※これはフィクションです
俺は一般人だった。
軍人の家系でもない普通の家庭に生まれ、それなりに社会人してたはずだ。歴史好きであり、艦これユーザーでもあった。
—某日・自宅—
「毎日ちょっとしかできないなんて終わってる、駆逐艦を愛でたいっていうのにさ!」
そんな独り言と共にPCからとてつもない閃光が俺を襲った。夜戦中に探照灯を顔面に照射された時みたいな。
「うわあっ、眩しっ!」
10秒ぐらいして光が収まり、しょぼしょぼする目をこすって、目を開けるとそこは古き良き建物が並ぶ街通りだった。
—???—
「ど、どこだ!」
めっちゃレトロな街並みじゃねぇか!どこだここ!
「何を言っているんだ!これから海軍兵学校に行くんだぞ!日本男児たるもの1秒の遅刻も許されん!」
海軍兵学校?海軍兵学校なんか現代に無いだろ?
「なんでこんな時にアホなんねん、まあ元々やけど」
なんだこいつ失礼な奴だな!
ザ・熱血みたいな奴と関西弁を喋る狐目の奴が眼中に現れたが…誰なんだ?
「おい!行くぞ!列車に間に合わんだろうが!」
「は?」
とてつもない怪力で腕を引っ張られる。痛い!
「ぐあぁぁぁぁぁぁ」
「ほんま相変わらずうるさいなぁ」
まさかとは思うが、俺は転生したのか?しかも大昔に?そんな事ある訳ない!非科学的だ!
○女戦記みたいなこと!あるはずがない!だけど街並みがレトロ過ぎる、映画村か?夢だと言ってくれよ…
男2人に文句を言われながら二等車に乗せられた。
名前は熱血が大川、狐目が柴野というらしい。
どうやら本当に昔に転生したらしい、しかも戦前だ。
呉から船を乗り継いで広島の江田島に着いた…
昔ってこんな時間掛かるの? てかまだ腕痛いんだが?
なんで俺が戦前なんかに転生してしまったんだろうか。現代に戻りたいけどどう戻るかも分からんし、とりあえず適応して生き延びるしかない。
俺はこの激動の時代を必ず生き延びてやる!そして現代に帰ってやるんだ!やってやるぞ!俺は!
4年がたち海軍兵学校を卒業した。ちなみに恩賜で卒業だった。何故こんなに優秀なのかというと、そもそもの体が凄いこと。そして脳でなにか調べるとwikiや目的地へのルートなどが出てくる。
俺はこれを『脳内スマホ』と呼んでいる。
これはマジで便利で筆記や実技などほぼすべての教科に利用できる。誰がこんな能力与えたんだろうか?
俺はこれからに鳥羽に乗組することになる。
校長にお薦めしてもらったのは、なにかしらの艦に乗組→海軍水雷学校or海軍砲術学校→海軍大学校のルートらしい。
とりあえず生き延びるためにも従うしかないと思う。
————/1932年/—————————————————
色々と経験を積んで海軍大学校も恩賜で卒業した。
嬉しいことに、ぼのたんこと駆逐艦曙の艦長になることが決まった。正直に言ってとても嬉しい。
なぜなら俺の推しはツンデレ艦ほぼすべてだからだ!
その史実の艦長になったんだ!感極まれりとはこの事よ!
あ!けっしてロリコンでは無いぞ!
編制は艦長になった時点では第二艦隊第七駆逐隊かぁ、だけど曙って第四艦隊事件で被害受けてたよなぁ…なんでなんだろうか?脳内スマホで調べよう—————-
第四艦隊時は臨時編成で入ったって書いてあるな。
とりあえず第四艦隊事件までは艦長として頑張ろう!
————/1935年/—————————————————
友鶴事件を必死に防いだお陰で交友を持つことができた山本五十六中将に料亭にて相談することにした。
—東京都麹町の料亭—
「ここでお待ちです」
襖の奥から女将の声が聞こえた。鼓動が早くなる様な気がした。襖が開けられて山本中将が座る。
「どうした河内、話とはなんだ」
「はい、第四艦隊の演習についてなのですが」
「三陸沖東方での艦隊決戦演習のことにだな?」
山本中将が俺が注いでおいた日本酒を一気に飲む。
「ええ、その第四艦隊の艦隊決戦演習なのですが場所を別の場所に変えてもらえませんでしょうか」
「…それはまた何故だ?去年の友鶴の時みたいにまた何かがあるというのか?」
真剣な眼差しに変わった。冷や汗が…
「いえ、あの場所は演習日に大型台風の進路と重なっており、そこで多くの艦艇が波浪に巻き込まれる可能性が高いのです」
「なんだと? だが新鋭艦を試すのには絶好の機会じゃないか」
「乗員の練度もまだまだですし危険です」
「それは一理あるが… はぁ…」
山本中将がため息を吐いて項垂れる。俺そんな面倒な奴なの?ため息吐かれるって相当じゃ?
