沙、紫、文がいたのだ。
「それにしてもお二方も興味があったとは……」
「もちろんよ!私は最初の頃からずっと見てたのよ。気になるじゃない!!」
「私は面白そうだと思ってな。あのプッチとさとり………どんな感じなのか知りたくなるのが人間ってもんだぜ!」
「それじゃあ気づかれないように尾行しますか。」
「「オーー!!」」
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プッチは紅魔館を出た後そのまま地霊殿へ向かった。
「あ!プッチさん!!」
「やあ、さとり。もう準備は出来てるのかい?」
「もちろんですよ。早速行きましょう!」
プッチとさとりは二人で並びながら地底の出口まで歩いて行く。
「(…………緊張するな……この日のために人里の店を一通り調べたがさとりは気にいるだろうか。)」
プッチの内心はとてもドキドキしていた。対するさとりも……
「(ハァァァァ!!!どうしましょうどうしましょう!!!私、顔赤くなってないかしら!ああ…話すこと考えていたのに飛んでしまった………)」
そうして無言のまま数分が経過し……
「「あ、あの……!」」
「!!す、すまない……君から話してくれ。」
「は、はい!!えーっと今日はどんなところに?」
「人里においしい甘味処があるんだ。あまり知られていない所だから静かで良いかなと思ったんだが……」
「甘味処ですか!私甘いものには目がないんですよ。」
「(まあ、お茶会の時の様子を見るに分かっていたが………)」
「そういえばプッチさんは何を言おうとしてたんですか?」
「さとりは何処に行きたいかというのを聞こうと思ったんだが……」
「そうですね……………あっ、アクセサリーのお店がみたいですね。最近興味が湧きまして。」
「そうか、じゃあそこにも寄るか。」
そしてプッチとさとりは仲良く話しながら人里へと歩いていく。
そんな二人を追うのはあの三人。
「………なんだが普通ですね〜」
「けどまあ、あのプッチがあんなに穏やかに話しているのは以外だな。」
「さとりも本当に信頼しているわね。まさか心を読もうとしてないなんて……」
「そういやあいつら人里に行くって言ってたよな?」
「はい、確かに言ってましたね。」
「なら…………」
魔理沙は文と紫にあることを耳打ちしその内容に二人はあくどい笑みを浮かべる。
「良いわね………それじゃあちょっと準備してくるわ。」
「私も微力ながら協力しましょう!!」
「おう!頼んだぜ!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
プッチとさとりは人里に着きプッチが事前に調べていた店まで辿り着いていた。
「ここが……」
「ああ、あんまり人もいないようだし休憩も兼ねて入るか。」
「ええ、そうしましょう。」
ガラ…
「はいッ!いらっしゃい!!好きな席に座ってね。」
店には愛想の良い男店主がおり、プッチ達に席の案内をする。
「どれを食べましょう………迷いますね…」
「どれも美味しそうだしな………」
プッチとさとりが何を食べるか迷っていると店主が話しかけてくる。
「なあ、あんたら恋人同士だろ?それならこれとかどうだ?」
「なッ!!まだ恋人とかでは!!!」
さとりはサラッとトンデモ発言をしていたがプッチも焦っていたため聞こえることはなかった。
「今、まだって言いましたよね?」
「はっきり言ってたな。」
「プッチは気づいてないようだけど…」
しかしッ窓から覗いていた三人にはバッチリ聞こえていた。
「そ、それで………オススメというのは?」
「コレだッ!!『カップル限定スイーツ!!ビッグストロベリーパフェ』だ!」
「(ん?『パフェ』だと………幻想郷にあるはず無いのだが…)」
プッチは少し怪しんだがわざわざ突っ込むことでもないかとそのままスルーする。
「その『パフェ』というのはどういうものなんですか?」
「アイスクリームや生クリーム、コンフレークやスイーツなんかを背の高いグラスに層状に重ねたものさ。」
「ッ!!!プッチさん!!これにしましょう!!!」
「確かに気になるな。それじゃあこれを一つ頼む。」
「あいよ!」
プッチとさとりはパフェが来るまで色々な話をしていた。
その間あの三人も話をしていた。
「それにしても良く間に合ったな。」
「私にかかれば外の世界から材料を持ってくるなんてあっという間よ。」
「あの人は優しい人だったので『交渉』したら快く引き受けてくれましたよ。」
「…………写真で脅したのか。」
「いやだなあ、魔理沙さん。『交渉』と言ったでしょう?」
そんな会話を外で繰り広げているとプッチ達の前にはパフェが運ばれていた。
「おお!これが…!!」
「結構でかいな…」
「それじゃあ一口ずつ相手に食べさせてください。」
「「………え?」」
「これは『カップル限定』なのでその証拠としてやってもらうんですよ。」
プッチとさとりは脳の処理が追いつかずポカーンとしていた。
「「………………」」
「お客さん?どうかしましたか?」
「!いや、大丈夫だ。なんでもない。」
「はい、大丈夫です!」
プッチはさとりにだけ聞こえるように声を小さくする。
「どうする?嫌なら別なものにするか?」
「えッ!い、いや………えっと……その私は別に大丈夫ですよ………その食べさせるの…」
「ッわ、分かった。それじゃあ……」
プッチはそう言うとパフェからひと掬いしさとりに運ぶ。
「ありがとうございます。それじゃあ………」
パク…
「お、美味しいです!」
「それじゃあ私も………」
「(………結構恥ずかしいな。)」
パク…
「!想像していたものより遥かに美味しい……」
「それじゃあ俺は厨房に戻るとするか。」
店主は奥に行き再びさとりと二人きりになるプッチ。
