なろう系と呼ぶには、冒涜的すぎる 作:おさわHSM
・この小説には様々なゲームやアニメ、漫画の技が登場します。原作様は大好きです、愛してる 。
・ブルアカはオリ主と生徒が恋に恋します。先生Love勢はごめんね
・主はハピエン厨です。曇らせはあるけど、最後は晴らすよ
・誤字報告してくれたら嬉しいです。主の集中力は鶏です
一話・趣味はゲーム。嫌いな物は神話関連の全て
窓の外から差し込む午後の光が、教室の机に斑模様を描く。
俺は机の上の書類をちらっと見ながら、ため息混じりに呟いた。
「ナンパでもすっか…」
いや、もちろんそんな暇はないんだけど、口が勝手に動く。
高校生男子だからな。女の子を見れば目がいく。助けたいと思えば手を差し伸べる。
男には厳しく、女の子には優しく。これ常識ね?
俺は黒板の文字をぼんやり眺めながら、そんな事を考えていた。
――今日も何か面白いこと起きねぇかな。
誰かが困ってるのを見つけて、ちょっと助けて、ついでに褒められて――女の子だったらそのまま惚れられちゃったりして。
でも、頭の片隅で、違う衝動もチラつく。
街角の影、路地の奥の動き、すぐに胸がざわつく。理由なんてない。
いや、理由はあるはずだ。でも思い出せない。
放課後。教室を出ると、廊下は雑踏でざわめいていた。
俺は鞄を肩に掛け、いつも通り軽く肩をすくめながら校舎を歩く。
正面に見えたのは、人気のクラスメイト数人と、放課後残っている部活組。
俺は軽く手を振って、「ばいばーい~」と挨拶。
誰も気にしない。俺も気にしない。
外に出ると、夕陽が街を赤く染めている。
風は少し冷たいけど、心地いい。
――ここなら、ちょっとくらいなら悪さしてもバレないな。なんて、軽く笑った。
でも、影の奥で胸の奥がざわつくのは、いつも通り。
理由はわからない。でも――虫の知らせ、ってやつだろうか。
いや、まだどうでもいい。今は普通に歩く。俺はまだ学校帰りの高校生だから。
商店街を抜けて、一本入った路地に差し掛かったとき、俺の鼻を何かが掠めた。生臭さと、古い鉄の匂い。猫じゃない。違う。
体が勝手に止まる。目が、勝手に路地の奥へ向く。
そこにいるのが見えた瞬間、視界の端から光がするりと抜け落ちた。
目から何かが引かれたようで、世界が一瞬薄くなる。呼吸のリズムがふっとずれて、俺の内側にある“何か”が刀のように立ち上がる感触がする。
「死ね」
言葉が出た。相手が答えるより早く、身体が動いた。
相手はまだ口を開けていない。声ひとつ上げる前に、俺の手が、俺の存在が、そこに斬り込んだ。
音はなかった気がする。いや、後で考えれば、べたついた鳴き声にも似たものが心の奥で鳴っていたのかもしれない。だが実際には、相手が崩れ落ちる以前に、眼の光はもう戻っていた。何食わぬ顔で立つ俺。手に血はついていない。感触だけが、刃だった。
――星の精が一匹。デカくて、うにょうにょしてて、なんかキモい。赤くて、透明だったりする。羽根はないが、何故か浮いてる。なんで?
「そんな悪く言わないで?」って、奴は言わない。声は俺にしか聞こえないから、いつも心の中に直接入ってくるだけだ。今は、俺が動くより早く、小さな光が路地を掃くように動いて、残骸を薄い光の糸で絡め取っていく。
路地の空気はすぐに元に戻る。何事もなかったかのように、ゴミと落書きだけが残る。猫の影がそっと消えたみたいに、あの存在も跡形もなく消えた。
俺はただ立って、胸の中のざわつきを押し込む。あの瞬間、言葉を発する暇すら与えずに終わらせた自分に、変な満足が湧く。正義感? いや、もっと単純なものだ。危ないやつが一つ減った。それでいい。
星の精が一匹、俺の隣でちょこんと光る。顔と思われる機関がほんの少し傾く。奴の仕草は、どこか慰めみたいなものを含んでいる。
「行くぞ」って心の中で呟くだけで、路地の空気がまた動き出す。俺は肩をすくめて、いつもの帰り道に戻った。
ちなみに、インスマスの混血種ってやつは――普通に街で暮らしてる。一緒にスーパーで買い物してたり、バイトしてたり。悪い奴らじゃない。だが、こういう“介入”は時々、無情な結末を生む。しょうがない。ドンマイ、って感じだ。
夕焼けが街を赤く染める。俺はコンビニで弁当を買って、家へ帰る。猫を撫でるみたいに、星の精の頭を軽く撫でてやる。光が伝わって、指先がちょっと温かい。
普通の帰り道。明日はテストだ。明後日は部活の大会だ。普通を守るために、俺は今日も動いてる――それで多分、いいんだ。