「まあ場所は変える事ができるから安心しろ、燃料も大丈夫だろう」
「で、もちろん他に言いたいこともあるんだろう?わざわざ料亭に呼んだんだからな?」
「はい、先程台風の進路と重なっていると申したのですが、予想では艦同士が衝突し、船に著しい損傷を与えてしまうほどの悪天候だと予想しているのです」
「それは荒天時の波浪の基準を上回り過ぎていないか?」
「いえ、基準が甘過ぎるんです。基準を変えないと必ず損傷を受けることになってしまいます」
波浪の基準変更と艦そのものの設計問題を解消することは絶対に譲れないんだ!
「大丈夫だ、去年に復原性・重心対策改修とをお前の進言で吹雪型と初春型に施したんだからな」
いやそれだけじゃ足りなかったんだ!第四艦隊事件を調べてみたら『太平洋における台風圏の波浪に対する知識不足からくる艦隊設計強度の問題』って書かれてあるんだよ!
どうにかして説明しなければ…
「私の意見なのですが、我が国は溶接に対する知識や技術も不足しています。そのため波浪での基準改訂や対策を施さないと、艦自体の強度が足りないためとんでもない被害を生み出すことになってしまいます」
wikiの文章を繋げただけだが大丈夫だよな?
「ふむ… 確かに我が国は溶接に関する知識や技術不足は否めない。だが波浪はそこまでの被害を第四艦隊に与えるのか?」
「はい、我々は波浪に対する知識も不足しています。悪天候での演習は避けるべきなんです!」
「…分かった、お前を信じよう。友鶴の件もお前に救われたからな、基準変更の意は私から話を通しておく。だが艦隊設計強度の問題を野村さんに説明する時はお前もついてくるんだぞ。まったくお前はどれだけ海軍を変えるんだ…」
「ありがとうございます」
「褒めとらんわ」
あっぶね耐えたァァァァ!
————/1939年/—————————————————
曙の艦長から白濱さんが艦長をしていた霞に艦長として異動となった。
異動しなければいけない前日の深夜に、曙にまたいつか会おうと挨拶をしに行った。この艦は俺を育ててくれたといっても過言ではないくらい愛着のある艦だったからだ。だが深夜で俺以外に人はいなかったはずなのに声が聞こえた気がしたけど気のせいだろう!俺は幽霊が1番無理なんだ!!
————/1940年/—————————————————
横浜沖で行われた紀元二千六百年特別観艦式に参加した。
第三列に18駆の僚艦と並んだ。
「緊張するなぁ」
「うるさいですねぇ艦長、キツツキみたいに体揺らして」
キツツキ?あ、頭で考えちまった…北海道の野鳥なのね
「誰が北海道の野鳥だ!俺は艦長だぞ!しかも霞だ霞!」
「まあ失敗はしませんよ、霞の乗員舐めないでください」
「当たり前だ、なんてったって俺の部下なんだからな」
霞の練度は世界1ィィィ
————/1941年/—————————————————
今年から私は二水戦の司令に任命され、士官が足りなくなるまではニ水戦だと山本さんに言われた。なかなか珍しいけど旗艦は霞にしてもらいました!
将旗は霞に掲げたぞ!
真珠湾作戦の開始が知らされた。南雲さんの警戒隊として一時的に18駆は一水戦に編入し、そのため旗艦は神通へ。私は警戒隊の司令に任命されたので18駆で単冠湾へ移動することに。
「なあ副長」
「どうされました?」
「副長は戦争に対してどういう気持ちを抱いている?」
「…私は無意味なことだと思っています」
「…そうか」
そうだよな。
戦争は狂気だ、絶対にあってはならない。
だがこの時代はそれを良しとする奴らいっぱいいる。
笑えないな…
「必ず生きて帰ろう、副長」
「ええ、帰りましょう」
—真珠湾作戦—
ついに対米戦が始まろうとしている。
俺の今の権限だけでは防ぐこともできない。軍令部に対米戦は譲れないと頑なに否定された。
霞の艦橋から外を覗くと、空母の飛行甲板から続々と零戦が飛び立っていくのが分かる。
我々は無事に帰ってくる事を祈るしかない…
投稿するの怖かったぁ…