「それにしても今まで色々なことがありましたね………」
「そうだな…私が幻想入りして数年、本当に色々なことがあった。」
「最初に会ったのは地底での異変の時ですよね。」
「ああ、戦う気がないからと二人でお茶をしていたな。」
「フフ……それからプッチさんと毎週お茶会をするようにしたんですよね。こんな事を聞くのはあれですけど、私とのお茶会は楽しかったですか?」
「もちろん。君と過ごしている時間が一番………」
「?どうしたんですか?」
「いや………そう、『安心』したな。」
「そうですか。」
二人の様子を見ていた三人の顔は凄いことになっていた。
「なあ…あれって本当に付き合ってないのか?」
「らしいわ。まあ片方は今までまともに他人と会話してこなかったさとり妖怪、もう片方は理想を叶えるために全てを捧げてきた外来人………距離感がおかしくなるのは仕方がないことなんでしょうけど…」
「それでも見てる側としてはモヤモヤしますね。」
「おッ店を出るらしいぜ。」
ガラ…
「ご馳走様でした。」
「また来てくれよ〜」
「それじゃあさとりの見たいと言っていたアクセサリーのお店に行くか。」
「分かりました。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
二人はとあるアクセサリーのお店の前にいた。
「ここの中でも見るか?」
「はい、どんなのがあるか楽しみです!」
ガラ…
「(………静かな雰囲気の店だな…あそこにいるのが店主か。)」
プッチはさとりから少し離れ店主へ話しかける。
「すまない、少し教えてほしいことがあるんだが………」
「はい、何でしょう?」
「実は………」
その頃、外では……
「アクセサリーの店に入りましたね。」
「さとりが要望していた店だが………問題は何を買うのかだな。」
「プッチさんってお金持ってるんですか?」
「ええ、私が異変解決とかスタンド関係の問題を解決した時にお金を渡しているわ。彼は私欲もそんなに無いしアクセサリーを買うお金はあるでしょう。」
「まあ、さとりは奢られることを拒否しそうだがな。」
「でもなんだかんだで奢られそうですね。」
文の予想は当たっており………
「そんな!悪いですよ!!」
「気にするな、私が払いたくて払うのだから。」
「でも……」
「それにお茶会の時君はいつも準備してくれていただろう?その感謝だよ。」
「…………分かりました。それじゃあお言葉に甘えます。」
「そうすると良い。そういえば何を買うんだ?」
「それはですね…………この、ネックレスにしようかと。」
さとりが手に持っていたのは三日月の形がぶら下がっている金色のネックレスだった。
「確かに君に似合いそうだ。後は無いかい?」
「ええ。」
「それじゃあ私は会計しに行くから君は此処ら辺にいると良い。」
「そうさせてもらいます。」
そうしてプッチは『二つ』のアクセサリーを買い店を出た。
「そろそろ帰らないとですかね…」
「そうだな…………なあ、さとり。少し帰りに寄り道してもいいか?」
「?ええ、良いですよ。」
プッチ達は人里を出ると帰り道を少し逸れ、丘の上に移動した。
「これは………!!」
丘の上からは綺麗な夕日と大量のひまわりが咲き乱れている様子を一望出来た。
「前に偶々この場所を見つたんだ。どうだ?綺麗か?」
「ええ、とても……」
プッチは少しさとりの横顔を見てアクセサリーのお店で買った物を入れた袋からある物を取り出す。
「さとり。」
「どうかしましたか?」
「これを君に………」
そう言うとプッチは『簪』をさとりの髪に挿す。
「これは、簪?」
「そうだ。さっき買ったんだ。」
「どうして………」
「さとり………私は前の世界で死んでこの世界に来た。」
「…………」
「私は遅かれ早かれ『天国』を創っていただろう………そしてその結果はどれも悲惨なものになっていたはずだ。」
「だが、私は君に会えた………前までは分からなかったが今は分かる。私は君に会うのが楽しみだったんだ。」
「気づくのに大分遅れてしまったが…………私は自分の本心を理解した。」
「!!…………そうか…」
プッチとさとりは少し無言で見つめ合った後少しずつ顔を近づけ……
ガサ!!
「「!!!!」」
「うッうわッ!!!!」
「ちょっと魔理沙さん!!押さないでくださいよ!!!バレちゃったじゃあないですか!!」
「違うぜ!!今のは紫が!!」
「ふ、二人とも………言い争っている場合じゃあ無いわよ…!」
「「え?」」
「貴様ら………!!いつから居た?」
「なるほど…『最初から着いてきていた』と。」
「あ〜その、なんだ。おめでとうなんだぜ!!」
「いや〜おめでたいですね!!それじゃあ私達お邪魔虫はこれで………」
紫は無言でスキマを展開する。
ウォン
「「「さようなら!!」」」
しかしッ突然スキマは消えてしまう!!
「えッ」
「伝えていませんでしたか?私のスタンド能力。」
「な、なあ…これマズイんじゃあ…………」
「『ホワイトスネイク』ッ!!!!こいつらの今日の記憶を抜き取れェェェェ!!!」
ビシュアァ
その後、プッチとさとりは付き合うことになった。最初の方は知られていなかったが某鴉天狗が取材(盗撮)をしたことで新聞に載り有名になる。
プッチは数週間後に地霊殿に同居することとなり紅魔館を後にする。
「ふぅ~これで荷物は全部だな。」
「お疲れ様です、プッチさん。」
「ありがとう、さとり。」
これからも仲睦まじく過ごしていくのは簡単に予想できる様子の二人だった。
これは、プッチ神父が見知らぬ土地に迷い込み様々な出来事を通じて『幸福』になった話。
遂にこの小説も終わりです。今まで沢山の人が閲覧してくださり大変嬉しかったです!拙い文章、雑なストーリー展開だったのにも関わらず最後まで閲覧してくださり本当にありがとうございました!!